2014/08/29 - 2014/08/29
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Minty Pinkさん
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楽しみにしていた美術館展はしごの後編です。
金曜日のオルセー展は8時まで開館しているので、
午後遅くなっても安心。
-
午前中は世田谷美術館のボストン美術館展。
こっちに住んでる息子①と待ち合わせて昼食+用事をすませ、乃木坂へ。
地下鉄の駅から直通ルート。 -
3時15分到着。チケット売り場に並んでいる人は2人!
平日とはいえ…、会期が10月まであるとはいえ…、こんなんでいいの〜?
『晩鐘』だの『草上の昼食』だの『笛を吹く少年』だのが来ると知ったときは
「あ〜、また人の頭の間から見るのかあ…」と思っていたので、拍子抜け。
まあ、適度に人は入っていて、快適に見ることができるのでありがたかったです。 -
中はこんな感じ。カフェは混んでいる感じでした。
いつかのんびりお茶を飲んでみたいなあ。 -
もちろん写真撮影はできないので、ポストカードと手持ちの資料を撮影したものを
使って、できるだけ見た順にいくつか作品をご紹介。
1章―マネ、新しい絵画 から
フレデリック・バジールの『バジールのアトリエ、ラ・コンダミンヌ通り』(1870)
これは豪華。グレール画塾チーム総出演?
仲間の中で裕福だったバジールは、広いアトリエを借りてモネやルノワールに
間貸ししたりして友の窮状を助けたとか。
窓の右にかかっているのはサロンに落選したモネの作品(←後に壊してしまう)。
真ん中でカンバスに向き合っているのがマネ。その後ろに立っているのがモネor
シスレー。階段の上にいるのがゾラ。階段の下にいるのがルノワール。(…と、
音声ガイドでは言っていましたが、他の説もあるようです。)
カンバスの近くに立っている長身の男性がバジール。これはマネが加筆したのだ
そうです。
これはバジールが戦死する数ヶ月前の作品だそうですが、加筆したのっていつ
なんだろう。 -
エドゥアール・マネ『読書』(1865)。日本初公開だそうです。
モデルはマネ夫人のシュザンヌさん。
隣には『ピアノを弾くマネ夫人』(1868)がかかっていました。
『ピアノ…』の方は少々お年を召して見えるような…。3年しか
たってないんですけどね。お隣で見ていたご夫婦もそんなような
ことをお話していました。
で、「読書」しているのは後ろの青年なんですが、息子のレオンさん。
結婚が1863年なのになんでこんなに大きい息子?と思ったら、後年の
加筆(1873ー1875)だそうです。
別冊宝島『印象派のすべて』によると、レオンはマネ夫人の弟として
育てられたとか。 -
実は会場に入ってすぐ奥にドーンと主役がいらっしゃるのが見えるのです。
サロン落選作品。
なぜ落選か? ルールをあえて破っているから。遠近法無視。べた塗り、シンプル
な色遣い。かろうじて奥行きを感じられるのは小さな陰とサイン。
マネはスペイン旅行で、ベラスケスを見て感動し、影響を受けたとか。
彼が吹いている笛の再現モデルも見られます。音声ガイドには演奏した音も入って
います。
この少年に会うのは2度目。ずいぶん前にも日本に来てますよね。あのときは
「人の頭越し」でした…。そして、去年オルセーに行ったらどこかにお出かけ
していました。 -
ここからは 2章―レアリスムの諸相。
クールベとかブルトンとかラファエリとかの「フツーの人々の生活を
どどーんと大画面で描く!」 という作品がばんばん出てくるのですが、
こちらもございます。
ジャン・フランソワ・ミレー『晩鐘』(1857-1859)。
展示の仕方がちょっと特別扱いでした。
クールベと違って、ミレーは貧しい農民の姿を美しく荘厳さまで
漂わせて描いています。鐘が鳴ると必ず農作業の手を止めさせて、
家族に祈るように言ったという幼い頃のおばあちゃんの思い出から
来ている構図だそうです。
右上の端っこの空に烏らしい鳥が飛んでいるのに初めて気づきました。
こちらは去年オルセーで『落ち穂拾い』とともに見ています。オルセーには
本当にできたばかりのころ、何も考えずに行ったことがあるのですが、
これ、見たのかな…。「ミレーはオルセーに行ってしまったと聞いて、そっち
に行ってみる」とか日記には書いてあるが、記憶がない。情けない。 -
来たあ! カイユボーーーット!
ギュスターブ・カイユボット『床に鉋をかける人々』(1875)
去年オルセーで見て、印象派の他の作品の中でなにやら異色だったので
よく覚えている。でも記憶より実物は大きい感じ。
スナップショットではなくモチーフの組み合わせですって。
こちらもサロン落選。斬新な構図と生々しさが非難の的。
えー。よく描き込んであってリアルでもだめなの?
削った床と鉋のけずりかすの表現なんかすごいよ。
最初に見たときは「何これ?」と思ったけど、今は他の作品も見たいと
思っています。『パリの通り、雨』(1877)とか、『ヨーロッパ橋』(1876)とか。 -
3章―歴史画 ではエリー・ドローネー『ローマのペスト』(1869)とか、
エルネスト・メッソニエ『フランス遠征・1814年』(1864)などが
印象的でした。メッソニエのはナポレオンの遠征。見れば「あれねー!」と
なるやつですが、画像なし…。
で、4章―裸体。
ウィリアム・グロー『ダンテとウェルギリウス』(1850)は、「えええ、なにこの
人!のどに食いついてるよ!羽つき悪魔が歯をむいてるよお。」とびびりましたが、神曲の地獄の場面なのね…。
えー。画像はナポレオン三世お買いあげの、
アレクサンドル・カバネル『ヴィーナスの誕生』(1863)。
これ、オルセーにあったんだ…。
印象派が生まれた頃、アカデミーでほめられていたのはこういう作品。
①神話がテーマ。裸婦は完璧に理想化。 ②どんなに近づいても鑑賞に耐えられる
きめ細かな仕上げが高いテクニックの証拠。つまり、スーパーつるつる仕上げ!
(杉全美帆子『イラストで読む印象派の画家たち』より)
近づくと、肌がつるっつるなのはもちろん、黄金の髪がこんなにキラキラきれい
だとは。でもまあ、「女神にしちゃあ、ちょっと挑発的なんじゃね?」という
ひそひそ声も聞こえたとか。
ゾラなんか「ピンクと白のマジパンか!」と強烈批判。…空と海の青はとても
きれいだよ…。 -
さて、皆様お待ちかね(?)。
5章―印象派の風景 ですよ。会場に入って左手が「田園にて」、右手が
「水辺にて」というふうにテーマ分けされています。
まずは「田園にて」から。
ポール・セザンヌ『首吊りの家、オーヴェール・シュル・オワーズ』(1873)。
セザンヌにとってピサロは神様…。ともに戸外制作に励み、風景画に目覚めた
そうです。
でも、物のボリュームをしっかりとらえるのはやはりセザンヌ。劇的に明るく
なった色遣いや小刻みなタッチはピサロの影響。
それにしても、このポストカードの色は鮮やかすぎるんじゃなかろうか。 -
一方、ピサロもセザンヌの影響を受けながら制作。
ピサロはすごーく年下のスーラにも点描技法の教えを請うなど
謙虚。そして温厚。面倒見が良いお方。
はるか昔にオルセーに行ったときの日記には「モネとピサロが好きだ」
とか描いてある。「それだけかい!!」と自分につっこみたくなるが…。
とほほ。当然改装前のオルセーで、「なんだか部屋が細かく分かれ
過ぎてるし、椅子はないし、(できたばかりで)人でごった返してるし…」
などと文句を言っている。
カミーユ・ピサロ『白い霜』(1873)。
発表当初は「汚いキャンバスの上に削りかすをまき散らしただけ」
などボロカス言われた作品!!
何度も戻って近づいたり離れたりしてずーっと見ていたい作品ですよ。 -
アルフレッド・シスレー『ルーヴシエンヌの雪』(1878)。
ピサロが「典型的な印象派の画家」と呼ぶシスレー。
季節・時刻・天候を買えて同じ場所を描くというモネの連作に
通じる手法を試み、夏と秋の情景も描いているんだそうです。 -
出ました! クロード・モネ『かささぎ』(1869-69)!!
昨年オルセーで見たときは、他の作品と普通に並べて飾られて
いましたが、今回はなにやら別格扱いな展示方法で、いわば
「お誕生席」の位置にありました。
記憶の中のものより実物は大きくて、あれ?と思いました。
雪の白の表現に注目。青みの白、バラ色の白、黄味の白。
その中に一点黒のかささぎが効いている。
バジールに「サロンの出品締め切りが近いからチューブ入りの
絵の具を送ってくれ!シルバーホワイト、アイボリーブラック
(どんな色?)、コバルトブルーを大量に!」と手紙を出した
そうで、この作品を描いていたのでしょうか? -
ここからは「水辺にて」のセクション。
アルフレッド・シスレー『洪水のなかの小舟、ポール・マルリー』(1876)。
中野京子さんは
「画家は何ら同情も憂慮もなく、自然への怒りもなければ無策な政府を批判する
でもない。神を呪うでなし、不便をかこつ住民のけなげさを讃えるでもなし、
ただ見ている。ただ水面の光の照り返しや静寂が気に入ったから描いている。」
と、書いています。描かれた作品から毒が発することはある…と。
『怖い絵』の作者さんは、そうとらえるわけです。
オーディオガイドはもっと脳天気なことを言っていましたけどね。
これもちょっと、ポストカードの色は明るすぎるような…。 -
クロード・モネ『アルジャントゥイユのレガッタ』(c.1872)。
この水面の表現が秀逸。モネにしかできない技という気がします。 -
クロード・モネ『アルジャントゥイユの船着場』(c.1872)。
これは雲の表現が好き。 -
6章―静物 アンリ・ファンタン・ラトゥールの『花瓶のキク』(1873)なんかが
よかったと思うけど、…画像なし。
次は 7章―肖像。なんとか夫人、かんとか夫人の大作が次々と登場。
そして壁の向こうに…
クロード・モネ『死の床のカミーユ』(1879)。
去年、オルセーに行ったのに見てない。見逃したのか、
なかったのか。それに気づいて以来ずっと見たかった作品です。
日本に来てくれてありがとう。
意外に大きかった。
オーディオガイドにも入ってなかったのですが、
この絵の前で立ち止まっている方は多かったです。
ポストカードがなかったので、手元の資料から。
「かつてあれほどいとおしんだ女性の死の床で、
私はもはや動かなくなった彼女の顔に死が加え続ける
色の変化を機械的に写し取っている自分に気づいた」
(クレマンソーによる引用、クロード・モネの言葉)
画家の業とはいえ…。
俳優業についてだけど、似たようなことを鴻上ショウジ(漢字?)
が書いていましたね。薬師丸ひろ子の映画『Wの悲劇』の中にも
使われてた話。
そうそう、右下のサインにハートの形がついているように見えません? -
『死の床のカミーユ』の対面に
ポール・セザンヌ『バラ色の背景の自画像』(c.1875)
無愛想で短気。人付き合いが大の苦手…というセザンヌさん。
でも、穏和で礼儀正しい一面も。
まあ、偏屈おやじだったのかもしれないね。自画像もたくさん
描いているのかな? 『バラ色…』って自分でつけたタイトル
なのかしら。どう見ても茶色だよぅ。 -
ここから 8章―近代生活。
ベルト・モリゾ『ゆりかご』(1872)。
モリゾは上流階級出身のお嬢様。この絵のモデルになった姉のエドマともども
たぐいまれな絵の才能があったが、お姉さんの方は結婚とともに絵をやめてしま
う。
お姉さんの表情には影があるよね…。赤ちゃんはとてもかわいい。
そしてレースにピンクの縁取りがついているのがすてき。 -
クロード・モネ『アパルトマンの一隅』(1872)。
初めて見るモネの作品。特に好きというわけでもないんだけど、
ここに描かれているのは誰なのか、あとで調べてみようと思って
ポストカードを買いました。やっぱりカミーユとジャン?
モネにしてはめずらしい色遣いな気がします。 -
エドガー・ドガ『バレエの舞台稽古』(1874)。
ドガのバレエも数え切れないほどあるからねえ…。
去年オルセーで見たのはこれかなぁ…?あ、どうやらそうみたい。
バレエシリーズ一番手(?)の『エトワール』は来なかったのね。
オルセーに残っているのかな。去年はお出かけしていて見られなかった。 -
この部屋の奥にすっばらしい大迫力の大画面でこちらの作品が
飾られてございます。
クロード・モネ『草上の昼食』(1865-66)! 日本初公開!
うわあ…、これ運んでくるの大変だったろうなあ。
航空機はベルーガってやつ使ったのかしらん?
地上輸送はどうやったの?
おっと、そんなことでなくて。
これの習作がプーシキン美術館にあるのですが、けっこう変更も
ありますね。真ん中に座っているひげの男性のモデルはクールベ
だとか?(この人習作にはいない。)
激しい傷みのために切断せざるを得なかったというのですが、
それがまたいい味出してると思っちゃう。
ここでは左側の赤い飾りのドレスを着ているのがカミーユという
説ありです。 -
クロード・モネ『サン・ラザール駅』(1877)
おお、こんな作品まではるばる日本に…。
これも去年見た記憶がありますが、こんなに色とりどりだったんだ。
もっとモノトーンに近い印象をもっていましたよ。
駅舎の形は今も変わらない。
それにしても、なかなかすばらしい作品の数々が日本にお出まし下さった
のですねえ…。と、いうことは今年の夏休みにオルセーに行ったらこれらは
見られなかったわけよね。まあ、いつどこの美術館に行っても「え。それ展示
してないのお!?」という危険はあるわけだけど…。 -
最後は 9章―円熟期のマネ
エドゥアール・マネ『アスパラガス』(1880)
粋な逸話つきの小品。
『アスパラガスの束』を800フランで売ったが、買い手からは
1000フランが送金されてきた。そこでマネは「貴殿のアスパラ
ガスの束から1本抜け落ちていました」と書いて、この作品を送った
とのこと。なんて素敵にユーモアのあるオマケでしょう! -
会場を出たのは6時20分。もう外は暗くなっていました。
展覧会で3時間かけたのに、本物のオルセーは2時間だったからなあ。
(モンサンミッシェル行きの列車の時刻を気にしながらだったので。)
見逃しもあれば、「もっとじっくり見たかったー!」もあるというものよ。
今回いろいろ補足できてよかったけど、やっぱり本家本元で見せて頂く
のとは何かが違う気がする…。またいつか行けるかな。
と、思いつつ帰宅。amazonさんから予定通り届いたこの本がお出迎え。
これのルーブル版がなかなかよかったのでね。次に行くときには
「はやまわり」しなくていいスケジュールにしたいけど。
そうそう、みなさん。会場内はとっても寒いです! これからまだ気温が
上がる日もあると聞きますが、美術館に行くなら防寒対策をお忘れなく。
最初は平気なんだけど、私のように3時間もいたらもう…。ホッカイロ
持ってくれば良かったと本気で思いました。 -
会場の出口にたくさんのちらしがあったので、「これ」と思うものを
いただいてきました。
えーーー! いらっしゃるのですね!「天文学者」さまが!!
へえ、初来日なんだ。
ちらしの裏は白紙でこれ以上の情報はなし。他にどんな作品が来るのやら。
マグリット展もやるのか〜。しかもちらしになってるのが私の好きな作品
『光の帝国?』じゃありませんか!
どうにかして平日ねらいで来よう!!
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この旅行記へのコメント (2)
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- さんしぇさん 2014/10/25 12:09:53
- 初めまして
- Minty Pinkさんこんにちは、初めまして。
たくさんのご評価を頂いてありがとうございました。
こちらオルセー展、にんまりくすりとしながら拝見しました。
オルセー美術館5階の印象派フロアにドーンと(Minty Pinkさんのマネ^^)
居わすのがカイユボット作「床にカンナを・・」でしたが、私もこちらが好きで
しかし今回のオルセーには見当たらず。
なるほど〜、日本に出張中だったんですね。
そう、佳作の多くを見られず臍を噛んだ一人は、何を隠そう私です。
それの穴埋めに、ゴッホの企画展をやったんじゃないかと密かに納得しています。
ポストカード、確かに明るく印刷されてるんじゃないでしょうか、その方が
手に取りたくなる?^^;
改築後のオルセーに初めて足を運び、深い藍の色に浮かび上がる美しい絵画群に
感激した私でしたが、Minty Pinkさんならどう仰せでしょうか。
さんしぇ
- Minty Pinkさん からの返信 2014/10/25 18:55:32
- RE: 初めまして
- おお、さんしぇさん!
コメントありがとうございます。
開店早々でごったがえしていたからか、昔のオルセーにはあまり好印象がなかったのですが、改装後は落ち着いていて素敵ですね。さんしぇさんのおっしゃるように、壁の深い色がいい味出してるんでしょうね〜。
なるほど、オルセーはおわびの印(?)にゴッホ展でしたか。確かに、あれだけ貸し出し中となると、何かで埋め合わせた方がいい気もします。
私はちょっと前までは「ゴッホ?ふーん。なんか強烈であんまり好きじゃないかな」だったのですが、アムステルダムのゴッホ美術館に行ってから、興味を持ち始めました(まあ、にわかファンですな)。オランダ→パリ→アルル→サンレミ→オーヴェール…と、画風が変わっていくのが興味深く、絵とともに画家の生涯をたどるのは実におもしろいなあと思った次第です。たくさんの書簡が残っているのも興味深い…。
そういえば、ピサロもたくさん手紙を残していますね。基本は鷹揚な方だったんでしょうけど、ちょっと愚痴ってたりして。
それでは、また〜!
Minty Pink
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