美山かやぶきの里と京北への道

2015/04/13 - 2015/05/08

美山の茅葺の里はとにかく行きづらい。特に東国の者にとっては、幾重にも層をなしてそびえる山々を越えていかなくてはならない。それでもはるばると美山の集落にたどり着くと、いいことを成し遂げたという気分になる。
東国から美山をたずねる旅の旅行記を書いてみた。

エリア 南丹(京都)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 自家用車

すっかり有名になった「かやぶきの里」、美山。

観光地と化しているのはまちがいない。広い駐車場が整備され、観光バスが列を作って訪れる。外国人の旅行者も多く、中国語も飛び交っている。
茅葺屋根の家は生活する場ではなく、見せる資源となっている。

それでも、カーブを曲がって茅葺の集落が見えてきたとき、桃源郷か！と一瞬思い、心臓が縮む思いがした。
　
美山ということを知らず偶然ここを訪れたら、そして観光バスがとまっていなかったら、まちがいなく感動で立ちすくんでいただろう。

かやぶきの里北集落 名所・史跡

美山に行くには京都の福王子から周山街道を北上するルートが一般的だが、東国の人間が京都の町中を通らず、小浜経由の遠回りもせずに行こうとするとルートは二つしかない。

そのうちのひとつが国道477号線。湖西の途中峠の先から山間路に入る。
隘路をやっと抜けて最初の集落が百井。案外しゃれている。民家も山間のひなびた感じはなく、立派なもの。やはり京だからか。

百井峠。

険しいけれど、北山杉がすばらしい。一度走ってみたい道路。

花背峠を越えたところにある別所の集落。

白洲正子さんが、「そこから下った所に、別所という絵のように美しい村があらわれた。」（かくれ里）と書いている。

ここからは道も良くなる。
写真は京北下黒田町の集落。常照皇寺が近い。

もうひとつのルートは、湖西の北の朽木から国道367号を南下し、梅ノ木町から滋賀県道783号に入るルート。久多の集落を通り、京都府道110号を広河原へ出る。この道はさらに険路で、ほんとうに苦労させられた。
　
写真は久多の集落。

広河原から佐々里峠を抜けると道路も広くなり、山間の集落とは思えないような明るい佐々里の集落に出る。

ここから茅葺屋根のある美山の北集落までは、ぽつぽつ茅葺屋根の家もあるが、ほとんど古い家はなく、むしろ垢抜けた明るささえある。
　
田歌の集落

かやぶきの里の手前に位置する中集落

ついでながら、美山から県道12号を西に走ったところにある大野ダム周辺は桜が見事で、もう盛りがすぎた季節だったが、満開の頃は全山桜でどんなにすごいものか。

大野ダム 名所・史跡