円成寺：奈良市忍辱山(ﾆﾝﾆｸｾﾝ)町の寺は国宝・重要文化財でいっぱいでした

2015/11/03 - 2015/11/06

JR奈良駅西口バス停16番から一日５便の柳生方面ゆきバスで 円成寺(エンジョウジ)を訪れました。
朝は8:11、9:33の2本、午後は12:21、13:06、15:42の３本なので京都駅発8:09の快速に乗って奈良着9:09で、9:33のバスに乗りました。バスで約30分の円成寺口ではなく、その次「忍辱山(ﾆﾝﾆｸｾﾝ)」で下車してすこし戻ると入り口の門の先に、浄土庭園がみえます。バスは柳生まで行って2時間半くらい後に帰ってきます。
門から入って浄土庭園の池のヘリを通り、楼門の石段を過ぎて池が終わるころ、右の石段を上ると受付です。
表紙写真は国指定の重要文化財の楼門です。

忍辱山円成寺(ﾆﾝﾆｸｾﾝｴﾝｼﾞｮｳｼﾞ)は真言宗御室派のお寺で、756年の創建と伝えられるが、1026年に命禅が再興して十一面観音を祀ったのが実質的な開基と推定されている。本尊は寺が栄えた平安時代末期に十一面観音から阿弥陀如来に代わったらしい。
応仁の乱で広大な寺の伽藍は大部分焼けてしまったが、直ちに再興され江戸期には23寺の子院があったという。明治の廃仏毀釈の混乱で衰退し現在の狭い寺域になった。

その狭くなった寺域の中心にある本堂（重文）を囲んで春日堂・白山堂（国宝）、宇賀神本殿（重文）と、平成2年に完成した真新しい多宝塔が配置されている。
国宝としては、春日堂・白山堂の二棟の社殿と、運慶が20代の1176年に彫り上げた大日如来像がある。前者は小さい社殿であるが現存する最古の春日造りの社殿で、明治期の神仏分離令による破壊をおそれて堂と称したという。
国宝の大日如来像は平成2年に完成した多宝塔に安置されている。
国指定の重要文化財としては、1472年建立の本堂、1467年建造の楼門、宇賀神本殿、石造五輪塔、木造阿弥陀如来坐像（本尊）、木造四天王立像がある。
また平安時代後期に作庭の浄土庭園「円成寺庭園」は名勝に指定されている。

写真は撮れないが、仏像の実物をまじかで拝観できるので充実した一日の旅でした。
奈良市まで帰って、前回は休業日だった天極堂で、わらび餅をいただきました。

エリア 奈良市(奈良)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 高速・路線バス 新幹線 JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

帰りに　バス停を撮りました。
奈良からのバスを利用するときは、円成寺口で降りないように　運転手が親切な放送をしてくれる。

入り口の門です。
どこか別の所から移築したものか、橘の紋が掲げてありました。

この右にある門（前の写真）から入ると、池の向こう側を通ります。
建物は楼門ですが、拝観者の入り口は少し左の石段を登るようになっています。

この浄土庭園は楼門の前に中の島があって、小さいけれど美しい庭園です。
千葉大学園芸学部の研究報告があるようです。

山の中の小さい池なので　波がたたず「ミラーレイク」のように景色を映していました。
2018年の４月ころにテレビ朝日などで、奈良県観光のキャンペーンで頻繁にこの絵が流されました。同年5月19日の日経新聞にも大きく紹介されていました。

中の島です。

本堂です。
寝殿造りのこの方向が入り口というのが珍しいのだそうです。

重要文化財の阿弥陀如来坐像が安置されています。
中に入って近くから拝観できますが撮影はできません。

本尊「阿弥陀如来像」です。　重要文化財です。

初期の本尊だった　十一面観音。

本堂の左側の壁際にさりげなく置かれていました。

余談ですがブータンでは　イレヴン・フェイセス････　と呼んでいました。

建物の外から　絵が描かれた柱を撮りました。

このように見事な絵です。撮影禁止なのでこれは絵葉書から寫しました。

左が春日堂、右が白山堂。　日本最古の春日造り社殿です。

明示遺伸の当時、神仏分離令で壊されるのを恐れて「堂」と呼んだそうです。
小さいけれど　国宝です。

春日堂です。　画面左の大屋根が本堂です。
コンパクトにまとまって配置されているのが判ります。

国宝の春日堂と白山堂を後ろから見ました。

屋根がとても美しい。

1467年建造の楼門（重文）とその先の多宝塔（平成2年完成）です。
多宝塔には　運慶が若い時の作で国宝の大日如来が安置されています。

同じく、楼門と多宝塔。

国宝「大日如来像」です。多宝塔に安置されていて、数段の階段を上がると目の前に座っている感じで、圧倒されます。

運慶が　20代後半のときの作です。

確かこれが国指定の重要文化財「宇賀神本殿」。

本殿に向かって右奥にあります。

本殿に向かって左にありましたが･･････、

バス道路に「円成寺」の碑がありました。

このすぐ左の階段を下りると池を見渡せる茶屋があります。

碑の近くの　もみじの葉は切れこみが深くて見事でした。
落ち葉を拾って来ればよかった。

品種登録されているのかな？

絵葉書の包装です。
真ん中の本堂と右に春日堂・白山堂。楼門と石段。多宝塔。
中の島には橋が架かっています。

以下の写真は絵葉書を写しました。

聖徳太子　＊才の像。

何回か　空振りして　今回初めて奈良の天極堂（テンギョクドウ）で食事できました。

葛の根からとった「葛粉」が原料です。
関東の小麦粉から作った「くず餅」と違って「葛もち」と書くようです。

この旅行記へのコメント （2）

• pedaruさん 2015/12/17 06:01:28

  忍辱山円成寺

  ANZdrifterさん　お早うございます。
  
  和田峠のガーネットのことで書き込み頂いたことのあるpedaruです。
  
  聞き慣れない地名と国宝の寺、有名な寺院はたくさん紹介される４トラベルですが、あまり知られることのない（私が知らないだけかも・・）寺ですが、
  ホントに素晴らしい円成寺ですね。仏像も素晴らしく、運慶の大日如来像には写真ながら感動しました。一文字に結んだ口元が静かな中に気迫を感じさせる名作だとおもいました。
  
  ANZdrifterさんの旅行記は格調高いものが感じられます。少しずつ拝見していきたいと思います。
  
  pedaru

  ANZdrifterさん からの返信 2015/12/20 12:37:26

  RE: 円成寺、書き込み有難うございます

  pedaru さん　こんにちは
  
  お久しぶりです。
  
  円成寺は柳生一族のテリトリーの柳生の谷の最上部でしたが、柳生地区まで行くのは止めました。旅先では歩くこと・地元の人と話すことが重要なので、心残りもありましたが寺の周辺だけをまわりました。
  
  運慶が20代の作と伝えられる大日如来が、すぐ目の前にある　という配置は驚きでした。感動を共にしてくださって嬉しく存じます。
  また、旅行記を「格調高い」と評していただき　恐縮しております。
  
  今までは、仏教伝来以後の京都・奈良方面と、中央政権から食料・労働力の供給地とされてきた東北地方の”反逆の歴史”を見てきましたが、これからは知らない町に連泊して、旅とか文化とかを考えてみたいと思っています。
  
  これからも　よろしくお付き合いください。
  書き込み有難うございます。
  
  ANZdrifter