2014/11/12 - 2014/11/15
812位(同エリア3747件中)
ハンクさん
時期的には少し早いが、紅葉の盛りを間近にした京都、東福寺を訪れた。京都の紅葉のどこがベストか、東福寺、永観堂、南禅寺、三千院、北野天満宮、嵐山、建仁寺、、、など枚挙にいとまがない。その中でも京都駅から比較的近く、広大なエリアと紅葉する木の本数などから、東福寺を筆頭にあげる方は少なくないだろう。この日の紅葉は写真で見ていただけるように、桜で言えば五分から六分咲きと言ったところか。寺の方によれば、紅葉のベストシーズンは2週間ほど先の11月末だそうだが、そのころはものすごい混雑で、身動きもできない状態になるそうだ。
境内には宋から伝わった「通天モミジ」と呼ばれる三葉楓(葉先が3つにわかれている)など楓の木が多く植えられていて、見渡す限り、文字通り燃えるような紅葉の景色が見られる。しかし、もとはこの辺りは桜の木が植わっていたが、「後世に遊興の場になる」という理由で伐採され、楓の木が植えられたというから驚きだ。
東福寺は臨済宗東福寺派大本山の寺院。本尊は釈迦如来、京都五山の第四位の禅寺として中世、近世を通じて栄え、今なお25の塔頭寺院を有する大寺院である。この地には924年に藤原忠平によって建てられた藤原氏の氏寺・法性寺の巨大な伽藍があった。1236年、摂政九条道家は、この地に大寺院を建立することを発願、寺名は奈良の東大寺、興福寺の二大寺から1字ずつ取って「東福寺」とした。仏殿の建設工事は1239年から始まり1255年に完成、その後も建設工事は30年以上に亘って続き、法堂は1273年に完成した。
その後、1319年の火災をはじめたびたび焼失するが、九条家、鎌倉幕府、足利家、徳川家などの援助で再建されてきた。近代に入って1881年にも大火があり、仏殿、法堂、方丈、庫裏などがこの時焼失した。現在の本堂、方丈、庫裏などは明治以降の再建だが、国宝の三門をはじめ、東司、浴室、禅堂などは焼け残り、中世の建物が現存している。
それにしても、750年を経た木造建築が現存し、今なお現役の寺院として機能していることは驚くべきことだ。言うまでもなく、近代建築の花形材料は鉄筋コンクリートであり、軽量な構造体で複雑な形状の建物を建築することを可能にした。しかし、鉄筋コンクリートの耐用年数はわずか50年であると言われている。近代技術の最先端材料が、耐用年数で木造建築に遠く及ばないという点には考えさせられる。
木造建築は確かに火災には弱い。しかし、万一火災にあったとしても同じ建物を再建できる。伊勢神宮の遷宮など、建て替えを前提に建設されているわけだ。今名古屋城は鉄筋コンクリートの耐用年数の50年を越え、耐震補強が必要となった。河村市長はこの機会に木造で再建することを提唱している。莫大な建設費を寄付と市民の負担でまかなえるのか、再建の推進は容易なことではないと思うが、今後の動向を注視して行きたいと思う。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 新幹線 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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偃月橋(えんげつきょう)は本坊より塔頭、龍吟・即宗両院に至る三ノ橋渓谷に架かる単層切妻造・桟瓦葺きの木造橋廊、1603年に再建、1967年に重要文化財に指定された。ここから東福寺の入り口に向かう。
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三門から本堂を見る
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通天橋、仏殿から常楽庵に至る渓谷・洗玉澗に架けられた橋廊で、1380年の建造、紅葉の密度が最も濃い所だ。
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渓谷・洗玉澗の紅葉
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赤色、黄色、緑色、、、カラフルな日本の秋
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紅葉と緑葉のコントラスト
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紅葉、黄葉と緑葉のコントラスト
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深紅に紅葉したもみじ
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ストロボをたくと白っぽい色になる
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常楽庵開山堂とその昭堂の中央部分は2階建の楼閣となっており、伝衣閣と称する
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日本の秋の風景
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白い砂が見事に調和する
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紅葉と黄葉と緑葉のコントラスト
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八角堂
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着物がよく似合うモデルさんたち
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色を競い合う紅葉
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着物がよく似合うモデルさんたち
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東福寺境内は広大だ
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東福寺入り口に続く道
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東福寺入り口を後にして
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こちらは大阪天満宮
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大阪天満宮の本殿
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淀川の眺め
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淀川を行く水中バス
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この旅行記へのコメント (1)
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- tadさん 2014/11/19 10:43:47
- 京都の紅葉
- 京都はこういうところがいくらでもありますね。また、行きたくなりました。来週は冬を先取りできる北海道に行くことにしましたので、この秋は無理ですが。。。
木造建築の寿命は工夫すれば本当に長いですね。伊勢神宮は特別な例でしょう。私の町にも鎌倉時代の国宝の木造建築がありますが、まだしっかりしています。
名古屋城の木造での再建議論は、今の日本の経済事情では確かに楽な話ではありませんが、それでも実現してほしいですね。設計図の紛失など、他の場所の城の再建はもっと困難でしょうから。。
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