2014/07/17 - 2014/07/17
17位(同エリア96件中)
ロク69さん
7月17日(木)は、レッチェンタールから離れてキーエンタール(Kiental)のグリースアルプ(Griesalp)からグスパルテンホルン・ヒュッテ(Gspaltenhornhuette SAC、2455m)を目指す。好天が続く毎日、今日はどんな天候だろうか?
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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朝6時過ぎの様子、ブリュムリスアルプ方面は雲ひとつない青空だ。今日は、左端に見えている縞模様の山ヴィルディ・フラウ(Wildi Frau、3260m)の向こう側を歩く予定だ。
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いつものように反対側を眺めると、ブンデルシュピッツが紅く染まっている。左の丸い山はクリンロナー(Chlyne Lonar、2385m)だ。
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この日は、朝早く6:27のバスでまずフルーティゲン(Frutigen)へ行く。ここから列車でグリースアルプ行きのバス出発点ライヒェンバッハ(Reichenbach)へ向かう。本来なら列車一本で行けるが、早朝のためこのような乗り継ぎとなった。
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フルーティゲンの駅から眺めるバルムホルン(左)とアルテルス(右)。雲一つない青空に白く輝いている。今日の好天気を約束しているような快晴の空だ。
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ライヒェンバッハには7時06分に到着、グリースアルプ(Griesalp、1408m)行きのバスは20分ほど待ち時間がある。駅前からはブリュムリスアルプの山々が輝く。右から、主峰ブリュムリスアルプホルン(Bluemlisalphorn、3661m)、ヴィッシ・フラウ(Wissi Frau、3648m)、モルゲンホルン(Morgenhorn、3623m)と白い山並みが続く。そのモルゲンホルンの右手前の縞模様がヴルディ・フラウだ、この山の左側が今日の目的地だ。
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やがてやや小型のボンネットバスがやって来て、これに乗り込む。反対方向の列車も到着しバスは満員で2台に分乗して出発する。
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途中で乗客を乗せてバスはキーエンタールを進み、乗客が多すぎて途中から座席に座れずに床に座っている人も数名いる。チンゲルゼー(Tschingelsee、1151m)を過ぎるとバスは急勾配を上り始め、喘ぐようなエンジン音だが力強く進んでいく。終点のグリースアルプには8時過ぎに到着、多くの人々とともに8:10に歩き始める。正面にはベトラッセ(Buetlasse、3193m)の山並みが見えてくる、背後には微かにグスパルテンホルン(Gspaltenhorn、3634m)の頂部が重なるように見えている。
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出発からは川(Gornernbach)の左岸を登っていく、約25分ほどで川に架かる橋を渡って右岸コースと合流する(Bundstaeg、1488m)。この地点は谷間の日陰なので暗く感じる。ここでブリュムリスアルプ方面へ行くコースと分岐する。大半はそちらへ行ったようで人々が少なくなった。
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しばらく進むと樹林帯の上に高峰が見えてくる。右の縞模様の山は、ヴィルディ・フラウ(Wildi Frau、3260m)でこの山の稜線下に去年登ったブリュムリスアルプ・ヒュッテがある。左の白いピークはモルゲンホルン(Morgenhorn、3623m)だ。カンデルシュテークからほぼ裏側から見ていることになる。
参考:昨年のブリュムリスアルプ・ヒュッテ行の記録URL
http://4travel.jp/travelogue/10799237 -
出発から40分でベルグリ(Buergli、1617m)を通過、面白い看板が歓迎してくれているようだ。
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ベルグリの表示板、ガムチまで20分、ヒュッテまで2時間45分とある。それにしても雲はまったく見えない快晴だ。
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農家の子供たちの歓迎を受け、さらに進む。左右の山々に囲まれた渓谷の左側を歩く。中央の鞍部はガムチリュッケ(Gamchilueke、2837m)だ。
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9:05にガムチ(Gamchi、1672m)を通過、農家風のレストランがある立寄らずにに進む。
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ここにも楽しい看板がある、このあたりの人々は絵心があるようだ。
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前方の山々の景観が少しずつ変わってくる。右のヴルディ・フラウの形も随分いびつになって来た。後方の奥にはモルゲンホルンの右に準主峰のヴィシ・フラウ(Wyssi Frau、3648m)まで見えるではないか。
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ガムチを過ぎて急になった勾配のコースでは、左の岩壁から大量の水が落下している。傘をさして通過したがパートナーは雨合羽(上着)を着用している。この雨降りは断続的に7〜8分続く。
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ヒュッテまであと1時間45分の標示、左下の顔の漫画が可愛い。
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右手のヴィルディ・フラウの形が随分変わってきた。もともと縞模様が特徴であったが、裏側にまわると雪のない絶壁の様相を見せている。ずっと見ていなければ違う山と思いかねない変化だ。
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その拡大。スパッと切り落としたような西壁はこの山の違う一面を見せていてとても興味深い。
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登ってきた方向を振り返る。遠くガムチあたりの集落、左手前には歩いて来たコースが見える。遠方のきれいな三角ピークはヴィルド・アンドリスト(Wild Andrist、2849m)、その右はフンツホルン(Hundshorn、2929m)だろう。空は雲ひとつない快晴だ。
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進む前方方向、ガムチ氷河(Gamchigletscher)の奥にはガムチリュッケの鞍部が見える。
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10時10分に標示板(2100m)があった、ブリュムリスアルプ方面からのルートとの合流点だ。
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右手のヴィルディ・フラウとモルゲンホルンが大きく迫ってくる。
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左の尾根越しにグスパルテンホルンがやっと見えてきた。すぐに次の表示がある。
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シルトホルンやミューレンに通ずるゼフィーネン峠(Sefinenfrugge、2612m)との分岐がある。ヒュッテまでは1時間とある。
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我が家は左コースを採らず直進するモレーンルート(Moraenenweg)を進むことにした、ヒュッテまでは1時間10分と書いてある。
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やって来た北西方向には、端正な形状のニーセン(Niesen、2362m)が見える。その右向こうはすぐにトゥーン湖(Thunersee)があるはずだ。
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ずいぶん形が変わったヴィルディ・フラウの拡大。裏側から見るこの山の雰囲気とまったく違うことを改めて認識する。
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参考:ブリュムリスアルプ・ヒュッテから見たヴィルディ・フラウ、上の裏側の写真の形状とは大きく違うのがよく分かる。
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モレーン上に付けられたコースはザラついていて、急勾配では滑りやすい。
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ガムチ氷河に空いた大きな空洞。雪や氷は表面上見えないが、氷河の動きを感じさせる場面だ。
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さらに上部からの氷河の様子。
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大きく口を開いたところ、自然の創る大きな力を感じる。
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モレーンコースは突き当たって左へと曲がると、正面に逞しいグスパルテンホルンと直下のヒュッテが出現する。その岩の殿堂を思わせる折り重なった岩稜群は素晴らしい迫力だ。
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ヒュッテの拡大。ヒュッテまでのコースは正面には絶壁があって見当たらない。よく見ると岩盤を左へ巻きながら裏側から登るようだ。
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ヒュッテ直前の地点から仰ぎ見るグスパルテンホルンの雄姿。男性的で厳しい表情の山容に強く惹かれる。
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11時10分にヒュッテ到着、出発から3時間10分だった。山々に抱かれたこの小屋は谷を奥深く遡上しやっとたどり着ける至高の場所だ。クライマーが数名、近くの岩場でロッククライミングの練習中だ。
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逆光気味だが険しく厳しい山の表情が時の経つのを忘れさせる。
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ブリュムリスアルプ方向はまた違った趣きがあって、その対比が興味深い。
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登ってきたモレーンコースを眺める。変化に富んだ道のりは飽きることのなく、進んでいくにつれて変わる様々な情景が楽しく感じられた。
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ビールと白ワインで乾杯、毎度のことながら嬉しい時間だ。
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ポタージュ風のスープも頼んで、持参のおにぎりで昼食にする。
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ワイングラスに山の薫りを取込んで飲むと、さらに美味しい気がする。
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ついでにもう一杯、ブリュムリスアルプも飲んでやろう。
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手前の岩越しに見るグスパルテンホルン。右の槍の穂先のような尖峰が気になる。40分の休憩後、11時50分に出発する。帰りはモレーンコースは採らずぜフィーネン峠方向を少し進んで分岐するルートを降りる。顧みるグスパルテンホルンの全貌、鎧のような頑丈さと人を寄せ付けようとしない厳粛な雰囲気がある。
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ゼフィーネン峠との分岐あたり、一人の女性ハイカーとすれ違った。
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降って行くと山ともお別れだ。振り返ってもう一度その雄姿を眺めておこう。
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ガムチ手前ではまたまた白糸の滝のような水の洗礼がある。今度も雨傘で通過、しばらくして老夫婦と出会った。
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途中のブンドシュテーグからは右岸コースで降る。グリースアルプ手前のシュタイネンベルク(Steinenberg、1467m)ではレストランがあって多くの人たちがくつろいでいる。
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出発点グリースアルプには14時00分に帰着、ヒュッテから2時間10分の降りだった。ここのレストランは人でいっぱい、やっと空席を探して着席するがなかなか注文を取りに来ない。
そうしているうちに、バス方向を見ると多くの人々がバスに乗り込んでいる。バスの出発時間は14:43なのに不思議に思ってバスの運転手に聞くと、乗客がとても多いので「ピストン運転」をするとのこと。我が家も休憩を諦めてバスに乗り込む。終点のライヒェンバッハまでは片道45分は掛かるので、どうなるのかと思う。 -
急勾配を降ったバスはチンゲルゼー前の広場で乗客を下ろし、すぐにグリースアルプへとんぼ返り。しばらく待ってやって来た大型バスに乗り換えて再出発だ。ここからは道が広く大型バスが走れるのでこういう方法で多くの乗客を処理するのだと分かった。
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チンゲルゼーからは順調に進んで、ライヒェンバッハでは幸運にも予定より1時間早い列車(15:19発)に乗ることが出来た。
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おかげさまでアパートには16時前に帰ることが出来た。アパート前からはブリュムリスアルプ連峰が美しく見えた。左端の縞模様がヴィルディ・フラウ、あの山の裏側へ行ってきたと思うと感慨深かった。
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今晩の夕食のメニューは、馬肉ステーキ(玉ねぎ、ニンニク入り)、塩焼きそば、
リゾット少々、塩昆布、赤ワインでした。
本日の全行動時間5時間50分(うち休憩45分、実動5時間5分)、登り1050m、降り1050mだった。
快晴の好天気のもと、快適でさわやかなハイキングが出来たことを感謝している。谷の奥座敷を訪れ、変化に富んだ素晴らしい景観を享受できて嬉しかった。
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この旅行記へのコメント (1)
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- batfishさん 2014/10/05 16:10:34
- 素晴らしいハイキングでしたね。
- ロク69さん こんにちは!
カンデルシュテーク起点の晴天ハイキングを
続けて拝見しました(^^)
連日、違う方面でのハイキング、行きたい
ところが増えて困ります。(^^;
レッチェンパス越えは4年前にいぶれすさんから
教えていただいていつかは…と思っているのですが
なかなか叶わずにいます。
Weisshornの美しいこと!モンテローザやドム、
奥ゆかしいマッターホルンまで望めて最高のコースですね♪
ビーチホルンヒュッテもいいですね。
でも、こちら2時間40分の登りということは
標高差1000mくらいの登りでしょうか…?
スイスでは楽に歩きたいと考える乗り物好きの私
では思いつかないコースでした(^^;
グリースアルプへのバスのピストン輸送、なるほどですね。
世界各国のハイカー達にとって待ちに待った快晴の日で
大賑わいだったのですね。
でも、ちゃんとバスの方もそれに合わせて運行してくれる
あたりが、さすがスイスだなと思いました。
やっぱり、スイスはよいですね。
続きも楽しみにしています。
batfish
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