1曲目“スローバラード”、深夜のドン・ムアン空港で

2016/04/29 - 2016/04/30

突然、10代の時に聴いたあの曲が蘇ってきた。
あの頃の思い出とともに......

高校2年前の夏休み、僕らは信州旅行を計画した。
台風が近づいていたが、僕らは夜行列車に乗る為に上野駅に向かった。

案の定、列車は運休となった。
家に帰ることも出来たが、僕らは駅の構内で一晩過ごすことを選んだ。

台風の夜に駅で寝ること。
それだけのことだったが、僕らにとってはワクワクする冒険だった。

その気持ちは今でも変わらなかった。
50歳になって、生まれて初めての空港泊。
あの頃と同じだ。

♪ 悪い予感のかけらもないさ ♪

エリア バンコク(タイ)

• 旅行の満足度: 4.0
• グルメ: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 航空会社: エアアジア
• 旅行の手配内容: 個別手配

成田空港のとんかつ屋で、出発までを振り返った。

医師から診断書を貰って、エアアジアのチケットをキャンセルするつもりだったのに......

完全に諦めていたタイへ行くことになった。
これが10日前のことだった。

気分が乗らない。
行きたい所が思いつかない。

そんな時、あるトラベラーの方から、リハビリのつもりで行ってきたらとアドバイスを貰った。

それが、きっかけとなり、旅のプランが決まった。

まずは、チェンライで一泊。
2度目の街は安心して歩くことが出来る。

5か月前のタイ旅行では、チェンライしか滞在していない。
今回は、チェンライからメーサロンを経由してチェンマイへ行くことにしよう。

朝の5時、いつもの時間にスマホの電源を入れた。
そこには「また、チェンライに来るのね？」とメッセージが画面に映っていた。

そう、昨日の晩、Agodaでチェンライのホテルを予約をしていた。

ホテルのスタッフからのメッセージが僕の気分をほぐしてくれた。

ドンムアン空港に着いたが回想は続く。

1月に右肘を骨折した。
その闘病生活とリハビリの様子は前回のタイ旅行記に書いた。

沢山のトラベラーの方から励ましを頂いた。
その方たちに出発の報告をした。

優しいメッセージが次々と届いた。
メッセージを貰うごとにタイへの出発が待ち遠しくなっていた。

ドンムアン空港のイミグレで2人の女性を探した。

飛行機の隣の席は若い2人組みの女性だった。
外国語を話していたので、「サワディーカップ」と挨拶をした。
彼女たちは、首を振りながら、中国人だと言った。
日本で働いていて、バンコクへ遊びに行く所だった。

彼女たちは日本人旅行者と一緒のツアーだった。
タイ入国で、日本人はビサが免除されているが、中国人はアライバルビサを取らなければならない。

彼女たちはビサに時間が掛かっているうちに置いてけぼりになる事を心配していた。

若くて綺麗な中国人女性が隣にいるだけで、エアアジアの狭いシートも苦にならなかった。

イミグレで彼女たちに再会することは無かった。
今では、顔も声も思い出せない。

だけど、中国人女性に対する良い印象だけは心に残っている。

深夜の1時にドンムアン空港へ到着したが、7時20分発のチェンライ行きまで、空港で待機しなければならない。

僕は、空港泊を得意とするトラベラーに教わった展望ロビーに向かった。

そう、僕がこの旅行記を書いている今夜も、彼女はどこかの空港で寝ているに違いない。

展望ロビーには先客がいた。
先客は空港で働いている人たちも混じっているようだった。
ここは、静かに休める場所なのだろう。

硬いベンチに横たわり、目を閉じた。
次に気が着いた時は1時間が経っていた。
再び目を閉じると4時になっていた。
日本時間の6時だ。
普段ならば起きている時間なので、国内線のターミナル2へ移動することにした。

空港泊も悪くない。

チェンライへもエアアジアだ。
荷物を預け身軽になった。

ターミナル2には僕が仮眠したベンチよりも、寝心地が良さそうな椅子が並んでいた。

だけど、そんな事は気にならない。
空港で2時間寝られた事が重要だった。
僕にも空港泊が出来ることが判ったことで、旅の選択範囲が広がった事が嬉しかった。

ターミナル2には仮眠できる部屋もあった。
エアアジアの深夜着便は、今後も利用できそうだ。

朝食を食べたこの店は4日後の帰国時には店じまいをしていた。

チェンライのホテルのスタッフからメッセージが届いた。

"See you soon"

前回の旅行で撮影した写真をプリントした。
歌舞伎揚げとハッピーターンを用意した。
コップのフチ子と天使のフチコップを用意した。
コップのふなっしーを用意した。
消せる蛍光ペンを用意した。

当然、チェキもある。
準備は万全だ。

あと少しでチェンライ行きの搭乗時間だ。
骨折で中断していた僕の旅が再び始まる。

この旅行記へのコメント （6）

• fuzzさん 2016/05/19 09:11:02

  旅は楽しいと思う事が楽しくなる秘訣だな。

  chekimanさん、おはようございます。
  
  新作にお邪魔してます。
  
  空港泊。私も成田空港で以前したことがあります。
  
  第三ターミナルが出来る前のLCCに乗るために。
  
  LCCは成田空港の始発便で、始発の電車ではとうてい間に合わないので
  
  仕方なく夜中のバスで空港に行き、決められたエリアのベンチで仮眠しました。
  
  並びのベンチ席が２つだったので足を延ばして寝ることが出来ませんでした。
  
  欧米のバックパッカーは床に寝るのを得意としているのか？硬い床に寝てました。
  
  欧米人のバックパッカーが床に寝ていても、ビジュアルが美しくて路上生活者
  
  みたいな貧しさを感じないのが不思議ですね。
  
  chekimanさんの旅行記で、空港泊だって楽しいと思う事で楽しくなるって学びました。
  
  なんでも初めての体験はドキドキですよね。それを楽しいと思えることは素晴らしいです。
  
  fuzz

  chekimanさん からの返信 2016/05/19 18:28:13

  旅行記から影響を受けることも、旅を楽しむ秘訣だな。

  fuzzさん、こんにちは
  
  空港泊が楽しいと思えたのは、ある旅行記に出会ったからです。
  その旅行記では、空港泊が魅力的に書かれていました。
  
  4トラベルの良さには、旅の楽しみ方を伝えることがありますよね。
  僕は彼女から空港泊の楽しさを教わり、それをfuzzさんに伝えた。
  
  そうやって、空港泊の楽しさが沢山の人に伝わっていくことを想像するのも楽しいですね。
  
  chekiman

• dorothyさん 2016/05/16 22:04:59

  空港泊大成功ですね☆

  2時間でも眠れて良かったです。
  国内線のターミナル、仮眠できる所があるんですね。初めて知りました！値段にもよりますが今度チェックしてみます。
  
  ちょうど同じ頃に昆明空港で寝ていたdorothyより

  chekimanさん からの返信 2016/05/17 19:03:21

  おかげさまで！

  エアアジアのチケットを購入したときは空港泊は全く考えていなかったんですけど、dorothyさんがあまりにも楽しそうに泊まられているので、試してみることにしました。
  
  翌日の行動に影響を与えない程度には休めましたし、深夜から朝にかけての空港がoffからonに切り替わる独特の雰囲気を体験できたし、旅の選択肢が増えたこともあり、大成功でしたね。
  
  何より一番の収穫は、dorothyさんの空港泊をこれからは羨ましく思わないで済むことでしょうか。(笑)
  

• まむーとさん 2016/05/15 10:57:16

  展望ロビーの空港泊

  chekimanさん、こんにちは♪
  
  今年は骨折で大変でしたが、復活ですね。
  傷みと治療、お疲れ様でした。
  
  いつも芸術的な流れるような旅行記は音楽。
  スローバラードの中にワクワクとポカポカ暖かい旋律がありました。
  
  私はいつか空港泊をしてみたいです。
  展望ロビーの空港泊は、知る人ぞ知る場所そうなので治安が良さそうです。
  静けさがあるので変な物音を敏感に察知できますね。
  
  続きを楽しみにしています。
  

  chekimanさん からの返信 2016/05/15 13:50:05

  音楽のような旅行記、褒め過ぎです。でも、嬉しい！

  まむーとさん、こんにちは
  
  おかげさまで復活です。
  ありがとうございました。
  
  この旅行記を書いている間中、清志郎の歌声が頭の中で鳴り響いていました。
  音楽は、いつも身近にあり、旅と同じように人生に欠かせないものです。
  
  空港泊は楽しいですよ。
  旅をしているのを実感できるのがいいです。
  
  お子さんをボディガードにして、是非、まむーとさんも体験してみて下さい。
  
  chekiman