2014/04/12 - 2014/04/12
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SUR SHANGHAIさん
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この日の中盤まではウシュアイア近郊をレンタカーで回り、また市街地に戻って来たSUR SHANGHAIとその旦那。
締めくくりには、ウシュアイア市街地の東寄りに集中しているいくつかの博物館を回ってみます。
ウシュアイアを代表する博物館は三つ。
ティエラ・デル・フエゴの先住民族やかつてのウシュアイア周辺などを紹介している≪世界の果て博物館≫、先住民族のうちヤマナ族(ヤーガン族)を主に紹介しているムンド・ヤマナ博物館、そして、かつては監獄だった建物を改装して、監獄として使われた当時の歴史から現代アートまで幅広い分野の展示をしている≪元監獄と船舶博物館≫。
上記三つの博物館は徒歩でも全部回れる範囲内にあるので、時間と興味があれば回ってみてもいい場所だと思います。
表紙の画像は、≪世界の果て博物館≫にあった女性の姿をした船首像(フィギュアヘッド)。
※備忘録: ≪元監獄と船舶博物館≫は、翌日のビーグル水道クルーズのあとで訪れましたが、編集の都合上、この日の旅行記にまとめてしまいます。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
まず行ってみたのは、≪世界の果て博物館≫。
ウシュアイア湾に面したマイプー通りの173号にあります。
ちょっと注意したいのは、この博物館にはもう一つ関連するアンティグア・カサという博物館があって共通券で入れること。
アンティグア・カサの所在地はマイプー通りの465号。
そんなに離れていないので、お時間が有ればどちらも見てみては?
チケット(共通券)は70アルゼンチン・ペソ。
月〜金曜日のオープン時間は10:00〜19:00。
週末・祝日のオープン時間は14:00〜20:00。 -
イチオシ
≪世界の果て博物館≫の展示。
これは、かつての船舶の船首を飾った船首像(フィギュア・ヘッド)。
元々は、船や航海の安全を祈って取り付けられた船首の飾りだったんだそうですが、次第に装飾的になっていったのだそう。
画像右手の船首像の図案は、アルゼンチン国旗の真ん中にもあるのと同じインカ帝国の独立の象徴の太陽神インティ? -
≪世界の果て博物館≫の展示。
説明は、スペイン語と英語の二本立て。
文字通り世界の果てであるティエラ・デル・フエゴ周辺を訪れた人々の名が、1520年のマゼランから始まって、1800年代終わりまで一本の流れのように示されているのがおもしろい。 -
≪世界の果て博物館≫の展示。
あ、南部パタゴニアの先住民族、ヤマナ族(ヤーガン族)やセルクナム族(オナ族)の説明があった!(◎◇◎)
画像左手がヤマナ族(ヤーガン族)の説明、右手がセルクナム族(オナ族)の説明になっています。
どちらもほぼ裸に近い姿の狩猟・採集民族だったのが、西洋人が入り込んで来てからは疫病や武力衝突で激減し、セルクナム族(オナ族)は絶滅してしまったのだそう。
ヤマナ族(ヤーガン族)は混血が進んではいるものの現在も千数百人程度の人口があり、2009年現在はチリ領ナバリノ島にヤマナ族(ヤーガン族)最後の純粋血統を持つ女性がいる事が確認されているようです。 -
イチオシ
≪世界の果て博物館≫の展示。
これは、上掲の画像の一部を切り取ったもの。
ヤマナ族(ヤーガン族)やセルクナム族(オナ族)と聞いて、こんな不思議な格好をしている人々の画像を見たことあるなあと思い出す人がいるかも?
これは、セルクナム族(オナ族)の男子成人の儀式(HAIN)のための悪魔の仮装で、普段からこの姿で暮らしていたわけではないそうです。
上掲の画像だと、服を着て(着せられて?)同じような仮装をしているヤマナ族(ヤーガン族)の写真も載っています。
ヤマナ族(ヤーガン族)とセルクナム族(オナ族)の文化は似ているようでも、その言語は全く違ったものだったそうです。 -
≪世界の果て博物館≫の展示。
これは、ティエラ・デル・フエゴ(フエゴ島)周辺で、16世紀から19世紀にかけ、西洋人がヤマナ族(ヤーガン族)やセルクナム族(オナ族)などの先住民に出会った場所を記した地図。
この地図だけでも、広い地域に居住していた事が分かります。
ヤマナ族(ヤーガン族)やセルクナム族(オナ族)など、南部パタゴニアの先住民族は、元々南北アメリカの西海岸沿いに南下して来た民族で、モンゴロイド系なのだそう。
このあと行ったムンド・ヤマナ博物館では、顔立ちがはっきり分かる画像も展示してありました。
この旅行記の中盤でもご紹介しようと思います。 -
≪世界の果て博物館≫中庭にあったこれらの展示は、ヤマナ族(ヤーガン族)セルクナム族(オナ族)の住居。
一ヶ所に定住はしていなかったようで、住居も簡単な造り。
これだと十分に雨風や冬の寒さからは身を守れそうにない。
ほぼ裸での暮らしをしていてようだし。
あとで知ったところによると、ティエラ・デル・フエゴのあたりは緯度の割りに冬の気温はそれほど低くはなく氷点下5度程度。
それでも十分に寒いけど…。 ((;゚ェ゚;))
ほぼ裸と言っても、寒さ避けのために全身に油脂を塗り、毛皮の類はまとっていたようです。 -
さて、こちらは≪世界の果て博物館≫と共通券で見学できるアンティグア・カサ。
≪世界の果て博物館≫とは同じ並びのマイプー通り465号にあります。 -
アンティグア・カサでは、来館記念スタンプを押してもらえますよ。
SUR SHANGHAIはチケットの裏に押してもらいました。
無料です。 -
アンティグア・カサ内の展示。
アンティグア・カサは、その名のように、ウシュアイア周辺の古い記録や資料を展示した場所。
これは昔の倉庫内の様子を再現した展示。
法律を制定する議会を再現した部屋もありました。 -
アンティグア・カサ内の展示。
説明は、スペイン語と英語の二本立て。
1930年頃のウシュアイアはこんな感じだったらしい。
最果ての地と聞いて、SUR SHANGHAIが想像していたウシュアイアはこんなうら寂れた感じだったのよね…。(;^ω^)
現代のウシュアイアは、人口6万を数える立派な世界最南端の都市になっています。 -
アンティグア・カサ内の展示。
これは1930年頃のマイプー通り。
画像中央に写っている建物が、現在の≪世界の果て博物館≫。
当時は、鉄道もマイプー通りを通っていたようで、線路が画像左下に写っています。
この近くにあったかつての監獄の囚人たちが造り上げた鉄道の一部なのかも。 -
これは、ヤマナ族(ヤーガン族)をはじめとするティエラ・デル・フエゴ周辺の先住民族に関する資料があるムンド・ヤマナ博物館。
所在地はRIVADAVIA通りの56番。 ≪世界の果て博物館≫のすぐ近くです。
オープン時間は正午から19:00まで。
博物館と言っても規模は小さく、小粒の資料館ほどの大きさ。
スペイン語+英語のパネル説明が主な展示。
チケットは60アルゼンチン・ペソとちょっとお高くなってました。
ここでヤマナ族(ヤーガン族)族やセルクナム族(オナ族)の仮装した姿をモチーフにしたグッズが買えるかもしれないと期待しましたがそれは無し。
そういえば、気付いた限りではウシュアイアのお土産屋さんでも見かけませんでした。
ウシュアイアのあとで向かったチリのプンタ・アレーナスやプエルト・ナタレスあたりでは絵はがきやマグネットなどあれこれあったので、今後に続く旅行記でご紹介しようと思います。 -
ムンド・ヤマナ博物館内の展示。
この画像はクリックすると大きく表示されます。
ティエラ・デル・フエゴ周辺の先住民族と言うと、ヤマナ族(ヤーガン族)やセルクナム族(オナ族)しか知らなかったのですが、そのほかにもカウェスカル族(アラカルフ族)、マネケンク族(ハオス族)などがあるようでびっくり。
いずれも狩猟・採集民族で、南極に近い環境下にも関わらず、ほぼ裸に近い姿で暮らしていたようです。
この分布図を見ると、のちにマゼラン海峡と名付けられた海峡をマゼランたちが通過中に見たという島の火は、セルクナム族(オナ族)かカウェスカル族(アラカルフ族)が焚いていた火だったのでは。
このためその島が、火の大地=ティエラ・デル・フエゴ(フエゴ島)と名付けられたという故事来歴にもなっています。 -
ムンド・ヤマナ博物館内の展示。
これは、ヤマナ族(ヤーガン族)のカップルの写真。
エデンの園のアダムとイヴを連想するのはSUR SHANGHAIだけ? -
ムンド・ヤマナ博物館内の展示。
採集・狩猟民族だったヤマナ族(ヤーガン族)は家族ごとにカヌーを持っていて出漁していたそうですが、海に潜って漁をするのは女性だけだったそうです。
ヤマナ族(ヤーガン族)の女性が≪あまちゃん≫の祖先?
一方、男性は陸上での猟に出かけていたんだそう。 -
ムンド・ヤマナ博物館内の展示。
ヤマナ族(ヤーガン族)は一ヶ所に定住せず、常に移動を繰り返していたので、其の住居も木の枝を組んだだけのごく簡単な造り。
1,2時間もあれば出来たと言う住居には一家族が同居し、地面に直に横たわって寝ていたようです。 -
ムンド・ヤマナ博物館内の展示。
こちらはヤマナ族(ヤーガン族)とともによく知られているセルクナム族(オナ族)の紹介。
この展示の説明はスペイン語だけなのが残念。
ティエラ・デル・フエゴの他の先住民族と同じように、モンゴロイド系の採集・狩猟民族だったのが、1974年にセルクナム族(オナ族)最後の純粋血統の一人が亡くなり、絶滅してしまったということです。
セルクナム族(オナ族)の衰退は、1880年代から始まったティエラ・デル・フエゴでのゴールド・ラッシュが原因なんだそう。
大挙して訪れた西洋人が持ち込んだ病原菌に免疫がなかったり、武力衝突もあって激減したようです。 -
イチオシ
ムンド・ヤマナ博物館内の展示。
これは、セルクナム族(オナ族)を説明する上掲の画像の中から切り抜いたもの。
画像をクリックすると大きく表示されます。
画像左の集合写真を見ると、彼らがモンゴロイド系の民族だったのがありありと分かる容貌をしています。
画像右手の画像は、セルクナム族(オナ族)の男性が成人の儀式HAINに参加するための仮装。
この縞模様のウサギのようなユニークな姿の画像は、どこかで見たことがある人もいるかも。 -
これは、この日の中盤に行ったファグナノ湖東端にあるトルインの町の入口。
町のゲートを守るかのように立っていたこれらの像も男性の成人儀式HAINのための仮装を模しているんですが、ヤマナ族(ヤーガン族)なのかセルクナム族(オナ族)なのか分からなかったSUR SHANGHAI。
ムンド・ヤマナ博物館の展示で、トルインの町周辺にはセルクナム族(オナ族)が多かったと知って疑問氷解。 -
さて、お次はガラリと趣の違う≪元監獄と船舶博物館≫へ。
所在地はYaganes通りで、ウシュアイア海軍基地の敷地にあります。
ただし、博物館への入口は、海軍基地入口とは別で、150mほど山側にありました。
開館は10:00〜20:00。最終入館時間は19:30。
チケットは、外国人一般成人は110アルゼンチン・ペソで48時間有効。
内部ツアーは11:30と18:30の2回。ただしスペイン語のみ。
元監獄だった建物を改装して監獄だった時代を再現してあったり、そのほかには船舶や南極関連、現代アートなどなどの幅広い展示が見られます。 -
≪元監獄と船舶博物館≫の入口に立っていたのは、この人形。
監獄だった頃の看守さんを現したものなんでしょうね。
人形だと分かっていても、ちょっとΣ(゚ж゚;)ギクッ!! -
≪元監獄と船舶博物館≫は、ホールを中心に5本の棟が突き出した扇形の2階建て。
今ではそれぞれの棟が異なる内容の展示スペースになっています。
赤く塗られた二本の棟が、元監獄だった様子を残しています。 -
≪元監獄と船舶博物館≫で最初に行ってみたのは、船舶関連の展示がある棟。
あ、この船は、ウシュアイア湾の埠頭近くで破船のままになっていたよね。
船の名前はセント・クリストファーだったんだ。
でも、それ以上の説明がないんですが…。(;^ω^)
見落としたかな? -
≪元監獄と船舶博物館≫内の展示。
船舶関連の展示には、イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンが1831年〜1836年に乗り組んだ探検調査船ビーグル号の模型もありました。
う〜ん、この木造の帆船で、大西洋から南アメリカの南端を経由してガラパゴス諸島へ、そして世界一周も果たしたんだ。
その名を取って、ウシュアイア前に広がる水路がビーグル水道と名付けられたのは有名な話。 -
≪元監獄と船舶博物館≫内。
元の監獄だった棟の一つは補修されていて、通路や独房内には資料が展示されていました。 -
上掲の元の監獄棟だった通路に設置されたベンチの一つ。
何度も塗り直された形跡がありますが、よく見ると文字が刻まれている部分も。
これはいつ彫られたものだろう。 -
≪元監獄と船舶博物館≫の五つある棟はどれも2階建て。
看守さんの人形も置かれていて、ギョッとしたり。(。・w・。) ププッ -
≪元監獄と船舶博物館≫内の展示。
独房内の様子や囚人を再現した展示もありました。
ウシュアイアに囚人たちが最初に送りこまれて来たのは1896年。
この監獄が造られたのは1920年。
一番多い時には600人ほどが収容されていたそうです。 -
イチオシ
≪元監獄と船舶博物館≫内の展示。
何年に撮ったのかの記載がありませんでしたが、これは囚人たちが独房から体半分出している様子を撮ったもの。
ウシュアイアのこの監獄に送られてきた囚人は、一般犯罪者や政治犯など雑多だったようです。 -
≪元監獄と船舶博物館≫内の展示。
特に危険な囚人を移送する際には、逃亡を防ぐために足かせが取り付けられたようです。
これもいつ頃の様子なのかの記載は無かったのが残念。 -
≪元監獄と船舶博物館≫内の展示。
ウシュアイアの監獄の囚人と聞くと、現在は観光用に走っている蒸気機関車≪世界の果て号≫を思い浮かべる人もいるかも。
その鉄道は、1910年にこの監獄の囚人たちによって造られたもののほんの一部だそうです。
SUR SHANGHAIたちはその列車には乗りませんでしたが、興味のある方は乗ってみてもいいのでは。 -
≪元監獄と船舶博物館≫内の展示。
『囚人たちの汽車』と名付けられた資料もありました。
≪世界の果て号≫に乗ってみようと思っている方は事前に内容を読んで行くといいのでは。
英語でも説明がついています。 -
≪元監獄と船舶博物館≫内には、監獄だった棟をギャラリーのように使って現代アートを展示してる場所も。
こういう使い方もあるんだなあと思いながら最後の棟に行ってみたところ…、 -
…そこは補修がされていないまま公開している監獄棟。
このままオリジナルとして保存して行く積もりなのか、補修の順番を待っているのかは未確認。 -
≪元監獄と船舶博物館≫内。
補修されてさまざまな展示がされている棟とは違って、オリジナルのまま(?)の棟にはやはり荒廃して鬼気迫る雰囲気がありました。
2階部分の通路の床は抜け落ちているし、独房だった部屋は覗き込むのも恐々そ〜っと。|д・)ソォーッ
一人だったら通路奥まで入って行けなかったと思う。 ((;゚ェ゚;)) -
≪元監獄と船舶博物館≫内。
補修されていない方の監獄棟には、かつての洗面所やトイレも寒々と残されていました。
ここがかつては囚人たちで溢れていた時の様子が想像できない。 -
≪元監獄と船舶博物館≫内。
補修されていない方の監獄棟は、2階への階段通路もどんより。
ここで階段を下りて来る靴音がカツーン、カツーンと響いて来たら怪談そのもの。
ヒィー(>ω<ノ)ノ
なんちゃって。 -
≪元監獄と船舶博物館≫内。
最後に怖い場所を見ちゃったねえ、と言い合いながら出口に向かうと、思わぬ所からジッとこちらを見つめている黒猫が。
いや〜、もう脅かさないで! (;^ω^)
これでこの日は締めくくり、明日のビーグル水道クルーズに備えます。
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