アブルッツォ州とモリーゼ州の旅　ロッカ・カラーショ（Rocca Calascio）

2015/10/31 - 2015/11/08

2015年の秋、アブルッツォ州を中心にレンタカーで周遊した。
11月1日日曜日のこの日は、行程第２日目になる。
ラッツィオ州とアブルッツォ州にまたがる大きな国立公園であるグラン・サッソ・エ・モンティ・デッラ・ラガ国立公園（Parco Nazionale del Gran Sasso e Monti della Laga）の観光から始める事とした。

エリア イタリア

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ショッピング: 1.0
• 交通: 2.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

サント・ステーファノ・ディ・セッサーニオ(Santo Stefano di Sessanio)の遠景。
この村のホテル、レジデンツ・イル・パラッツォ（Residence Il Palazzo）には２泊したので、11月1日は、グラン・サッソ・エ・モンティ・デッラ・ラガ国立公園内の観光名所を周遊するルートを走破する。

サント・ステーファノ・ディ・セッサーニオから６km、東に走らせるとカラーショ（Calascio）の村に着く。この村も、２００９年のアクイラ地震の被害を受けており、補修中の住宅や教会を目にすることができた。
その村の山手の道を、山頂を目指して更に車を走らせと見えてくるのが、下の写真の風景だ。

谷側を見下ろせば、カステル・デル・モンテ（Castel del Monte）の村が遠望できる。

こちらはカンポ・インペラトーレ周辺のグランサッソの山塊。ひと際高いのは最高峰のコルノ・グランデ(Corno Grande)。

この辺りはまだ城へのアクセスには遠いので、ロッカカラーショの集落近くの駐車場まで行く事とした。

ロッカカラーショの集落。集落の入り口に10台程の駐車スペースはあるが、夏の観光シーズンだと車を停めるのはかなり難しいと思われる。

ここからは徒歩でお城を目指す。

ロッカ・カラーショには数件の住宅があり、一部は山小屋として宿泊客も受け入れている。

ロッカ・カラーショの城塞、この地を襲った1703年の地震で廃城に至ったという。

この細い道を約500メートルほど歩くと城塞に着く。

城塞の基盤が構築されたのは11世紀。この城は、ナヴェッリ高原やティリーノ谷といった周辺地域のどの場所からも見る事ができ、周辺への危機を知らせる狼煙台として利用されていたという。また盗賊などの襲撃に対する緊急避難場としての役割も担っていたらしい。
この城もまた、1579年にサント・ステーファノ・ディ・セッサーニオ同様メデイチ家の所有するところとなった。

山道を登っていくと、ひとつの教会が見えてくる。サンタ・マリア・デッラ・ピエタ教会（chiesa di Santa Maria della Pietà）は地元民が、山賊集団に襲われたものの、かろうじて勝利した事への感謝として建造されたとの伝説がある。

鍵が閉まっていて、中は見れなかったが、教会は16,7世紀に建てられたルネサンス様式の八角形の建物で、内部には奇跡の聖母として描かれた絵と、聖ミカエルの像が安置されているとの事である。

更に上部に進むと、かって居住区画であった城郭後と城塞後が迫ってくる。衰退はそれ以前から始まっていたが、1703年の地震の際、残された住民は、現在のカラーショに移住し、それ以後廃墟となったいう。

この城は、映画「薔薇の名前」（1986年仏伊独合作）や「レディホーク」（1985年のアメリカ映画）のロケ地として知られている。

場内の見学は10月一杯で終了との事だが、見る事が出来ないのは、インフョメーション用の小さな部屋だけであった。