③厳寒！？のバルト三国へ・・・杉原千畝記念碑（ヴィリニュス）と杉原記念館訪問（カウナス）＆カウナス市内

2014/02/28 - 2014/02/28

　 　杉原記念館（杉原ハウス）・・リトアニア・カウナスへ

リトアニアと言えばどうしても”杉原千畝・すぎはら ちうね”という外交官のことについて説明しなければならない。

　杉原千畝（すぎはらちうね）について今更説明することもないのですが、知らない人のために説明しておきます。
　
　日本の外交官で、第二次世界大戦中、リトアニアのカウナス領事館に領事代理として赴任していたのですが、その際、ナチスドイツの迫害によってポーランドその他の国から逃れてきた多くのユダヤ人難民のために大量の通過ビザ（査証）を本国外務省の訓令に反して発給し、およそ６０００人（推定）もの人々を救ったのが杉原である。

　つまりユダヤ人がナチスの迫害から逃れるためには、どうしても日本を通過する”通過ビザ”が必要であったのだ。

　杉原にビザを発給してもらったユダヤ人たちは、シベリアなどを経由して日本を通過、オランダ領キュラソー島などへ脱出することができたのである。
　だから彼の発給したビザは、”命のビザ”と呼ばれるのです。
　
　特に人道的立場から、本国の訓令に反してビザを発給し続けたことが評価され、海外では杉原のことを「日本のシンドラー」とも呼ばれているほどであるが・・・・
、
　しかし、彼が本国外務省の訓令に背いてビザを発給したことで外務省を退官せざるを得ず、晩年は不遇であった。

　その後、日本政府によって公式に名誉回復が行われたのは２０００年１０月のことである。　　　　　　　　　　　　　　　　

　
　　　　「杉原千畝記念碑」・・・ヴィリニュス市内
　
　前日、リトアニアの首都ヴィリニュス市内を流れるネリス川河畔に建つ記念碑を訪ねた。

　記念碑は、縦横およそ２ｍの御影石で造られた立派なものだった。向かって左側には杉原の横顔をレリーフにした銅版が、右側には三つの説明プレートが填め込まれている。

　一番上は、杉原の略歴と業績、中段には杉原が一人ひとりに手書きして渡したビザ（査証）の原文、その下にはリトアニア語の説明文。

　この記念碑は杉原の母校、早稲田大学（中退後ハルピン学院へ）の手によって２００１年に創設されたものである。


　　　　　　・・・杉原千畝、名言集から・・・
　　　　
『彼らは人間で、助けが必要だった。喜ばしいことは、自分の中にその助けを与える決定をする力を見出したことである・・』　

『私のしたことは外交官としては、間違ったことだったかもしれない。しかし、私には頼ってきた何千人もの人を見殺しにすることはできなかった。大したことをしたわけではない。当然のことをしただけです。』　


　ここ「杉原千畝サクラ公園」には、ひろしま・祈りの石の会が設置した「広島の被爆敷石」があったのは驚きだった。

　広島県人として、まさかリトアニア・ヴィリニュスで広島の被爆敷石に対面するとは思ってもなく、私にとっては全く想定外のことであった。


　　　　カウナスへ・・・　

　次の日、首都ヴィリニュスからおよそ１００ｋｍ、時間にして１時間半ほど離れたカウナスへ向かった。

　いよいよ念願だった旧日本領事館跡、今では「杉原ハウス」と呼ばれる杉原記念館を訪ねた。

　杉原記念館では、館長さん自ら応対して頂きビデオ視聴し館内の説明を受けた。

　旧領事館の五つの歴史室に設置されたいろいろな展示資料を拝見することができ、杉原の生い立ちや外交官になるまでの経緯、領事代理としての仕事、発給したビザにより助けられた人々など・・、

　カウナスの旧領事館が記念館として生まれ変わった経緯など、ゆっくり見学・説明を受けられたのは、団体ツアーの特典である。

　個人旅行ではこういう便宜はしてもらえないとつくづく感じた。土・日は休館日であるが、ツアーに関しては特別な計らいがあるとのこと・・


　その後、カウナス城や大聖堂、旧市庁舎などを見学後、シャウレイの「十字架の丘」へ立ち寄り、隣国ラトビアの首都リーガ（リガ）へ向かった。


　　　次回は、「十字架の丘」へ　　　　　　　　　　（敬称略）



　　　[写真は杉原記念館のパンフをスキャンさせて頂いた・・]　

エリア カウナス(リトアニア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: 友人
• 交通手段: 観光バス
• 航空会社: JAL
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: クラブツーリズム

　ヴィリニュス市内を流れる河畔に記念碑がある。

　桜の木が植えてある「さくら公園」から見た眺め・・

　この川の側に記念碑がある・・

　

　記念碑のバックはビル群が・・

　記念碑の前に立つ観光客たち・・

　なかなか立派な記念碑である。

　左の方に桜の木が見えますが、わかりますか？

　プレート板

　①～⑤までの説明は下記を参照されたし・・

　プレート板①

　記念碑銅像の下にある。

　　プレート板②

　　杉原の略歴と業績が記されていた。

　　２００１年　　早稲田大学

　　プレート板③と④

　　杉原が手書きして渡した通過ビザ・査証の原文と、

　　②と同文のリトアニア語説明板

　　記念碑に転写された、「命のビザ」原文。

　　杉原が手書きしたこの紙切れを、何十年間も大切に所持していた人から提供された原文・・

　一片の紙切れがどれほど価値あるものであったかを、生々しく感じさせてくれる・・

　まさしく「命のビザ」である。

　プレート板⑤　　記念碑側面にある

　記念碑を建立した早稲田大学総長の名が刻んであった。

　

　杉原千畝生誕１００周年を記念して桜の木が寄贈された。

　寄贈者の名前が記されていた・・

　側に「広島の被爆敷石」があった・・

こういうものがあることは知らなかった。

　広島の市内電車の線路敷石と、ここで対面するとは思いもしなかった・・

　恒久平和を祈願して、「ひろしま・祈りの石の会」が、１９９１年

　８月６日に設置したものだという。

　よく見ると、敷石には観音さまのお顔が彫られていた。

　広島被爆敷石の説明文。

　左が和文、右はリトアニア語のようだ・・

　

　　翌２８日、首都ヴィリニュスから１００ｋｍほど離れたリトアニア第二の都市・カウナスへ向かう・・

　日本のシンドラーと呼ばれる、杉原千畝ゆかりの旧日本領事館を目指す・・

　冬空のもとバスは快走することおよそ1時間半、

　
　

　　
　　カウナスにある旧日本領事館は、閑静な住宅街の中にあった。


　　現・杉原記念館




　　　　　

　　　　　　　　[パンフからスキャンしたもの]

　記念館で頂いた絵葉書・・

　両面をスキャンさせて頂く。

　玄関入口は坂を下ったところから・・

　入口の案内プレート・・

　右手に出入口が・・

そこにも案内プレートが・・

　一歩足をふみ入れると壁面に「命のビザ」原本が

　拡大展示されていた・・　

　早速、ビデオ視聴から・・

　旧領事館執務室・・

　その当時のままで、

　関連書物が展示販売されていた・・

　別室は、いろいろな写真パネルが・・

　生い立ち、家族の写真も・・

　当時の様子がよくわかる・・

　パネルには一つ一つ説明書きが・・

　難民がどのようなコースをたどったか・・

　ピンバッジも売っていた・・

　関連書籍も・・

　外にはビザを求める人々が押し寄せていたのだろう・・

　外から中をのぞいていたのだろうか・・

　執務机に座って記念写真に収まる人もいた・・

　記念館を裏からみたところ・・

　杉原記念館を後にして、カウナス市内へ・・

　このたびの旅行で初めて「太陽」が顔を見せてくれた・・

　カウナスの春も近い！

　カウナス城へ・・

　リトアニアのほぼ中央に位置し、この城はネムナス川とニャリス川の合流点
にある・・

　旧市庁舎前で・・

　やっと写真に色が・・

　

　この寒いときでも結婚式がありました・・

　

　グループの中で記念館で買った、「日本とリトアニア両国友好バッジ」を早速付けた人がいました。

　このバッジを見せて新婦の前に行き握手しようとしたが、新郎につかまって手を握れなかった・・悔しがること、悔しがること＾＾残念でした！


　「新婦のお父さんが泣きそうな顔して嬉しそうやったわ・・」と、

　こういう機転が利く人がいることで旅が楽しくなるのです・・

　寒いのに仲間たちにシャンパンをふるまって、喜びを分かち合う。

　ブルブル震えながら・・・

　このおじさんは、シャボン玉を作って飛ばしていました・・

　風に吹かれた無数のシャボン玉が二人を祝って空高くへ、

　近くのペルクーナスの家へ・・

　カウナス観光で必ず訪れる場所です、　

　赤レンガのゴシック様式の建物で、ハンザ同盟の商人によって建てられたそうです・・

　このあたりに、雷神ペルクーナスの神殿があったそうです。

　現在は図書館として利用されているそうです。

　広場で見かけた、カウナス美人・・

　一番美しい頃でしょうね・・

　近くには大聖堂がありました・・

　これも赤レンガ造りで、

　ローマンカトリックの教会です。

　内部の様子を・・

　見事な彫刻です。

　大聖堂側の建物に目が・・

　

　カウナスを後にして、隣国ラトヴィアの首都リーガ（リガ）へ向かうのですが、

　途中、「十字架の丘」へ寄ります・・