2015/08/23 - 2015/08/23
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地酒大好きさん
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今日は長野県木曽郡大桑村にある糸瀬山(いとせやま。1867m)に登ってきました。前回は2010年7月下旬に登っており、今回は2回目です。標高差は約1000mで健脚向きの山です。
早朝に家を出て中央道を中津川ICで降りて、国道19号線を北上します。朝が早いため19号線は空いていました。午前8時に一番に登山口に到着。すぐ後に松本ナンバーの長野県飯田市の男性二人組が到着しました。彼らとほとんど同時に出発しました。気温は20度ぐらいですが、湿度が高いため歩き始めて10分ほどで汗が滴り落ちます。このルートは途中の展望はあまりなく(本当は尾根を歩くのですが周囲の木が伸びて視界を遮っているからです)、ただひたすらに登るだけです。途中に「丸屋の鳥屋」とか「山居の鳥屋」という場所を通過します。鳥屋(とや)というのは、大昔から昭和時代にかけて山中に鳥網を張って野鳥を狩猟した基地です。小さな小屋をかけてその中で寝泊まりして早朝から狩猟活動をしました。今では法律で禁止されていますが(それでも密猟が現在でも行われています)、昔は野鳥は人間にとって重要な食料でしたから、岐阜県の東濃地方を中心にさかんに行われていました。登山道に野鳥がタカに襲われた跡(食痕しょっこん)がありカケスのものでした。
途中にこれといった見所はなく、ササの中をどんどん登ります。上部にかかると古い大きな倒木が登山道を塞いでいます。これらは1959年に当地を襲った伊勢湾台風のときに倒れた木です。それらが半世紀以上たった今でも完全には腐らずたくさん残っています。あと50年ぐらいは残りそうです。でも50年後に伊勢湾台風と聞いて理解できる人がいるでしょうか? 途中「キョロン キョロン ツイー」とよく鳴く鳥がいました。マミジロかアカハラか迷いましたが、帰宅して図鑑で確認するとアカハラでした。マミジロは「キョロン ツイー」です。
「青ナギ」という山が崩れた場所に出ると、展望が開けて中央アルプスの山並みが見えます。今日はあいにく曇り空で中央アルプスには雲がかかっていて完全には見えませんでした。昨夜の雨でササが水を含んでおり、藪漕ぎをするときに服がびしょ濡れになりました。でも夏は水が保冷剤代わりになってひんやりと気持ちがいいものです。ここではホシガラスの声を聞きました。アカゲラの声もあちこちで聞けました。
頂上には160分(2時間40分)で着きました。一番乗りです。頂上には巨石がたくさんあるだけで、展望は利きません。一番大きな岩が「のろし岩」と呼ばれるもので、はしごがかかっていますが壊れそうで怖く、途中まで上がって戻ってきました。この岩の上まで上がれば展望は利くようですが、危険を冒してまでも上りたくありません。朝会った二人組、男女の二人組、長野市からの主に高齢女性の8人グループが今日の登山者です。午前11時頃の気温は20度で、保冷剤が効きすぎて寒いくらいです。頂上ではウソの声が聞けました。平地では冬にしか見られない鳥です。ランチをとってからすぐ下山を始めました。
急な道のため走り出して止まりません。1時間ちょっとで下山できました。登りの時には気がつかなかったのですが、ヤマジノホトトギスがたくさん咲いていました。アキノキリンソウもたくさん咲いていました。オオカメノキは赤い実をつけていました。これから黒い実に熟していくのですね。
下山後にある山の中の一軒宿のひなびた温泉に入ろうと思って電話をしたのですが、昼近かったせいかだれも出ませんでした。休憩時間だったのでしょうか。2010年には下山後入浴した温泉です。仕方なくそのまま帰宅しました。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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糸瀬山登山口にある、登山者名簿が保管されている木製のボックスです。扉を開けると何か昆虫が飛び出しました。扉の内側にはご覧のような土で作った巣がありました。ハチの仲間のものでしょうか?
ここに登山届を提出しておきました。 -
糸瀬山登山口です。ここで海抜が870mで、頂上まで180分と書いてあります。覚悟を決めて出発です。
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ルートのほとんどがこのようにササが生い茂っていて、その中を登山道が通っています。
ブナ、ミズナラ、リョウブなどの木が多い山です。 -
「胸突き八丁」の看板がある急な登山道です。写真からは想像できませんが。
ここで汗が吹き出ます。気温は20度ぐらいです。 -
イトセと鉄板に穴を開けて文字が書いてある道標です。いたるところにこれがあり、道に迷うことがありません。製作には手間がかかったはずです。
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ヤマジノホトトギスがひっそりと隠れるように咲いていました。
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「丸屋の鳥屋(とや)」の看板です。昔はここに小屋をかけて前の晩から泊まって早朝の野鳥狩猟の基地になっていた場所です。何万羽、いや何十万羽の野鳥が犠牲になったのでしょうか? 鳥たちの怨念が感じられる場所でもあります。
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「丸屋の鳥屋」の小屋跡です。周囲は石垣が積まれていたようで、崩れた石垣だけが残っています。
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ここも鳥屋の跡のようですが、名前がありません。崩れた石垣の跡だけが残っています。
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どんどん登っていくと、「山居(さんきょ)の鳥屋」の看板があります。これも鳥屋の跡です。登山口からかなり登った高い場所にありますが、当時はここまで下から通ったのですね。狩猟した鳥を南京袋などに入れて担いで山を下りたのですが、かなりの重労働だったと推測されます。それでもかなりの稼ぎもあったはずです。
今の登山道は林道を車で上がったところにあるのですが、昔は林道などはなく集落からはるばる歩いて通ったのですね。 -
登山道に鳥の羽がかたまって落ちて散乱していました。かたまっていたところから、タカなどの猛禽類に襲われたものと推測されます。
イタチやテンなどの動物に襲われたのなら、羽はかたまらずに長く引きずられたように落ちているからです。
このように他の動物などに襲われて捕食された痕跡を、食痕(しょっこん)と言います。 -
食痕をよく観察してみると、きれいな青い羽が見られます。これはカラスの仲間のカケスのものです。
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途中で下界を見下ろすと、コバルトブルーの水面が見えます。これは伊奈川ダムの貯水池です。このルートでは有名なスポットです。
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「まむし坂」と呼ばれる坂です。緊張が走りますが、さいわいマムシには会いませんでした。
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樹間から中央アルプスの山並みが見えましたが、あいにくガスがかかっていてはっきりとは見えませんでした。
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ササの中の道をひたすら歩きます。このあたりはササが短く刈られていていいのですが、刈られていないところではササの背が高くて藪漕ぎを強いられます。すると前夜降った雨がササの葉に溜まっていて、全身がびしょ濡れになります。冬なら凍死ですが、今はちょうど自然の冷却材のように体を冷やしてくれ助かります。
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アキノキリンソウがササのないところに咲いています。秋ですね。
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1959年の伊勢湾台風でばたばた倒れた木が横たわっていて、登山道を塞いでいます。半世紀以上経てもまだ完全には腐らないのですね。あと50年ぐらいは残るのでしょうか。
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これも倒木です。実に多くの木が倒されたようです。
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倒木の中にはこのように土に還りつつあるものも目立ちます。
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オオカメノキの実が赤く色づいていました。これから熟して黒くなります。秋ですね。
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登り始めて160分で頂上に到着しました。大きな岩がゴロンゴロンとあるだけの展望が利かない頂上です。
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頂上を歩き回るとシャクナゲとイワウチワがたくさんありました。花は春に終わっていますが。
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ひときわ大きなというより巨岩があります。「のろし岩」と呼ばれる岩で、この山の一番の目玉です。高いのではしごが届かず、はしごの上は鎖だけを頼りにてっぺんまで上がることができます。岩の周囲は垂直で、転落したらおしまいです。
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気を取り直してはしごを登り始めましたが、はしごの中央部のつなぎのところが折れそうで、怖くなってギブアップしました。グラグラ揺れて気持ちがいいものではありません。
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この山の三角点は大きな岩の上に穴を開けて埋め込んでありました。こんな方法で三角点を立てたものは初めて見ます。
この三角点の上に腰を下ろしてランチを食べました。 -
下山して登山口近くにあった「マタキテネ糸セ山」の看板です。また来なければならないですね、いつか。
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