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JR相模線原当麻(はらたいま)駅から徒歩7分、龍淵山・天應院(てんのういん、神奈川県相模原市南区下溝)は戦国時代後期小田原北条氏第三代当主北条氏康(ほうじょう・うじやす、1515~1571)三男で八王子城主であった北条氏照(ほうじょう・うじてる、1542~1580)の娘である貞心(ていしん)尼によって中興開基された漕洞宗寺院です。<br /><br />そもそも当該寺院は横山(現八王子)を拠点とし武蔵国西部を支配していた関東管領上杉氏の宿老で武蔵守護代を務めていた大石氏によって明応4年(1495)に創建されたと伝えられています。<br /><br /><br /><br />境内に建立の本堂落慶記念石碑に刻された天應縁起は次の通りです。<br /><br />「 漕洞宗龍渕山天應院縁起<br /><br />本堂・客殿・庫裡の新築は、平成十九年より工事が着手され、平成二十三年四月に落慶式を迎えました。(総工費約五億円) これは御信徒の絶大なるご支援の賜物であります。<br /><br />歴史をさかのぼりますと、今より五百二十年前、戦国時代に、八王子を中心とした大石定久公(号道俊)の統治により、心源院・天応院等が秀雲永獄大和尚を開山にして、明応四年建立されたと考えられます。虚空蔵菩薩を本尊とし、九石七斗の御朱印をたまわり、五世太陰師の時代、北条氏照公の姫、貞心尼により中興を成し遂げ、六世寛応・七世脱今師は禅師号の特賜を受けております。九世長育、十世日州師の時代、徳川幕府の老職(老中)であった青山氏(忠成・忠俊公)の帰依を得て再中興されました。<br /><br />明治になり行政役所の二十大区の役所、下溝学校、相模原警察署の前身が当院に築かれました。爾来住職三十代の星霜を経て今日の盛事を見るに至りました。  平成二十四年二月吉日 天應院三十世 天室和男 合掌 」

相模原当麻 戦国期に武蔵守護代大石定久により創建、八王子城主北条氏照娘貞心尼の中興、徳川幕府老中青山忠俊の再中興による『天應院』散歩

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2015/11/22 - 2015/11/22

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滝山氏照

滝山氏照さん

JR相模線原当麻(はらたいま)駅から徒歩7分、龍淵山・天應院(てんのういん、神奈川県相模原市南区下溝)は戦国時代後期小田原北条氏第三代当主北条氏康(ほうじょう・うじやす、1515~1571)三男で八王子城主であった北条氏照(ほうじょう・うじてる、1542~1580)の娘である貞心(ていしん)尼によって中興開基された漕洞宗寺院です。

そもそも当該寺院は横山(現八王子)を拠点とし武蔵国西部を支配していた関東管領上杉氏の宿老で武蔵守護代を務めていた大石氏によって明応4年(1495)に創建されたと伝えられています。



境内に建立の本堂落慶記念石碑に刻された天應縁起は次の通りです。

「 漕洞宗龍渕山天應院縁起

本堂・客殿・庫裡の新築は、平成十九年より工事が着手され、平成二十三年四月に落慶式を迎えました。(総工費約五億円) これは御信徒の絶大なるご支援の賜物であります。

歴史をさかのぼりますと、今より五百二十年前、戦国時代に、八王子を中心とした大石定久公(号道俊)の統治により、心源院・天応院等が秀雲永獄大和尚を開山にして、明応四年建立されたと考えられます。虚空蔵菩薩を本尊とし、九石七斗の御朱印をたまわり、五世太陰師の時代、北条氏照公の姫、貞心尼により中興を成し遂げ、六世寛応・七世脱今師は禅師号の特賜を受けております。九世長育、十世日州師の時代、徳川幕府の老職(老中)であった青山氏(忠成・忠俊公)の帰依を得て再中興されました。

明治になり行政役所の二十大区の役所、下溝学校、相模原警察署の前身が当院に築かれました。爾来住職三十代の星霜を経て今日の盛事を見るに至りました。  平成二十四年二月吉日 天應院三十世 天室和男 合掌 」

旅行の満足度
3.5
交通手段
JRローカル 徒歩

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  • 天應院・門柱

    天應院・門柱

  • 天應院・寺標

    天應院・寺標

  • 山門方向

    山門方向

  • 天應院・山門

    天應院・山門

  • 石柱

    石柱

  • 天應院山門・扁額<br /><br />山門上部には山号の「龍渕山」が掲示されています。

    天應院山門・扁額

    山門上部には山号の「龍渕山」が掲示されています。

  • 参道<br /><br />高い樹木とやや狭い参道とのバランスが見事です。

    参道

    高い樹木とやや狭い参道とのバランスが見事です。

  • 六地蔵菩薩<br /><br />参道途中には新しい六つの地蔵菩薩が立ち並んでいます。

    六地蔵菩薩

    参道途中には新しい六つの地蔵菩薩が立ち並んでいます。

  • 「南無六道能化地蔵菩薩」石標

    「南無六道能化地蔵菩薩」石標

  • 境内に立つ大樹

    境内に立つ大樹

  • 天王院由緒説明板<br /><br />「 天 応 院 (てん のう いん)<br /><br />この寺は山号を「龍淵山(りゅうえんざん)」といい、室町時代に季雲(きうん)師が開山したといわれ、その後、この地方を所領していた北条氏照の娘貞心(ていしん)尼によって中興開基されたと伝えられています。慶安3年(1650年)には寺領として9石7斗の朱印(しゅいん)を受けています。墓地内にはこの貞心尼の墓といわれる石塔と、徳川時代にこの土地の領主だった青山忠俊(あおやまただとし)の墓があります。また、武士に切られたと伝えられるお化け石塔もあります。<br />     相 模 原 市     相 模 原 観 光 協 会  」

    天王院由緒説明板

    「 天 応 院 (てん のう いん)

    この寺は山号を「龍淵山(りゅうえんざん)」といい、室町時代に季雲(きうん)師が開山したといわれ、その後、この地方を所領していた北条氏照の娘貞心(ていしん)尼によって中興開基されたと伝えられています。慶安3年(1650年)には寺領として9石7斗の朱印(しゅいん)を受けています。墓地内にはこの貞心尼の墓といわれる石塔と、徳川時代にこの土地の領主だった青山忠俊(あおやまただとし)の墓があります。また、武士に切られたと伝えられるお化け石塔もあります。
         相 模 原 市     相 模 原 観 光 協 会  」

  • 台座改修記念石碑

    台座改修記念石碑

  • 天應院・本堂

    天應院・本堂

  • 本堂掲載の扁額<br /><br />本堂上部にも山号「龍渕山」と揮毫の扁額があります。<br />

    本堂掲載の扁額

    本堂上部にも山号「龍渕山」と揮毫の扁額があります。

  • 境内風景

    境内風景

  • 「三つ鱗」寺紋<br /><br />寺紋の「三つ鱗」は小田原北条氏の家紋であり当寺院が北条氏照娘が中興したという歴史的経緯が示されています。

    「三つ鱗」寺紋

    寺紋の「三つ鱗」は小田原北条氏の家紋であり当寺院が北条氏照娘が中興したという歴史的経緯が示されています。

  • 本堂落慶記念石碑<br /><br />

    本堂落慶記念石碑

  • 白寿観音立像

    白寿観音立像

  • 天應院説明板

    天應院説明板

  • 天應院・薬師堂

    天應院・薬師堂

  • 青山忠俊墓石(中央)<br /><br />青山忠俊(1578~1643)は家康・秀忠に仕えた後慶長12年(1610)土井利勝・酒井忠世と共に三代将軍家光の養育役を務める老中ですが、家光にたびたび諫言を繰り返したため元和9年(1623)老中免職、5万5千石から2万石に減封のうえ上総大多喜藩に移封、寛永2年(1625)に除封され下総、相模、遠江を転々とし相模今泉にて蟄居、寛永20年(1643)66歳で死去となっています。

    青山忠俊墓石(中央)

    青山忠俊(1578~1643)は家康・秀忠に仕えた後慶長12年(1610)土井利勝・酒井忠世と共に三代将軍家光の養育役を務める老中ですが、家光にたびたび諫言を繰り返したため元和9年(1623)老中免職、5万5千石から2万石に減封のうえ上総大多喜藩に移封、寛永2年(1625)に除封され下総、相模、遠江を転々とし相模今泉にて蟄居、寛永20年(1643)66歳で死去となっています。

  • 貞心尼・墓石<br /><br />青山忠俊の墓石の右側には貞心尼の墓石があり「霊照院殿中室貞心大姉」と戒名が刻されています。

    貞心尼・墓石

    青山忠俊の墓石の右側には貞心尼の墓石があり「霊照院殿中室貞心大姉」と戒名が刻されています。

  • 青山忠俊五輪塔

    青山忠俊五輪塔

  • 歴代住職墓石群

    歴代住職墓石群

  • 客殿並びに庫裏

    客殿並びに庫裏

  • 天應院・本堂

    天應院・本堂

  • 境内風景

    境内風景

  • 平和観音像

    平和観音像

  • 一般墓地

    一般墓地

  • 原当麻駅舎説明板

    原当麻駅舎説明板

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