2016/04/11 - 2016/04/11
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ソウルの旅人さん
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常照皇寺について新しい知見も無いし、桜のシーズンは終わったばかりだし、紅葉には早過ぎるし(当たり前だろう)、来年の桜情報参考としては忘れるであろうし、特別な内容はありませんが、緩い気持ちで2016年春、京北(京丹波の表現のほうが好きです)のレポートです。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
いつもは周山街道(太秦−高雄−神護寺−高山寺−北山)から行きます。国道162号です。
今回は趣向を変えて国道423号で亀岡に出て、9号線を経由し、常照皇寺の前を走っている477号を行くルート設定をしました。
423号の山間にあった桜風景。走っている車からの写真で〜す。
春ウララ・・・・ラッタッタ、ラッタッタ。
助手席から「あなた、大丈夫」の声、あり。 -
9号線から477号線に入る亀岡市八木の交差点。簡単に右折すれば良さそうにみえますが、そうは問屋が卸さない。右折道は極端に狭く、表示板には直進も477号としてある。直進して少し行けば広い国道があると思いそのまま行ったが、どこまで行ってもそんな道は無い。5分程走って引き返し、この交差点を左折した。
本当にこれが477号線か? -
477号線でした。
これが国道に見えますか。(見えます)
しばらく走って字名「青戸」で道路工事の為、通行止めになっていた。案内役が立っており、迂回して下さいと言われる。その迂回路は要所要所に立て看板があり、大変判りやすかった。しかも、その迂回路になっている道は見事に整備されており、特に紅葉トンネルは国道477号線の百倍も立派だった。477の整備工事を止めて、この迂回路を国道にすればいいのに。 -
477号線沿いの字名「神吉」。
神吉にまた通行止めの表示があった。今回は係員もおらず迂回して下さいとの看板があるだけ。おっしゃる通りに迂回しました。道に迷った。
景色を見てる場合じゃない。 -
迂回路らしき道に入ったが、しだいに村落の細い道になって、どこを走っているのか皆目見当がつかない。
自慢じゃないが、私の車にはナビという不純なものは付いていない。北海道から九州まで日本国中、地図を見て何処でも行ってきた。どんなマイナーな地図に載っていない所も勘で見つけてきた。(自慢しとる!) -
迷って入り込んだ道は北山杉の林だった。道幅は車1台が通れるだけ、すれ違いも出来ない。対向車が来たらどうしよう。
助手席の君がナビ役をするものだ。「地図が読めない女・・・」というベストセラーがあったが、まったくその通りで、安物のナビよりもっと方向感覚が狂っており、使いものにならない。 -
植林の北山杉。雑木林ではない。きっちり整備され、手入れされている。道を迷ったことで、北山杉を見ることが出来た。幸運を喜ぶ。
助手席の君は「どこ走ってるか判ってるの?遅くなるわヨ」とアッケラカンとしている。
「うるさい、北山杉を見に来たんだ」 -
相当、広範囲に杉林が続いていた。道路も広くなって車も停めることが可能となった。府道363号線を走っていた。直進すれば、周山街道の細野に出る。チョット不安であったが、よかった、よかった。
役に立たない助手席の君であるが、今まで1人では旅行をしたことがない。
一人旅行が出来ない。独立独歩一人で人生を歩んできたのに、旅行には話
相手が居ないと寂しい。
心から一人旅行をされる人々をリスペクトします。 -
周山街道に出れば、あとは眼をとじていても行ける。
久しぶりに来ました常照皇寺。
桂川が流れ、山陵橋が架かり、京丹波の優しい山並みが列なり、桜が咲き、お寺は山麓にひっそり隠れている。『日本の春』です。
紋切り型。もう少し、オリジナルな紹介ができんのか。 -
途中、大変な目に遭った国道477号線で〜す。
国道は橋を渡って右に曲がります。常照皇寺は正面にみえる参道の奥です。参道とはいえ、門前市をなしておりません。4月初めに行った身延山の参道は延々商店街であったことが思い出されます。俗界に汚れていない山里。
これまた都会人が好きな陳腐な常套的表現。 -
駐車場前にあるしだれ桜。満開。
桂川沿いの桜も満開だった。お寺の宝物である“九重桜”は最高に美しいであろうと期待が膨らむ。
見た目だけでは、寺院内の三名桜木(九重桜・左近の桜・御車返しの桜)より美しい。といった憎まれ口は駄目。 -
山門
“山寺”です。倒れかけたように見える山門、清掃された道、遠方に見えるもう一つの門、思いっきり質朴な山寺です。門から入って真っ直ぐ進みます。
右側に逸れている道があります。何の道か?。
念のために書いておきますが、三門ではない。三門などと捻った門ではない。
平凡過ぎるって。そうなんです。日本人なら(もしかしたら日本人でなくても)誰でも同じような印象を持つお寺なので、これ以外に書きようがない。 -
山門から勅額門への道
参拝者の為に掃き清められた通路、その両側に散る落葉、天国への門に見える正面の正方形の空間、心を引き締めて一段一段上って行くのです。
お参りする人々に負担をかけないこの階段の傾斜を身延山に見せてやりたい。意味は私の旅行記「富士と桜とお祭り」その2を参照のこと。 -
勅額門
開山の光厳天皇の扁額がかかっている門。静かな山里にひっそり建っています。
20年前は確かにそうだったが、5〜6年前頃は桜のシーズンには観光バスがひっきりなしに駐車場に並び、ひっそりどころではなくなった。そういえば、今日あたりツアー客で一杯でもおかしくないのに、えらく静かだ。さっき一台だけ観光バスが駐車場から出て行った。乗用車の駐車台数も少ない。ひょっとして一時のブームは過ぎたのか。 -
扁額
光厳天皇はどんな人なのか?
天皇が引退して寺に入る場合でも嵯峨野や小倉山あたりの大寺院が当然であった。当時(14世紀)にあっては、遙かな山奥であったろうに、なぜこんな所まで引っ込んだのか?
論語からだそうですが、意味も分りませんし、習字は大の苦手だったので文字も判りません。何となく品があるようで、ちょっと弱々しい。(判らないといいながら、印象批評だけはする) -
勅使門
勅額門を入るとすぐ正面にある。
苔むす石段。勅使門という名前だけでも特別な因縁を感じさせてくれる。
有名画家、有名作家が姿・彫刻・作りを褒め称えた門である。素晴らしい作りなのであろう。きっとそうなのだろうが、それよりこの門は本当に使用されたことがあるのだろうか。勅使は何時来たのか。
擁壁の倒壊防止用のつっかえ棒が痛々しい。 -
書院
寺院への入口。この建物も風情がある。京都市内の禅寺とよく似ているのは当然か。
入山料は300〜500円。普段は無人なので、置いておくだけである。
本日は受付がいらっしゃった。300円であった。
入山料が馬鹿高い京都市内の有名寺院は最近はまったく行かない。
高すぎるのは困ったものだが、決まっていないのも戸惑う。私は今まで500円払ってきました。(本当ですよ。信じて) -
御車返しの桜1
すぐに桜の庭に向かう。
・・・・・。言葉がでない。散ってしまった。 -
御車返しの桜2
一番遅くに咲く桜が散ってしまった。
しかしそうではなかった。一見散ったように見えるが、よくよく見ると、未だ咲いていないのだ。1分咲き程度か。 -
御車返しの桜3
蕾が沢山ある。後に調べると、16日に満開であったとレポートされていた。
そういえば、常照皇寺の3つの桜は満開時期が異なるので、同時に見ることは出来ない。
いつも、天然記念物“九重桜”の満開にあわせて来るんです。どうりで、この桜の満開は見たことがない。(そんなこと言新しく書くな) -
左近の桜1
散ってます。
御所から株分けした(と言われているらしい)桜です。
これを見に来た訳ではありません。 -
左近の桜2
散ってはいますが、堂々とした貫禄のある桜です。
繰り返しますが、この桜が目的ではない。 -
九重桜1
満開の姿をみせてくれるのか。 -
九重桜2
満開ではなかった。
ソメイヨシノのような毒々しいピンクではなく、上品で淡い桃色の桜です。 -
九重桜3
残念ながら葉桜寸前。
実は実は、この桜を見に来たのでは無い。三名桜木すべてを見たのに、それでは何を見に来たのだ。 -
600年以上も花を咲かせてきたこの櫻を見に来たのです。
明智光秀がこの地を平定するのを見てきた櫻である。
樹木としての形態は崩れかかり、太い幹に僅かな枝を伸ばすだけであるが、生命の魂が宿っている。
ソウルを探す旅人に今年も見事な花を見せてくれた。
満開。 -
奥に写っているのが、先ほど見た天然記念物の石碑が建っていた“九重桜”であるが、この櫻はその親木である。子桜が九重桜とされているが、この親木が圧倒的存在感を誇っている。私にとってはこの櫻こそ“九重櫻”である。
-
この姿です。
600年以上を経た生命の輝き。
生命力の実存が証明する美しさ。 -
見事に満開の花を咲かせています。美しい。
この花が常照皇寺の“櫻”なのです。 -
天気は晴れ。穏やかな春の昼下がりに、じっと古櫻を見ていると、少し風が吹いてきて、桜が散りだした。
あ〜あ〜、と思う間もなく、急速に風が強くなった。 -
一陣の強風が吹き込んできた。風に吹かれて舞う花吹雪。
650年前の“九重櫻の精”が舞い降りてきた。
一瞬の精華。 -
時空の転換。
-
風はすぐに止み、青空が回復し、現世に戻った。
何が起こったのかも分らず、立ち竦んでいた。
そうだ、“九重櫻の精”が降臨して、私の前に姿をみせてくれたに違いない。
『我は見たり。いと深きものの姿を』 -
常照皇寺は桜だけのお寺ではありません。
歴史と佇まいが見事な調和をみせているお寺です。
方丈です。 -
書院から方丈へ
簡素で質朴。抹香のにおいがまったくしない。お寺であることを忘れる。そんなお寺です。 -
方丈
あらゆる方向に向けて開放されている。この開け放たれた空間が、光厳天皇の精神か。 -
方丈から怡雲庵(開山堂)への渡り廊下。
いい雰囲気と感嘆の声をあげる場所。
怡雲庵は今回はカット。 -
方丈庭園
桜が咲いていた正面の庭ではなく、裏側(山側)にあります。 -
方丈庭園
完璧に整った市内有名庭園に較べると、残念ながら・・・であるが、山里で秀麗な庭園を見る必要もない。
お寺の裏山は光厳天皇の散歩道だった。その散歩道は周遊出来るように整備されている。6年前の5月にその道を辿ってみたが、京丹波の新緑に眼を瞠るおもいであった。 -
ここからは日本史の勉強です
書院から方丈へ渡る廊下壁面にこのような系統図が掲げてある。
時代は14世紀前半。
右側は持明院統(北朝)、左側は大覚寺統(南朝)
右側中央に光厳天皇があり、左側中程に後醍醐天皇が書かれいます。そして右肩に九六と天皇代数が記載されていますが、光厳には(開山)と記載されているだけです。光厳は間違いなく第97代天皇位を継いでいますが、歴代天皇の内には含まれていません。97代後村上・98代長慶・99代後亀山と南朝が続き、後小松になって北朝に帰ってきて、100代天皇となり、その後102代の後花園にいたって光厳の直系に戻るのです。その後、幾多の変遷がありますが、基本的には光厳直系が位を継いでゆきます。 -
光厳天皇肖像画
方丈に何気なく掛かっていました。いつも公開されているのでしょうが、私は初めて実物をみました。名著と言われる佐藤進一著『日本の歴史9 南北朝の動乱』に光厳天皇の肖像画として掲載されており、是非見たいものと思ってきた。寺宝として一般には公開しないと思っていただけに、それがあっさり見ることが出来、嬉しくもあり、驚きもした。しかも、撮影できるのだから、一層の喜びである。
日本のお寺ががらくたまで寺宝として秘密にしているのに較べ、常照皇寺の姿勢がいかに素晴らしいか。 -
このお姿をどのように解釈できるのでしょうか。
助手席の君は「イケメン」と明晰に即物的に判定した。
数多くの日本の肖像画の中でも気品と品格は最上でしょう。
佐藤進一はこう述べている。
「持明院統の正嫡に生まれたことが、歴史の波に翻弄される彼の運命を決定づけたといってよく、・・・」
歴史の波に翻弄される人生を送った人の顔であろうか。 -
歴史に翻弄されながら、恨みも悲しみも怒りもなく、さりとて悟りをひらいているでもなく、ただ自然に静かです。
傲慢な後醍醐天皇、喜怒哀楽が表れる高僧の夢窓疎石など同時代人の肖像画と異なり、なにも読取れません。 -
お寺の横にある御陵に行く階段です。
-
光厳天皇と後花園天皇の御陵です。
後花園天皇は光厳の直系になる。そのためにここに御陵ができたのでしょう。 -
御陵から見た左近の桜
-
山門に入る手前に右手に逸れる道がありました。御陵に直接上がる道です。この道はいつも帰り道に利用しますが、初めて来た時は一面の苔むした神々しい道だったので、歩くことが躊躇われた。
この道は是非一度歩いてみてください。 -
駐車場の横にテントを張った臨時の売店があった。(前回来た時にもあった)そこで買ったよもぎ餅が本日の昼食です。
最後に助手席の君の登場
「5年前に買ったよもぎ餅はずっしり重く、よもぎの香りがぷんぷんした。こんなシールも貼ってなかった。ほんとの手作りだったのに、市販と同じよもぎ餅に変ってる。それを食べる為に来たのに、残念。残念。」
よもぎ餅が目的だったのか!!
帰り道は花脊峠から鞍馬にでるもよし、久多を通って鯖街道に出ることも出来るが、本日はいろいろありすぎたので、最短の周山街道を引き返した。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 熟年ドラゴンさん 2016/04/28 01:07:22
- いいお寺ですね。
- 表紙のコメント、2016年の春の間違いですね?
1枚目の車窓からの写真はピント合ってませんね。わざとですか?
国道477号は曲がりくねった道ですね。間違えた府道363号は国道162号に出て結局大した遠回りではなかったのですね。
駐車場にあるしだれ桜が一番きれいみたいですね。写真では一番です。
扁額の「高弥之仰」は「これをあおげば いよいよたかし」という一番弟子の顔淵が師を讃えた一節の最初だそうです。論語にはちょっと詳しいつもりのドラゴンでしたが知りませんでした。
八重桜は知っていましたが九重桜は知りませんでした。まさか「いにしえの奈良の都の八重桜 けふ九重ににほひぬるかな」は奈良では八重桜、京都では九重桜という訳ではないですよね。樹齢600年の木は見応えありです。
時々登場の「助手席の君」がアクセントで長さを感じさせない旅行記でした。
来年は私も見に行ってみます。
- ソウルの旅人さん からの返信 2016/04/28 16:27:31
- RE: 時を忘れる
- > 2016年に修正致しました。最近、時を忘れることしばしばです。
1枚目のピントの合っていない写真は助手席の仕業です。走行途中は助手席が写真を撮るのですが、今回も100枚も撮って使えたのは3枚だけです。まったくの偶然ですが、マネかモネかセザンヌにこのような色彩の絵がなかったですか?印象派らしい感じがして選んだのですが。
表紙の写真は気に入って待ち受け画面にしてます。本文では桂川であることがわかるように京都市の看板を入れましたので興醒めですが、このあたりの景観はグッドです。
実際の樹齢が本当に650年かどうかはしりませんが、この櫻の存在感には一度触れてみて価値があります。
花吹雪の写真は拡大して見てください。創作ではありません。本当の経験です。
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