2015/10/31 - 2015/11/08
120位(同エリア386件中)
クリスさん
アブルッツォ州ペスカラ県にあるサン・クレメンテ・カサウリア修道院は、ローマ−ペスカラ間を結ぶ高速道路E80号線のインターチェンジ近くに位置している。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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サンタ・マリア・アラボーナからは西に18km。高速E80号をトーレ・デ・パセリ(Torre de Passeri)で降り、パセリの町とは反対方向に行くと直に着く。
駐車場からは塀と林に囲まれて修道院の全容は見えない。 -
カステリオーネ・ア・カサウリアはこの土地の名前。教皇クレメント1世=聖クレメントに献堂されたので、サン・クレメンテ・ア・カステリオーネ・ア・カサウリア。省略してサン・クレメンテ・カサウリアとも呼ばれている。
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古代にジュピターの神殿があっという話があり、カサウリア(Casauria)の地名は「Casa Aurea(黄金の家)」または「Casa Urii(ウリイの家)」から転じた物だという。
教会は修道院の付属教会である。横に修道院の建物があるので敷地が広い。 -
3ポータルのアーチのかかった玄関口には堀の深い柱頭彫刻が多数ある。
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設立は871年。
時の神聖ローマ皇帝ルドヴィコ2世、カール大帝の息子、ルイ2世。またの名をルードヴィッヒ敬虔王が、イタリア親征にあたって、この地に教会を建てさせた。 -
正面のタンパンは敬虔王が、クレメントの聖遺骸をこの地に移すにあたっての縁起を元に彫られたという。
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側柱とブロンズ製の扉。どちらも12世紀の物だ。
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柱頭彫刻にあるセイレーンの像。
セイレーンはギリシア神話に登場する妖精である。ギリシア神話の中では人頭に鳥の身体をもつ妖精として描かれたが、中世期に誤訳により人魚のように描かれる事が多くなった。 -
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右側の扉口ルネットにある聖ミカエルの像。
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左側(向かって右)には聖母子。
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右身廊から内部に入る。角形の列柱と木製天井が目につく。
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中央には12世紀の説教壇とイースター蝋燭台。
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この教会は、920年にサラセン人の襲撃、1076年にノルマン人による破壊されたが、12世紀に再建された。
2009年のアクイラ地震でも損傷を受けたが、2011年に修復完成を見ている。
イタリアの国家的記念建築として、修復の優先度が高かった事がうかがえる。 -
イースター燭台には、コズマ模様の施された装飾。
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装飾彫刻のクオリティの高さに驚くが、この説教壇は今回の旅行中に見た中では最高の物ではなかろうか。
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この教会は、ペスカラ生まれの詩人ガブリエーレ・ダンヌンツィオ(Gabriele D'Annunzio)も絶賛したという。
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後陣にある天蓋。
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天蓋上部の彫刻。天蓋は15世紀の物。
オリジナルは、1348年にこの地を襲った地震によって損壊、その後のものだという。 -
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祭壇として使われているのは、初期キリスト教時代の石棺だという。
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天蓋の天井を支える柱頭にも、素晴らしい彫り物。
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後陣横の階段からクリプタに降りる。
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クリプト内部は12世紀の物で、短い柱と粗削りなアーチが目につく。
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奥に明り取りの窓が見えるが、この部分は9世紀の後陣跡がそのままクリプトに取り込まれた物だという。
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タベルナーコロ(Tabernacolo)は小さいが、ガラスケースいりだ。この彫刻も素晴らしい。
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内部の見学を終えて修道院の中庭に出る。
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側身廊の上部。ロンバルデイア帯の見えるあちらこちに奇妙な彫刻が垣間見える。
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ここには、修道院で作っている葡萄棚がある。
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単塔アプスの後陣。
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この軒送りの彫刻も面白い。
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