2013/10/13 - 2013/10/13
132位(同エリア239件中)
naoさん
この日は、「秋の桟敷窓アート」の会場になっている、近江日野商人の町として繁栄していた頃の面影を色濃く残す町並み散策を楽しみに、滋賀県日野町を訪れました。
日野町は、天秤棒を担いで特産品の日野椀や薬などの行商を足がかりに、全国に商圏を広げるまでに発展した近江日野商人発祥の地で、全国にその名をとどろかせていた頃の面影を色濃く残す町並みが続いています。
この町並みには、約800年の伝統がある「日野祭」を家の中からでも見物できるようにと、道路に面した板塀の一部を切り取って「桟敷窓」と呼ばれる開口部を設けた、昔ながらの町家が点在しています。
この、風情ある「桟敷窓」のある町家を一般に開放して、陶芸、木工、ガラス、染、織など、多岐にわたって活躍する作家の作品展示やミニ音楽会とともに、日野祭の曳山の公開や祭囃子の演奏などが繰りひろげられる、「桟敷窓アート」が春と秋の2回開催されています。
訪れた日は天候にも恵まれ、かつての面影の残る町並みをめぐりながら、日野の文化や歴史に触れる1日になりました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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日野の町にやって来ました。
日野まちかど感応館の駐車場に車を停めさせてもらって、町歩きを始めます。 -
日野まちかど感応館です。
ここには喫茶コーナーや観光協会があるので、観光情報の収集や休憩に便利です。
おしゃべりに夢中の女の子たちは、祭囃子の演者だそうです。 -
「桟敷窓アート」の会場になっている町家。
右側の板塀の赤い毛氈がかかっているところが桟敷窓です。
この町家の辻を入った所にお目当てのお店があるので行ってみます。 -
この日、日野を訪れたもう一つの目的に、このお店があげられます。
自家製にこだわる「大地堂」さんは、自ら育てた小麦やライ麦を原料に、自家製粉した小麦粉でドイツパンを焼いているパン屋さんです。 -
パンが並ぶ、古い町家を改装した店内はとても雰囲気があり、ここにも店主のこだわりが感じられます。
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ずいぶんあっさりした町家です。
板塀に桟敷窓らしいしつらえが見てとれますが、板で閉じられています。 -
古民家「風流郷邸(ふるさとてい)」さんです。
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「風流郷邸」さんを会場に、フォークコンサートが行われています。
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MCも兼ねているメインボーカルさん。
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気持よさげに歌っています。
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バス通りに面する町家のほとんどに桟敷窓がしつらえられています。
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「桟敷窓アート」の会場の古道具屋さん。
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イベント用の人力車にはゆるキャラが乗っているので、小さな女の子たちが一緒に走っています。
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桟敷窓の中を覗くと・・・
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家々のお宝が飾られているのが見えます。
本来は、家の中から外を見るためのものなんですが、この時ばかりは家の中を見てもらうために開けています。 -
カメラを構えると、ピースサインでアピールする陽気な家主さんが居ました。
この方は、自作のステンシル画を桟敷窓に並べておられます。 -
新町の曳山も「桟敷窓アート」に参加しています。
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バス通りを一歩入った所にあるこの町家には、製薬所と書かれたの看板が掛かっています。
近江日野商人が天秤棒を担いで薬を売り歩いたくらいですから、当時の日野には200軒を超える製薬業者がいたそうです。 -
バス通りの町家の中には、「桟敷窓アート」の会場にはなっていなくても桟敷窓を開けている町家もたくさんあります。
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こちらは本町の曳山です。
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こちらのお宅の桟敷窓は閉じられています。
住んでおられないんでしょうか・・・。 -
塀に水墨画を飾って「桟敷窓アート」に参加している町家。
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一歩塀の中に入ると、たくさんの水墨画を並べています。
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風情のある町家です。
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向町のバス停の辺りが「桟敷窓アート」会場の東端になります。
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向町のバス停の手前を北にあがると、「物凄い」お屋敷が見えています。
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このお屋敷は、造り酒屋として財をなした旧山中正吉邸で、「桟敷窓アート」に合わせて特別公開されています。
山中正吉家は、今は近江日野商人館になっている邸宅の主、山中兵右衛門の分家にあたる人で、現在の静岡で成功した後、江戸末期に日野に戻りこの家を建てたそうです。 -
この庭には、由緒ある梅の木や奥の院燈籠があるそうです。
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主座敷と次の間のあいだの欄間では、繊細でち密な手仕事を見ることができます。
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六畳の間には和服が飾られています。
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六畳の間と次の間のあいだの欄間は、美術品と言っても過言ではないほどの出来栄えです。
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合計6ケ所も焚き口のある、黒いタイル貼りの大きなかまどがあります。
これだけのかまどを必要とするからには、相当数の使用人が居たんでしょうね。 -
漆塗りの下駄が置かれています。
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旧山中正吉邸は敷地の間口が広いので、桟敷窓も2か所あります。
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これは西大路の曳山。
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提灯が用意されているので、曳山は夜も曳航されるんでしょうか・・・。
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曳山の天井には、きれいな天井絵が描かれています。
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近江日野商人がモチーフになっている日野町の枡蓋。
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この辺りは、とても大きな町家が・・・
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軒を連ねています。
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この桟敷窓の中には、縁起物の松と鶴が描かれた屏風が飾られています。
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この日の昼食は、日野町の伝統料理「鯛そうめん」のお弁当をいただきました。
このお弁当は、毎年「桟敷窓アート」で好評を得ているとのことです。 -
「鯛そうめん」は年に一度の日野祭の際に客に振る舞われるそうです。
海のない滋賀県では手に入りにくい、新鮮な鯛を使うことで、「お・も・て・な・し」の気持を表しているんでしょうね。
昼食の後、「桟敷窓アート」の会場を一旦離れ、古い町並み散策に向かいます。 -
その前に、この町並みの先にある若草の清水を見に行きましょう。
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若草の清水がありました。
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若草の清水は、日野城主、蒲生氏郷が茶の湯に使ったと言われる由緒ある清水です。
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若草の清水を後にして、新町へ戻ってバス通りを西に歩きます。
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駐車場に車を停めさせていただいている、日野まちかど感応館です。
屋根に掲げられている看板に書かれている「万病感應丸」は、全国を行商して歩いた近江日野商人の道中薬として作られたものでしたが、行商の先々でその効き目が評判を呼び、飛ぶように売れたおかげで、近江日野商人に大きな利益をもたらしました。 -
この桟敷窓には、銅の七輪や煙草盆などが飾られています。
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こちらは、見事な甲冑です。
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清水町の町並みにやって来ました。
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ここは、しっとりとした風情を伝える日野町を代表する町並みの一つです。
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町家の塀越しに顔をのぞかせるススキが、秋の訪れを教えています。
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青い空に映えるススキの穂。
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柿も色づいています。
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この町屋には、「塗師安」と書かれた看板が掛けられています。
日野椀の漆職人さんのお宅だったんでしょうね。 -
「塗師安」の前におかれた大八車の車輪。
現役のころは日野椀を満載して運搬したんでしょうね。 -
このような風情ある町並みを見ると、ついつい電線が無ければな〜、と思ってしまいます。
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日野町では、板塀の柱にベンガラを塗る町家がよく目につきます。
ベンガラには防虫や防腐効果があるので、木材にはよく使われてきました。 -
清水町はこれくらいにして、近江日野商人館のある仕出町へ向かいます。
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この立派なお屋敷は近江日野商人館です。
近江日野商人館 美術館・博物館
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この建物は、江戸中期以来、近江日野商人として活躍されてこられた山中兵右衛門家の本宅だったもので、この家屋敷を寄贈された日野町が1981年に「近江日野商人館(日野町立歴史民俗資料館)」として開館したものです。
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表門に架かるダルマの暖簾。
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表門の内部と・・・
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内庭の様子。
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近江日野商人館では、「天下に躍動した関東兵衛 三百年の歴史」と題した常設展で、近江日野商人の歴史などを紹介しています。
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日野椀の展示コーナーと万病感應丸などを扱った薬屋の帳場コーナー。
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近江日野商人館の隣にある町家。
瓦の古さが、この町屋が重ねてきた年月を物語っています。 -
これは仕出町の曳山。
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曳山の神聖さを示すように注連縄が張られています。
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仕出町の西側にある岡本町の町並みです。
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この町屋の桟敷窓にはベンガラが塗られています。
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この辺りも雰囲気のある町家が続いています。
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入母屋の屋根同士が直交する大きな町家があります。
この難しい納まりの屋根を作った大工さんは、相当な力量を持った方だったんだろうなと想像されます。 -
それにしても、この腰板と白漆喰塗の塀には目が引きつけられます。
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白壁の蔵のある、これだけの町家なのに、桟敷窓がありませんね。
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この辺りは南大窪町の町並みです。
この豪邸の腰板と白漆喰塗の塀にも目が行ってしまいました。 -
「札の辻」という三叉路にある大聖寺さんです。
「札の辻」とは、高札場があった場所のことで、かつては町の中心だった所です。 -
さて、日野の町並みもひと通り見てまわったので、駐車場へ戻ります。
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日野まちかど感応館まで戻って来ると、小気味良い祭囃子が聞こえてきます。
「桟敷窓アート」に参加している祭囃子のようで、皆さん礼儀正しく正座して演奏されています。
最初に訪れた時、おしゃべりに夢中になっていた女の子たちも、この時ばかりは真剣な表情で演奏に加わっています。 -
私なんか正座したら5分と持ちませんから、こういう姿を見ると頭が下がります。
この日は、近江日野商人時代の風情が残る町並み散策と、日野町の文化や歴史に触れることができた、良い一日になりました。
では、そろそろ帰ります。 -
帰り道で、こんな夕日にも出会えました。
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この日「大地堂」さんで購入したドイツパンです。
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