2014/07/27 - 2014/08/04
1726位(同エリア3773件中)
犬ポンさん
書店でふと手に取った一冊の本。これが、今回の旅の始まりでした。『前世への冒険』(森下典子著)、不思議なタイトルです。この本を読み、イタリアへの旅を計画しました。フレンツェ、ルネサンス発祥の地。ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロの三大天才が花開いた街。そして、『前世への冒険』の中の彫刻家デジデリオ。さらに、サン・フランチェスコにも興味を持つようになり、旅の始まりです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 3.5
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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羽田空港からドイツ・フランクフルトを経由して、イタリア・フィレンツェへ。
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初めてのルフトハンザ航空(羽田・フランクフルト間、フランクフルト・フィレンツェ間ともに利用)。サッカーW杯優勝で盛り上がっていると思いきや、機内でも空港内でもそれらしき看板もなく、整然と働く客室乗務員や空港職員。これがドイツ人気質なのでしょうか。「優勝」「当たり前、そんなになぜ騒ぐの」「どこまでおいでかな」「そう、フィレンツェ」時間通りの運行、仕事ぶり。イタリアとはえらい違い。写真は、フランクフルト国際空港の無料のコーヒーマシーン。日本の空港にもあったらいいのに。
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今回の旅で一番困ったのが、ドイツ語。イタリア旅行なのに、なぜ?ドイツは乗り継ぎだけの通過点。しかし、シェンゲン協定内のため、入国審査はイタリアではなく乗り継ぎのドイツでおこなわれます。そのため、ドイツ語1つくらいは覚えておこうと「ありがとう=ダンケシェン」を脳内にインプット。日本でいうと東京・札幌間なのに、なぜ言葉が全然違うのか?イタリアで「ボンジョルノ」と言うとすると「グーテンターグ」、「グラッツェ」と言うとすると「ダンケシェン」になってしまって本当に困りました。「ドラえもん」やってました。毎日見ていたら、イタリア語、覚えられそうです。
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今回の移動はレンタカー。いろいろな旅行記を読むと、イタリア人の運転は荒っぽい、誰もが飛ばし屋と。運転する前は、これまでレンタカー利用した国の中で一番緊張しました。しかし、経験してみると、違う感想を持ちました。確かに、追い越す時はぴったり後ろについてから、追い越した後は車線変更はぎりぎり手前にしてきます。それを荒っぽいと感じるか?私は、日本人の方が(当然一部の人ですが)運転は荒っぽい、危険だと思いました。日本の高速道路を走っていると、こんな輩のドライバーいますよね。車線変更を繰り返しおこない、私のドライビングテクニックはどうだ!という人。(結果的には、ゴールに同じ時間帯で到着したりして)
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私は当然のごとくイタリア語はしゃべれません。ホテルや買い物、道聞きは片言の英語です。イタリア語同士だと、陽気にたたみかけているように聞こえます。しかし、こちらが英語、しかも片言となると、一生懸命耳を傾けてくれ、私(イタリア人)も片言よと、申し訳なさそうに話すイタリア人は好感が持てました。
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フィレンツェから車で2時間半。アッシジに到着しました。この街で生まれた聖人、サン・フランチェスコを訪ねて世界中からの巡礼者が絶えません。アッシジは、ウンブリア州にあります。
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アッシジの裕福な商人の子として生まれたフランチェスコ。度重なる戦争や病気で現世への疑問を感じたフランチェスコは、神の声を聞き、出家し、聖人となります。
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サン・フランチェスコ聖堂。内部に描かれたジョット作の「聖フランチェスコの生涯」は見事(撮影は禁止です)。地下には、サン・フランチェスコのお墓もあります。内部はひんやりして、神聖そのもの。ふと立ち止まった場所は、サン・フランチェスコがイエスの聖痕を受けたとき発見した彼の友人レオーネのお墓の前でした。彼と何か関係があるのかも(「前世への冒険」の読み過ぎです)。ちなみに、彼の死後結成されたフランシスコ会は、豊臣秀吉と謁見するときに会の服装(清貧がモットーで、我々から見るとみすぼらしい姿)が秀吉を怒らせ、バテレン追放につながったと言われています。
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サン・ダミアーノ修道院です。サン・フランチェスコが神の声を聞き、一人で石を積み上げて修築した礼拝堂と、サン・フランチェスコの熱心な信者となったキアーラが創設した修道会の僧院があります。キアーラはここで息を引き取っています。その場所でも、何かを感じました。(これも読み過ぎ、影響受けすぎです。私はそんなに現世も前世も大それた人物ではありません)
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レストランよりも食堂という感じの店をトラットリアといいます。トスカーナ地方の代表的な前菜であるアンティパストです。
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アッシジをあとにして周辺のオルチャ渓谷をむくめ世界遺産のピエンツァへ。この街の出身のローマ教皇が、一人の建築家に依頼して造らせた。ハリウッド映画「ロミオとジュリエット」、「イングリッシュ・ペイシェント」はこの街で撮影されました。アメリカ人の観光客多かったです。
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モンタルチーノへ。トスカーナ地方を代表する赤ワインのふるさと。エノテカ(ワイン販売店)が多く、トラットリアもワインがいっぱい。残念ながら車の運転で、試飲のできず、でした。
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いよいよフィレンツェです。日本を出発しフィレンツェに到着が深夜だったため、初日は空港近くのホテルで1泊し、翌日からレンタカーでの旅でしたので、今日からフィレンツェ本番です。フィレンツェの顔、花の聖母教会です。やはり、圧倒的な存在です。
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花の聖母教会は約140年かけて完成しました。建築家ブルネレスキが架けたクーポラは、重さを分散させるためにあらゆる工夫がされてあると言います。エジプトのピラミッドといい、設計した人はどういう頭の持ち主なのでしょうか。
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アカデミア美術館のミケランジェロ作・ダヴィデ像。頭、腕が異常に大きいのは、真下から見ると納得です。見事なバランス。
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メディチ家礼拝堂。イタリア・ルネサンスの生みの親と言っていいメディチ家。コジモ、そして孫のロレンツォの時代、彼らの財力がルネサンスを支えました。ダヴィンチ、ミケランジェロにかわって御礼申し上げます。
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アルノ川に架かるヴェッキオ橋。アルノ川の流れはもっと急です。しかし、流れの速い川が街を流れていると、切り離されるように感じるので、上流で食い止め流れを遅くしています。そこまでやるか、フィレンツェ人と思いました。
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メディチ家礼拝堂にある、ミケランジェロ作「ネムール公ジュリアーノ・デ・メディチの墓碑」より。あなたは女性の裸の体を見たことがありますか?一部のボディビルダーを除き、腹筋もりもりのお腹はあり得ない。ダヴィデ像の裸体の美しさといい。
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ヴェッキオ橋の1つ下流にかかるサンタ・チリニタ橋近くのレストラン、クワトロレオーニです。有名人も多く訪れます。
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フィレンツェの冬の定番料理、パンと野菜のスープ料理・リポリータです。オリーブオイルをちょっとたらして食べます。
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トリッパ・アッラ・フィオレンチィーナ、牛の胃袋(トリッパ)のトマト煮込みです。焼酎飲みたくなりました。酒飲みにはぴったり。
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サン・マルコ美術館のフラ・アンジェリコの傑作『受胎告知』です。皇后・美智子様は、30分間黙ってこの絵の前にいたそうです。
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これもサン・マルコ美術館のフラ・アンジェリコ作『受胎告知』です。しかし、どの受胎告知の作品を見ても、マリアがうれしそうな顔ではなく、とまどった顔をしています。当たり前か。いきなり「あなたは神の子を宿しました」なんて言われて、びっくりしますよね。
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『仲良くしようぜ』私が勝手に名づけました。(アカデミアン美術館)
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サン・マルコ美術館のフラ・アンジェリコ作『我に触れるな』。マグダナのマリアに復活したイエスが言いました。でも、それはあんまりだと思いませんか。
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サン・マルコ修道院は、ルネサンスを終演させたサヴォナローラが修道院長をつとめたところです。悪者にされていますが、彼に影響を受け、あのボッティチェッリが明るい色彩の絵をやめるほど、魅力的な男でした。
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ルネサンスを怠惰、堕落と考えたサヴォナローラは、フィレンツェ市民に禁欲的な生活を課しました。市民は「あなたが本当の予言者ならば、燃えさかる火の上を歩けるだろう」と。サヴォナローラは「神を試してはいけない」と拒否。起こった市民によってシニョリーア広場で火やぶりの刑で処刑されました。
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サント・スピリト教会はブルネルスキの設計です。ここには、ミケランジェロ作による珍しい木製の十字架像があります。しかも裸体のイエス。残念ながら、ローマに出張中で会うことはできませんでした。
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ウッフィツィ美術館にある、おなじみボッティチェッリ作「ヴィーナス誕生」ビーナスのこの傾きでは立っていられないでしょう。理学療法的にに言うと、支持基底面、重心、圧中心から考えると無理、とんでもないとのこと。でも、これは芸術です。
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ウフィツィ美術館、ラファエロ作「ひわの聖母」典型的なイタリア美人です。ラファエロは、超モテたんですよね。
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ウフィツィ美術館、おなじみダ・ヴィンチ作「受胎告知」です。
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ウフィツィ美術館、ヴェチェッリオ作「ウルビーノのビーナス」艶めかしい目で見つめないで。
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この澄んだ瞳。嘘を言ったら怒られそうです。ごめんなさい。
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ランニング情報です。旅先では必ず早朝にジョギングをします。アッシジは、坂が多く大変ですが、落ち着いた町並みで気分よく走れます。フィレンツェは、宿泊先がサンタ・マリア。ノヴェッラ駅の近くでしたので、そこからミケランジェロ広場まで走りました。教会の鐘の音を聞きながら走るのも乙なものです。しかし、イタリアは石畳の道が多く、とても疲れるのが難です。
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フィレンツェの教会を訪れると、色彩テラコッタの装飾をよく見かけます。これはロッピア一族が得意としたもので、「前世への冒険」のデジデリオと大いに関係があります。
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サン・ミニアート・アル・モンテ教会です。ミケランジェロ広場から少し上がったところにある教会です。観光客も少なく穴場です。
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サン・ミニアート・アル・モンテ教会にあるポルトガル枢機卿の墓です。ロッセリーノ作と言われていますが、「前世への冒険」のキーワードとなる作品です。
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ミケランジェロ広場から一望できるフィレンツェですが、サン・ミニアート・アル・モンテ教会からのフィレンツェが最高です。ミケランジェロ広場から少し足をのばしてみてください。
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京都、坂本龍馬と中岡慎太郎のお墓がある霊山から撮影しました。この風景、フィレンツェと似ていると思いませんか。京都市とフレンツェは姉妹都市なんです。
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初めてのイタリア。見どころが多く、奥が深い。たまたま手に取った本がこの旅に導いてくれました。まだまだ見逃したものがたくさんあります。今回の旅をするに当たり、本やテレビ、映画などを事前に読み、見て学習してきました。行き当たりばったりの旅もいいですが、自分好みの、人とは違う旅ができたのではと思っています。
〜参考にしたもの〜
書籍:「前世への冒険」
「フィレンツェ2泊3日 ルネサンスな街歩き」
「夫婦で行くイタリア歴史の街々」
「銀色のフィレンツェ・メディチ家殺人事件」
映画:「ブラザー・サン・シスタームーン」
「コンクラーベ」
「冷静と情熱のあいだ」
「眺めのいい部屋」
「トスカーナの休日」
テレビ:NHK「世界ふれあい街歩き フィレンツェ」
BS・TBS「魅惑のイタリア大紀行 ルネサンスとは 何か」
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