71年前の戦場へトラック諸島でDIVE！ 水深57mの世界！！～駆逐艦 追風(OITE)～

2015/01/09 - 2015/01/09

5日～12日までトラック諸島で計16本潜ってきました。
9日の1本目は駆逐艦 追風。
神奈川県の浦賀船渠で建造され神風型駆逐艦の6番艦として大正14年10月30日に竣工。
排水量1270㌧ 全長102.57m 最高速力37.25ノット
太平洋戦争開戦時には旧式化しており南方方面の攻略作戦に参加し、その後は船団護衛に従事。
戦争後期になると一部武装を撤去して高速を利用しての輸送作戦に従事。
そして昭和19年2月15日に損傷した軽巡洋艦阿賀野を護衛してトラックを出港。しかし2月17日に阿賀野が潜水艦からの魚雷攻撃を受け炎上沈没し乗組員多数を収容しトラックへ引き返す。翌18日に空襲下のトラック泊地に北水道から進入したが敵機に発見され魚雷攻撃を受け轟沈。
阿賀野乗員も含めて十数人のみが救助されたのみで悲惨な結末に。
沈没場所はトラック環礁北方Fanuela島北西水深61ｍの海底に船体中央部付近で真っ二つに折れて艦後部は水平状態、艦前部は転覆状態で沈んでいます。
黙祷の後に潜行開始。
2017年5月のダイビングはhttps://4travel.jp/travelogue/11381440

エリア チュック（トラック）(ミクロネシア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 船 徒歩
• 航空会社: ユナイテッド航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

空襲2日目の2月18日、北水道から進入してきた追風は恰好の攻撃目標に...。
回避運動中の追風。

右に左に回頭し魚雷を回避する追風に最後の時が迫ります。

船体中央に魚雷が命中し轟沈。

追風の説明用ボード。

天候は下り坂で風も若干ありましたが、追風に向けて出港。
沈没場所まではブルーラグーンダイブショップがあるWeno島（日本名 春島）の南からボートで50分。
出港10分程で空港付近を過ぎて一路北上。しかし途中からスコールに見舞われ零メートル視界のなか現場付近に到着。風浪も強くなり沈没船の直上にあるブイの捜索に20分以上かかりガイドが諦めかけたその時、船尾方向にブイ発見！
ガイドはGPSを使用せず近くの島の稜線を目印に探しますさすが海人！
急ぎブイに係留し大揺れのボートから潜行開始。

ポイント名 追風。
平均水深20.0ｍ Max57.8ｍ 透明度Max20m 水温29.4℃
12リットルタンク背負っての46分のダイビング。
スマフォのジャイロ情報では北緯7°36′44″東経151°49′59″
今回6回目の減圧潜水！
2分で48mまで急速潜行！

ブイのロープ付近を急速潜行して行くと水深40mで追風の艦尾船体が薄っすらと見えてきました。
水深40ｍで艦尾から船体中央部に水平移動。

薄っすらと見える後部の12cm砲。

前方を見ると真っ二つに切断された船体中央部が見えてきました。

艦中央部の切断面。
前部煙突、後部煙突とも吹き飛んで見当たりません。

艦首部分は写真右手に転覆状態で着底しているはずですが視認できず。

艦後部へ移動します。甲板面で55ｍ前後です。
ガイドの下に見える丸い部分は取り外された魚雷発射管の設置場所。

甲板に見えるレールは魚雷運搬用のものです。

甲板のハッチを除くと暗黒の世界です。
恐らく艦内は数百人の遺骨が眠ったままです、南無阿弥陀仏。

後部の12cm付近に到着。
砲側に設置されたBOXに収められた弾薬。

後部の12cm砲。
対空戦には使用できない旧式砲なので艦首を向いたままです。

最後尾の12cm砲を撤去して増設された25ｍｍ連装機銃。
中心線より右舷に設置されていますが、轟沈前に左舷から低空で接近する雷撃機を射撃していたのか左舷を向いたまま時間が止まっています。

戦後70年、未だに対空戦闘中です。
左舷にもスペースがありますが機銃は見当たりません。衝撃で脱落したのか装備されなかったのか不明です。

機銃の後ろにある装備されている爆雷群。

艦尾から艦首方向を見るとこんな感じです。

後部のハッチを除くと爆弾の尾部の様なものが確認できました。
不発弾？

浮上開始です。

艦尾の写真。

さらば、追風！
潜水時間46分のうち急速潜行に2分、船体付近10分で残り34分は浮上及び減圧停止の時間になりました。

水深５ｍで減圧中！
ガイドは予備タンク1本を持って潜行ですご苦労様です。
2本目は嵐の中1時間移動して花川丸へ。