2016/01/17 - 2016/01/17
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Weiwojingさん
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フィリピンには16世紀ごろから中国人が住み始め、それ以来現在に至るまで文化、歴史、食べ物等あらゆる面で彼らの存在は大きなものがある。
彼らはスペイン統治時代、統治者の居住地であるイントラムロス内に住むことは許されず、死者を葬るところも市内中心部から離れたところに集団で墓地を作らざるをえなかった。それが中国人墓地の始まりであるが、現在は広大な敷地に何千という墓が作られている。しかし、その墓は普通の墓石のある小さなものではなく、1軒の家が丸ごと墓と言ったような巨大なものばかりである。
その形の墓は中国本土では見ることはないもので、おそらくフィリピンに住む中国人独特のものだと思われる。しかも、それは裕福な中国人の象徴である。日本では沖縄に類似の墓が存在しているが、その共通性を詳しく分析していないので、詳細は分からない。
- 旅行の満足度
- 4.5
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ギアボの北に位置する高架鉄道 Line 1 のアバト・サントス駅を降りて、しばらくこの写真のような住宅地を歩いていくと、駅の東側に広大な中国人墓地がある。
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最初、場所が分かりにくく、地元の人に尋ねて何とか来ることが出来た。入口には各地のチャイナ・タウンで見られる牌楼が建ち、「華僑義山」と書かれた扁額がある。「義山」と言うのは「墓地」のことで、横浜の中国人墓地には「中華義荘」とある。
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牌楼を少し進むと、もう一つ大きな門があり、「抗日列士英雄門」と書かれた文字が見える。ここにも日本とのかかわりを示す大事な歴史上の出来事が垣間見ることが出来る。
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その「抗日烈士英雄門」のいわれを示す記念碑が英語と中国語で表示されている。
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こちらは中国語による説明である。
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門を通って墓地に入ると、大きな通リに面して両側にこぎれいな家々が並んでいるではないか。人が住んでいると言ってもいいくらいで、いまにも中から誰か人が出てきそうな様子であった。
しかし、これらの家はすべて墓なのである。一軒の家が一つの墓なのである。 -
この大きな建物そのものが墓なのだろうか。
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このような東屋風の墓もある。墓の前で参拝者が休憩したり、食事をしたりとゆったり時間を過ごせるようになっている。
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かなり十字架の付いた墓が多いが、フィリピンではキリスト教が多数を占めているので当然かもしれない。
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このような中国風の堂々とした門構えの墓もある。
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中を見てみると、亡くなられたご夫妻の写真が飾られている。
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墓地の中央に何やら大変立派な記念碑とその関連施設が背後に見える。近づいてよく見ると、記念碑には「比律賓華僑抗日列士紀念碑」とあり、その後ろの建物は「比嬪華僑抗日列士紀念館」とある。
最初、南入り口から入った時、大きな門に「華僑抗日列士紀念碑」と書かれていたのがここのことだったのである。残念ながら、この日は閉まっていて紀念館に入ることは出来なかった。 -
この墓は西洋的な建物に中国的な竜の飾りがついていて、不思議な空間を醸し出している。
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正に教会風の墓で、中にも入ることが出来るので、入ってみた。
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内部はこんな具合である。ほとんど整備されていないようだ。
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正面に中国語で書かれた墓碑がある。
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ここにも十字架の付いた立派な墓がある。
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寺院風とでも言ってよいだろうか、このような大きな敷地に立派な、堂々とした墓がある。
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この一角は普通の墓石が置かれていて、どことなくわびしい雰囲気が漂っている。
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「大山石敢當」という文字がある小さな石が道端に置かれている。この「石敢當」は中国大陸の福建省やマカオそして沖縄でも見たことがある。
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墓石の上に色とりどりの紙が貼りつけられているが、一体何なんだろうか。
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街路には「泰山路( TAY SAN ROAD ) という風な中国各地の地名が取り入れられた名前がついている。ほんの一瞬だが、ここはマニラではなくどこか中国にいるような気になったことは確かである。
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門の扉のデザインはまるで中華卍といった風である。
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コンクリートの上面に「嬰孩塚」という文字が刻まれている。何のことだろうか。
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コンクリートの下の方を見ると、このような具合に棚で仕切られたところに小さな墓が何十となく造られている。
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もしかしてこれらの墓は幼くして亡くなった嬰児のものなのだろうか。
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コンクリートの大きな壁面に孫文が書かれた「天下為公」という文字が彫られている。
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この墓はこれまで見て来た巨大な家屋式の墓とは異なり、わずかなスペースに石造るリの墓石があるだけである。このような墓は中国本土で見かけたことがある。南方の広東省と福建省においてよく見たことがあった。
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この巨大な塔は太平洋戦争時に日本軍との戦いで犠牲となった中華系の人々を悼む記念碑である。
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その記念碑には、英語とタカログ語で詳しい説明が書かれた碑が掲げられている。こちらは英語による説明でなのでお読み頂ければ、より理解が深まるものと思われる。
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清朝時代の高官の姿をした像の後ろに中国風の建物の墓がある。
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墓地の中央に東屋風の休憩所がある。歩き疲れた時にちょうど良い場所である。
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ジプニーが走っているが、このような場所で乗り降りする人がいるのだろうか。
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殆ど人の姿を見かけなかったが、ある墓の前で何やら作業をしている女性がいた。
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何かの植物を乾燥させたもののようであるが、何に使うのかご婦人に尋ねてみたが、要領を得ず分らなかった。
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歩いている男性がいるが、ここの住民それとも働きに来ている人、どうなのだろうか。
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教会風の建物と中華風ドラゴンが対峙していて、なかなか興味深い。
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一見普通の街並みのように道の両側に家々が並んでいるが、もちろんこれらは一軒一軒が一つの墓なのである。
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普通の街並みと何ら変わらない。異なるところと言えば、人が全くいないことである。
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この日は2時間以上炎天下を歩いたので、もうこれ以上は暑いので見て回ることは断念した。3分の2程度見て回ったと思われるが、また機会を見つけて訪れてみたいと思う。
フィリピンでは亡くなられた方のお墓参りは、11月1日の「万聖節」に行われるようだ。仏教徒だけでなく、キリスト教徒もカトリックだけでなくプロテスタントもこの日に墓地に繰り出し、一日中ここで過ごす習わしである。時には一晩ここで過ごす人々もいる。
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