2015/09/02 - 2015/09/03
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つるまるこさん
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2泊3日、電車とバスで四国をぐるり。おいしいものを食べ歩き、エンゲル係数高めの文字通りグルメツアー。第2弾は、1日目の宿泊地・高知県宿毛市から、2日目午前中の訪問地・中村の町と四万十川下流エリアの記録です。東京からのアクセスが容易ではなく、これまでなかなか訪れる機会がなかっただけに、印象深い旅となりました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 3.0
-
愛媛県は宇和島の町から、路線バスで移動すること2時間。海沿いの道もどっぷり日が暮れて、夜の7時過ぎ、目的地の宿毛市に着きました。
宿毛駅の前でバスを降りたのですが…、辺りは真っ暗。既に本日の営業を終了しているお店が多く、人影もほとんど見当たりません。
ここから、今晩予約した居酒屋「福なが」さんへと歩いて向かいました。道路沿いをとぼとぼ、15分ほど歩いたのでしょうか。虫の鳴き声だけが賑やかに響くのどかな夜道でした。
「福なが」さんの店内には、既にお客さんが数組。繁盛している様子でした。
宿毛は美味しいお魚がたくさん食べられる町と聞いていたので、たっぷりと地元の味覚とお酒を楽しんで、一晩ゆっくりしようと、こちらの町を1日目の宿泊地に決めたのでした。
最初に登場したのは、手作りのお豆腐。海辺の町らしく、お魚がちょこんと乗っています。
そして、高知に来たなら地元のお酒を飲まないと☆今晩は焼酎をロックでいただきます。 -
きました、きました。宿毛の近海で獲れた、新鮮なお魚の刺身です。
手前からブリ、イカ、カツオ、サバ、そしてグレと呼ばれるお魚。
どのお刺身も、本当に美味しかった…!!やはり、獲れたてのお魚は鮮度が違いますね。東京で味わうのは難しいはず。こうやって、地元でこそ美味しく味わえるものを楽しめるのが、旅の醍醐味だとあらためて感じます。 -
じゃん! 高知名物、カツオのたたき!
ぽん酢でいただくイメージのあるたたきですが、高知ではシンプルに粗塩を振って食べるスタイルもメジャーのようです。カツオの味がぐっと引き立ち、とろけるように美味しかったです。いくらでも食べられそうでした… -
宿毛でもいただきました、じゃこ天。そして、写真の奥にあるのは、珍しい「うつぼ」の唐揚げ。この界隈では、うつぼが食卓に並ぶそうです。あのギザギザの歯を持ったおっかないイメージとは裏腹に、その食感はふっくらホクホクさくさくでした。丁寧に小骨を取っていただいており、とても食べやすかったです!
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ぷりっぷりの、甘海老。
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もちもちの焼きそば。県特産のにらが入っているのが、高知ならではですね!
お腹いっぱい食べて飲んで、お会計はひとり4000円足らず。びっくりです。地元の方のブログをいくつか読んで、このお店に行ってみよう、と考えていたのですが、やっぱり地元の方がおすすめするお店はハズレなしですね。リーズナブルに地元の美味しいものを堪能できた至福のひとときでした。訪問した甲斐がありました…良かった。宿毛まで足を延ばす機会がありましたら、ぜひ「福なが」さんに寄ってみてください!
この日、宿泊したのは「ホテルアバン宿毛」さん。歩けば宿毛駅から10分ほどの立地で、清潔かつリーズナブルな快適なお宿でした。
東京からは本当に遠かった…でも、ここまで足をのばして良かったとしみじみ思える1日目の旅でした。 -
翌朝の定食。チェックインの際に、どの定食にするかフロントで選ぶシステムでした。夫は和定食、私はこちらのしらす丼定食にしました。朝からお魚もりもり。幸せな気分になります。
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お腹は満たされましたが、窓の外のお天気はご覧の通り…
写真ではわかりにくいのですが、この日の高知は大雨の予報が出ていて、既に宿毛の町ではどしゃぶりの雨が降り注いでいました。窓から見える畦道は小さな川と化していました。
なにより心配なのは、今日の行程です。今日はこれから、四万十川を屋形船で下るという、この旅最大のイベントが待っている…はずだったのです。
もしかすると悪天候の影響で今日の運行は中止になるかもしれないな、朝ごはん食べたら電話で問い合わせてみよう、なんて考えているうちに、屋形船の方からお電話が。「すみません。予約いただいていた今日の便なんですが、あいにくこの天気で船を出せなくなりまして…」あぁ、やはり予想通りの展開です。
とはいえ、せっかく遠方からはるばる訪れたのですから、せめて四万十川の思い出を作りに行こうと、予定通り、まずは四万十川観光の玄関口である中村の町へと向かうことにしました。 -
バケツをひっくり返したような雨が降っているので、ホテルから宿毛駅まではやむなくタクシーを利用。
宿毛駅の中には、特産物の直売コーナーがありました。観光客だけではなく、地元の方々も日常的に利用していそうな雰囲気でした。 -
1両編成の小さな列車で、出発。
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ほのぼのタッチのくじらのイラスト。ちょこんと乗っているのは…、うーん、らっきょ?
乗ってくるのは皆、通勤通学中の方々。観光客はおそらく私たち夫婦だけです。平日の朝ですものね。
1両編成の小さなローカル線に揺られること30分。中村駅に到着しました。
四国の小京都と呼ばれる中村の町。少しくらいの雨なら、散策を楽しめるかなと思っていたのですが…
外は相変わらずのざぶざぶ雨。これでは、川下りはもちろん、町歩きすら難しそうです。
とはいえ、はるばる東京から初めて訪問した町です。この先も、そうそう訪問できる機会はないはず。せっかくですから、せめて素敵な思い出を作りたいと考え、地元の名物を食べに行くことにしました。
中村駅構内のお土産屋さんでいそいそとビニール傘を買い、タクシーを探します。これが幸運な出会いでした!
運転手さん「あいにくの雨ですね〜。今日はどちらからいらしたんですか」
私たち「東京から来ました。川下りの予約をしてたんですが、この雨で運行がキャンセルになってしまって…」
運転手さん「あら、それは残念でしたねー。四万十は雨が多いので、水かさが増すと船が出せなくなるんですよ。でも、今日はだいぶ川の色がましになった。先日の大雨で、昨日まで川の色は泥色でしたよ。晴れてても、綺麗な色は見られなかったはず」
私たち「そうなんですね…川下りできないならせめて、川を見ながら美味しいものを食べて帰ろうかなと」
運転手さん「そうですか。あ、この後、どのくらい時間ありますか?せっかくですから、案内しましょうか」
私たち「!!!」 -
実は、私たちが乗り合わせたのは「おもてなしタクシー」でした。
映画化もされているので、もしかすると耳にしたことがある方もいらっしゃると思いますが、高知県庁に「おもてなし課」という部署があることはご存知でしょうか?
高知では、観光客をおもてなしの心でお迎えしようというスローガンのもと、県民のガイドさんの育成に力を入れているようです。
おもてなしタクシーとは、接客やガイド力など、県が設ける一定の水準をクリアした運転手さんが乗るタクシー、つまり県庁おもてなし課お墨付きのタクシーのこと。現在、県内のタクシードライバーの2割がおもてなしタクシーとして認定を受けているそうです。
私たちがタクシーに乗ったのはお昼前の11時半。高知行きの特急列車は13時24分に中村駅を出発します。お昼を食べ終えた後、約1時間半という短い時間ではありますが、せっかくなので、川下りで訪れる予定だった沈下橋を見たいとお伝えしたところ、快諾いただけました。
お言葉に甘えて、食事を終えた後にレストランまで迎えに来ていただき、タクシーで四万十市の名所めぐりをすることになりました!
腹ごしらえは、「四万十屋」さんで。四万十川で獲れたうなぎや川魚料理がいただけるお店です。川岸を眺められる屋根付きのデッキ席は満席でしたが、窓際の席でうな重を堪能しました。天然のうなぎは身が締まってますね!そして、一度蒸してから蒲焼にする江戸前のうなぎとは異なり、こちらのうなぎはそのまま蒲焼にするので、脂が乗っていてジューシー。食べ応えがありました。とっても美味しかったです… -
おもてなしタクシーに乗って、四万十ショートトリップ、スタートです。
まずは中村のシンボルとも言われているこちらの赤鉄橋、四万十川橋。あいにくの天気でも、際立って明るい鉄橋の赤が印象的です。
この鉄橋は、大正15年、四国で最初に架けられた鉄橋とのこと。暴れ川と呼ばれる四万十川において、橋ができるまで、川を渡る唯一の手段は渡し船だったそう。ある日、川の増水により渡し船が転覆し、学生さんを含む複数の方々が犠牲になったことを機に架橋を呼びかける運動が高まり、悲願の橋建設へと至ったのだそうです。 -
途中、地震による崩落からの再建、数回の工事を経て現在の姿になっているそうです。
しばらく四万十下流の堤防沿いを進みます。桜並木が広がっていました。雄大な川の流れを見ながらのお花見、なんとも贅沢ですね。地元の方々がうらやましいです!
堤防沿いを離れ、山あいの小道をうねうねと進みます。最も下流にある沈下橋、佐田の沈下橋を目指します。 -
こちらが佐田の沈下橋。このように、欄干のない橋が四万十川には合計47か所あるそうです。急流や流木で川が流されないように欄干をつけておらず、増水時に川に沈む設計になっていることから、沈下橋の名で呼ばれるようになったそうです。
佐田の沈下橋は、なんと、対面通行可能とのこと。地元の自動車学校では、この橋を対面通行する教習があり、テレビでも何度か取り上げられているとか…恐ろしい……私はとてもチャレンジする勇気がありません。 -
さらに奥へと進むと、次に見えてきたのは三里の沈下橋。
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橋の上から四万十川を眺めると、その雄大さを実感します。水が澄んでいる時は群青色の流れだそうで。さぞかし美しいことでしょう。晴れの日の訪問は次の機会のお楽しみに、ということで。
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こちらはもちろん一方通行のみ。歩くのもドキドキします。
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昼になり、水かさがちょっと引いてきたのがわかります。遊覧船の中でも、水かさ次第で一定の地点まで運行する便もあるようで、一隻の船が出ているのが見えました。
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中村方面へと戻り、お次は安並水車の里へ。藩政時代、当時の藩主・山内家の家老だった野中兼山が開発した用水路から水田に水を汲み上げるために設置されたもので、明治初期には50基もの水車があったそうです。現在は灌漑用には使用されておらず、観光用に14基ほどの水車が回っています。
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これほどたくさんの水車が回っている景色を見るのは人生で初めて。新鮮です。
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あじさいの季節は特にオススメだそうです。
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中村の町は、通りが碁盤の目状に整備されており、町名も京都の地名に因んだものが多く見受けられます。応仁の乱の戦火を逃れてこの地に渡った時の関白、一条教房が京都を偲んで町の整備をさせたことがきっかけだったようです。
その後、一条家はこの地に戦国大名として土着。もともとの地元の豪族、為松氏が家老として取り立てられ、その為松氏が建設したといわれるのが、写真奥の中村城です。
一国一城制により、土佐藩の城が高知城と制定されてから中村城は廃城となりました。今の姿は、昭和40年代に当時の姿を模してつくられたもので、市の郷土資料館となっているそうです。 -
中村市街の中心部にやってきました。小さな町ですが、活気を感じる町並みです。市の人口に対する飲食店の数は、日本最多だそうです。
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中村駅まで戻ってきました。わずか1時間半とは思えない盛りだくさんの町めぐりでした。丁寧な解説で町を案内してくださった、鈴ハイヤーの藤川さん、ありがとうごさいました!
ここから特急列車に1時間半ほど乗り、高知の街へと向かいます。 -
ちなみに。中村駅は古い駅舎とモダンなデザインを組み合わせたちょっと変わったつくりになっていて、表彰もされている有名な駅だそうです。時間がなかったので私たちはゆっくり見ることができなかったのですが、まちづくりやデザイン、リノベーションに興味のある方は必見です。
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電車から眺める太平洋。東の空が明るいのがわかります。高知の街は晴れているのかも。まだまだ、旅は続きます。
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