2015/07/18 - 2015/07/18
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nomadic dreamさん
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純白の羽を大きく広げ、優雅に大空を舞う
姫路城、別名白鷺城(しらさぎじょう、はくろじょう)
起きがけの髪と顔を別の住民に見られぬようにこっそりとマンションを出る三連休の初日。
エレベータに乗れば、途中の階で止まらぬようにとドキドキする、ちいさなサスペンス。
早朝の電車に乗っても、同じ目的地へ行く奴がいないか、ありもしないことで周りをキョロキョロしてしまう。
そう、今日は長年念願だった姫路めぐり決行日なのです。
なぜ長年?姫路城といえば、幼少期のプラモデルでめぐりあって以来の、まるで初恋の恋人。
緑のパウダーを草木に見立てて降らせる技巧が、子供心をくすぐったのか。
母親からは「年寄り臭いわね」と言われつつ、夢を馳せた思い出が。
念願の「再会」、その優美な姿の「光」を見ていくうちに...。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
-
JR姫路駅に着きました。
改札を潜り抜けると、早くも視界に「しらさぎの城」が入ってきます。
築城400年を超える日本の国宝。1993年日本で初めてユネスコ世界文化遺産として登録され、老若男女の知るところ。
駅からは歩いて10分も係らないくらいでしょう。
まぶしいくらいの「白さ」は少し「過ぎた」感がするのは私だけでしょうか。
もちろん、正面はなみちからのアプローチ。姫路駅 駅
-
木立の合間を抜けて、無防備にも見える白い美しい姿。
ここから見ているだけでも満足してしまいます。不思議です。
いつも、こうやって目的地まで歩いている姿は、まるで「自由行動の修学旅行生」のように思えてきて、自分で楽しくなってきます。 -
この日は、台風11号が過ぎ去った直後の曇天。
しかしながら、華麗な姿。
天を突く姫路城には、何か言葉に尽くせぬ気配があたりに漂っています。 -
お約束。姫路城への入り口。
「桜門橋」前で、等間隔で記念撮影をするカップルたち。
必ず、彼女がお城を背景にピースをする姿は世界共通なのでしょうか?
話している言葉から分析する限り、ピースの方々はアジアの方々です。 -
世界文化遺産。
かつて、英会話教室の教科書にも「浅草、京都、姫路城」が載っていました。
設定は、日本にホームステイに来た外人を連れて日本の有名なところへというものです。姫路城では、「わーすばらしい」と外国人は必ず感嘆します。 -
正面からの姿は何度も本や雑誌で見た姿。
外国人のカップルは、慣れない手つきでカメラを駆使してあらゆる角度から城をバックに自撮りを試みています。
そもそも、お城は軍事用の要塞だったのですが、現代は歴史の1コマとして注目を集めているのでしょうか。ふとそんなことを考えていました。 -
この角度からも魅力があります。
高く積みあがった石段。江戸時代初めにできたとは思えない天守閣。
どれも、人間の手によってできたと思わせる余地がありません。 -
「光」の裏にはやはり「影」。
現在の姿は、江戸時代に入り城主池田輝政が1601年から9年をかけて築城。
そのときの築城に当たった棟梁は桜井源兵衛。
築城には2,400万人もの大工が関係したそうです。釘は一切使わずまた雷除けのため金属も必要以上に使われていないようです。
そして竣工直後、源兵衛がノミを加えて天守から身を投げたといわれています。
極秘の内部構造を知り尽くしている責任者としての死といわれ、今でも語り継がれています。そんな複雑なことがこの優美な姿の背後にあったとは。
その源兵衛は、もともとそれを承知で仕事を引き受けたのではないかとも。 -
参道風景。入り口は正面。
その手前左側に売店があります。
ここで突如フラッシュバックが起きました。何と、幼少期に作った姫路城のプラモデルが置いてあるんです。おもわずのけぞってしまいました。
今や世界文化遺産として名を高めて、参道は混み合うようです。
行きと帰りはこのように区別されています。
この日は台風一過の悪天候で訪れる人もわずかでした。 -
1580年頃の築城時に積まれた石段です。
大きいのやら、小さいのやら、こうやってみると、当時の苦労が偲ばれます。 -
そしてもう1つの疑問が。
太平洋戦争で戦火を免れたことです。
姫路は、軍事兵器庫があったことから、米軍による爆弾投下を受けました。
周囲は陸軍兵器庫に囲まれていたのですが、このお城だけは爆撃されずに済みました。
当時、敵に見つからないように城を黒く塗ろうかとも案が出たのですが、結局は黒い紐を周囲に巻いてカムフラージュをして戦火を免れることができたとのことです。 -
姫路市立美術館。
姫路城の隣に建つレンガ造り建物は「陸軍兵器支廠(兵器庫)」跡地です。
まさに城廻が陸軍の要塞であったことがわかります。
この建物も唯一戦火を免れて、現在は美術館として利用されています。
この光景を見ると、いくら世界遺産といえども、お城はやはり軍事施設であることを考えさせられます。 -
大阪城もそうなのですが、この姫路城も周囲には軍の施設が作られて、太平洋戦争の要塞となしていたようです。
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新緑が眩しい城回りです。
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東西南北至る方面から姫路城を見渡すことができます。
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ひっそりとして、外国人も美術館には入ってきません。
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時おり、風が吹いてきます。
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お城を後にして、姫路名物の「炭焼あなご」にチャレンジ。
江戸のあなごとは違って、何ともやわらかいのです。
薄めの甘いたれで、しつこさはあまりありません。 -
これが炭焼あなご。
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姫路からは阪神梅田まで直通特急で帰ることにしました。
かねてより阪神電車には乗りたいと思っていました。
(姫路からは梅田まで直通の特急があります。山陽電車、神戸地下鉄、阪神電車が一つの線路で繋がっています)
阪神というともちろんタイガース。甲子園、三宮、芦屋、西宮そして神戸と、知っている名を冠した駅を通過するたびに、達成感を味わうことができます。
阪神電車というと、近鉄や阪急と比べると地味に感じますが、結構有名どころを押さえているんですね。 -
しかし、姫路から特急に乗って帰るのも芸が無いので、山陽電車の「普通車」に乗ってみました。(関西では各駅停車のことを「普通車」と呼びます)
姫路からはしばし「生活感の溢れる乗降」が続きます。
日常の生活に密着している私鉄ならではです。 -
明石で降りてみました。
江戸時代から続く「おさかなの町、明石」の象徴「魚の棚」(うおんたな)を歩きます。
明石といえば、タコ。タコは干しダコになっています。
まさか海に泳いでいたときには、店先で「つっぱらがって」吊るされるとは夢にも思わなかったでしょう。
これはさすがに、サスペンスではなく、サスペンド。山陽明石駅 駅
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明石海峡大橋をのぞみます。
明石の町は、淡路島へ向かう入り口にあります。
船が行ったり来たりして、瀬戸内ののんびりしています。
しかし、噂通りの瀬戸内、風が凪いで蒸し暑いのです。
けだるい熱風を切り裂きながら幾隻もの大型船が横切っていきます。明石海峡大橋 (本州 舞子浜側) 名所・史跡
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こちらは「たこ焼き」用のタコです。
まだ干され始めてから間もないようです。
うーん、これもサスペンスではないが、サスペンドです。 -
漁港の風景。
びっしりと船が詰まっている漁港には、海の匂いのする「生活感」がにじみ出ています。 -
山陽電車ものどかな瀬戸内をわきに見て海岸線を走ります。
のどかな風景が車窓に楽しめます。
ここは「滝の茶屋」駅ですが、思わず海が見えたのと、駅名に惹かれて降りてしまいました。
贅沢な風景を満喫しました。 -
明石市のある播磨は日本のど真ん中にあるようです。
東経135度線と北緯35度線が交差する日本の中心だそうです。
だから何..?と言いたげですが。特に無いようです。 -
阪神電車直通特急が入ってきました。
乗り込むや否や眠りについてしまいました。
そのまま帰路に着きました。 -
不思議なもので、電車に揺られて眠っていたくせに、梅田に着いて目が覚めて道頓堀に出てみました。
このあたりにくるとサスペンスどころか、現実の世界に引きずり込まれます。
妖しくもまぶしいこの界隈には魔物が棲むのか、夜遊びに耽る善男善女がひっきりなしに往来しています。
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