2006/08/01 - 2006/08/09
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ねんきん老人さん
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初めての国への観光旅行はツアーで。 これが小心者の私の旅スタイルです。
旅行会社の組んだツアーというのは実に良くできていて、観るべき所を効率よく回ってくれるだけでなく、バスの中などで見どころの見どころたる所以を詳しく説明してくれるので、無知な私でもなんだか物知りになったような気分になれます。
むろん自分の興味に応じて時間をかけるということはできませんし、「車窓見学」などという、およそ旅の本質を外れた行程が組まれていたりもするのですが、それはあとで個人旅行をすればいいことですから、まずは「行った、見た」のツアーで予習をするというのは理にかなっている・・・と自分では思っています。
というわけで、初めてのカナダは旅行会社のツアーに頼りました。
移動手段と宿だけ組まれたもので、あとは現地ツアーを探して回ろうと軽く考えてのことでしたが、それがどうも思惑どおりにいかず、以下に述べるような非効率な旅になってしまいました。
それでもカナダは良かった!
山、川、海の雄大さ、そして花の多彩さと美しさ。次に個人旅行で来るときはここで泊まろうとか、次はここで飲もうとか、いろいろメモして帰りました。
それなのに、その後退職したら生活費もままならず、旅行どころではなくなりました。いまだに2度目のカナダは実現していません。
それにしても、年金って、どうして毎年減額されるんでしょうね。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
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-
【 ライトアップされたナイアガラの滝 】
トロントで現地ガイドの出迎えを受けます。同じツアーの参加者は7〜8人だったようですが、よく分かりません。
通常、ツアーバスではまずガイドの挨拶があり、行程の説明やら諸注意があるものですが、私たちは大き目のワゴン車に乗せられ、ナイアガラフォールズの町で降ろされただけで、何の話もありませんでした。それも同じホテルで降りたのは3人。他のホテルで降りた人とはそれっきりですから、どういうツアーなのかも分かりません。しかも同じホテルで降りた人ともそのあと一度も会っていないのです。
まあ、そんなことより先ずは夕食と思い、町に出ました。ついつい飲み過ぎてレストランを出たあとはどうもよく覚えていません。ただ、町中がテーマパークかと思えるような賑やかな通りを歩いていると、前方に小さくナイアガラの滝が見えました。
といっても川の対岸にあるので、音も聞こえません。何色かのライトが当てられていますが、とくにきれいでもなく、迫力もありません。私はもともと自然の岩や水がライトアップされているのは好きではないので、こういう形で子供のころから憧れていたナイアガラの滝に対面したことは、正直なところガッカリでした。 -
【 上から見たナイアガラの滝 】
翌朝、何はともあれ滝を見ようと、歩いて出かけました。
テーブルロックという場所から滝を見ます。高さ、厚さとも数十cmの石垣の上に手すりがあり、その先の水面が滝となって落ち込んでいく様子が見られます。石垣と手すりを合わせても見物の邪魔にはならない高さですから、転落防止のためだとしたら、あまり役には立たないと思います。
実は私、その石垣の上に立ってこの写真を撮りました。手すりの内側で危険な感じはなかったし、ほかにも同じことをしている人もいました。
その後、日本人女性がその石垣から落ちて行方不明になったというニュースがあり、自分の軽率さを反省しましたが、反省だけならサルでもできますね。 -
【 上から見たナイアガラの滝 】
これもテーブルロックからの眺めです。
滝の落差は53mだそうですが、水煙りがそれをゆうに超えて立ち上がってきます。
なんという水量でしょう。前夜のガッカリした気分はすっかり吹き飛びました。
ちなみに落下する水の量は毎分11万立方mということですが、そう言われても見当がつきません。なにか比べるものはないかと思ったら、TOTOの洋式バスタブが190リットルだそうです。ということは、ナイアガラの滝は、1分間にバスタブ58万杯の水を落としているということですね。(よけい分からなくなりました)
※ 別の資料を見たら、毎分17万立方mとありました。季節によって違うようです。 -
【 上から見たナイアガラの滝 】
右端に例の石垣と手すりが写っています。
こうして見ると、この上に立つのはやっぱり危険ですね。 -
【 上から見たナイアガラの滝 】
水の壁です。53mの岩盤の上に水の厚さ(深さ)が4mあるそうですから、高さ57mの水の壁ということになります。それが670mに渡って続くのですから壮観です。
余談ですが、現地ではナイアガラを「ニアガラ」と発音する人が多くて、最初はとまどいました。フランス語だそうです。そういえばカナダの公用語は英語とフランス語でしたね。 -
【 遊覧船 】
下を見ると、滝壺に向かって進んでゆく遊覧船が見えます。流れに押し戻されて、なかなか前へは進めないようです。
旅行会社のパンフレットなどでよくこういう写真を見ますが、実際に見ると、なんとも頼りなく、もうちょっと大きな船を作ればいいのになどと、余計なことを考えてしまいました。
有名なアトラクションなので、やはり乗っておかなければと思いましたが、乗り方が分かりません。とにかく人のいる方へと行ってみると、チケット売り場がありました。とりあえずチケットは手に入れ、また人の行く方へ行ってみると、係り員がほとんど投げるようにして青いポンチョをくれます。それを持ってまた人のあとについて行くと、乗船口に着きました。改めて船の小ささを感じます。
誰もがポンチョを着て、はしゃいでいます。でも、ポンチョはぺらぺらのビニール製で、あの滝のしぶきに遭ったら、あまり役にたちそうには見えません。それに、濡れるのがこの船の売りであるのに、濡れずに終わるのでは勿体ないと思います。
私はポンチョは着ないで、それでカメラを厳重に包むと、船首の一番濡れそうな所に陣取りました。 -
【 遊覧船 】
という訳で、船上での写真は1枚もありません。そこで上から撮った写真をもう1枚。船の小ささがお分かりだと思います。
さて、桟橋を離れた船はゆっくりと川を上っていきます。左にアメリカ滝が見えますが、水しぶきもほとんどかからず、いたってのどかなものです。カモメが群れているのは、滝から落ちて気を失った魚を狙っているのだということですが、どうも信用できない話です。
カナダ滝が近づいてくると、しぶきが激しくかかるようになります。滝そのものは巨大なスクリーンのようです。
日頃、樹々の間から落ちてくる滝しか見ていないので、左右上下ただ水しか見えないという景観は、現実なのか幻なのか定かではありません。
音にしても、日本でよく見る滝の場合は、滝の音のほかに鳥のさえずりやら川の流れる音やら色々聞こえますが、ここではただゴーッという変化のない音が身を包んでいるだけで、それ以外には何も聞こえません。
しばらく滝壺の辺りを流れに抗して頑張っていた船が左にUターンした途端、どしゃ降りの雨のようにしぶきがかかってきました。いや、しぶきなどというものではありません。耳にも口にも容赦なく水が入ってきます。目はもちろん開いていられません。ポンチョを着ていないせいかと思いましたが、見ると、着ている人もほとんど同じです。それどころか、顔の部分からどんどん水が入ってきて、中の衣類もびしょ濡れだということがあとで分かりました。
私はといえばパンツまで濡れましたので、いったんホテルに帰って着替えなければなりませんでした。非日常体験といえばあれほど非日常的な体験は滅多にできるものではありません。これから行かれる方は是非夏にお出かけになり、ポンチョを着ないで乗船なさることをお勧めします。 -
【 反対側から見るカナダ滝 】
ホテルで着替えたあと、アメリカ側に行ってみました。
写真にある橋を左側(カナダ)から右(アメリカ)へと渡ります。渡り終える辺りに入国管理事務所があります。横柄な入国審査官に命令口調で指紋検査を強要され、不愉快でした。
最初は我慢して従っていましたが、次々とくだらぬ質問を、それも人の顔も見ずに繰り返すので、とうとう私もキレて、大声で言い返しました。もっとも私の英語ではほとんど通じなかったと思いますが、向こうも面倒臭くなったようで、パスポートを投げるようにして返してよこしました。
収まらない私はなおも文句を言いましたが、相手にされず、追い出されるように審査場を出ました。
-
木立の中を歩いて行くと橋があって、グリーン島、さらにゴート島に出ます。
なおも歩いて行くと広い芝生に出ますが、そこが先ほどのテーブルロックの対岸、つまりカナダ滝の反対側の端になります。テラピンポイントというのだそうですが、それはあとで知りました。
写真はそこから見たカナダ滝です。 -
【 滝の上の異空間 】
テラピンポイントから下流に向かって数百m(?)歩くと、小さな橋があります。
ナイアガラの滝の上には大小いくつかの島があって、それらが大きなナイアガラ川をカナダ滝、ブライダルベール滝、アメリカ滝に分けているのですが、そんな島の間には、とても巨大な滝の上とは思えない穏やかな清流があることに驚きました。 -
【 上から見たアメリカ滝 】
その橋の先は、アメリカ滝とブライダルベール滝を分ける崖の上です。
写真はそこから見下ろしたアメリカ滝です。
ほんのちょっと戻った所に、Cave of the Wind と看板の出た建物がありました。
カウンターに荷物と靴を預け、やはりぺらぺらのポンチョとビーチサンダルを貰います。エレベーターで下に降りると、トンネルに出ます。「風の洞窟」なんて洒落た名前ですが、ただのコンクリートで、まあ、華厳の滝に行くような按配です。
トンネルの出口で、適当な人数に切られ、ガイドらしいアンチャンが説明を始めます。猛烈な早口で、何を言っているのかさっぱり解りません。ひととおりの説明をした(らしい)あと、自分のあとをついて来るようにと言いましたが、ついて行ったとしてもどうせ説明は解らないでしょうから、私は無視して一人で歩くことにしました。 -
【 アメリカ滝とブライダルベール滝 】
見上げると左にアメリカ滝、右にブライダルベール滝が見えます。
アメリカ滝は落差が21〜34m、幅が260mだそうです。ブライダルベール滝は落差55m、幅15mとか。
アメリカ滝、ブライダルベール滝、カナダ滝を総称してナイアガラの滝と呼んでいますが、それはエリー湖から流れ出たナイアガラ川が3つに分かれて下のナイアガラ川に落ち込んでいるということですから、3つの滝は落差が同じ筈ですね。それなのにカナダ滝とアメリカ滝の落差が大きく違うのはなぜだろうと、旅行前にガイドブックを読んで思っていました。
その理由は次の写真で分かります。 -
【 アメリカ滝下の岩場 】
アメリカ滝が崩れて、滝壺にあたる場所には岩が分厚く堆積しています。
つまり、滝の水は直接川面までは届かず、この岩場に落ちるので、滝の落差としてはカナダ滝より低いということになるわけです。 -
【 アメリカ滝 】
アメリカ滝の水は、落ちるというより噴出しているように見えます。黒四ダムの放水を大規模にしたような感じです。
大規模って、どのくらいの規模かって? ざっと200倍です! これだけ違うと例えに出すのが間違いですね。
ここではポンチョを着ている人も、着ていない人もいます。暑さの中で冷たいしぶきを浴びるので、着ない方が気持ちがいいと思います。私はもちろん着ませんでした。 -
【 ブライダルベール滝 】
ブライダルベール滝というのはあちこちにあり、それぞれ風情がありますが、ここのは豪快すぎて花嫁のベールには見えません。
この木道は滝から6mの所にあり、ポンチョは何の役にも立ちません。日本でいうなら中学生くらいの少年が水着になって頭から水をかぶり、なにやらおたけびを上げていました。 -
【 水連の葉に載ったコイン 】
ナイヤガラ・オン・ザ・レイクという町に行く日本語ツアーがあったので参加しました。
やはりワゴン車で、6人から7人が乗り合わせましたが、みな初対面で、特段の会話もありません。
その途中で、花時計を見るという時間が10分ほどありました。直径12mほどで、世界最大級ということでしたが、ふーんという感想しかありません。
そばに水連の咲く池があり、葉の上に沢山のコインが載っていました。どこの国にも同じようなことを考える人はいるのでしょうが、私は日本人の仕業だと決めつけていました。
現にツアーのメンバーが次々とコインを投げていましたし・・・。 -
【 ぶどう畑 】
ワイナリーに寄るのはツアーでの定番ですが、見るのは売り場だけです。試飲といっても予め試飲用の小さなグラスが人数分用意されていて、観光バスで山梨のぶどう園に行くのと変わりありません。
私は興味がないので、そのまま外に出て、裏のぶどう畑に入って行きました。 -
【 洋梨 】
ぶどう畑なのに洋梨の木がありました。木になっているのを見たのは初めてで、私は「さすがカナダだ」と感激しましたが、考えてみれば日本でも生産されているのですね。
そう思って、帰ってから調べたら、東北地方や信越地方などの寒冷地で栽培されているとのこと。やっぱり「さすがカナダ」でした。
ちなみに、その図鑑には「セイヨウナシ、バラ科」とありました。バラ科って、桜も梅も桃もそうだし、苺やリンゴもそうなんだそうですね。どこがバラなんでしょう?
学者の考えることは分かりません。 -
【 ナナカマド 】
同じ場所にナナカマドがあり、既に実が赤くなっていました。
日本では秋口になってようやく赤くなるものだと思っていましたので、ちょっと意外でした。「さすがカナダだ」
そういえば、街ゆく人たちはほとんど長袖ですし、ウインドブレーカーを着ている人も多く見かけます。私は旅行中、ずっとTシャツやタンクトップでしたが、夜など、さすがに人目が気になりました。
そのほか、観光パンフレットでお馴染みの名所に何か所か寄りましたが、まあ、「見た」というだけです。 -
【 オンタリオ湖 】
ナイヤガラ・オン・ザ・レイクの町に着きました。ビクトリア様式の町並みが残る美しい町というふれこみで、人気の場所ですが、私は車を降りるとまっしぐらにオンタリオ湖に向かいました。
小学生のとき、白地図に五大湖の名前を書き込む作業がありましたが、その湖を自分の目で見られると思うと、自然に足が速まります。
四国4県を合わせた面積とほぼ同じという広さは、湖という概念を超えていて、私は感動に似た気分を味わいました。
湖畔にかがみ込み、水を手ですくって飲んでみました。美味いわけでもありませんが、「オンタリオ湖の水が俺の腹の中にある」などと思い、悦に入っていました。
ふと顔を上げると、同じワゴン車に乗ってきた若い女の子がこちらを見ていました。バツが悪く、作り笑いをして話しかけると応じてくれました。
名古屋から来たそうで、英語が解らないので不安だとのこと。そういう子と歩くのは好都合です。なぜなら、私のでたらめな英語がバレずに済むからです。
という訳で、街に戻って一緒に散策しました。確かに心の和む美しい街です。ツアーには珍しくたっぷり時間がありましたので、オープンカフェでゆっくりコーヒーを飲み、とりとめのない話をして、「いいオジサン」を演じました。 -
【 バンフ、ボウ滝 】
ナイアガラにはわずか3泊。その間に上記の行程をこなし、バンフに移動です。まあ、ツアーだから仕方がありません。延泊も可能ですが、予算という大きな問題がありますし。
トロント空港への移動はツアーに組み込まれていますが、車に乗ったのは私のほかに5人で、全員この日が初対面です。どうもこのツアーのしくみは分かりません。
バンフには午後1時過ぎに着き、ホテルに荷物を置いて市バスに飛び乗りました。お目当てのボウ滝に行くためです。
高校時代、ロバート・ミッチャムとマリリン・モンローの映画 『帰らざる河』を観て、子連れの二人が激流を筏で下るシーンが頭に焼き付いていました。その撮影が行われたボウ川は長く眷恋の地であり、今そこに向かっていると思うと心が逸ります。
停留所を一つ間違えたものの、来ました、来ました、ボウ滝へ。二人が下った最後の難所です。 -
【 ボウ川を見下ろす 】
実は、この旅行の直前、私は 『帰らざる河』 のDVDを買って改めて繰り返し見てきました。映画のシーンを彷彿とさせるボウ滝を心ゆくまで楽しんだあと、映画でインディアンたちが川を下る筏を見下ろした目線に立ちたくなり、川岸の崖の上に出る道を辿りました。
ありました! まさにこの感じです。
辺りを見回し、人がいないのを確認してから、インディアンが弓を引き絞って矢を射るポーズを取ってみました。馬鹿だとお思いでしょうが、青春時代に西部劇に夢中になった世代の男たちは似たようなものです。 -
【 筏で下った流れ 】
さらに上流に向かって歩きました。映画で二人と子供の乗った筏が矢のように流されてゆく場面がそのまま眼下に広がっています。
このときは連れがいないことを心底喜びました。男が興奮している姿は人に見られたくありませんから。 -
【 カスケード・ガーデン 】
ボウ滝周辺には3〜4時間いたでしょうか。 『帰らざる河』 の空気を十分に堪能したあとはやることがなく、町の南端にあるカスケード・ガーデンに行きました。
色とりどりの花がきれいに植えられていましたが、それはざっと見て、あとはベンチでぼんやりしていただけです。
町に出れば様々な店があることは承知していましたが、買い物には興味がなく、おまけにお金もないので、夕食までここで過ごそうということです。 -
【 カスケード・ガーデンから見たバンフ・アベニュー 】
やがて日も暮れ、バンフ・アベニューのとあるレストランのテラス席で食事をしましたが、待てど暮らせど料理が出てきません。グラスホッパーという地ビールだけは言うとすぐに持ってきます。何度か催促してやっと食べ始めたころには何本目かのビールですっかり酔いが回っていて、ほとんど手をつけませんでした。
するとウエイトレスがさっとそれを片付け、箱に入れて持ってきました。食べないのなら帰れ、と言われているような気がしましたが、すっかり出来上がっていた私は不愉快に感じることもなく、多めのチップを置いて店を出ました。 -
【 レイク・ルイーズ 】
翌日は「カナディアンロッキー周遊観光」という日本語ツアーに参加しました。
月並みな写真ですが、途中で寄ったレイク・ルイーズです。バンフに行った観光客のほとんどが行く湖だと思いますので、私も素直に楽しみました。バスクリンを溶かし込んだような水の色は、とても私の写真では表せません。
このほかにも2〜3か所に寄ったのですが、やはり絵葉書にはかないませんので、私の下手な写真を載せるのは遠慮しておきます。 -
【 アサバスカ氷河 】
このツアーは、コロンビア大氷原を雪上車で行くというふれこみで、そのせいか参加者が多く、17〜18人いたと思います。
しかし、実際にはコロンビア大氷原には行きません。行くのは、コロンビア大氷原から流れ出す氷河の一つであるアサバスカ氷河です。
写真の中央に白く見えるのがそれです。コロンビア大氷原というのは、その奥に見える山の、そのまた奥に広がる氷原だそうです。
アサバスカ氷河は小さく見えますが、それでも氷の厚さは平均200m、広さは6平方kmもあるそうですから、日本では絶対に見られない景観です。こんなすばらしい氷河を、どうしてコロンビア大氷原などと偽るのでしょう。
客受けさえすれば多少事実と異なっていても構わないという旅行会社のスタンスは気に入りません。羊頭狗肉とはこのことではないでしょうか。 -
【 雪上車 】
コロンビア大氷原を雪上車で走り回るといううたい文句は大嘘で、実際にはアサバスカ氷河の氷の上に出た所で停車し、客はカラーコーンで囲まれた所をうろうろ歩くだけです。
という訳で、いささかインチキ臭い氷河見物ではありますが、最初からアサバスカ氷河と言ってくれれば不満もなく、おおいに楽しめます。
雪上車も氷の上はほとんど走りませんが、それでもタイヤの直径が150cmもある雪上車は迫力がありますし、それを運転するのが高校生にも見える可愛い女の子で、そのギャップも楽しめました。 -
【 氷原を流れる小川 】
大勢の観光客が皆ダウンジャケットや分厚いウインドブレーカーで身を固めている中で、タンクトップ1枚の私は否応なしに目立ったとみえ、何人もの人から寒くないのかと訊かれました。
寒いと答えて笑われましたが、私とて好きでそんな恰好をしていたわけではありません。 さあ着きました!とガイドに促されて慌てたもので、バスの中に防寒具を忘れて降りてしまったのです。
この写真は氷の溶けた水が流れる小川です。飛び越えられる幅ですが、これでも温暖化の影響で以前より広くなったとか。無味ですが、冷たくて(当たり前!)、美味しく感じました。 -
【 氷穴 】
氷原にはこんな竪穴もありました。溶けた氷が渦状に回転して氷を削ってゆくもので、中はさざえの殻のようにくねりながら何百メートルも続いていて、もし落ちたら絶対に助からないと言われました。
バンフに戻って、ネットで調べたステーキハウス 「バンパース」 に行きました。カウボーイスタイルの従業員がきびきびと動き回るカジュアルなレストランです。
ウエイトレスに煽られて10オンスのステーキを頼んだところ、あまりの大きさに「これは20オンスではないのか」と訊いてしまいました。時間をかけ、ビールを何杯も飲みながら完食しましたが、すこぶる美味しい肉で、おおいに満足です。
店には「もしあなたがアルバータ牛でない肉を食べているなら、それは肉ではありません」という意味のキャッチフレーズが書かれていたので、「アルバータ牛の次においしいのは何牛かな?」とからかってみたら、「ナンバーワンはアルバータ牛、ナンバーツーもアルバータ牛」と澱みのない応えで、これには私も一本取られた思いで大笑いし、はずみでまたビールを追加してしまいました。
ツアーの悲しさで、明日は次の観光地バンクーバーに移動ですが、バンフの夜は思い出深いものとなりました。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- ふわっくまさん 2021/05/07 12:55:00
- ナイヤガラの滝・・
- ねんきんさん、こんにちは。
ナイヤガラの滝はコロナが収束して落ち着いた頃、訪れてみたいところの1つなのですが・・
正直なところ、ガッカリされたのですね。
けれど季節や時期で感じ方が変わるかも、と前向きに考えています。
ツアーでワイナリーに寄るも、山梨のブドウ園と変わらないとか・・
コロンビア大氷原を、タンクトップで観光など・・
いつもと変わらず、ユーモアのセンスを感じさせていただきました。
・・大阪にお越し、いかがでしょうか・・今の時期は、特に拒絶されそうですね(笑)
さて明日はお互いに、忘れられない一日ですね。
・・前日ですが、思わずお邪魔させていただきました。
ふわっくま
- ねんきん老人さん からの返信 2021/05/07 14:34:49
- ナイアガラの滝、是非お出でになってください。
- ふわっくまさん、いつもながら私の駄文を丁寧に読んでくださり、ありがとうございます。
おまけに5月8日を覚えていてくださって、感激しました。
ナイアガラの滝でがっかりしたのは、ライトアップのことで、昼間の滝は想像を絶する迫力でした。 是非お出でになって、ずぶ濡れになってみてください。
ワイナリーは確かに、山梨のブドウ園の方が楽しいと思います。カナダでは、ドライブインの土産物売り場みたいな感じでした。
氷河に行かれるときは、空のペットボトルを持って行かれることをお勧めします。溶けた水を入れて、帰りのバスの中で飲んだらおいしいと思います。
明日(5月8日)ですが、九州に出かけます。 関門海峡まで1000km以上ありますので、丸二日かけてゆっくり走り、そのあと、何事もなければ九州を一周して、また二日かけて帰ってくるつもりです。
ただ、九州もコロナ感染が拡がっていますし、観光施設も軒並み閉鎖や時間制限が行われているようですから、どうなるかは分かりません。
千葉県ナンバーの車で動き回るので、人の目も気になります。
もし何カ所か回れたら、また旅行記を書いてみようかとも思います。
大阪は・・・通過だけにさせてください。 まだ命が惜しいものですから。
ふわっくまさんも、くれぐれもお気をつけて・・・。
ねんきん老人
-
- 琉球熱さん 2015/01/04 17:14:26
- 今年もよろしくお願いします
- ねんきん老人さん
「帰らざる河」のワンシーンを思い出して…
わかるような気がします。
私もサンフランシスコに行った時、市警察庁舎を見て大興奮したクチですから(笑) 言わずと知れた「ダーティーハリー」の勤務先です(笑)
古い記録に投票いただきありがとうございました。
- ねんきん老人さん からの返信 2015/01/05 18:20:20
- おめでとうございます。
- 琉球熱さん
明けましておめでとうございます。
いつもながら拙稿の内容に触れての書き込みをいただき、ありがとうございます。
老人の狭い視野で見聞したことを人様に公開する厚かましさを家族に笑われての投稿ですが、琉球熱さんのように丁寧に読んでくださる方の存在は大いに励みになります。
家族に 「ほれ見ろ、俺の体験に共感してくれる人もいるんだ」 と自慢していますが、それも家族に言わせれば 「哀れな老人をいたわってくださる心優しい方」 ということになってしまいます。
ともあれ、恥じもせずまた書いてみようかというエネルギーを与えてくださっていることに感謝しております。
どうか今年もよろしくお願いいたします。
ねんきん老人
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