(ほぼ)絶海の孤島は 海も地底もサカナも想定外♪ ☆ 南大東島【後編】～「見どころ 勝手にベスト10」付き

2016/01/23 - 2016/01/24

南大東島は那覇から東へ360㎞に浮かぶ小島で，普通の人には，台風情報で名前を聞いたことがあるって程度でしょうが，行ってみてビックリ！ダイナミックな地形・人情・興味深い歴史・美味しいサカナなどなど魅力あふれる島でした

一番驚いたのは，この島は6000万年前に，ニューギニア沖で海底火山として生まれ，フィリピン海プレートに乗って沖縄まで3000㎞を“旅”してきたということです
現在でも，年間４～７㎝，沖縄本島の方へ移動しているそうな！

約100年前までは無人島だったんですが，八丈島からの開拓団が移り住んできたそうで，八丈島の文化が残っているせいか，沖縄県なのに，沖縄っぽくないところがあります

地理・地形といい文化といい，なんともユニークな不思議な島！


【表紙の写真】
左上は大東ずし，右上はシージャーキーと大東ようかん
左下は大東そば，右下は深海魚『なわきり』と獲れたてマグロ・サワラ

【行程】
◇0日目 金曜夜，那覇入り
◇1日目 那覇発9:35-RAC（琉球エアコミューター）861便-南大東10:40
『ホテルよしざと』にチェックインして昼食後，島内めぐり（大東神社→バリバリ岩→北港→南大東漁港→星野洞→亀池港→集落）
1日目の旅行記［前編］http://4travel.jp/travelogue/11098136

◆2日目 気象台のバルーン打ち上げ→シュガートレイン・集落の散歩→塩谷海岸→日の丸展望台→海軍棒プール→レール跡→秋葉神社→池→旧空港→ビジターセンター→大東神社
南大東16:00発-RAC868便-17:15那覇着→帰京

エリア 北大東・南大東島(沖縄)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 5.0

おはよう！
朝食はシンプルだけど，美味しい！

朝からゴーヤーチャンプルーってのもいいねー
サバは島のものじゃないです

ホテルよしざと 宿・ホテル

部屋からの眺め

赤瓦とかなくて，あんまり沖縄っぽくないなぁ

ホテルよしざと 宿・ホテル

朝食後は街ブラ

この辺の家も，純な沖縄じゃないような…

これで雨水を溜めてるよう

この島には池がいっぱいありますが，海水が混ざった水なので飲料や農業には適していないそうです

キレイな花〜

マンホールには，八丈島由来の「大東太鼓」の絵

ホテルからブラブラ１０分ほど歩いたところ

小さな離島に，立派な建物ってなに？？

気象台でした！

ここですねー，よく気象通報や台風情報で「台風５５号は，南大東島の東１００?の海上にあって，中心気圧○○ヘクトパスカルで…」などと耳にしますね〜

実は，南大東島は沖縄本島などに比べ台風は少ないそうで，観測地点が他にないから，南大東島を基準にせざるを得ないので，よく耳にするそうです

南大東地方気象台 テーマパーク

温度計，気圧計…など各種観測機器が並んでます

なんだから分からない機器が並んでて本格的

右側の機器から，観測用のバルーン（気球）が放出されます
朝晩の８時半にバルーンが打ち上げられると聞いたので，ここまで来たはいいけど，どこから打ち上げられるか分かりませんでした

でも，その時間の前には，人だかりができてきたので，ここだと分かりました

↑上の写真の左側は，「ウィンドプロファイラ」といって上空の風速・風向を観測するもの

中をのぞくと，オバケのQ太郎みたいのがいっぱい居ます？が，ここから電波を出して観測してるそうです

では，観測用バルーン（気球）打ち上げの瞬間をコマ送りでどうぞ！
（動画で撮ったものを切り取ってつなげました）

まずフタが開いて（右上），おおー！丸いのが出てきたー！（左下・右下）


※時間的には，写真の左上→右上→左下→右下の順です

ヤッホー♪

バルーンが飛び出したー！


※時間的には，写真の左上→右上→左下→右下の順です

あっという間に，バルーンは空高く飛んで行きましたとさ
（ホントに一瞬の出来事でしたので，動画にしておいてよかったー）

バルーン打ち上げって予想以上に面白かった！これは貴重な経験だなぁ！

バルーンって，アドバルーンみたいに紐でつながってるものだとばかり思ってたら，ロケットみたいに打ち上げっぱなしだったんですねー


※時間的には，写真の左上→右上→左下→右下の順です

気象台の玄関ロビーは見学自由（タダ）なので入ってみると，色んな観測機器が展示されてたり，気象に関するパネルがあります

さっきのバルーンが膨らむまでの工程

なんと，バルーンの実物も置いてあります

本体は，ゴム風船の，もっともっと丈夫で厚いものって感じです
白い箱は，バルーンにぶら下げる観測機器で乾電池なんですねー

気象庁は，ホントはこれを拾ったら返してほしいそうですが，回収率は低いそうです…

これを拾って気象庁に送ったら，記念品とかもらえるのかなぁ？

気象台の近くに公園（ふるさと文化センターの脇）があって，小さくてカワイイ蒸気機関車が！

え？南大東島に鉄道があったの？？

そう，ありました！厳密には旅客用ではなくて，サトウキビの運搬用でした
そこから「シュガートレイン」って名称になっているよう

南大東島 シュガートレイン 美術館・博物館

“釜”がいい感じに錆びてて，使い込んだ歴史を感じさせる〜

ふるさと文化センター 美術館・博物館

地図を見ると，ほぼ島を一周するように，シュガートレインのレールが敷かれていました
って，「そんなこと全然知らなかった」

そのレール跡は，今でも島のあちこちに残っています（後ほど出てきます）

この貨車に，収穫したサトウキビを積んで港まで運んだそうです

貨車を引っ張るのは，蒸気機関車の後はディーゼル機関車になったそうで，ここにも展示してありました

集落には，機関車の車庫が残っています

今は，倉庫ですが…

さて，朝の散歩の後は，クルマで島内めぐり２日目スタート

この島で唯一の信号だったので記念写真！

信号なんて要らない島ですが，このすぐ脇が小中学校なので教育用に設置したと思われ…

まず集落から５分ほどの西港へ向かいました

通行止め！

寒波が北西から来てたので，島の西側の方はかなりシケてました

西港 (南大東港 西地区) 名所・史跡

通行止めじゃない道があったので，走ってきたはいいけど，おいおい！道の先は海じゃん！
しかも波が打ち寄せてる〜

波にさらわれたら，シャレにならない〜
と，慌てて引き返す
（後で地図をよく見たら，この先はまだ海じゃなくて岸壁の上でした…）

西港 (南大東港 西地区) 名所・史跡

天気が良ければ，いいところなんだけど…

誰も居ない…

ミレニアムパーク 公園・植物園

崖の上から岸壁を見下ろすと，荒々しい波がー！

太平洋に浮かぶ離島の自然の厳しさを垣間見た感じでした

西港 (南大東港 西地区) 名所・史跡

これこれ！これをやりたかった！

フェリーの便数が少ない上，時間もかかるので今回はあきらめました

南大東島へのフェリーの乗客は，ゴンドラに乗ってクレーンで吊られて上陸します
というのは，この海域は突然のうねりが来ることがあって，船を岸壁にピタリと接岸すると船が壊れる危険性があるため，岸壁からすこし距離をおいて碇泊するからだそう

西港 (南大東港 西地区) 名所・史跡

さっきのミレニアムパークより少し登ったところにも公園がありました

開拓百周年記念碑の横に，玉置半右衛門さんの銅像

この方が率いる開拓団が八丈島から南大東島に上陸して，南大東島の歴史が始まったとのこと
開拓団が上陸したのが1900年というから，わたしが上陸した日から遡ること116年前の同じ日というキリがいいのかどうだか？

南大東島 開拓百周年記念碑 名所・史跡

島の地図では「フロンティアパーク」と表示されているけど，通称は「コウモリ公園」だそう（どっちでもいいけど…）

その名のとおり，でっかいコウモリがお迎えしてくれます
これはシャワー室

コウモリ公園キャンプ場 キャンプ場

トイレの入口にも！

ま，こういうのは楽しいね！

ちょっと移動して，島の南西にある塩屋海岸

ずっとダイナミックな波濤を眺めていたかったけど，ずぶ濡れになるので，そそくさと退散です…

塩屋プール ビーチ

お次は，島の南側にある日の丸展望台へ（日の丸飛行隊じゃぁないです）

ここで南大東島の地形を大ざっぱに説明すると，平たい島のようでそうでもないんです
島全体がカルスト地形，要は石灰岩・サンゴで出来ています
海から少し内側に，島を取り囲むように緑の輪っかが見えます（写真）が，これはハグ（幕）と呼ばれる“外輪山”で，そこが島で一番高く，内側は盆地状になって湿地や池ができています
日の丸展望台は，ハグに位置しているので，眺めがいいのは当然でしょう
その他，無数の洞窟（鍾乳洞）が，地底に存在しています

亜熱帯植物の生命力〜

島全体が見渡せる〜

お次は，海軍棒プールへ

この島には砂浜がなく，気軽に泳げる場所がないので，海辺に人口のプールを作ったんです！

まあ，なんと大胆で壮大な発想！

「海軍棒」って名前は，むかし海軍さんが測量のためのポール（棒）を立てたから

海軍棒プール 自然・景勝地

まさに，“究極のインフィニティプール”

海岸の岩をくり抜いたり作っていて，海水が干満によって入れ替わるので，プールの中に，おサカナが居るそうです

夏に再訪して，ここで泳ぎたいって思いました！

海軍棒プール 自然・景勝地

空港の滑走路脇に「一本道」と名付けられた真っすぐな道があって，そこの土手を登ると空港が見渡せます

いいところなんだけど，プロペラ機１機じゃ，見物にはちと寂しい…

南大東空港 空港

一本道を少し進んで左（島の内側）へ曲がるとー

「線路があるのに，踏切ない！」
いやいや，そういうことじゃなくてー

これがシュガートレインの線路跡！
地図では「新東レール」と表示されてます

南大東島 シュガートレイン 美術館・博物館

先ほどの，公園に展示してあった機関車が通ってたんですねー

線路の幅は広くないです

シュガートレインの実写

昭和58年（1983年）まで走っていたそう

この風景見たかったなぁー！

レール跡から南下すると，フクギの参道が長いこと！

高台にある「秋葉神社」です

ここも日の丸展望台と同じように見晴らしがいいです

秋葉神社には社殿はなく，原始信仰を思わせるものがあります

秋葉神社を後にして，地図も見ずにブラブラ走る

サトウキビの収穫時期らしく，道の両側に生い茂ってます

サトウキビの収穫は，今では「ハーベスター」という機械を使うそうです

２日目も後半

大東神社に，無事に２日間過ごせたことに感謝の御挨拶
それとー，ダイトウオオコウモリが居ないか探したけど，やっぱり居ない…

たまたま参拝に来てた女性に，「コウモリはどこに居るんですかねー」と聞いたんですが，その方は１週間前に東京からこの島の製糖工場に働きに来て，あと３ヶ月居ると言うので，びっくり！
コウモリそっちのけで島のことなど話しこんじゃいました

大東神社 寺・神社・教会

境内には土俵があります

相撲は八丈島由来だそう

大東神社 寺・神社・教会

そろそろお腹空いたし，池のほとりでランチ♪

さっき空港で買った「大東ずし」

ワサビ効きすぎ〜

以前，那覇空港で買った大東ずしの方が美味しかったんだけど…

そろそろラストスパート！？

この古い建物は，むかしの南大東空港

建物の中は，ラム酒の会社の事務所兼ショップになっていますが，今でも「南西航空」だとかのプレートが！

ヒコーキからだと，旧空港の痕跡がハッキリ分かります

むかしの滑走路上に分譲住宅？らしきものも

旧空港の滑走路上に「島まるごと館」（ビジターセンター）

立派な建物ですが，係りの方が居ません…
「携帯に電話してください！」って貼り紙が

めんどくさいので帰ろうかと思ったら，わたしの後から来た一人旅の兄ちゃんが電話してくれたんで，一緒に中に入りました
午後１時過ぎだったけど，わたしたちが，この日“初入場者”だったようで…

ついにダイトウオオコウモリ発見！剥製だけど…

けっこう大きいけど，カワイイ！

館内はパネル展示がメインで，変わったカブトムシやクワガタも展示してありました
係りのおじさんが，熱心に説明してくれます

ガラスにコウモリが居るのかとよく見たら，ダイトウコノハズク

この島は，大東犬だとかと鳥，虫，植物など固有種が多いそうです

ホテルへ帰る途中，せっかくなので！？村役場に寄ってみる

人口1300人の村だけど，けっこう立派な建物です

集落の近くの瓢箪池

夏の夕涼みには，ビール片手にいいところでしょうねー

これで島めぐり終了〜

クルマを返しにホテルに戻ります

ホテルのフロントで，『南大東島の人と自然』（南方新社発行\2,400）という本を買ったら，おかみさんが「この本書いた人そこに居るよ〜」だって
「えーっ！」たまたまホテルに来られてたようで，せっかくなんでサインじゃなくて記念撮影

さらにビックリなのは，この方（東さん）とは前日に電話でしゃべっていた！
この島には，ケイビング（洞窟探検）ツアーがあって，それに申し込んだときに電話した方でした（あいにく予約いっぱいでケイビングはできませんでしたが…）
東さんは，ケイビング・ツアーのガイドさんでもあったんです

ホテルよしざと 宿・ホテル

東さんに，「今度はケイビングやりに来るから，よろしくお願いしまーす」と言ったら，携帯にわたしの番号を登録してくれました

ケイビング・ガイドの東さんのページ
https://www.facebook.com/OfficekeypointDongsabow

リトハクのページ
http://ritohaku.okinawastory.jp/15islands/4358/

おみやげの「シージャーキー」と「大東ようかん」

シージャーキーはマグロで，少し甘いですが味があって美味しい！

おかみさんに空港まで送迎してもらいました

この島に，このオブジェってどうでしょう？？

南大東空港 空港

「あばよーい」って，柳沢慎吾？

いい島だったー！

RACは，このカラーがいいっ！

尾翼のシーサーもカワイイしー！

南大東空港 空港

RACって，まだ３０年なんだねー

帰りは，DHC8-100（39人乗り）

団体の老人ツアー客がいたので，ほぼ満席でした

またポストカードもらいました

RACにJTAにJALに…沖縄行く度にポストカードが増えてしまう…
暑中見舞いにでも使うかぁ？

那覇の乗り継ぎ時間に，「大東まつり寿司」を食べる

大東ずしは，サワラのニギリがいいんだけど…

夜の便で帰京
ヒコーキの中で，さっき買った「大東島の人と自然」を夢中で読んでたら，羽田まで30分で着いた感覚でした…
東さんから宣伝料もらってるわけじゃないですが，この本は読みやすいのに詳しいし，興味深い内容が盛りだくさんで，いい本です！

JAL PLAZA 那覇空港 22番ゲートショップ グルメ・レストラン

【おまけ〜南大東島の見どころ勝手にベスト１０】順不同です

その１ 『星野洞』

星野洞 自然・景勝地

その２ 『バリバリ岩』

バリバリ岩 公園・植物園

その３ 『漁港』ほか港全部とクレーンで上陸

南大東漁港 名所・史跡

その４ 『気象台の観測用バルーン打ち上げ』

南大東地方気象台 テーマパーク

その５ 『海軍棒プール』ほかインフィニティプール

海軍棒プール 自然・景勝地

その６ 『シュガートレイン』

南大東島 シュガートレイン 美術館・博物館

その７ 『線路跡』多数

その８ 『大東神社』とダイトウオオコウモリ

大東神社 寺・神社・教会

その９ 『日の丸展望台』

その10 『池』いっぱい


隠れナンバー１は，『地底湖』でしょうが，今回行けなかったので，またの機会で…