どうしても久石譲を聴きたくて.ジブリに浸かる東京の夏

2014/08/09 - 2014/08/10

久石譲さんの宮崎アニメと共に歩んだ25年間の武道館コンサートDVDを，呆れるくらい見返しては夢のようだと浸っていた頃，開催を知る久石譲＆新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ2014．
自身の娯楽のためだけに飛行機に乗って東京まで行くことも，ホールでオーケストラを聴くことも，日常からは大きく逸脱した背伸びで贅沢な行為なのですが，生涯に一度だけでいいからどうかこの身で経験しておきたい．という訳で，誰にも告げず自分の満足のためだけの週末を．

エリア 東京

コンサートの始まる夕方まで，疲れることはすまいと日本橋界隈をうろうろと．
つじ半に並んでぜいたく丼のランチの後，愛すべきパン屋のオーナーさんが修業したというシニフィアン・シニフィエのパンを求め高島屋へ．絶対おいしいだろうことはわかるのですがその値に辟易してストックするほどは買えず．ちょっと，日常パンにはし得ないですね．
ちょうど30周年を記念してさくらもももこの世界展が開催されており，まるちゃんやコジコジを見ながら育った世代としてはつい飛びこんでしまいました．

日本橋高島屋S.C. 百貨店・デパート

相変わらず下手な乗り継ぎや見当違いの歩きをしながらなんとか会場まで．ホール内でカメラを出すことはしませんが，コンサートホールって，反射とか音響効果だとかそんな機能を最優先に造られているはずなのに，視覚的にもなんて荘厳で素敵でうっとりさせてくれるのでしょう．

サントリーホール 名所・史跡

お馴染みの両監督からもお花が．

久石譲さん．
舞台下手側の2階席から真下を望むことは叶わず，楽曲ごと観客席からの拍手でその登場を知ることに．曲目が終わると誰よりも嬉しそうにオーケストラへ向け拍手を送り，子供のように両腕を大きく広げて観客席へお辞儀をする人でした．
優雅に鑑賞とは程遠く，身を乗り出して必死になって全神経をステージすべてへ．

昨夜の余韻も冷めやらず，向かうは4度目となる三鷹の森ジブリ美術館．最初の１回を除いては，毎回その道のりをも楽しみたいと思って徒歩で井の頭公園を通って臨むのですが，その度にまあ見事に迷い込むこと．｢迷子になろうよ，一緒に｣の美術館コンセプトをこれほど体現している者もいないのでは．

三鷹の森ジブリ美術館(三鷹市立アニメーション美術館) 美術館・博物館

初めてカフェに足を運びました．キャラクターの描かれたのステンドグラス製ランプシェード，掛けられた麦わら帽子，飾られた１２か月分のカップとトトロの絵皿，それらを見られただけでも並んで良かった．
少し座るのに努力の要る高めのカウンターで，スタッフの女性がずっと話し相手くなってくださり嬉しくて，ああ，ひとりなのだなと実感．

来るたびに土星座の上映が違うのは幸運で，パン種とタマゴ姫は久石譲の音楽であったものだから，昨夜を思い出してまた胸を熱くしてしまいます．

午後から雨も上がったのでもう少し西へ足を伸ばします．ジブリの立体建造物展が開催されていた江戸東京たてもの園へ．実はイベントなどあっていない時に来た方が正解だったのではというくらい，見ごたえのある広い敷地内の屋内外展示たち．
帰り道，背徳感が頭をもたげつつも，この際だからとタクシーの運転手さんにお願いしてスタジオジブリの前を経由してもらいました．通りすがり一瞬，見ることができただけですっと満足．愛すべきものが生み出される土地に足を踏み入れた，それだけで十分です．

江戸東京たてもの園 美術館・博物館