マレーシア滞在中の週末、マレーシア最古の都市マラッカ（メラカ）を訪れた。クアラルンプールから車で約1時間半、マレーシアでユネスコ世界遺産に登録されている4ヶ所のうち、最もクアラルンプールに近い。東西交通の要衝マラッカ海峡に面する港湾都市で、歴史的な都市景観を有すると同時に、サンチャゴ砦など小高い丘からマラッカ海峡を一望できる。また、マラッカ海峡は、スエズ運河、パナマ運河、ホルムズ海峡と並ぶ重要な航路であり、日本にとって原油輸送の生命線でもある。<br /><br />その海運上の重要性からマラッカ王朝は、常に諸外国の脅威にさらされる。1405年には明の永楽帝と朝貢貿易を通じ明国との同盟を強化した。マラッカ王国は1414年頃イスラム化し、香辛料貿易の拠点となった。1511年、この地はポルトガルに征服された。この時代に建設されたサンチャゴ砦やセント・ポール教会は現存しており、イエズス会のフランシスコ・ザビエルはここから東アジア布教に出発している。続いて1641年にはオランダに占領され、マレー半島で産する錫などを輸出する拠点港となった。<br /><br />しかし1824年には英蘭協約でイギリスに譲渡され、1826年にはイギリスのトーマス・ラッフルズは拠点をシンガポールに置いたため、マラッカは衰退した。1941年から1945年の太平洋戦争終了まで日本に占領され統治された。終戦後のイギリスが再び植民地としたが、独立の機運が高まり、1956年にラーマン・マラヤ連邦首相がマラッカでマラヤ連邦の独立を宣言、1957年に独立国となった。<br /><br />港湾都市として発達を遂げたマレーシア最古の都マラッカを散策した。市の中心は朱色の建物が立ち並ぶオランダ広場であり、ムラカ・キリスト教会が印象的だ。その南側の小高い丘の上には、サンチャゴ砦とセント・ポール教会が残る。この砦から海運の要衝マラッカ海峡が一望できる。また、オランダ広場から北西に歩いてマラッカ川の橋を渡るとチャイナタウンとなり、チェン・ロック通り沿いに中華レストランや土産物屋が並び、華僑の存在感をアピールしている。<br /><br />観光地としては地味なマレーシアであるが、老後を過ごす移住先として常にトップを争っている。物価が安く、気候が温暖で、治安が良く犯罪率が低い、親日的で反日感情が少ない、などが理由に挙げられている。今年はこの国に長期に滞在することになるので、先を見据えて？じっくり付き合ってみようと思う。

マレーシアの世界遺産No.1 ：マラッカ海峡の歴史的都市マラッカを歩く

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2016/03/12 - 2016/03/12

214位(同エリア1250件中)

#世界遺産

ハンクさん

マレーシア滞在中の週末、マレーシア最古の都市マラッカ（メラカ）を訪れた。クアラルンプールから車で約1時間半、マレーシアでユネスコ世界遺産に登録されている4ヶ所のうち、最もクアラルンプールに近い。東西交通の要衝マラッカ海峡に面する港湾都市で、歴史的な都市景観を有すると同時に、サンチャゴ砦など小高い丘からマラッカ海峡を一望できる。また、マラッカ海峡は、スエズ運河、パナマ運河、ホルムズ海峡と並ぶ重要な航路であり、日本にとって原油輸送の生命線でもある。

その海運上の重要性からマラッカ王朝は、常に諸外国の脅威にさらされる。1405年には明の永楽帝と朝貢貿易を通じ明国との同盟を強化した。マラッカ王国は1414年頃イスラム化し、香辛料貿易の拠点となった。1511年、この地はポルトガルに征服された。この時代に建設されたサンチャゴ砦やセント・ポール教会は現存しており、イエズス会のフランシスコ・ザビエルはここから東アジア布教に出発している。続いて1641年にはオランダに占領され、マレー半島で産する錫などを輸出する拠点港となった。

しかし1824年には英蘭協約でイギリスに譲渡され、1826年にはイギリスのトーマス・ラッフルズは拠点をシンガポールに置いたため、マラッカは衰退した。1941年から1945年の太平洋戦争終了まで日本に占領され統治された。終戦後のイギリスが再び植民地としたが、独立の機運が高まり、1956年にラーマン・マラヤ連邦首相がマラッカでマラヤ連邦の独立を宣言、1957年に独立国となった。

港湾都市として発達を遂げたマレーシア最古の都マラッカを散策した。市の中心は朱色の建物が立ち並ぶオランダ広場であり、ムラカ・キリスト教会が印象的だ。その南側の小高い丘の上には、サンチャゴ砦とセント・ポール教会が残る。この砦から海運の要衝マラッカ海峡が一望できる。また、オランダ広場から北西に歩いてマラッカ川の橋を渡るとチャイナタウンとなり、チェン・ロック通り沿いに中華レストランや土産物屋が並び、華僑の存在感をアピールしている。

観光地としては地味なマレーシアであるが、老後を過ごす移住先として常にトップを争っている。物価が安く、気候が温暖で、治安が良く犯罪率が低い、親日的で反日感情が少ない、などが理由に挙げられている。今年はこの国に長期に滞在することになるので、先を見据えて？じっくり付き合ってみようと思う。