2015/12/08 - 2015/12/08
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毎年12月10日に盛大に行われるノーベル賞授賞式。当時スウェーデンに滞在していた私はふと考えた。これって、個人で見学できるものなのだろうかと。多分無理だろう。でも、何かあるはず。好奇心を抑えきれない私は、会社をズル休みしてストックホルム行きの列車に飛び乗った。
**情報は、2015年12月のもの。1クローネ=14.5円で計算。
==弾丸ストックホルム シリーズ一覧==
① ノーベル賞観光に挑戦 (受賞記念講演、ガムラスタン) <=
http://4travel.jp/travelogue/11085187
② ノーベル賞観光に挑戦 (市庁舎、ノーベル博物館、チョコレート) (執筆予定)
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[目次]
イントロ
ノーベル・ウィーク
ノーベル・レクチャー (アクセス、行列、会場、講演)
繁華街
ノーベル・コンサート
ガムラスタン (アクセス、周辺観光、大広場)
まとめ -
[イントロ]
もはや冬の風物詩と化したノーベル賞発表とその授賞式。これまでアカデミー賞のような、縁遠い異国のイベントだと思っていました。だた、今年は違う。私は行こうと思えば行ける場所にいる。過去にも、広島平和記念式典とか、ダライ・ラマの説法とか、思いつきで著名な式典に参加してきました。ここでチャレンジしなければ、一生後悔することになるでしょう。
参考:
広島平和記念式典
http://4travel.jp/travelogue/10698096
ダライ・ラマ説法
http://4travel.jp/travelogue/10446819 -
[ノーベル・ウィーク]
今回も思いつきのため、ネットでリサーチを始めたのは約1周間前。一般人が授賞式や晩餐会に参加出来ないのは、すぐにわかった。そりゃそうだろ。ただ、関連イベントなるものがあり、これは、金か時間があれば参加可能です。
「ノーベル・ウィーク」というくくりで、授賞式の週に行われるイベントは以下のとおり。
10/8 記念コンサート(授賞式と同じコンサートホール)
10/7-8 ノーベル・レクチャー(受賞者による記念講演)
10/9 ノーベルウィーク・ダイアログ (未来をテーマにしたレクチャー)
コンサートはすでにチケットが売り切れ。ダイアログも、無料ながらすでに予約で一杯。キャンセル待ちの状態です。最後に残った記念講演ですが、これは朝から並べば無問題。この中では一番面白そうだしね。さらに晩餐会会場である市庁舎とノーベル博物館を絡めれば、立派なノーベル観光の出来上がり。その詳しい内容を、2つの旅行記を通じてお伝えしていきます。 -
[ノーベルレクチャー]
== アクセス ==
私が滞在するヨーテボリからストックホルムまでは、高速鉄道で3時間ちょい。料金は、200クローネ(2900円)くらいから。夜や朝一番の便なら、直前でもほぼ安値でした。
一方、宿は一晩寝るだけなので、ユースホステルで決まり。市内に沢山あります。料金は150クローネ(2180円)から。高級ホテルはどうか知りませんが、底辺宿の予約は余裕でした。 -
中央駅のすぐそばに宿をとった私は、まだ暗いうちに会場のストックホルム大学へと向かいます。地下鉄でわずか4駅。席は沢山あるとはいえ、どれくらい混雑するかわからない。無駄に心配するより、長時間並んだほうが安心です。
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Universitetet駅を出ると、そこが大学の入口。200メートルほど構内を歩いた場所に、ノーベル賞受賞者記念講演が行われるAula Magnaホールがあります。
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これがAula Magnaホール。道から少し上がった場所にあります。時刻は朝7時。「念のため」早く来たものの、そこに並んでいるのは、律儀な日本人3人だけでした。本当にこの場所なの? 何度も確認しましたが、やはりこの場所です。
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ちょっと寒いので、すぐ近くの学生ホールへ。ここのセブン-イレブンは朝6時半から営業中。スマホでネット・サーフィンして時間をつぶします。なお、WiFiは学生じゃないと無理みたいです。
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==行列==
7時50分、会場に向かうと、沢山の歩行者がホール前を足早に通り過ぎていきます。誰もノーベル賞イベントなど関心がない様子。多分、駅を出た人が大学内を通って職場に向かっているのでしょう。行列は確実に伸びていますが、まだ道路までは届いていません。 -
私の前に並んでいるのは、まだ50人くらいか。しばらくすると日本のテレビ局がやってきて、行列の様子を撮り始めます。
女性レポーター 「まだ1時間前というのに、こんなに行列ができてます!」
1200人のキャパに対して、せいぜい150人程度しか並んでないんですが..。8時15分にメインドアが開門。告知されていた入場時間より25分早いですが、この時点では、まだ建物内に入れるだけです。 -
中に入ると、テーブルの上にレクチャーの資料や関連ポスターが平積みされていました。数が限らているため、バーゲン会場のような奪い合い。私も確実にゲットしましたが、今思えばこれは無駄の時間でした。
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私がポスターゲットに時間を割いている間、50人以上、順番を抜かれました。でも、行列が伸びる様子はないし、席は十分あるはず。
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なぜ列が伸びないかというと、別の行列が建物入口をブロックしているから。私が並んでいるのは、奥のCドアへと続く列。流れにまかせてこちらに並んでしまいました。一方、建物の入口から最も近い場所にあるBドアが、すぐ後ろにあります(写真)。こちらに並ぶできだったか..。
8時40分。ホールへの入場スタート。なかなか列が進まない中、、やっとホール内に入ってみると...。 -
== 会場 ==
なんじゃこりゃ〜。場内はほぼ満席です。一体いつの間に..。急いで空席を探しますが、まとまって開いている場所は、アカデミー会員専用だったり関係者用だったりで座れそうにない。う〜ん、もう選んでいる時間はない。何とか最寄りの空席を見つけて座らせてもらいました。諦めた人は後ろで立ち見。それさえできなかった人はどうしたんでしょうね。 -
完全に油断してました。Bドアの進みが速かったのかもしれせんが、恐らく2階から直に入る入口があったのでしょう。そうでないとあの埋まり具合は説明がつかない。また、アカデミー会員用の入口も下のほうにあったはず。これが一発勝負の難しさです。
緑 - 通路。赤 - BとCの入口。 -
まあ、席を確保できただけでも良しとしましょう。木のテーブルを引き出して、照明オン。準備万端です。
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== 講演 ==
午前9時、ノーベルレクチャーこと受賞者記念講演のスタートです。この年は、生理学・医学賞と文学賞が、12/7の午後。物理、化学、経済が12/8に行われました。それぞれ会場は別々。私が参加したのは12月8日の方です。 -
最初にアカデミーのメンバーが軽くイントロしてから、受賞者のレクチャーが始まります。まずは物理学賞からスタート。トップバッターは日本人の梶田教授。
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受賞理由は、ニュートリノ振動の発見。欧米の研究施設で働いていた経験でもあるのか、比較的ちゃんとした英語を話します。技術的な詳細というよりは、発見までの経緯が中心です。時々緩いジョークを挟みながら、スライドを使ったレクチャーが続きます。
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レーザーポインターを使ってカミオカンデがどうのこうの解説。基本知識がないため、さっぱりわかりません。それは、他の聴衆も同じでしょう。朝早かったせいもあり、すぐにウトウトしてきました。
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席自体は悪くないのですが、通路に近いため、日本から来ているカメラマンが邪魔でしょうがありません。自分はともかく、すぐ後ろの老夫婦は全くスクリーンが見えてないはずです。
でも、彼らは自分の仕事をしているだけなので、そこを責めるのは酷です。私だって、時にはよりよい写真をとるため人を押しのけて図々しく振る舞うこともあります。 -
予定通り、30分で梶田さんの講義は終了。続いて、もう1人の物理学賞受賞者のレクチャーが始まります。こちらは英語ネイティブなので、もう少し聴き応えがあるかと思いきや、流暢なだけで話が退屈なのは同じ。もう爆睡です。最後に、2人壇上に並んでステージを後にしたあたりで、拍手で目が覚めました。
ノーベル賞の賞金は1000万クローネ(1.5億円)。2人授賞のため、この賞金を山分けすることになります。それでも、7000万以上貰えるんだから十分か。 -
物理学賞レクチャーの後、10:15から10:55まで40分の休憩。なんと、ここで半数の観客が帰ってしまいました。やはり、みなさんも退屈でしたか。日本人カメラマンはもちろん、地元カメラマンも撤退。このミーハーどもが! 実は私も迷いましたが、律儀に次のセッションまで待ちます。
ここぞとばかりに、前方の席まで移動。アカデミー会員席にすぐ後ろの列を確保しました。そして、時間とともに席が埋まりだし、最終的には再び満席になりました。 -
ここから先は、化学賞の講演が3人続きます。一番とっつきやさすそうな経済学賞は、昼休み後の1:35PMなんですよね。これらのスケジュールは、会場に入ってから知りました。
次のスピーカーはスウェーデン出身の科学者。彼も、とつとつと研究の経緯を説明するだけです。化学式を出されてもねー。彼らはこういう講演は慣れているはずですが、さすがに一般向けは不得意そう。ノーベル賞を取るような研究者に歌って踊れるエンターテイナーを期待してはいけません。まだ2人いますが、ここで抜けることにします。 -
[繁華街]
中央駅まで戻り、午後は急いで街を観光します。駅と繁華街は歩いて行ける距離です。 -
まずは繁華街の中心セルゲル広場へ。中央駅構内でもそうでしたが、この時期、人が集まる場所では、クリスマスマーケットが行われています。プレハブ的なお店で、ちょっと情緒に欠けるかな。
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[ノーベルコンサート]
セルゲル広場からショッピングストリートを北上すると、屋外マーケットと劇場っぽい建物が出てきます。 -
何を隠そう、これが2日後に授賞式が行われるコンサートホール。ここでは今晩、記念コンサートが行われるのですが、壁に貼られたポスター(写真左)を除き、その雰囲気は全く感じられません。広場では、いつもどおり果物を売る移民風の商売人達。ひとりくらいダフ屋に変身してもいいだろうに。
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しかし、何か地味過ぎませんか? あの全世界注目の授賞式が、こんな古びた外観のホールで行われるなんて。
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中はこんな感じ。ステージから客席を見ると、こうなります。上の写真と違い、ただのコンサートホールですね。
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コンサートの座席ですが、1週間前にチェックした時は売り切れ。しかし、 前前日に予約サイトを見てみると、空席があるではありませんか。直前にリリースされたのかな。価格は一階席が1290クローネ(18700円)。一番安い席で400クローネ(5800円)。、空いているのは、一階席の後方だけ(写真)。高い上に、最前列と同じ値段なのが腹立たしい。授賞式でもないのにそこまで出す価値はありません。
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[ガムラスタン]
==アクセス==
同じ道を戻り、セルゲイ広場へ。さらにショッピング街は続き、ガムラスタンへと向かいます。 -
急げや急げ。まだ12時半ですが、この時期3時を過ぎると、もう夕方です。 日が暮れる前に、一通り回っておきたい。橋を越えて国会議事堂へ。
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後ほど訪れる市庁舎が別の橋の向こうに見えています。言うまでもなく、2日後に晩餐会が行われる場所です。
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==周辺観光==
議事堂を越え王宮へ。見学ツアーとかありますが、時間がないのでパス。 -
仕事が楽なのか、守衛にしてはいい笑顔だ。
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王宮隣の大聖堂へ(寄付:40クローネ - 580円)。ここは、ストックホルム最古の立派な教会。中では、先生に引率された小学生らが、見学していました。日本で言う、お城みたいな立ち位置ですね。
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大広場を飛ばして、先にショッピングストリートを散策。ノーベル・ウィークだというのに、閑散としています。この時期、オフシーズンですからね。ノーベル・ウィークにわざわざストックホルムにやってくるのは、マスコミと受賞者の親族くらいです。
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一応、見どころを紹介すると、これが鉄の広場にある鳥山明風の銅像。
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これが、ガムラスタンで最も狭い通り。どこにでもありそう...。
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これが、フィンランド教会裏にあるアイアンボーイこと体操座りする男。このように、ガムラスタンは、ストックホルム一番の観光スポットであるにも関わらず、意外としょぼいのです。王宮とか行ってないですけどね。
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== 大広場==
最後、ガムラスタンの中心、大広場へ。ここでも、小規模なクリスマス・マーケットが行われていました。ショップは昔風で、セルゲイ広場よりは雰囲気があります。 -
クリスマスマーケットは夜と雪が似合います。ちょうど、この絵のような感じで。しかし、温暖化が進んだ今、この日の夜は梅雨のような雨がしとしとと降るだけでした。
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広場の正面にあるのが、ノーベル賞関連の展示を集めたノーベル博物館。かつては、証券取引所だった建物です。スウェーデン・アカデミーはこの中にあり、毎年文学賞の選考がここで行われます。
当然、この博物館もノーベル賞観光のひとつですが、夜だと無料なので後で訪れることにします。市庁舎の方、先に処理したいしね。 -
[まとめ]
こんな感じで、ノーベル賞観光の前半戦が終了しました。ここまで見てはっきりしたことは、授賞式の週でも、ストックホルム自体は平常運転。列車やホテルが混むこともなければ、観光客が増えるわけでもなし。同僚のスウェーデン人からは、ノーベル賞のノの字も出てこない。もしかして、馬鹿騒ぎしてるのは、日本人だけなのかも。
とはいえ、ノーベル賞は立派なブランド。記念講演という形でアカデミー会員の気分を味わった私は、とても貴重な体験をさせてもらいました。結局は、日本人授賞のニュースが流れる度に、プチ自慢するだけなんですけどね!
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この旅行記へのコメント (1)
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- Happyさん 2017/08/22 19:52:15
- はじめまして
- セントレアの口コミから訪問させていただきました。口コミありがとうございます。たいへん参考になりました。
ズル休み。
はげしく共感しました。(笑)
内容は違うかもしれませんが、私もダイアナ妃が来日した時ズル休みして行っとけばよかった、と今だに思ってます。
しかも!その時働いてた会社では今働いてません。(笑)
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