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[日本三奇随一の奇怪遺物・石の宝殿]<br />兵庫県には「石の宝殿」なるものが複数あるが、鹿児島県の「天の逆鉾」、宮城県の「神釜」と並ぶ、昔からの「日本三奇」と言えば、高砂市阿弥陀町生石(おおしこ)宝殿山の生石神社の御神体・石の宝殿。これは背後の宝殿山の岩盤を削って掘り出し、加工した、アナログ・テレビのブラウン管のような形状の石造物で、その大きさは高さ5.7m、幅6.5m、奥行き7.2m、推定重量500トンという破格の規模。側面の中ほどに幅1.6m位の浅い溝が掘られ、天辺には木々や雑草が生い茂り、古墳のような景観になっている。<br /><br />これだけの規模故、藩政期から名所として知られており、シーボルトも著書「日本」で紹介している。<br />このような巨大石造物は相当な権力者でないと製作は不可だが、不思議なことに正史にその記述は見られない。「播磨風土記」では聖徳太子の王の御世に物部守屋が造った石である旨の記述があるが、守屋は太子が厩戸皇子と呼ばれていた頃に殺されているので、それは誤り。<br /><br />「生石神社略記」では次のように記す。神代の昔、大己貴命と少彦名命が国土経営のため、天津神の命を受け、出雲よりこの地に降臨し、一夜のうちに石造の宮殿を造営しようとした。しかし夜明け前、阿賀神が反乱を起こし、こちらに攻め込もうとしている知らせを受ける。そこで宮殿造りを諦め、退避するのだが、横倒しにした宮殿を起こすことができない。そして二神はこの石に籠り、永久に国を鎮めようと誓った。故にこの石を「石の宝殿」ないし「鎮の石室」と称するようになった、と。<br />もっと現実的な歴史文献も神社にかつては保管されていたはずだが、天正7年(1579)、羽柴秀吉からの陣屋としての借り受け申込みを神社側が断ったため、焼き討ちに遭い、各種文献等は灰燼に帰した。<br /><br />石の宝殿の正体や製作時期は今もって未詳だが、先史時代の超古代巨石文明遺跡であることは間違いないだろう。だが、関西の他県にはこれを300トン以上も上回る、空前絶後の超古代巨大石造物が存在する。それは機会があれば投稿するが、探訪コースの各史跡の説明の文章量が桁違いに多くなるので、当サイトへの投稿は許されないだろう。

重量500トン!謎の超古代巨大オーパーツ(高砂から姫路へ・前編)

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1994/02/16 - 1994/02/16

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マローズ

マローズさん

[日本三奇随一の奇怪遺物・石の宝殿]
兵庫県には「石の宝殿」なるものが複数あるが、鹿児島県の「天の逆鉾」、宮城県の「神釜」と並ぶ、昔からの「日本三奇」と言えば、高砂市阿弥陀町生石(おおしこ)宝殿山の生石神社の御神体・石の宝殿。これは背後の宝殿山の岩盤を削って掘り出し、加工した、アナログ・テレビのブラウン管のような形状の石造物で、その大きさは高さ5.7m、幅6.5m、奥行き7.2m、推定重量500トンという破格の規模。側面の中ほどに幅1.6m位の浅い溝が掘られ、天辺には木々や雑草が生い茂り、古墳のような景観になっている。

これだけの規模故、藩政期から名所として知られており、シーボルトも著書「日本」で紹介している。
このような巨大石造物は相当な権力者でないと製作は不可だが、不思議なことに正史にその記述は見られない。「播磨風土記」では聖徳太子の王の御世に物部守屋が造った石である旨の記述があるが、守屋は太子が厩戸皇子と呼ばれていた頃に殺されているので、それは誤り。

「生石神社略記」では次のように記す。神代の昔、大己貴命と少彦名命が国土経営のため、天津神の命を受け、出雲よりこの地に降臨し、一夜のうちに石造の宮殿を造営しようとした。しかし夜明け前、阿賀神が反乱を起こし、こちらに攻め込もうとしている知らせを受ける。そこで宮殿造りを諦め、退避するのだが、横倒しにした宮殿を起こすことができない。そして二神はこの石に籠り、永久に国を鎮めようと誓った。故にこの石を「石の宝殿」ないし「鎮の石室」と称するようになった、と。
もっと現実的な歴史文献も神社にかつては保管されていたはずだが、天正7年(1579)、羽柴秀吉からの陣屋としての借り受け申込みを神社側が断ったため、焼き討ちに遭い、各種文献等は灰燼に帰した。

石の宝殿の正体や製作時期は今もって未詳だが、先史時代の超古代巨石文明遺跡であることは間違いないだろう。だが、関西の他県にはこれを300トン以上も上回る、空前絶後の超古代巨大石造物が存在する。それは機会があれば投稿するが、探訪コースの各史跡の説明の文章量が桁違いに多くなるので、当サイトへの投稿は許されないだろう。

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
交通
4.5
交通手段
JRローカル 私鉄

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