ミーソンを訪れた後、10人ほどのツアーグループはホイアンに戻り昼食をとり、その後世界遺産の「ホイアンの古い街並み」を散策した。ホイアンはダナンの南方30キロ、トゥボン川の河口に位置する古い港町で、中国人街、日本人街など古い建築が残っている。人口約12万人の小さな街で、町歩きには特にツアーに参加する必要はなかった。贅沢な話だが、ツアーガイドが案内してくれると、自分でガイドブックや解説を読まないので記憶に残らないのがもどかしい。<br /><br />なるほどホイアンの街並みは美しく保存されている。幸いにしてヴェトナム戦争の被害を受けることなく、オリジナルの街並みが当時の繁栄ぶりを今に伝えている。もともとホイアンはチャンパ王国時代からの古い港町で、16世紀にチャンパは南に後退し、フエに広南阮氏政権が樹立されるとその外港となった。16世紀末以降、ポルトガル人、オランダ人、中国人、日本人が来航し国際貿易港として繁栄した。<br /><br />1601年と言うから関ヶ原の戦いの翌年、フエの広南阮氏は徳川家康に書簡を送って正式な国交を求め、江戸幕府との取り引きが約30年間朱印船貿易により行われた。その頃ホイアンには大規模な日本人街や中国人街が形成され、1623年にはオランダ東インド会社の商館も設けら繁栄した。しかし間もなく江戸幕府の鎖国政策により日本人の往来が途絶え、オランダの商館も1639年に閉鎖され徐々に繁栄は失われていった。1770年代には西山党の乱によって町は破壊されたが、やがて再建され19世紀まで繁栄は続いた。しかしホイアンと海を結ぶトゥボン川に土砂が堆積して浅くなり、港の機能の中心はダナンに移ってホイアン港の重要性は失われてしまった。これが幸いして可愛らしい街並みは保存された。<br /><br />さて、ガイドの案内で市内の見所を回った。まず訪れたのは1773年に建設された華人の会館である福建会館、ここはほとんど中国文化一色だ。続いて貿易陶磁博物館、ここは日本人町の御朱印船の絵巻などが展示されており、ホイアンでの日本人の暮らしを垣間見ることができる。続いて訪れたのは伝統音楽コンサート会場、ヴェトナムの伝統音楽と伝統舞踊を鑑賞した。そして2万ドン札にも描かれ、ホイアンのシンボルとも言える来遠橋（日本橋）、中国風の屋根付橋だが、1593年に日本人が建設したと言われる。橋の上部には犬と猿の像があったり、祭壇があったりと単なる交通の場ではない。<br /><br />5時頃ツアーは解散となり、ハノイに戻るフライトまで時間があったので、もうしばらく夕暮れのホイアンの露店を覗き見して、特産品のホイアン提灯を買い、その後APTトラベルのオフィスで世間話をして、お勧めの屋台のラーメン屋で過ごした。そしてAPTトラベルが手配してくれた車でダナンの空港までは約40分、ヴェトナム航空は定刻に出発しハノイ空港に到着した。タクシーはホテルで手配しておいたので、スムースにホテルに到着した。明日は早朝から5つ目の世界遺産のハロン湾を訪れるため、早めの床についた。

ヴェトナムの世界遺産No.４：幸いにして戦争の被害を免れた「ホイアンの古い街並み」

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2013/12/27 - 2013/12/29

524位(同エリア1784件中)

#世界遺産

ハンクさん

ミーソンを訪れた後、10人ほどのツアーグループはホイアンに戻り昼食をとり、その後世界遺産の「ホイアンの古い街並み」を散策した。ホイアンはダナンの南方30キロ、トゥボン川の河口に位置する古い港町で、中国人街、日本人街など古い建築が残っている。人口約12万人の小さな街で、町歩きには特にツアーに参加する必要はなかった。贅沢な話だが、ツアーガイドが案内してくれると、自分でガイドブックや解説を読まないので記憶に残らないのがもどかしい。

なるほどホイアンの街並みは美しく保存されている。幸いにしてヴェトナム戦争の被害を受けることなく、オリジナルの街並みが当時の繁栄ぶりを今に伝えている。もともとホイアンはチャンパ王国時代からの古い港町で、16世紀にチャンパは南に後退し、フエに広南阮氏政権が樹立されるとその外港となった。16世紀末以降、ポルトガル人、オランダ人、中国人、日本人が来航し国際貿易港として繁栄した。

1601年と言うから関ヶ原の戦いの翌年、フエの広南阮氏は徳川家康に書簡を送って正式な国交を求め、江戸幕府との取り引きが約30年間朱印船貿易により行われた。その頃ホイアンには大規模な日本人街や中国人街が形成され、1623年にはオランダ東インド会社の商館も設けら繁栄した。しかし間もなく江戸幕府の鎖国政策により日本人の往来が途絶え、オランダの商館も1639年に閉鎖され徐々に繁栄は失われていった。1770年代には西山党の乱によって町は破壊されたが、やがて再建され19世紀まで繁栄は続いた。しかしホイアンと海を結ぶトゥボン川に土砂が堆積して浅くなり、港の機能の中心はダナンに移ってホイアン港の重要性は失われてしまった。これが幸いして可愛らしい街並みは保存された。

さて、ガイドの案内で市内の見所を回った。まず訪れたのは1773年に建設された華人の会館である福建会館、ここはほとんど中国文化一色だ。続いて貿易陶磁博物館、ここは日本人町の御朱印船の絵巻などが展示されており、ホイアンでの日本人の暮らしを垣間見ることができる。続いて訪れたのは伝統音楽コンサート会場、ヴェトナムの伝統音楽と伝統舞踊を鑑賞した。そして2万ドン札にも描かれ、ホイアンのシンボルとも言える来遠橋（日本橋）、中国風の屋根付橋だが、1593年に日本人が建設したと言われる。橋の上部には犬と猿の像があったり、祭壇があったりと単なる交通の場ではない。

5時頃ツアーは解散となり、ハノイに戻るフライトまで時間があったので、もうしばらく夕暮れのホイアンの露店を覗き見して、特産品のホイアン提灯を買い、その後APTトラベルのオフィスで世間話をして、お勧めの屋台のラーメン屋で過ごした。そしてAPTトラベルが手配してくれた車でダナンの空港までは約40分、ヴェトナム航空は定刻に出発しハノイ空港に到着した。タクシーはホテルで手配しておいたので、スムースにホテルに到着した。明日は早朝から5つ目の世界遺産のハロン湾を訪れるため、早めの床についた。