2014/01/21 - 2014/01/21
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ちびのぱぱさん
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大阪から福岡まで、鈍行列車の旅をしてみました。
普通乗車券のみで、東海、山陽、赤穂、山陽、鹿児島の各線経由指定、五日間有効です。
五日後の1月25日(土)の夜9時30分に、福岡空港からピーチに乗って関空に戻る計画。
途中気が向けば、新幹線や特急にも乗ろうと思いましたが、こまめに途中下車することを考えると、新幹線の利用価値はほとんどありません。
まずは姫路と思いましたが、なんとなく億劫になって、赤穂までまっすぐ行ってしまいました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
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「ふえ〜、大阪って都会なんだぁ。」
京都から夕方に大阪に戻り、大阪ビジネスパークにあるパノラマスカイレストランアサヒで、ビールを飲んでいます。
北海道出身の妻は、大阪が大好きですが、今まで新世界あたりやら道頓堀界隈しか連れて行ってないので、ちょっと誤解していたようです。(ちなみにわたしは東京出身) -
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明日から始まる列車の旅の企画会議を行っております。
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グルーポンで購入したチケットで、生ビール一人二杯にオードブルが付いてくる。(1000円でした)
おしゃれな店内で、スタッフも感じよく、眺めがいいですし、お勧めと思います。
予約するときに、二人が向かい合う席をお願いしたのですが、実際行ってみると、二人が窓を向いて座る席の方がいいなと思いました。
何せ眺めがいいですからね。 -
列車旅の話に戻しますと、博多までの鉄道のチケットは、今日のうちにJRの駅で買っておくべきでしょう。
レール&レンタカーで2割引にしてもらわなければいけないし、赤穂線経由にしてもらわなければいけないし、少し面倒なチケットですから、明日の朝に買ってもたつくのはいやです。 -
1000円のローストビーフを追加。
結局、環状線の弁天町(今日泊まるホテルがある)の「みどりの窓口」で購入しました。
窓口にいたのは30代くらいの女性でしたが、てきぱきとこちらの要求をこなしてくださいました。
ちなみに、単なる乗車券だけだと、当日購入しなければならないそうで、今回はレール&レンタカーだったので、事前購入できるのだとか。
「全部普通列車で行かれるんですか?」
「そうです。」
「へえ〜。と、おひとりさま7600円のお二人で15200円になります。」
私らの旅に、ちょっとだけ、興味をひかれたようです。 -
スーパードライ2杯に死す、わたくし。
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泊まった大阪ベイタワーホテル。
部屋は43階の大阪湾側。 -
部屋の眺めはこんな感じ。
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朝食は、51階のレストランでバイキング。
大阪で一番夜景のきれいなホテル、だとか。
確かにそう思わせる眺めです。
弁天町駅の目の前ですが、国道を渡った向こう側になるので、思ったより歩かされます。 -
大阪駅朝9時30分発、快速列車「播州赤穂」に乗るため弁天町を9時に出ました。
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播州赤穂までの119キロを96分、快速列車は特急並に走ります。
この路線は、新幹線があるので特急が走っていません。
大好きな鉄道の旅に出られて、幸せです。 -
乗客も少なからず乗っており、新幹線とは全く違った意味で、重要な交通手段であることを知りました。
本数も多く、北海道の鈍行とは比べものになりません。
われらがJR北海道は、どうやったら立ち直れるのだろうと、考え込んでしまいました。 -
播州赤穂駅といえば、ご存じ忠臣蔵。
定刻の午前11時7分に到着。
赤穂駅構内は、様々な忠臣蔵ゆかりの品が展示されており、すでに記念館状態です。 -
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駅前の「おおぼしゆらのすけ」
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大石内蔵助の頭骸骨を調査したところ、ごつい顔をしていることが分かったそうですから、結構こんな感じだったのかも。
身長157センチは、当時としては平均的なものですか。 -
播州赤穂は、そば処なのでしょうか。
そば屋さんが、あちこちにあります。
写真は、駅近の衣笠。
そばを食べ続ける等身大人形が目印。 -
さて忠臣蔵
江戸城 松の廊下における、主君浅野内匠頭の刃傷事件。
早水藤右衛門と菅野三平の両人は、江戸から630キロの道のりを四日半、早駕籠に乗り継いで赤穂に来て、この井戸で息継ぎをしてから家老大石内蔵助の屋敷に知らせを持って駆けつけたといいます。
「なんで、ここで水飲んだの?」
「そりゃあもう、へろへろだったんでしょう。」
「そんなにたいへん?」
妻にしてみれば、駕籠に乗って楽ちんで来たのにどうして、という思いでしょう。
「そうね、ただ駕籠に乗っているだけで楽そうに見えるかも知れないけど、ありゃぁ結構大変だと思うよ。」
わたしも、こどものころ時代劇を見て、早駕籠に乗ってくる人がどうしてあんなにへろへろになるのか、ちょっと不思議でした。
「それに、四日ぐらいで来ちゃうわけだから、昼夜かまわず次々駕籠を取り替えて、猛烈に走ったんだろうねえ。一日150キロの移動は堪えるよねえ。」
「なるほど、そういわれればそうか。」
630キロというと、今回の私たちの旅も大阪ー博多が640営業キロ。
これを、だいたい同じような日程で通り抜けるということです。
30代の方がメインの使者で、20代の方が補佐に付く、というのもうなずけます。
わたしがやれば、間違いなく死ぬでしょう。 -
ちなみに、この辺りは海辺で、井戸を掘ってもしょっぱい水しか出てこないそうです。
そのため、江戸時代の初期に浅野内匠頭(長矩)のおじいさん長直が、千種川の上流から水を引いて、町屋と武家屋敷の各戸に地下水道で給水する設備を作りました。
ちなみに、最初にこの工事を始めたのは、浅野家が入封される前の池田家、池田輝興ですが、彼は敏腕であったのに、突如発狂して正妻や女中を斬り殺すという事件を起こしてしまい、浅野家に引き継がれます。
いったい何があったのでしょう。
赤穂の上水道は、江戸の神田上水、広島の福山上水と並んで「日本三大上水道」と言われることもあるほど有名なのだそうです。
以後300年以上もの長きにわたってこの水道は利用され、当然、この井戸水もその水道を利用したものでした。(調べるといろいろ出てきます)
ついでに、海辺ですから塩、となります。
浅野播州赤穂藩の初代、つまり長直は、塩田事業にも取り組みました。
トップの善し悪しで、世の中は良くも悪くもなります。
もひとつついでに、「伯方の塩」も「赤穂の天塩」も、今は外国産の塩が主原料であるというのは有名な話。
伯方の塩が主にメキシコ産で、赤穂の塩がオーストラリア産ということです。 -
2004年に、メキシコはバハカリフォルニアを訪れたとき、巨大な塩田のそばを通りました。
その塩の多くが日本に送られていると知って、びっくりしたものです。 -
「息継ぎの井戸」までが半分、残り半分歩くと赤穂城趾につきます。
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大手門前の目立つところに、「討ち入りそば」の巴屋。
スイーツも売ってます。
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試食させていただいた最中も美味しかったのですが、赤穂の塩でお馴染みな塩味饅頭を買ってみました。
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大石良雄(内蔵助)の辞世の句が入っていました。
あらたのし
思いは晴るる 身は捨てる
浮き世の月に かかる雲なし
討ち入りに成功し、浮き世には、もはやなんの思い残すところもない。
そんな気持ちをうたったのでしょうか。
浅野内匠頭の辞世の句は、ドラマなどで何度かお目にかかっていましたが、内蔵助の歌は知りませんでした。
あらたのし、か…… -
大手門を入ると
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大石内蔵助の旧居の長屋門など、上級武士の屋敷があります。
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「息継ぎの井戸」で呼吸を整えた早水と菅野の両人は、江戸表の急報をふところに、この扉を叩いたのです。
その知らせは、赤穂藩5万石を驚天動地に陥れました。
同時にこの門は、「昼あんどん」と揶揄されていた大石内蔵助が、歴史の表舞台に登場する瞬間を演出した門であるともいえるでしょう。
よく残したものです。 -
大石神社の前を通って
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さらに進むと、本丸に通じる門が見えます。
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この辺り、昔の石垣や建物の再建が進められています。
その規模は広大で、これが赤穂藩の財政を圧迫し続けたといわれています。
浅野家の跡を継いだ森家(あいだに永井家が入ります)がその後160年ほど続きますが、財政は常に苦しかったといいます。
赤穂浪士人気をどのように見ていたのでしょう。 -
駅に戻り
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駅構内は、所狭しと忠臣蔵ゆかりの品が展示されています。
「仮名手本忠臣蔵」の登場人物を描いたタイル(写真は内蔵助の息子)。 -
浅野内匠頭 辞世の句
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風さそう 花よりもなお
我はまた
春の名残を
いかでとやせん -
播州赤穂発12時37分発で倉敷に向かいます。
この列車は途中、岡山で乗り換える必要があります。
「後楽園って知ってる?」
「日本三名園でしょ。」
「どうする?」
「冬だからねえ。」 -
日生の駅でちょっと停車。
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瀬戸内海は小豆島に向かうフェリーが出るようです。
いつか、瀬戸内海の旅もしてみたい…… -
鈍行列車が一駅一駅停まるたび、ガイドブックの地図で確認しています。
鈍行の旅の醍醐味かも知れません。
日生(ひなせ)、長船(おさふね)と、駅に停まるとその近くの名所旧跡の案内が白い看板に黒い字で書かれています。
長船は、黒田勘兵衛のおじいさんの墓があるとか、刀剣の里であるとか、思わず途中下車したくなりますが、それほど自由な旅をしているわけでもありません。
スタイルだけです。
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この旅行記へのコメント (5)
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- ねんきん老人さん 2021/04/09 10:36:46
- おのおのがた・・・分かるかなあ?
- ちびのぱぱさん、初めまして。 忠臣蔵大好き世代のねんきん老人です。
赤穂城に行かれたのですね。2014年のことだそうですから、もう7年が経っていますが、今年の話だと言われても違和感がない、ウキウキするような旅行記ですね。
写真もきれいですが、なんといっても文章が洒落ていて、惹き込まれました。高層階のレストランでビールを飲みながらの企画会議なんて、私も入れて、と言いたくなります。
ただ、二人が窓の方を向いている席の方が良かったとは、とんでもない思い違いですね。
景色はいくらきれいでも話の泉にはなりません。「きれいだね」で、それ以上は話が続かないのです。 その点、目の前にいる「人」はたとえきれいでなくても無限の泉です。まして奥様のような美人だったら、会議がいくら長引いても夢の時間が過ごせることでしょう。(私は美人との会議をしたことがないので、あくまでも想像ですが)
早籠での4日間が楽ちんなのか地獄の苦行なのかという会話の部分。よーく分かります。早水・菅野の両名が籠に乗っている間中、舌を噛まないように布を咥えていたという話を聞いたことがありますが・・・若い奥様には分かりにくいでしょうね。
伯方の塩がメキシコ産で、赤穂の塩がオーストラリア産だというような話で現実に引き戻されながらも読み進むと、赤穂藩が立派な城をもつゆえにそれが財政圧迫のもとになっていたというような史実に話が展開され、それがまた岡山後楽園を見るかどうかで「冬だからねえ」というような超現実的なエピソードで締めくくられるといった流れ・・・。 私も是非真似してみたいと思う見事な構成でした。
今は旅行がはばかられる状況ですが、これからもちびのぱぱさんの、さりげないユーモアを交えた旅行記を楽しみにしております。
ねんきん老人
- ちびのぱぱさん からの返信 2021/04/09 21:47:49
- Re: おのおのがた・・・分かるかなあ?
- おのおのがた、ご油断めさるな。
片岡千恵蔵だったでしょうか。
吉良公は月形龍之介?
子供の頃になります。
ねんきん老人さんの旅行記も楽しませていただいております。
よくお名前を拝見していましたので、初めてのような気がいたしません。
ご指摘の通り、最近は特に妻との時間を大切にするように心を入れ替えておりますw
久しぶりに自分の古い旅行記を読み返してみましたが、拙文をほめていただき、恐縮いたします。
昨年からコロナですっかり封じ込められて、はやくこの嫌な疫病が収束してほしいと心の底から思います。
また皆さんの旅行を覗いて、せめてもの旅行気分を味わいたいと思った次第です。
ちびのぱぱ
-
- わんぱく大将さん 2014/02/26 03:19:52
- 新快速
- ちびのぱぱさん
姫路出身の大将です。 大阪から、赤穂、えっ、新快速に乗られなかった?
まあ、目的は私とは違いますので(家に帰るのに、早く着きたいがために新快速)
塩見まんじゅうは食べたことありますが、赤穂には行ったことがありません(たぶん) ほんとに近くなのに。龍野さえも、やっと昨年の夏に天空の城に行った位ですから。
そういった切符があるんですね。 いろいろ調べてみる価値はある。
大将
- ちびのぱぱさん からの返信 2014/02/26 07:05:58
- RE: 新快速
>大阪から、赤穂、えっ、新快速に乗られなかった?
どうなんでしょう、「快速」と思って乗っていましたが、もしかしたら新快速かも。特急並に走っていました。赤穂線にはいると各駅になりましたが。
鈍行にこだわるような哲学もなく、ただ安さと効率を考えたのですが、意外にイケるのでは、と思います。
ちなみに、きっぷはごく普通の「乗車券」です。
姫路城のグランドオープン、楽しみです。
それと、大将さんの野鳥遭遇率、高いですね!
- わんぱく大将さん からの返信 2014/02/26 09:53:18
- RE: RE: 新快速
- >
> >大阪から、赤穂、えっ、新快速に乗られなかった?
>
> どうなんでしょう、「快速」と思って乗っていましたが、もしかしたら新快速かも。特急並に走っていました。赤穂線にはいると各駅になりましたが。
> 鈍行にこだわるような哲学もなく、ただ安さと効率を考えたのですが、意外にイケるのでは、と思います。
> ちなみに、きっぷはごく普通の「乗車券」です。
> 姫路城のグランドオープン、楽しみです。
> それと、大将さんの野鳥遭遇率、高いですね!
ちびのぱぱさん
まあ、とにかく“快速”“新快速” 普通乗車券で料金同じです。まあ、でも姫路からは、おっしゃる通り鈍行ですね。
えっ、野鳥遭遇? できれば遭いたくないほうなのですが、飛ぶものには。
大将
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