2015/05/26 - 2015/05/29
412位(同エリア1532件中)
倫清堂さん
勤務先の私立高校で、音楽科2年生の海外研修旅行に同行しました。
こちらにお世話になってから間もなく10年になりますが、これまで一度も同行したことがありませんでした。
今年は当該学年の生徒数が少なく、自分のスケジュールが調整できたことも重なり、初めて参加させて頂くこととなった次第です。
正規教員ではないので完全自己負担ですが、生徒の行動を逐一報告する義務もなく、ある程度気ままに行動することが許されています。
しかも授業で子弟関係にある生徒たちと同じ感動を共有することができるのですから、最高の旅と言えるのかも知れません。
日本を不在にする間にも必要な事務が進むよう手筈を整え、また体調にも十二分に配慮し、後顧の憂いなく出発の日を迎えたのでした。
ザルツブルクとウィーンへ、高校生18名と担任などを含む大人11名、そして添乗員1名の旅が始まります。
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最寄り駅から電車に乗ると、車内には知っている顔がいくつもありました。
仙台空港には朝7時に集合。
遅刻者もなく、全員が無事に保安検査場を抜け、成田空港への飛行機に乗ります。
成田空港を利用するのは自分にとって今回が初めてとなります。
成田では時間に余裕があるので、出国手続きを終えてからは短い自由時間となりました。
ウィーン行きの飛行機は11時20分発。 -
利用したのはオーストリア航空です。
スターアライアンス系なので、ANA派の自分にとっては非常に有難い。
エコノミークラスの客席は狭く、12時間の飛行は正直なところしんどいものでした。
エコノミーの乗客は荷物と同じ扱いであると思えば、少し苦痛が和らぎます。 -
離陸後2時間ほどで、最初の機内食が出されました。
ポークとチキンの2種類がありましたが、後方の座席だったためチキンしか残っていませんでした。
日本蕎麦もついています。 -
少しまどろんだ時もありましたが、ほとんど眠れませんでした。
着陸の2時間前くらいに2度目の機内食が出されました。 -
ウィーン空港に到着したのは、現地時間で午後4時20分。
日本との時差は7時間なので、日本は間もなく日付が変わります。
生徒たちも少しお疲れの様子です。 -
ザルツブルクへの乗り換え便を待つ間、空港内を少し歩いてみました。
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ザルツブルク行きの飛行機はプロペラ機。
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客席は左右に2列ずつです。
機内でミネラルウォーターが出されました。
非常にミネラル分が多く、口に合わない生徒もいたようです。 -
天気は曇り。
厚い雲が地表を覆っているため、地上が見えたのはわずかな時間だけでした。
そのわずかな間に見下ろした風景が、自分にとってのオーストリア初体験と言えます。
非常にのどかで緑が多く、住民の幸せな生活が想像されます。 -
午後5時10分にザルツブルク空港に到着。
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ホテルまで貸し切りバスで移動。
日本ではあまり見かけない超大型のバスで、車内にトイレも備えられています。
貸し切りバスは行程ごとに異なるバスを利用しましたが、結局トイレを使う者はおりませんでした。
備えてはいるが、使わせてはもらえないのかも知れません。 -
ザルツブルクの新・旧市街を分けるザルツァッハ川を渡れば、いよいよ目的地は近い。
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宿泊はNHザルツブルクシティホテル。
NH コレクション ザルツブルク シティ ホテル
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担任の男性教師と同室です。
本来なら私が気を使うべきなのに、何かと配慮していただき、非常に申し訳ない気持ちです。
部屋にはワインが置かれていました。
サービスが良いと思って飲みましたが、冷静に考えると有料の飲み物だったようです。
日本時間では夜明け前の時刻。
軽食としてパサパサのパンによるサンドイッチとリンゴ1個、そしてジュースが出されました。
なお、テレビはサムスン製でした。
ヨーロッパに来てまで韓国を感じたことにかすかな不快感。 -
2日目。
時差ボケなのか旅の緊張感か、4時間ほどしか眠れずに朝を迎えました。
ホテルでの朝食を終えて外に出ると、近所のコンビニのような店が開いていました。
中を覗くと、お土産用の製品とは違った日常的な食品などが売っています。
ここで初めて買い物をしました。
この時期としては寒く、まるで冬のようでしたが、迷子にならない程度に通りを歩いてみました。 -
集団行動は9時にスタート。
まずはミラベル庭園へ。
パパゲーナ像の噴水が可愛らしい。ミラベル庭園 広場・公園
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イチオシ
ミラベル庭園からはホーエンザルツブルク城が望めます。
ここでは映画「サウンドオブミュージック」において、マリア先生と7人の子どもたちが楽しく遊ぶ印象的な場面が収録されました。
我が生徒たちは、ドレミの歌が歌われた階段で、「サウンドオブミュージック」のナンバーを合唱で披露しました。
他の観光客からスターのように扱われ、生徒たちも気分が良さそうでした。 -
ミラベル宮殿は、大司教ヴォルフ・ディートリッヒが愛人サロメ・アルトのために建てた別荘です。
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道端で音楽を演奏する人の姿は珍しくありません。
アコーディオンを弾くピエロは性別が分かりませんでしたが、観光客と一緒に写真撮影に応じています。 -
ハープの演奏も素敵でした。
彼らはボランティアや趣味ではなく、CDを販売する目的で路上演奏をしています。 -
ミラベル庭園の入り口も「サウンドオブミュージック」で見覚えがありました。
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旧市街に向けて移動します。
その途中にモーツァルトの住居。
モーツァルトがウィーンへ移住するまでの7年間を過ごした場所です。モーツァルトの住居 建造物
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モーツァルトの住居の反対側には、カラヤンの生家があります。
正面に建つカラヤン像は、本人の身長と同じに制作されたとのことです。カラヤンの生家 史跡・遺跡
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ザルツァッハ川を渡ります。
ホーエンザルツブルク城が少し大きく見えます。 -
橋の上には、バイオリンとラッパを組み合わせた珍しい楽器を演奏する男性の姿も。
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ホーエンザルツブルク城とは違う方向にも、立派な建物が見えます。
自然博物館でしょうか? -
石造りの建物は、1階部分が通り抜けられるようになっており、その通路の両脇には小さい商店が並んでいます。
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青空市場にも珍しいものがたくさん売られています。
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旧市街はゲトライデ通りと呼ばれます。
中世から栄える歴史ある街。
ザルツブルクのザルツとはソルト(塩)のことで、ここで生産される岩塩によって商人たちは大儲けをしたのでした。 -
オーストリアの土産物として最もメジャーなのが、モーツァルトの肖像が書かれた包みにくるまれたチョコレートですが、その元祖を生んだのがフュルスト。
元祖のチョコはここ1ヶ所でしか買えません。カフェ コンディトライ フュルスト カフェ
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イチオシ
大聖堂の手前には馬車がずらりと並んでいます。
料金を払えば目的地まで乗せてくれます。 -
大聖堂(ドーム)は、モーツァルトが洗礼を受け、カラヤンの告別式が行われた場所です。
後ほど生徒たちによって内部で演奏が行われますが、まだ決められた時刻ではないので、今は外観を見るにとどめます。大聖堂 寺院・教会
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大聖堂と別な建物をつなぐアーチ門では、ツィンバロンとアコーディオンのアンサンブルが行われていました。
マトリョーシカが置かれているので、彼らはロシア人であると思われます。
アーチ門のどこかで、マリア先生が修道院からトラップ家に向かう場面が収録されたはずですが、詳しい場所は特定できませんでした。 -
ケーブルカーに乗ってザルツブルク城へ登ります。
乗り場にようやくトイレを見つけました。
日本と違い、公衆トイレはほとんどありません。
あっても有料の所が多く、お金を入れないとゲートが開かない意地悪なトイレもあります。 -
丸い塔はどんな役目を負っていたのでしょうか。
ゲームでしか知らなかった世界が、今こうして目の前に広がっています。ホーエンザルツブルク城塞 城・宮殿
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大砲が残されていることで、ここが軍事的な拠点であったことが確認できます。
ザルツブルク城は、中世の城塞としては中部ヨーロッパで最も保存状態の良いものの一つです。 -
城壁の内部は居住空間のようです。
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城の中に教会もあります。
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ザルツブルク市街で最も高い場所にあるため、城からは市街地や遠い山並みが一望できます。
その山の中の一つは、トラップ一家がナチスの追手を逃れるために越えた山です。 -
テラスを備えたカフェもありますが、営業している様子ではありません。
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アーチ門をくぐり、再び旧市街へ。
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モーツァルトの生家を見学。
モーツァルト一家の肖像画や、モーツァルトが子供の頃に使用した楽器などが展示されています。
通りから見ると窓が並んだ普通のビルディングですが、内部は入り組んでいて複雑な構造になっています。
これがヨーロッパの石造り建築の面白さなのでしょうか。モーツァルトの生家 建造物
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イチオシ
いよいよ大聖堂で生徒たちが演奏する時間です。
日本語による讃美歌が4曲歌われ、続いて私と女性歌手が1曲ずつ、最後に生徒たちの「アベベルムコルプス」で締めくくられました。
私は迂闊にもオーストリアがカトリックの国だとは知らず、プロテスタントのドイツ語コラールを準備して来ました。
曲目はバッハのカンタータ129番からコラール「この主に向いてわれらいま『聖なるかな』を」
同室の担任から、かつてプロテスタントを信仰して追放された者がいたという話を聞いたため、半分恐れながら歌いました。
しかし演奏を終えた後、わざわざ賛辞を送ってくれた2名の英国系の女性がおりました。
歌ってみての感想は、思ったほど自分の声の反響が聴こえて来ないということです。
それは音響が悪いのではなく、逆に音響が良すぎるため、反響が届く前に次のフレーズに入ってしまうからです。
コラールの途中に何度もフェルマータが置かれている理由が身体で理解できた瞬間でした。 -
生徒たちも緊張のステージを降り、これから自主研修が始まります。
昼食から自由行動です。
大人たちは、何度も訪れている方がお勧めするファストフードの店に行きました。
小さな入口で購入し、立ち食いをします。バルカン グリル ファーストフード
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ちょうど良い固さのパンにソーセージが2本。
そこにカレー風味のスパイスがかけられています。
それだけなら良かったのですが、中に生のタマネギが挟まれていました。
生のタマネギを食べると必ず腹を壊すと分かっているのですが、それだけ残すのもみっともないので、いつもより入念に噛んで飲み込みました。
味は良かったので、通りかかった男子生徒にも勧めました。 -
食事を終えて大人たちとも別れ一人で行動を開始。
まず馬の洗い場へ。
ここも「サウンドオブミュージック」で映像が映っていました。
雨が降り出したため、折り畳み傘を広げて歩きました。 -
メンヒスベルクの丘に登るエレベーターの場所が分からず、一度祝祭劇場に戻ることにしました。
祝祭劇場の前にはパパゲーノ像。
パパゲーノとパパゲーナは、モーツァルトのオペラ「魔笛」の登場人物です。 -
祝祭劇場では2時から内部のガイドが始まります。
演奏会の準備や片付けなどがあるため、自由見学はできませんでした。ザルツブルク祝祭劇場 劇場・ホール・ショー
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ホールへ案内される途中、案の定腹痛が襲って来ました。
幸運なことにトイレを発見できたので、観光客の列から外れてトイレへ駆け込みました。
舞台裏なども見せてもらえましたが、最も期待した野外ステージは見せてもらえませんでした。
野外ステージは「サウンドオブミュージック」でトラップ一家が最後に歌うクライマックスの場所であるため、非常に残念です。 -
イチオシ
祝祭劇場のガイドに参加した方から、メンヒスベルクの丘へのエレベーターの場所を教えてもらいました。
先ほど通った道で間違いなかったようです。
エレベーターは有料ですが、ザルツブルクで随一の展望台からは、さすがに行ってよかったと思える見事な景観を望むことができました。 -
歴代大司教の宮殿であるレジデンツへ向かいます。
レジデンツギャラリー 博物館・美術館・ギャラリー
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レジデンツ内部は美術館になっています。
受付にはドイツ語で書かれた案内文しか置かれておらず、料金を払うのに四苦八苦しました。
携帯用の音声ガイドからは日本語が流れます。
レジデンツの美術館の見学を終え、音声ガイドを返却し、順路を先へと進みました。 -
アーチ門の上に出たのでしょうか。
広場に噴水が見えます。
この噴水は、「サウンドオブミュージック」でマリア先生が水を撥ね上げるシーンで使われます。 -
次の建物に進むと、なんとドームの内部に出てしまいました。
先ほど歌った祭壇がずっと遠くに見えます。
後ろを振り向くと巨大なパイプオルガンが。
このパイプオルガンには6000本ものパイプが用いられています。
どうやらここはドームの最後部のようです。 -
モーツァルト広場にはモーツァルト像。
生徒たちは団体行動の時間にここでも歌いました。モーツァルト広場 広場・公園
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市街地の東側のエリアへと向かいます。
ほっそりしたパパゲーノ像を見つけました。 -
実は海外でも使えるスマートフォンのSIMカードを用意していたのですが、設定を間違えていたために電波が全く入りませんでした。
そのため何度も道に迷い、その度に印刷物の地図を広げて頭を悩ませ、目の前に見えているノンベルク修道院になかなか辿り着けずにいました。
しかし細い階段を発見し、そこをずっと登って行くと、ようやく入口が見えてきました。ノンベルク尼僧院 寺院・教会
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ノンベルク修道院は「サウンドオブミュージック」でマリア先生が奉仕した場所です。
内部の見学を楽しみにしていましたが、入り口には観光客お断りの張り紙が。
外観の雰囲気だけ味わって引き下がることにしました。 -
修道院の目の前には、丘の上にザルツブルク城が見えます。
修道院そのものも標高が高い場所にあるので、非常に美しい景色を見ることができます。 -
イチオシ
降ったりやんだりしていた雨が、ようやく晴れたようです。
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ザンクトペーター教会も、「サウンドオブミュージック」で参考にされています。
ナチスの追手から逃れる際、この檻の中にある墓石の裏に、一家9人は隠れたのでした。
実際の墓地には、裏に身を隠せるスペースはありません。
しかし、あの映画の中で最も危機を感じる場面を描くには、このような舞台装置はもってこいだったのでしょう。ザンクト ペーター教会 寺院・教会
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ここには修道院も併設されています。
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墓地からもザルツブルク城は見ることができます。
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墓地を抜けると広場に出ました。
こちら側にザンクトペーター教会の入り口があります。 -
イチオシ
内部には全く人気がなく、この素晴らしい景観を独り占めすることができました。
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はやり後方上部にはパイプオルガンが備え付けられています。
演奏を生で聴いたら、他宗教へのよほど強い信仰心を持っていない限りキリスト教に入信してしまうでしょう。 -
そろそろ時間なので、集合場所へ向かいましょう。
内部に入れないなどは仕方のないことで、ほとんど予定通りに我が自主研修を終えることができました。
祝祭劇場の前からコレギエン教会の脇を通り、旧市街へ抜けます。 -
集合場所のカフェ・モーツァルトで、全員で夕食をとります。
カフェ モーツァルト カフェ
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ミックスサラダ。
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ワインとビールを飲みました。
グラスには、どこまで注ぐのか目盛りが印刷されています。 -
ホウレンソウ・ポテト添えターフェルシュピッツ。
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デザートのアイスクリームは女子生徒に流します。
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イチオシ
ザルツブルクでの一日はあっという間に過ぎてしまいました。
かなり歩いたので、生徒たちもホテル内でふざけたりせず、すぐに寝たようです。
翌日は朝から5時間かけてウィーンへバス移動。
途中でとても綺麗な湖が見えました。
おそらくモンド湖だと思いますが、違っているかも知れません。 -
ドライブインで1回休憩。
ここのトイレも有料でした。
しかも男子トイレには避妊具の自動販売機がありました。
担任教師の考えでは、女性に見られない場所だからではないかということです。 -
今回のバスは青。
観光バスも風景に溶け込みます。 -
有名な修道院が窓の外に見えました。
名前は忘れてしまいました。
間もなく一行はウィーンへ入ります。
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