2016/02/11 - 2016/02/11
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nomadic dreamさん
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「深日」と書いて「ふけ」と読む...
大阪にはとても思いもつかない読み方をする地名が多く存在しますが、深日もその中の1つ....。
ある居酒屋での会話。
大阪の南に住むM氏が酔っぱらって、懐かしそうに自分の昔話を語り出しました。
かつて子供のころ、親に連れられて、泉州の南にある「ふけ」から淡路島へフェリーで渡ったもんだと。
冷たい風の響が寂しい冬のある日、深日港へ向かいました。
過去の時代に都合よく翻弄された「深日港」に立って茫洋たる海を見渡していると、かつての賑わいが幻のように思えてきました。
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深日への入り口は、南海本線の「みさき公園駅」から少し南下した国道26号線(大阪と和歌山を結ぶ国道)にあります。
南海多奈川線は、南海本線の「みさき公園駅」から本線とは分岐して、このように国道を横切って「深日港」に向かいます。
多奈川線は2.6KM、4駅の枝線です。 -
丁度2両編成の南海/多奈川線がみさき公園駅から多奈川駅に向けてなだらかな坂を下っていきました。
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もともと複線だったのか?そのような計画があったのか、橋梁は複線用にできています。
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今日は暖かい日差しが降り注いでいました。
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列車が深日(ふけ)駅に着きました。乗降客は先を競って埠頭に向かいます....これは遥か昔の話。
数年前まではこのような光景がここで見られていたとは。感慨無量です。
今や地元民が1人、2人乗り降りするだけ。 -
このホームは6両の列車が停車できる長さがあります。
大阪なんばから直通列車がここまで入ってきて多くの旅客を下していたのです。
暖かい日差しがこぼれる冬の一日、2両の列車が走り去ったあとには何事も無かったかのように、深日駅は静かに時を刻んでいました。 -
この周辺は、万葉集の中で「吹飯(ふけい)」と詠われています。
「時つ風 吹飯(ふけい)の浜に 出て居つつ あがう命は 妹がためこそ」と詠われて、このあたりは「吹飯の浜」と言われていました。
そこから「ふけ」という地名がついたようです。 -
深日駅の横にあるかつてのフェリー客用の臨時改札口。
忘れ去られたように当時の姿だけを残しています。
臨時改札口を設けるほどの人数がここを通過したということだと思います。 -
乗降客は地元民だけ。臨時の改札口は閉ざされたまま。
駅はひっそりと静まりかえっています。
諸行無常、栄枯盛衰。思わず口ずさんでしまいました。 -
当時の面影を残しているホーム。
今や2両編成の電車が一時間に2本停車するだけです。 -
駅前商店街。多くの旅客がこのあたりでフェリーの乗船待ちをしたのでしょう。
人がいない街に、アーケードだけが残っています。
ここでは、一時の賑わいがなくなって、昔からの生活がふつうに営まれていました。 -
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今や釣り人だけが訪れています。
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「旅館とらや」
いわゆる「寅さん旅館」。
当時は大いに栄えただろう駅前にある古い旅館。ここで宿泊して翌日の船を待ったのでしょうか。
風雪に耐えて、旅館は当時の姿を残しています。 -
勝手に命名したのですが、これはいわゆる「寅さん宿」。寅さんが全国を旅して歩いた時に常泊した商人宿なのでしょう。「おーいオバちゃんお銚子2本」、今にも寅さんの声が聞こえて来そうです。日本人の共通感覚に訴える何かがあります。
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入り口はもちろん引き戸。
洗面所には洗面器があって、蛇口から水を洗面器に入れて朝顔を洗う。石鹸はイエローのレモン石鹸。トイレはもちろん共同。浴場にはケロリン桶。そんなところでしょうか?勝手に想像してみました。 -
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フェリーが着桟した岸壁です。
古い写真には、ここにフェリーが着いて、車両がこの正面からフェリーに乗りこんでいた様子が写っています。
左にはコンクリートの塊が寂しく残っています。 -
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多奈川線の多奈川駅に行ってみました。
ここも同じくひっそりしています。 -
多奈川駅の先には戦時中(1939年)に急増した海軍からの造船需要に対応するために川崎造船(現在の川崎重工)の泉州工場が造られました。
1945年7月の空爆により工場は稼働がうまく行かなくなり、戦後は、関西電力の火力発電所として、現在に至っています。
ちなみに、川崎造船の泉州工場では、潜水艦を中心に28隻が建造されたとのことです。 -
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多奈川駅です。
ここが多奈川線の終点駅です。 -
多奈川駅から海方面へ少し行くと、海峡を越えて淡路島が見えました。
確かに淡路島の「洲本」らしき場所が見えてきます。 -
今や淡路島は瀬戸大橋で渡る時代。
フェリーに乗ってのんびり渡った時が懐かしく思われます。
瀬戸大橋が開通してから数年して、フェリーは1998年に廃止になっているようです。
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