2015/03/06 - 2015/03/11
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αρκαδια(アルカディア)さん
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さぁ、4泊5日を終えて今日は横浜に帰る日です。
もう、スキーはしないことに決めていたので、ちょっと観光して、それから日帰り温泉にでも入って、最終便で羽田に向かう予定でした。
朝6時に目が覚めると、窓の外からボシャボシャという音が聞こえてきました。
最初は屋根からの雪解け水の音…?
と思いましたが、考えてみればこのところ雪は降ってないようで、ホテルの屋根も乾いているのを昨日一昨日と見ていました。
となると、やはり雨?
ちょっと薄暗い窓の外に目を凝らしますが、よく見えません。
とりあえず6時から開いているホテルの大浴場に行きました。戻ってくる頃には、外はもう少し明るくなっているでしょう。
そして7時、夜が明けると窓の外は結構な雨でした。
この時に、空港のある千歳の天気をチェックしました。
すると、本日は一日中弱い雨との予報です。
雪に変わると、欠航なんか出てマズイだろうと思ったのですが、「富良野で雨が降っているなら、きっと千歳も雨だろう…、富良野の方が寒いんだから。」こう思いこんだのが、敗因でした。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 交通手段
- JALグループ
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大きな敗北が迫って来ているのも知らずに私は、「どうせ雨なんだから」、「どうせ帰るだけなんだから」と、もたもた荷造りをして、「チェックアウトは12時だっけ」なん思いながら部屋でごろごろして、夜の飛行機に乗る気でいました。
-
あとで思えば、さっさとチェックアウトすれば良かったのに。
11時過ぎにやっとチェックアウト。ホテルフロントに貼られた、「本日は悪天候のためゴンドラ・ロープウェイ運休」という張り紙を見て、「昨日までに滑っておいて良かったー!」なんて、まだ楽観的な気持ちでいました。 -
富良野スキー場を出ると向かったのは、空港とは反対の十勝岳温泉の方。
富良野が雨だったので、少し標高が高い所に上がれば、雪が降っているのを見られるかなーなんて思いです。
十勝岳温泉は富良野市街より1100m標高が高いので、富良野の気温が4℃でも山に上がれば気温は氷点下2〜3℃になる計算です。
この降水量で気温が氷点下に下がれば、かなりな大雪が見られると思い、カメラを用意しながらレンタカーを走らせました。
ところが十勝岳温泉方面・吹上温泉方面は、麓のところで通行止め。
理由は、猛吹雪のためだそうです。
大雪という読みは当たっていたけど、交通規制で目的地へ行くことはできませんでした。
念のため、十勝岳温泉よりは600m低い白金温泉に寄ってみましたが、こちらはなんとか雨から雪に変わっているという感じで、やはり600mの標高差は大きいなぁと実感しつつ、十勝岳連峰をあとにしました。
富良野の市街地に戻ると時刻は14時を過ぎたところ、相変わらずの大雨です。
飛行機は21:00でも、レンタカー営業所は19:00までなので、それまでに千歳に戻らなくてはいけません。
といっても5時間弱もあるのだから、全部一般道で行っても余裕で間に合うでしょう。
そう思った矢先、国道38号線の電光掲示板に不安な表示を見つけました。
「狩勝峠吹雪のため通行止め」
狩勝峠は確か、富良野と帯広の間にある峠です。
さらに、ケータイで高速道路の道路交通情報を見ると、道東道の占冠ICから帯広方面が通行止めになっています。
つまりこの時点で、富良野から帯広へ抜けるルートは一般道と高速道路、両方とも通行止めになっていることになります。 -
こうなると、本気で急がなくてはなりません。
今のところ占冠から帯広方面が通行止めですが、この範囲が千歳方面へと広がるかも知れないからです。
とにかく一番悪いのは、「私だけが雪の影響で空港に行けなかった」という事態で、これだと私の個人的な都合で「飛行機に乗らなった」ということになり、ツアーで取った航空券は何の補償もなくただ失効するという結果になります。
そして、新千歳⇒羽田のチケットを新たに買って帰らなくてはなりません。痛い出費です。
富良野市街を抜け、国道38号線を右に折れ、占冠に向かう国道237号線に入ると猛烈な雪になりました。ミゾレからやっと雪になったような大粒のぼたん雪で、これが新雪として路面に積もっています。
アイスバーンよりも運転し難い道です。
綿の上を走るような掴みどころのないフワフワ感。そして突然、繊維に絡みつかれたように車体はあらぬ方向を向きます。
一度滑りだすと、姿勢の立て直しが困難なのも、こういった雪の特徴です。
路側に衝突して動けなくなっている車を見るたび、「次は私?」そんな思いが心をよぎります。
何度も、雪壁や対向車線に向かって流されながら、私なりにこのレンタカー(フィット・ハイブリッド4WD)の運転のコツを掴んできました。
私が乗っているギャランは雪で滑った時にはアクセルを踏むことで挙動が安定するのですが、このフィット・ハイブリッド4WDはアクセルを離した方が早く安定するようです。
それにしても、60km/hちょっとしか出ていないのに、やたらと滑ります。
途中2回ほど、いつまでも滑りが収まらず「あ〜!も〜!スピンしちゃおうかな?」と思ったこともありましたが、何とか耐えながら小さな峠を越え、占冠ICに辿り着きました。
やはり占冠から帯広方面は通行止め、しかし千歳方面は50km/h規制ながらも通行ができました。 -
…と安心したのも束の間、千歳東から先に通行止めの表示が出ました。
理由は事故とのことですが、こうなると千歳付近も事故が起きるほど雪が降っていると考えるのが妥当でしょう。
それと同時に、ケータイにJALから『天候調査中』というタイトルのメールが入っていることに気が付きました。本格的にまずくなってきました。
翌日は会社だし、とりあえず乗れそうな早い便に繰り上げができればと思い、空港へ急ぎます。道東自動車道の交通量は少なく、高速道路なのに路面は新雪、走っているんだか泳いでいるんだか分からないような感触です。
道東道を千歳に向かう間にさらに通行止め区間は拡大し、予定の千歳東ICではなく一つ手前の追分町ICで降ろされました。
そこから約30km、新雪で走りにくい一般道を進み、当初の予定より3時間早い16時過ぎにレンタカー営業所に車を返しました。
空港への送迎バスを待っていた時、次なるメールがJALから入りました。
今度は、『欠航』と書いてあります。
私は乗るはずだった便は、欠航しました。
一応、まだ天候調査中となっている19:00の飛行機に予約を振り替えることはできたのですが・・・空港カウンターの人の話によると、今後も欠航確定便が増え続けるだろうということなので、この便も怪しいものです。 -
さて、ここで、多くの旅人は、「飛ぶかな、飛ばないかな?」で気を揉み、欠航が確定した便の乗客はキャンセル待ちを入れます。
そして少し慣れた旅人は、飛行機が場なかった場合に宿はどうしようと考え、千歳周辺の宿の空き状況を調べます。 -
しかし私は、レンタカーの確保に走りました。
さっき返したばかりですが、すぐに1台押さえます。
とくに今回はスキー旅行で来ているので荷物は、スキー板、スキー用具(ブーツやウェア)、カメラケース、通常の着替え等と、大きなバッグが4つ、それに手荷物が複数あります。
この荷物、手荷物預り所に明日まで預けるだけで3〜4000円かかります。(暦日制のため24時間以内でも2日間とカウントされてしまう。)
千歳市内だったら、なんとかタクシーに荷物を詰め込んで行けるでしょうが、おそらく調べるまでもなく、この時点で千歳市内のホテルは予約で満室。
荷物のために苫小牧や札幌までタクシーに乗るのではコスト面で本末転倒。それなら千歳に預けて電車で行くべきです。
とりあえず、レンタカーさえ確保できていれば車に荷物を積んで、札幌でも苫小牧でも安いホテルを探していくらでも移動できます。
ちなみに、新千歳空港が雪で閉鎖され欠航便が続出した時、真っ先に埋まるのが空港隣接のホテルで、これは当たり前すぎる話です。次に埋まるのが千歳市内のホテル。これもかなりあっという間です。苫小牧や札幌は空港閉鎖が原因で満室になることはまずありません。
昼から欠航が続いている新千歳空港に夕方に到着した私は、今さらホテルは空港隣接か千歳市内かなんて考えるだけ時間の無駄。次の一手を考えなければなりません。
ただ、ちょっと困ったのがレンタカー屋さんの営業時間。
19時で営業所は閉まっちゃいますので、それまでに予約便が飛ぶか飛ばないか決まらないと、乗れるか乗れないかが確定しないと困ります。
例えば、19時になっても19時の飛行機が「出発遅延」のまま飛ぶか飛ばないか決まらない状態だと、レンタカーを借りる手続きができず、営業所が閉まってから欠航が確定すると、そのまま空港に取り残されることになります。
ただ幸いにも、18時過ぎに全ての便の欠航がアナウンスされました。
これで晴れて、滞在延長(追加出費)確定です。
レンタカー屋さんに迎えに来てもらい、さっき返したのとは違うカローラを借りました。 -
千歳に泊まれなかった多くの人々は苫小牧ではなく札幌に向かいます。
苫小牧よりも札幌の方が遠いのですが、札幌の方がバス・電車と交通の便が良いのと、お店が多く飲食にも困らないので、こちらに向かうのが妥当でしょう。
ただ、レンタカーがあるなら食事はファミレスかファストフードと選択肢が広がります。
空港閉鎖になるほどの雪だと、道路状況も悪いことが予想されるので、より近い苫小牧に向かうのが賢明です。
私は苫小牧に泊まり、夕飯はイオンのショッピングセンターで、夕方半額になった弁当で済ませました。 -
ちなみに、翌朝の朝食もイオンの中のマクドナルドです。(笑)
欠航などで滞在が延びた時は、一気に旅行モードから地元民モードに切り替わるのがαρκαδιαスタイルです。 -
しかし、この欠航というのはなかなかどうして悪いことばかりではなく、団体旅行券などを除く多くのチケットで、「30日間有効の航空券に振替」という措置が取られます。
つまり、片道数百円相当で買ったチケットでも、3万円のオープン券に準ずるような利用価値に変わります。
そこで帰宅を急がず、すこし成り行きまかせに北海道に居ようかと思いました。 -
苫小牧から国道を海沿いに西へ進みました。
初めに立ち寄ったのは社台駅、高級競走馬生産牧場の社台ファームがある辺りです。
やはり、馬産地だけあって周囲は牧場だらけです。
でも、関心があったのは牧場ではなくてこの駅の線路。
日本一長い線路直線区間(室蘭本線/白老駅-沼ノ端駅間) のほぼ端にあることで、駅から長い直線の方向を眺めると、線路と架線は点の中に消えていくのがよくわかります。 -
(直線天国)
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とりあえず室蘭くらいまで行ってみようかと、さらに国道を西へと向かいます。
最初に向かったのは地球岬です。
前に陸地も島もなく大海原に突き出た岬の展望台というのは、だいたい180度以上の視界が開けているもので、こうところにはよく「地球が丸く見える展望台」という注釈が付いているものです。地球岬はその元祖的なものと言って良いのでしょう。 -
わざわざ行くほどインパクトのある場所ではありませんが、近くを通った時は寄って損は無いでしょう。
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次に立ち寄ったのは、白鳥大橋。
室蘭の湾を見事にショートカットしてくれるこの橋、総工費は1000億円もかかったというのに、なにやら政治的な駆け引きがあったようで、今のところ通行無料です。 -
橋の形はレインボーブリッジ型で、オーソドックスな吊橋です。
移動しながらも、ときどき飛行機の空席をチェックします。
昨日時点では、本日の新千歳⇒羽田便は全便満席でしたが、臨時便の運航もあった為か、夜の便に空席が出てきました。翌日は午前に満席便がありましたが、昼以降はだいたいの便に空席がありました。 -
私は、飛行機に乗るときは必ず窓側を取ることにしています。
窓側が取れない時は、別の便にするとか、旅行そのものをキャンセルするほど徹底しています。べつに、子供みたいに外の景色が見たいわけではないのですが、窓側に居れば何か発見できるかも知れない、何か撮れるかも知れない、そういう好奇心です。
明日の便は窓側席が全滅でした。しかし、本日の19時便ならどういう訳か窓側席に多数の空席がありました。
なので、まだ1泊しか延泊していませんが、今日帰ることにしました。
そして、空港に行って窓側席がすでに取られていたなら、また、明日以降に帰宅を延ばすことを考えます。
とりあえず帰ることが決まったら空港に急ぎます。
走ってきた国道36号線を東へと、ペースメイカー追従で走り続けました。
途中、一つだけ気になる駅名を見つけ立ち止まります。「北吉原」という駅です。
カーナビの地図を見ると、次の駅は荻野、手前の駅は竹浦、北吉原があるなら、普通は南吉原とか、ただの吉原駅があって良さそうなものですが・・・
駅の背後を見ると、大手製紙会社の大工場。
静岡県富士市吉原にある製紙会社と同じ社名でした。
どうやら北吉原駅は、吉原駅の北にあるということではなく、北海道にある吉原という意味でネーミングされたようです。 -
ちなみにこの駅の駅舎は、JR(当時は国鉄)ではなく、この製紙会社が費用を出して作られたものだそうです。
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製紙会社のプライベートステーション?
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新千歳空港に戻ると16時、19時の飛行機の座席指定だけ済ませレンタカーを返却に。
再び空港に戻ると、手荷物を預け出発まで2時間ほどの余裕です。
最近の新千歳空港のお気に入りは、回転寿司「根室花まる」です。
根室が本店の回転寿司屋さんで、ネタは北海道らしいものが豊富で、店内には「フンドシ!」「フンドシ!」というオーダーが飛び交っています。
フンドシとは、カニのお腹にある蓋みたいな部分のことで、タラバのように大型のカニになると、そのフンドシの中の食べられるほどの肉が入っています。
さて今夜の天気は東北地方が荒れているようですが、新千歳や羽田は大丈夫のようです。
冬が終われば、北海道とは9ヶ月のお別れです。
また次の冬、戻って来ます。
(終)
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