2016/04/30 - 2016/05/01
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chekimanさん
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南インドの片隅の小さなチャイ屋にその写真は飾ってあった。
若かった頃の店主が緊張した面持ちで、笑顔の白人男性と並んでいた。
なぜか、その写真は旅人の想像力を掻き立てると言う。
その写真の話しを聞いた時、僕が思い出したのは、映画「タイタニック」のヒロインがいつも持ち歩いていた沢山の写真。
そこには彼女の素晴らしい人生が写っていた。
チェンライを再訪しようと思ったのは、彼らに写真を届けるため。
僕が遺してきた写真はどんな物語を語るのだろうか?
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 3.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
朝の9時半、ナックナカラホテルにチェックインをした。
しかし、フロントに彼女の姿は無かった。 -
お目当ての人に再会できる確率が低いことは知っていた。
僕が期待しているほど相手の関心が高く無いとも知っている。
もちろん、例外があることも知っている。
再会した時の喜びを知っているから、僕は再び同じ場所を訪れる。 -
2度目の街は地図を見ずに歩ける。
始めに向かったのは、プーチーファーとトレッキングのツアーに参加した旅行代理店だった。 -
日本人女性が経営している旅行代理店だったが、彼女は不在だった。
留守番の女性にラフ族の村の人たちの写真を渡した。 -
ホテル、旅行代理店と2連敗だが気にしない。
“こんなものさ。” と思う。 -
前夜は空港泊で睡眠不足だったこともあり、ホテルのプールで、ゆっくり過ごすことも考えたが、一か所ぐらい観光地に行っておこうと思いバスに乗った。
-
ホテルに戻った後、プールで日本人のカップルに出会った。
彼らはワットロンクンに興味があるらしく、僕に感想を訊いてきた。 -
「一人で行ったので、寺自体はそんなに面白く無かった。ああいう場所は感想を言い合える相手が欲しいですよね。」
-
僕はありきたりの建物を見るだけでは楽しめなくなっていた。
ワットロンクンも、散々写真を見ていたので新鮮見が無く、僕の中では既にありきたりの建物になっていた。
楽しいと思うには、誰かと関わりが必要だった。
ホテルのプールで彼らとの話題に出来たことがワットロンクンに行った成果だった。 -
海外で日本人に会えば、なるべく声を掛けることにしている。
残念な対応をされることもあるが、彼らのような感じの良いカップルに出会うこともある。 -
チェンライに戻りカフェに寄った。
-
店内にはアンティークな食器棚があり、ガラス製品が飾られていた。
天使のフチ子を仲間にして貰いたかったが断られてしまった。
でも、気にしない。 -
ナイトマーケットでは、前回と同じ場所で、鶏の照り焼きを売っていた。
カタコトの日本語が話せる女性は不在だった。
“しょせん、こんなものさ” と強がりながら写真を置いてきた。 -
雨が降ってきたのでナイトマーケットの散策を中断して、レストランへ入った。
-
彼はいたが、印象がまるで違っていた。
女性的な優しさを備えた青年だったはずだが、真っ黒に日焼けしていて野性的になっていた。 -
写真を渡したが彼の反応はクールだった。
だけど、奥に引っ込んだ彼は仕事仲間の女性たちに写真を見せていた。
僕は、それだけで十分だった。 -
雨はどんどん本降りになってきた。
僕は雨宿りがてら、日本にいる人たちへのメールを書いていた。
-
僕の頭の中では、清志郎が歌っていた。
♪♪♪ 退屈なこの国に エア・メールが届く
おまえからのレター 遠くから とても遠くから ♪♪♪ -
ナイトマーケットの散策をそこそこにマッサージへ行った。
夕方、立ち寄った時に、彼女を呼んでおいてとリクエストしていた。 -
彼女はいなかった。
何回も電話をしたらしいが通じなかったらしい。
清志郎の哀しい声が頭の中で響いていた。
♪♪ いいことばかりはありゃしない ♪♪ -
マッサージが終わってホテルに戻ると彼女たちがいた。
女性3人に男性が2人、皆んな懐かしい顔ぶれだった。 -
写真を渡すと歓声が上がった。
歌舞伎揚げのお土産を渡すと笑顔が広がった。
それから、コップを持ってきて貰い、フチ子たちを並べた。 -
コップにぶら下がっている OLのフチ子、天使のフチ子、ふなっしー。
1個だけプレゼントすると言うと一斉に手が伸びてきた。
それから、みんなで写真を撮った。 -
部屋へ戻り、シャワーを浴びた。
ベットに入りスマホを見ると彼らからのメッセージが届いていた。 -
「日本からのプレゼントありがとう。」
「お菓子は美味しかった。」
「あなたへのプレゼントを用意していなくてごめんなさい。」 -
そんなメッセージのひとつひとつが嬉しかった。
-
ワットプラケオ内にある美術館、開館前だったがお兄さんが手招きしたので入ってみた。
-
館内の掃除を始めたお兄さんの邪魔をしないように見学をした。
-
ちょっとした特別扱いが嬉しかった。
-
ホテルのレストランには昨日のカップルがいた。
-
彼らは今日、チェンマイへ移動する。
僕はメーサロンに寄ってから行くので1日遅れになる。
僕たちは、「チェンマイで、また、会いましょう。」と挨拶をして別れた。 -
だけど、旅先での再会は奇蹟のように難しいことを僕は知っている。
そして、その奇蹟が素晴らしい思い出になることも知っている。
だから、僕は旅を続ける。 -
僕はチェンライに写真を届けに来た。
僕はその代わりにローズ.ドーソンのように人生を彩る新しい写真を手に入れた。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- tomyさん 2016/06/01 12:55:39
- ゆめ
- 創造の世界はうつくしくもあり、むなしさもある。
-
- fuzzさん 2016/05/30 20:20:49
- 奇蹟っすよね。ホントに。
- こんばんは。
先程、オラほのパソコンが勝手にウィンドウズ10になってしまったfuzzです。
フォートラを見てる最中にインストールが勝手に始まって・・・
まあそんな事はどうでもよいのですが(笑)
旅先で会った人にもう一度会えるって事は本当に奇蹟なのでしょうね。
私は一度もないです。
例えば、母との旅行は毎回の様に阪急交通社の添乗員同行ツアーで行くのですが
同じ添乗員に当たった事すら一度もないです。
添乗員さんにこの質問を聞いてみた所、「結構ありますよ〜」と言われましたが
私は本当に一度もありません。
でも一緒に旅をした人たちの事は忘れません。相手は覚えているのかな?
インドへ行った時に関わりを持った人達の事で悲しくなったりしたけど、
相手は私の事なんか覚えていないと書込みに書かれたこともありました。
チェキマンさんの海外旅行の一番の楽しみって何ですか。
私は人との関わりだと思って拝見していますよ(^ω^)
fuzz
- chekimanさん からの返信 2016/05/30 22:17:21
- RE: 奇蹟っすよね。ホントに。
- こんばんは
“奇蹟”と書いておいて何なんですが、旅先で出会った人とフェイスブックの友だちになっておくと、再会は簡単なんですよね。
友だちになるには、それなりの段取りが必要で、相手が日本人だとハードルが高くなります。
FBを通じて、彼らの近況も判りますし、僕が投稿すると彼らから反応があります。
チェンライのホテルのスタッフとの再会もFBのおかげです。
僕とfuzzさんが知り合いになったのもインターネットのおかげですし、余計なバージョンアップすることもあるかも知れませんが、マイクロソフトが僕たちに与えてくれた恩恵は大きいと思っています。
僕は、一生忘れることのない出会いをしたいですし、相手にも僕のことも忘れないでいて欲しいと思っています。
そういう出会いが海外旅行での楽しみです。
fuzzのお便りを拝見していたら、佐野元春の歌が聞こえてきました。
♪つまらない大人にはなりたくない♪
-
- まむーとさん 2016/05/30 10:01:03
- チェンライのカフェとフチコさん。
- chekimanさん、こんにちは!
chekimanさんは芸術関係か文学関係に関係があるのかなと、文章がとても素敵です。
フチコさんと素敵なカフェはミスマッチ。
でもchekimanさんの撮ったカフェとフチコさんは不思議ととっても合っていて、カフェのイタズラ天使的にも見えます。
断られたとの事。致し方ないですね。
写真のプレゼントにしても、すごく喜んでくれる人とそうでない人。
日本でも、お土産を渡すとそんな時があります。(とくに会社)
プレゼントは、高度なコミニケーションだと最近私は思うのでした。
- chekimanさん からの返信 2016/05/30 19:34:25
- プレゼントの理由
- まむーとさん、こんにちは
芸術と文学に関係しているとすれば、子どもの頃から、本を読んだり、音楽を聴いたり、映画を見たりすることが好きなことです。
そういうものが、自分の中に蓄積されていて、知らないうちに文章に影響していると考えると楽しいですね。
カフェで残念だったことは、フチ子を拒否されたことでは無くて、お店の人と親しく慣れなかったことです。
フチ子をきっかけに会話したり、写真を撮ったりが始まっていれば、それが思い出になっていたはずです。
「いらない」と言われた時から、ただのお店の人になってしまいました。
そこで、もう一押し、何かをすれば展開は変わっていたでしょうけど、自分でゲームオーバーにしてしまいました。
それでも、この日は幸せな気分で寝ることが出来たので、僕にとっては最良の日でした。
chekiman
- chekimanさん からの返信 2016/05/30 19:34:31
- プレゼントの理由
- まむーとさん、こんにちは
芸術と文学に関係しているとすれば、子どもの頃から、本を読んだり、音楽を聴いたり、映画を見たりすることが好きなことです。
そういうものが、自分の中に蓄積されていて、知らないうちに文章に影響していると考えると楽しいですね。
カフェで残念だったことは、フチ子を拒否されたことでは無くて、お店の人と親しく慣れなかったことです。
フチ子をきっかけに会話したり、写真を撮ったりが始まっていれば、それが思い出になっていたはずです。
「いらない」と言われた時から、ただのお店の人になってしまいました。
そこで、もう一押し、何かをすれば展開は変わっていたでしょうけど、自分でゲームオーバーにしてしまいました。
それでも、この日は幸せな気分で寝ることが出来たので、僕にとっては最良の日でした。
chekiman
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