大山街道⑩　バス停「道灌塚前」（伊勢原市）～大山ケーブルバス停（伊勢原市）

2015/06/17 - 2015/06/17

大山街道歩きも、いよいよ大山が目前に迫ってきました。

関東はすでに梅雨にはいって、曇り空の2015年6月17日、前回のゴールのバス停「道灌塚前」から、大山ケーブルバス停まで歩きました。

写真は大山街道から見える「大山」です。

エリア 伊勢原(神奈川)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄 徒歩

この日のルートマップです。

まず、小田急にて「伊勢原駅」まで行きました。駅前には大山阿夫利神社の「一の鳥居」が立っていました。ここから「大山ケーブル駅行き」のバスに乗りました。

一の鳥居 名所・史跡

バス停「道灌塚前」にて下車しました。

千石堰用水沿いの道を歩きました。千石堰用水は、「道灌堀」ともよばれ、上杉館の空堀に水を引くための用水でしたが、実際は農業・生活用水の役割をはたしてきた用水です。（用水の流れは道路左の草むらの中にあって写真では見えません）

千石堰用水 名所・史跡

道路の右側に①「台の道標」がありました。石造物が三つあり、その中に道標があり「上り大山道　下り戸田道　寛政十一年」と刻まれていました。

台の道標 名所・史跡

「台の道標」から、来た道を振り返ったところです。

台の道標から右の折れて進むと②「上粕屋神社」の参道がありました。

上粕屋神社 寺・神社・教会

上糟屋神社は、上杉館の鎮守で、天平年間（729〜749）に良弁僧正が大山寺を開いた時に勧進した神社です。

この神社にも鐘楼がありました。

鐘楼の梵鐘です。

上糟屋神社の近くに③「七人塚」がありました。

七人塚 名所・史跡

③「七人塚」は太田道灌に殉じた七人の従者を葬った塚です。

その先の④「太田道灌公之墓」がありました。

太田道灌のお墓です。

太田道灌の墓(洞昌院) 名所・史跡

お墓には宝篋印塔 （きょうほういんとう）」が立っていました。宝篋印塔は経文を納めておく供養塔です。

お墓の横の説明板に太田道灌の人となりが書かれていました。

お墓から、前回訪れた「洞昌院」へ向かいました。

こちらには、墓地に入る立派な門がありました。

「洞昌院」の本堂です。

太田道灌の墓(洞昌院) 名所・史跡

写真は洞昌院にあった「太田道灌公霊廟」です。

洞昌院から、「石倉橋」に向かいました。この近くには「旧自治会館」があり、その前に大きな「道標」があると案内書に書かれていましたが、再開発で取り壊されて草原になっていました。

草原の隅に真新しい⑤「腰懸不動堂」がありました。

お堂の中には「腰懸不動尊」が祀られていました。

不動堂の隣りには、地蔵尊や庚申塔がありました。

ここから、大山を目の前にしながら、大山街道を進みました。

やがて街道の右に⑥「比々多神社」がありました。

比比多神社 寺・神社・教会

⑥「比々多神社」は創建が天平年間（729～49）といわれる古い神社で、古社を象徴するように境内を巨木が覆っています。

かつては、拝殿前の柱を削って飲むと、安産が出来ると信じられていました。今では、下刷りとられて細くなった柱に、削らないようにとの注意書きとともに、針金と鉄枠を巻き付け保護しています。

拝殿の内で、美人図絵馬が奉納されています。この絵馬は、厚木市出身の浮世絵師歌川国経によって描かれたもので、神奈川県指定の重要文化財になっています。

神社の裏に、萱葺き屋根の民家がありましたが、屋根は壊れていました。

このあたりからは、大山が迫って見えました（表紙の写真）。

さらに進んで行くと、道路の右に⑦「地蔵院易住寺」がありました。

「地蔵院易住寺」の三差路を左の曲がると、大山街道の旧道で、すぐに⑧「子易児童館」があり、隣りに⑧「比々田神社」がありました。

大山街道の旧道です。

旧道を進んで行くと⑨「這子坂」になります。這って上らなくてはならないほどの急坂であり、赤ん坊がこの道を這っていたら鷲にさらわれた、という話が残っているそうです。写真は「旧道這子坂」の碑です。

その先には⑨「地蔵尊と水神」が祀られていました。

本道の戻って進むと⑩「JA伊勢原大山支所の農産物直売所」がありました。

やがて道路の左側に⑪「諏訪神社」がありました。

カシの古木が、神木になっていました。

石段の上に古い本殿がありました。

高度もかなりあがったようで、大山がどんどん近づいてきました。

⑫「三の鳥居」が近づいてきました。

三の鳥居 名所・史跡

この鳥居は、江戸の火消「せ組」が建立したもので、「せ組の鳥居」とも呼ばれています。鳥居の脇には、「鳥居永代修繕料　金五百圓　昭和九年　せ組」の大きな石碑がありました。

三の鳥居を過ぎると「阿夫利神社」の「門前町」となります。道路沿いには宿坊があり、大山詣でを記念して講社名を掘った石垣が取り囲んでいます。

やがて⑬「新玉橋」にさしかかりました。

新玉橋から見た鈴川の上流です。

新玉橋を渡った所にあった宿坊です。

やがて⑭「ようこその門」に着きました。

この門をくぐると、道路の両側に「宿坊」がならんでいます。宿坊とは、先導師の家をさします。先導師は大山信仰を深めるとともに、信者が大山阿夫利神社にお参りする前にお籠りするための宿を提供しました。

やがて⑮「加寿美橋」に着き、この橋を渡りました。

「加寿美橋」を渡ると、旧道となり、宿坊がならんでいました。

道路の右に広い坂道があり、それを上ると⑯「阿夫利神社社務所」がありました。

道路沿いに、土産屋や宿坊が連なっています。

やがて道路の右に「愛宕滝」がありました。

愛宕滝の前には⑰「愛宕橋」が架かっていました。

愛の宕橋を渡ったところに、小さな不道明王の祠がありました。

鈴川に沿って進むと「古跡　良弁瀧」の石碑が立っていました。

良弁滝 名所・史跡

ここを右に折れて「日の出橋」を渡りました。

⑱「良弁瀧」です。良弁僧正が、天平勝宝7年（755）に入山後、最初に水行を行った滝で、大山参道にある愛宕滝・大滝・元滝などとともに禊の滝になっています。

良弁滝 名所・史跡

「いせはら文化財サイト」にある広重「山海見立相撲　相模大山」の良弁滝の浮世絵で、 安政5（1858）年のものです。

良弁瀧の隣りの⑱「開山堂」があります。開山堂は大山を開いた良弁僧正ゆかりの御堂で、堂内に正面に、良弁僧正が43歳の時の座像があります。
良弁僧正は、奈良東大寺の初代別当ですが、もとは相模国で生まれています。

開山堂 名所・史跡

良弁瀧・開山堂をすぎると、宿坊が並び、「大山ケーブルバス停」はすぐです。

「大山ケーブルバス停」から、ケーブル乗り場までは、「こま参道」を歩いて15分ほどかかります。写真は⑲「こま参道」の入口です。この日のウオークはここまでとして、バス停に戻りました。

こま参道 名所・史跡

大山ケーブルバス停に戻り、バスに乗車して来た道を「伊勢原駅」まで戻りました。