2015/03/12 - 2015/03/12
54位(同エリア390件中)
玄白さん
梅林で梅の撮影を終えてから、筑波山神社へ移動。山登りの安全を祈願して参拝後、神社近くの登山口から頂上を目ざす。筑波山は、谷川岳などと同様、双耳峰であり、東側のピークが女体山、西側が男体山と呼ばれている。女体山の方が標高は高く877m。筑波山には多くの登山ルートがあるが、今回は最もポピュラーなコースの一つである白雲橋コースを採ることにしよう。
この山は、登山家たちのバイブル、深田久弥著「日本百名山」にも選ばれているが、一番人気がない山だそうだ。標高が1000mに満たない低山で、ケーブルカーやロープウェイで簡単にアクセスできてしまうからなのであろう。しかし、本格的登山はしない軟弱ハイカーの我が家としては、ほどよい山歩きができる手頃な山なのである。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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イチオシ
カバー写真は2月2日に宇都宮郊外の羽黒山へ早朝の富士山撮影に出掛けた時、ついでに撮影した夜明け前の朝靄が漂う筑波山のシルエット。
古くから西の富士山、東の筑波山とたたえられてきた山容の美しい山である。
ところで、冒頭記したように高さ1000mに満たない低山で、なぜこの山を百名山に選んだのか、深田久弥は著書の中で、以下のように述べている。
「筑波山を日本百名山の一つに選んだことに不満な人があるかもしれない。高さ千メートルにも足りない、こんな通俗的な山を挙げるくらいなら、他にもっと適当な名山がいくらでもあるではないかと。しかし私があえてこの山を推す理由の第一は、その歴史の古いことである。・・・・関東周辺の山から遠くを眺めると、朝靄の上に鋭く立った峰がある。あんな所にあんな高い山はないなずだが、−としばらく戸惑った後、それが筑波山であることを悟るのであった。・・・・この二峰並立が筑波山のいい姿であって、昔から男神女神として崇められてきた。東峰を女体山としてイザナミノ命を、西峰を男体山としてイザナギノ命を祀った。」 -
であるならば、多少なりとも古くからの信仰の場としての筑波山を感じながらの山歩きということにしよう。
これは駐車場の直下にあった筑波山大御堂。坂東三十三観音二十五番札所。明治以前は神仏習合で、筑波山神社の2祭神、イザナギ、イザナミの命の化身とされた千手観音、十一面観音が祭られている。当時は今の筑波山神社拝殿の場所にあったそうだ。 -
拝殿前に建っている随神門。もともとは第三代将軍徳川家光が寄進した仁王門だったが、その後何度か焼失した。再建されるも明治の神仏分離で仁王像が撤去され、随神門となった。
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筑波山神社拝殿。明治8年、神仏分離令で中禅寺大御堂が移された後に造営された。
なかなか立派な社である。
創建については定かではないが、古墳時代以前から筑波山が信仰の対象になっていたらしい。古事記のイザナギ・イザナミ両神の国産み神話では、2神が結婚して生んだ「おのころ島」が筑波山のことだと「筑波山縁起」では書かれているそうだ。奈良時代に編纂された万葉集にも筑波山を詠んだ歌が25首もあり、常陸国の名山であったようだ。2つの峰を持つ山なので、男女2神に関連付けられたのは、自然な成り行きだったのであろう。 -
我が家を代表して連れ合いが山登りの安全祈願をしてから、いざ頂上へ。
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今回のコースは、筑波山神社東側の登山口から白雲橋コースを通って女体山を目指す。
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分かりやすい案内板が設置されている。
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しばらくは、こんな木立の中を登っていく。
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枝落しして、よく手入れされた杉林。しかし、今の季節は、見ているだけで鼻がムズムズしてくる。
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つつじヶ丘ロープウェイに続く迎場コースとの分岐を過ぎてしばらく行くと、白蛇弁天という祠がある。
立て札の説明によると、ここで白蛇を見ることができたら財を成すことができるなんてことが書いてある。こんなことが書かれていると、白蛇が居るわけはないと知りつつ、つい探してしまう浅はかな玄白である。 -
だんだん、樹齢を重ねた巨木が散見されるようになってきた。
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所々に小さな祠が置かれている。信仰の山なのだと実感させられる。
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低山とはいえ、標高500mを超えるあたりになると、ここ数日の冷え込みがあったせいか、山肌に霜柱がたっている。
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やがて、弁慶茶屋跡という、昔あったらしい茶屋の跡地の平らなところに出る。霞がかかって、ぼんやりしているが霞ヶ浦が見える。
ここのベンチで小休止。
ここから女体山頂上まで0.8kmである。これから、岩がごろごろした急登になり、奇岩、大岩が次から次に現れる、さながら抽象彫刻の陳列街道である。 -
意外だったのは、ほとんど積雪がない低い独立峰(厳密には独立峰ではないが)のような筑波山だが、頂上付近は湧き水が豊富なことである。登山道のいたるところに湧き水が染み出していて、ぬかるんでおり、大きな石がごろごろ転がっているので、けっこう歩きにくい。里山のような道だろうと高をくくっていたが、軟弱ハイカーにとっては、予想外に骨のある登山道である。
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イチオシ
代表的な奇岩「弁慶七戻り」。巨岩が両脇の岩の間に挟まって、今にも落ちそうに見えるので、勇壮な弁慶でさえ怖くて通るのを7回も戻るという意味なのであろう。度重なる大地震でも崩れ落ちなかったのは奇跡的かもしれない。
「石門」とも言われ、これより上が聖、下が俗とされ、結界が張られている。 -
今にも落下しそうな岩の隙間からも水が湧き出していて、氷柱になっている。
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日頃、ほとんど運動していない連れ合いは、かなりしんどいようだ。
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次に現れたのは高天原という大岩。岩の上に上る階段がしつらえてあったので、登ってみる。
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大岩の上に社があった。稲村神社というようだ。祭神は天照大神。
ここからも関東平野が一望できるが、相変わらず靄っているので、撮影はせず。 -
「母の胎内くぐり」
崩れそうな大岩を下の岩が支えていて、その間を潜り抜けられる。潜り抜けることによって、生まれたときに戻り、穢れがない生まれたばかりの状態に戻ることができるという言い伝えらしい。 -
岩の間にがっちり根を張った木。幹が岩のように見える。
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陰陽石と名付けられた2つの巨岩。岩のくぼみにわずかな土があるのだろうか、潅木が根を張っている。植物の生命力の強さを感じる。
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国割石。岩の表面に矩形の割れ目が縦横に走っているが、どうみても自然にできたものには見えない。立て札の説明によると、「往古諸神がここに集い、この石の上に線を引き、神々の行く方向を割り振った」とある。出雲じゃあるまいし、八百万の神が、ここに集まったのかな〜・・・・
つくば市観光協会は、いささかやりすぎではないか?!
立て札がなければ、見過ごしてしまう何の変哲もない大岩である。 -
「出船入船」という2つの巨岩。確かに船の舳先と艫のように見えなくもない。
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「裏面大黒」 大きな袋を背負った大黒天のように見えるから名付けられたようだが・・・
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女体山頂上に立つ人が見えてきた。頂上まであと少し。
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またまた奇岩が現れた。「北斗岩」。
立て札によると「天にそびえたつ岩で、天空に輝く北斗星のように決して動くことがないことを意味している」とある。
つくば市観光協会さん、これもちょっと言い過ぎでは? -
岩肌から染み出た水が凍って氷柱になっている。
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女体山登頂。標高877m。
石造りの立派な山頂標識である。わざわざ日本百名山と枕詞が書かれている。
深田久弥の山岳随筆「日本百名山」の影響は大きい。この後、日本200名山、花の百名山、さらには日本の○○百選(○○には、滝、渚、棚田、峠、夜景、夕陽など数え切れないほどたくさんある)など、特定の対象に絞って100箇所を選定する試みが多々行われている。 -
イチオシ
頂上は、大きな斑レイ岩が折り重なった岩場になっている。
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独立峰のような山なので、360度の眺望が開けている。この日は、春霞でもやっとしていたが、秋や冬の澄んだ天気の日には、富士山はおろか、スカイツリーまで見えるという。
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筑波山神社の本殿。もう一つの本殿は男体山頂上にある。
連れ合いがかなり体力を消耗したので、予定を変更して女体山近くからロープウェイでつつじヶ丘まで降り、さらにバスで筑波山神社まで戻ることにした。予定では、男体山まで行き、御幸ケ原コースを下る、疲れているようなら連れ合いはケーブルカーで降りるつもりだったのだが、なんと3月20日までケーブルカーは工事中で運休だった。 -
とりあえず、連れ合いをロープウェイ乗り場で待たせ、一人で御幸ケ原、男体山方面に下っていく。
途中にあるガマ石。確かにガマガエルに見える。ここで永井兵助という男が、筑波山名物になっているガマの油売りの口上を考え出したそうだ。
ガマの油の起源は、大阪夏の陣に徳川方について従軍していた筑波山中禅寺住職が陣中薬としてガマガエルの皮膚から分泌される蟾酥(せんそ)という物質を使った薬だという。蟾酥には強心作用、鎮痛作用、局所麻酔作用、止血作用があることはわかっているが、本当にガマガエルを使った薬かどうかは定かではないらしい。(wikipediaによる) -
セキレイ石。立て札の説明によると、この岩に、つがいのセキレイが留まり男女の道を教えたとある。セキレイ?男女の道? 何の関係が??
調べてみると、セキレイは恋教え鳥とも言われ、イザナギノミコト、イザナミノミコトがセキレイの交尾を見て、自分たちも同様の行為におよび、国産みをしたという説話によるものらしい。 -
セキレイ石の前に茶屋があるのだが、ケーブルカーが運休しているためか、閉まっている。
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御幸ケ原と男体山。女体山と男体山の間の広い平地で茶屋や売店が5軒、軒を並べているが、ケーブルカーが運休中なので二軒しか営業していない。
ケーブルカーがオープンし、良い季節になれば、ここは登山客だけでなく観光客でにぎわうのであろう。 -
ケーブルカーのリニューアル工事に合わせて展望台も新しくしたらしい。
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ケーブルカーの工事はほぼ完了して、工事資材を降ろすために頻繁にヘリコプターが飛来している。
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そのたびに男体山に通じる道が閉鎖になる。連れ合いをロープウェイ乗り場に待たせていて、昼飯時になったので、男体山はまたの機会に登ることにして、女体山に戻ることにした。
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女体山ロープウェイ駅に併設の女体山展望パーラーで、軽くラーメンを食べて昼食とした。お世辞にも美味しいとは言えず、写真に撮る気にもならない。
ロープウェイの発車を待つ間、展望台から麓を眺めていると、グライダーが飛んでいるのが見えた。 -
気持ちよさそうに大空を舞っている。筑波山に風がぶつかり上昇気流になるので、グライダーを飛ばすには条件が良いのだろう。
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ロープウェイから見降ろすと杉が花粉で黄土色になっている。見ているだけで、鼻がむずがゆくなってくる。
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つつじヶ丘には、売店やら、駐車場、それに大きなガマガエルのハリボテが鎮座しているガマ洞窟などといういかにも俗っぽい観光施設もあるようだが、興味はないので、バスで筑波山神社前に移動。
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筑波山中腹には、たくさんの温泉旅館、施設がある。観光案内所で割引券をもらい、「筑波山温泉つくば湯」で、午後のひととき、山歩きの疲れを癒した後、帰宅。
筑波山は、奇岩、怪岩の類はあるが、眺望がきく絶景や四季の花を見たり撮影したりすることを山歩きの楽しみとしている玄白にとっては、今回はいまひとつ面白みに欠ける山行であった。御幸ケ原近くにはカタクリの群生があったりするので、花の季節になれば、様子が変わるのかもしれない。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 銭形幸一さん 2015/03/16 17:39:19
- 残念でしたね
- こんにちは。
筑波山行かれたんですね。
梅祭りいいなぁと思っていました。
http://4travel.jp/photo?trvlgphoto=37754064
この写真なんか私が好きな構図です。
やはり3月、梅が咲く時期だと靄が立ち込め、展望が効かなくなりますね。
私は年始間もない頃に登りましたが富士山、東京のビル群、霞ヶ浦と一望のもとに収めることができました。
そのかわり梅は咲いていませんうえ風が強く寒かったですが…。
真正面からの白雲橋コースが一番タフそうな印象を受けました。
山頂付近の巨岩群、びっくり。
南アルプスの山頂付近や谷川岳の黒戸尾根よりは岩も小粒な感じですがまさか筑波山でこんな岩がゴロゴロあるとは。
山麓辺りは俗な観光地然としていますが、スニーカー履いた若い人、乳幼児連れた家族連れも山登り楽しんでいる様子見るのも微笑ましいものです。
麓の田園地帯から見上げる筑波山、北関東の関東平野から地平線の向こうに聳える山容はやはり百名山にふさわしいと思います。
ロープウェイ乗車中、見てはいけないものを見てしまいましたね(笑)。
あれを見てしまうと花粉症で悩む人が多いのも納得です。
- 玄白さん からの返信 2015/03/16 22:42:52
- RE: 残念でしたね
- 銭形さん、こんばんは
梅は、ちょうど見頃でした。平日の朝早く行ったので、梅祭り開催中とはいえ、ほとんど人がいなく静かでした。大勢の人がわんさか集まっているところは、あまり好きではないので良かったです。
春先は、霞んで見通しが利かないのはしょうがないですね。富士子さんは見えないだろうと覚悟していたので、それほどがっかりしたというほどではありませんでした。
実は筑波山は初めてです。他のコースの様子はわかりませんが、白雲橋コースは、弁慶茶屋跡まではきつくはなかったですが、そこを過ぎてからのほうがタフでしたね。まあ、南アルプス縦走しようと雲取山で特訓している銭形さんにとっては、筑波山なぞ街中の公園の築山に登るようなものでしょうが・・・
アルプス縦走記、楽しみにしています。自分ではやれないので・・・
では
玄白
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