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2012年~2013年の年末年始、忙しい仕事の最中、せめて会社から与えられた休暇ぐらいは好きなことをして過ごそう、ということで、旅行代金が高い時期ですが、久しぶりに海外での年越しを計画。<br /><br />旅行先に選んだのは、この2年前に訪れ、その時食べたカレーやチャイの味が忘れられず(食べ物優先か・・・(笑))、また、その文化の多様さから、いつかまた訪れてみたいと思っていたインド。<br /><br />今回はクトゥブ・ミナールやタージ・マハルなど、イスラム系の遺産の多い北インドに比べ、ドラヴィダ文化とも言われるヒンドゥー色の濃い南インド、タミル・ナードゥ州の旅。<br /><br />諸般の事情によりアップするのが1年近く遅れてしまいましたが、気温の下がってくる11月からはいよいよインド旅行のベストシーズン、ご覧になる方の参考となるよう綴っていきたいと思います。<br /><br /><旅程表><br /> 2012年~2013年<br />○12月29日(土) 成田→香港→<br />○12月30日(日) →チェンナイ→カーンチプラム→チェンナイ→マドゥライ<br /> 12月31日(月) マドゥライ→カーニャクマリ<br />  1月 1日(火) カーニャクマリ(コモリン岬)→<br />  1月 2日(水) →チェンナイ→マハバリプラム→チェンナイ<br />  1月 3日(木) チェンナイ→香港→成田

南インド・タミル紀行(1) 石造りのヒンドゥー建築と原色の巡礼者たち~ヒンドゥーの聖地カーンチプラム

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2012/12/29 - 2012/12/30

3位(同エリア29件中)

6

40

エンリケ

エンリケさん

2012年~2013年の年末年始、忙しい仕事の最中、せめて会社から与えられた休暇ぐらいは好きなことをして過ごそう、ということで、旅行代金が高い時期ですが、久しぶりに海外での年越しを計画。

旅行先に選んだのは、この2年前に訪れ、その時食べたカレーやチャイの味が忘れられず(食べ物優先か・・・(笑))、また、その文化の多様さから、いつかまた訪れてみたいと思っていたインド。

今回はクトゥブ・ミナールやタージ・マハルなど、イスラム系の遺産の多い北インドに比べ、ドラヴィダ文化とも言われるヒンドゥー色の濃い南インド、タミル・ナードゥ州の旅。

諸般の事情によりアップするのが1年近く遅れてしまいましたが、気温の下がってくる11月からはいよいよインド旅行のベストシーズン、ご覧になる方の参考となるよう綴っていきたいと思います。

<旅程表>
 2012年~2013年
○12月29日(土) 成田→香港→
○12月30日(日) →チェンナイ→カーンチプラム→チェンナイ→マドゥライ
 12月31日(月) マドゥライ→カーニャクマリ
  1月 1日(火) カーニャクマリ(コモリン岬)→
  1月 2日(水) →チェンナイ→マハバリプラム→チェンナイ
  1月 3日(木) チェンナイ→香港→成田

旅行の満足度
3.5
観光
3.5
ホテル
3.0
グルメ
5.0
交通
2.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
25万円 - 30万円
航空会社
キャセイパシフィック航空
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行なし)

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  • 2012年12月29日(土)<br />この年末は仕事が忙しい中ではありましたが、きっちり休みをとって海外での年越しを計画。<br /><br />行き先は、この2年前に訪れ、その食や文化の多様性に興味を持ち、今度は南部のヒンドゥー世界を味わってみたかったインド。<br /><br />前回がパッケージ旅行だったので、次は慣れてきたところで自由旅行と行きたいところでしたが、現地の交通事情が不安なのと、いろいろと忙しすぎて旅行の計画を練っている暇がなかったため、高くつきましたが今回もパッケージを選択。<br /><br />出発前にロクにガイドブックも読まなかったおまかせの旅はどんなものになるのやら・・・。<br /><br />さて、今回の旅はキャセイ・パシフィック航空利用のため、まずは13時、成田空港第二ターミナルへ。

    2012年12月29日(土)
    この年末は仕事が忙しい中ではありましたが、きっちり休みをとって海外での年越しを計画。

    行き先は、この2年前に訪れ、その食や文化の多様性に興味を持ち、今度は南部のヒンドゥー世界を味わってみたかったインド。

    前回がパッケージ旅行だったので、次は慣れてきたところで自由旅行と行きたいところでしたが、現地の交通事情が不安なのと、いろいろと忙しすぎて旅行の計画を練っている暇がなかったため、高くつきましたが今回もパッケージを選択。

    出発前にロクにガイドブックも読まなかったおまかせの旅はどんなものになるのやら・・・。

    さて、今回の旅はキャセイ・パシフィック航空利用のため、まずは13時、成田空港第二ターミナルへ。

  • 早々にチェックインを済ませた後、出発前の日本食ということで寿司を食べ、出国手続きを終えた後は搭乗時間までぶらぶら。<br /><br />そのうち何もすることがなくなったので、搭乗口に向かい、客層を見てみると、あまり若い人は多くない感じ。<br /><br />やっぱり年末休暇初日の29日は旅行代金が高いからなあ・・・。<br /><br />そして15時25分、CX451便は定刻通り出発。<br /><br />途中、台北を経由して(ここで降りる人がほとんど・・・)乗客を入れ替え、香港へ。

    早々にチェックインを済ませた後、出発前の日本食ということで寿司を食べ、出国手続きを終えた後は搭乗時間までぶらぶら。

    そのうち何もすることがなくなったので、搭乗口に向かい、客層を見てみると、あまり若い人は多くない感じ。

    やっぱり年末休暇初日の29日は旅行代金が高いからなあ・・・。

    そして15時25分、CX451便は定刻通り出発。

    途中、台北を経由して(ここで降りる人がほとんど・・・)乗客を入れ替え、香港へ。

  • 20時30分、定刻より1時間も早く香港に到着。<br /><br />当初、香港での乗継時間が1時間しかないため、急がねばと思って心配していたら、拍子抜けです。<br /><br />アーティスティックな印象の広々とした空間を通り、あっと言う間に乗継先へ。<br /><br />南インド、タミル・ナードゥ州の州都チェンナイへの便を待っているのは・・・黒い髪に褐色の肌をしたインド人ばかり。<br /><br />インドに着く前に早くもディープな印象です(笑)。

    20時30分、定刻より1時間も早く香港に到着。

    当初、香港での乗継時間が1時間しかないため、急がねばと思って心配していたら、拍子抜けです。

    アーティスティックな印象の広々とした空間を通り、あっと言う間に乗継先へ。

    南インド、タミル・ナードゥ州の州都チェンナイへの便を待っているのは・・・黒い髪に褐色の肌をしたインド人ばかり。

    インドに着く前に早くもディープな印象です(笑)。

  • 22時35分、チェンナイ行きCX631便は少し遅れて離陸。<br /><br />日付が変わって12月30日(日)0時、機内食が出てきました。<br /><br />こんな夜遅い時間に(笑)。<br /><br />長い空の旅で疲れていたのと眠かったのとで、味もはっきり覚えていないほどです。

    22時35分、チェンナイ行きCX631便は少し遅れて離陸。

    日付が変わって12月30日(日)0時、機内食が出てきました。

    こんな夜遅い時間に(笑)。

    長い空の旅で疲れていたのと眠かったのとで、味もはっきり覚えていないほどです。

  • 深夜のフライトは1時30分、目的地のチェンナイ(欽奈)に近づき着陸態勢へ。<br /><br />しかし、漢字の都市表記を見ると、ヤンゴンが“仰光”、アヌラーダプラが“阿努拉徳普勒”と、ともに仏教国らしくておもしろいですね(笑)。<br /><br />一方のインドは、ムンバイが“孟買”、ハイデラバードが“海徳拉巴”、バンガロールが“班加羅爾”とどこか微妙・・・。

    深夜のフライトは1時30分、目的地のチェンナイ(欽奈)に近づき着陸態勢へ。

    しかし、漢字の都市表記を見ると、ヤンゴンが“仰光”、アヌラーダプラが“阿努拉徳普勒”と、ともに仏教国らしくておもしろいですね(笑)。

    一方のインドは、ムンバイが“孟買”、ハイデラバードが“海徳拉巴”、バンガロールが“班加羅爾”とどこか微妙・・・。

  • 飛行機はそのままチェンナイ国際空港に無事到着。<br /><br />入国審査と両替(街なかでは1ドル=53ルピーのところ、空港では1ドル=49ルピーとレートがよくないので、必要最小限にすべき)を済ませ、出口へ。<br /><br />ここで、今回の旅のガイドがお出迎え。<br /><br />普通のインド人と同じく顔は濃いけれども、まだ学校を出たばかりで社会人経験が少ないという若者で、なんと、居住地のデリーから電車を乗り継いで数日かかってチェンナイまでやってきたのだそうです・・・。<br /><br />しかもこれから旅する南インドはイスラム教の影響をほとんど受けなかったヒンドゥー文化の世界というのに、ガイドは“ムスリム”という、なんだか旅行会社にだまされたような、怪しい雰囲気になってきました・・・。<br /><br />まさか、パッケージツアーでこんな目に遭うとは、恐るべし、インド。

    飛行機はそのままチェンナイ国際空港に無事到着。

    入国審査と両替(街なかでは1ドル=53ルピーのところ、空港では1ドル=49ルピーとレートがよくないので、必要最小限にすべき)を済ませ、出口へ。

    ここで、今回の旅のガイドがお出迎え。

    普通のインド人と同じく顔は濃いけれども、まだ学校を出たばかりで社会人経験が少ないという若者で、なんと、居住地のデリーから電車を乗り継いで数日かかってチェンナイまでやってきたのだそうです・・・。

    しかもこれから旅する南インドはイスラム教の影響をほとんど受けなかったヒンドゥー文化の世界というのに、ガイドは“ムスリム”という、なんだか旅行会社にだまされたような、怪しい雰囲気になってきました・・・。

    まさか、パッケージツアーでこんな目に遭うとは、恐るべし、インド。

  • このガイド、人当たりはいい好青年なのですが、日本語がたどたどしく、知っている語彙が不十分で、会話が続きません・・・。<br /><br />“日本語ガイド”という売りだったのですが、これなら英語で会話した方がいいくらい。<br /><br />うーむ、ますますだまされた感が強くなってきました。<br /><br />そんなガイドと話しながら空港の外に出ると、もう深夜の2時30分になっているというのに、周囲はすごい人だかりで熱気ムンムン!<br /><br />少なく見積もっても200人以上はいる感じです。<br /><br />チェンナイ国際空港は24時間空港とはいえ、こんな時間に見送りやら出迎えで大勢の人が集まり、まるでお祭り騒ぎのようになっているとは。<br /><br />到着早々インド人のパワーを見た思いでした・・・。

    このガイド、人当たりはいい好青年なのですが、日本語がたどたどしく、知っている語彙が不十分で、会話が続きません・・・。

    “日本語ガイド”という売りだったのですが、これなら英語で会話した方がいいくらい。

    うーむ、ますますだまされた感が強くなってきました。

    そんなガイドと話しながら空港の外に出ると、もう深夜の2時30分になっているというのに、周囲はすごい人だかりで熱気ムンムン!

    少なく見積もっても200人以上はいる感じです。

    チェンナイ国際空港は24時間空港とはいえ、こんな時間に見送りやら出迎えで大勢の人が集まり、まるでお祭り騒ぎのようになっているとは。

    到着早々インド人のパワーを見た思いでした・・・。

  • さて、これからガイドとともに、用意された車に乗って本日の宿へ。<br /><br />冷静になって観察してみると、たくさん集まった人々の熱気だけでなく、周囲は優に25度以上はあろうかという気温。<br /><br />年末の厳しい寒さの東京から一気に気温が上がり、汗が噴き出してくるほどの蒸し暑い気候になってきました。<br /><br />もう上着なんか着ていられず、シャツ一枚で十分です。

    さて、これからガイドとともに、用意された車に乗って本日の宿へ。

    冷静になって観察してみると、たくさん集まった人々の熱気だけでなく、周囲は優に25度以上はあろうかという気温。

    年末の厳しい寒さの東京から一気に気温が上がり、汗が噴き出してくるほどの蒸し暑い気候になってきました。

    もう上着なんか着ていられず、シャツ一枚で十分です。

  • 車は空港周辺とは違って暗く寂しい夜道を走って行き、20分ほどでチェンナイ中心部のエグモア駅近くの宿、チャンドラ・パーク(Chandra Park)に到着。<br /><br /><br />チェックインの手続きを済ませ、部屋に入ると3時30分。<br /><br /><br />ガイドからは5時30分に迎えに来ると言われました・・・。<br /><br /><br />さすが日本のパッケージツアーは容赦ない。

    車は空港周辺とは違って暗く寂しい夜道を走って行き、20分ほどでチェンナイ中心部のエグモア駅近くの宿、チャンドラ・パーク(Chandra Park)に到着。


    チェックインの手続きを済ませ、部屋に入ると3時30分。


    ガイドからは5時30分に迎えに来ると言われました・・・。


    さすが日本のパッケージツアーは容赦ない。

  • わずか2時間ながらも貴重な睡眠をとり、5時30分、ガイドの待つフロントへ。<br /><br />南インドの観光初日はまず、ヒンドゥー教の7大聖地のひとつ、カーンチプラムの寺院群を巡り、電車で次の目的地マドゥライへ移動するというスケジュール。<br /><br />カーンチプラムを観光後、電車に乗るためにチェンナイに戻ってくるので、荷物はそのまま部屋に置いておいてよいと言われました。<br /><br /><br />・・・まだ夜明け前の真っ暗な中、ガイドとともに専用車に乗り、ベンガル湾に面したチェンナイから内陸部、80kmほど南西に行ったところにあるカーンチプラムへ。<br /><br />道中驚いたのは、こんな早朝の暗い時間なのに、大勢の人々が道端に出てきてせわしなく動いているということ。<br /><br />働くのが大好きな日本でも朝早くからこんな大勢の人が道を行く風景なんて見たことがないのに、彼らはいったい何をしているのでしょう??<br /><br />こんな早い時間から仕事なのか、それとも年末の民族大移動の前兆なのか?<br /><br />ガイドに聴いても、北部出身でムスリムの彼は何が起きているのか分からず、また、表現する語彙を持ち合わせてはおらず、答えは分からないまま・・・。

    わずか2時間ながらも貴重な睡眠をとり、5時30分、ガイドの待つフロントへ。

    南インドの観光初日はまず、ヒンドゥー教の7大聖地のひとつ、カーンチプラムの寺院群を巡り、電車で次の目的地マドゥライへ移動するというスケジュール。

    カーンチプラムを観光後、電車に乗るためにチェンナイに戻ってくるので、荷物はそのまま部屋に置いておいてよいと言われました。


    ・・・まだ夜明け前の真っ暗な中、ガイドとともに専用車に乗り、ベンガル湾に面したチェンナイから内陸部、80kmほど南西に行ったところにあるカーンチプラムへ。

    道中驚いたのは、こんな早朝の暗い時間なのに、大勢の人々が道端に出てきてせわしなく動いているということ。

    働くのが大好きな日本でも朝早くからこんな大勢の人が道を行く風景なんて見たことがないのに、彼らはいったい何をしているのでしょう??

    こんな早い時間から仕事なのか、それとも年末の民族大移動の前兆なのか?

    ガイドに聴いても、北部出身でムスリムの彼は何が起きているのか分からず、また、表現する語彙を持ち合わせてはおらず、答えは分からないまま・・・。

  • そんなこんなで早朝から欲求不満でしたが、6時30分、ロードサイドの食堂に寄って、南インドで初めての食事。<br /><br />ガイドが適当に頼んで、でてきたのはこんなカレーのセット。<br /><br />小麦粉で作ったナンやチャパティが主食の北インドとは違い、南インドでは米粉で作った白い蒸しパンのような“イドリー”がメインとなっています。<br /><br />およそ2年ぶりに食べるインドの味は・・・ナンがイドリーに変わっても、やはり“ンま〜いッ!”の一言。<br /><br />独特のスパイスの効いたカレー、これこそまさにインドの味で、ほんとに日本ではどこに行けば食べられるんだろうといつも思ってしまいます。<br /><br />食後のチャイも甘くてほっとする味で最高!<br /><br />ちなみに、写真左に見えるドーナツのようなものは“ヴァーダ”と言って、豆から作った揚げパンのようなもの。<br /><br />こちらの方は残念ながらそれほど口に合いませんでした・・・。

    そんなこんなで早朝から欲求不満でしたが、6時30分、ロードサイドの食堂に寄って、南インドで初めての食事。

    ガイドが適当に頼んで、でてきたのはこんなカレーのセット。

    小麦粉で作ったナンやチャパティが主食の北インドとは違い、南インドでは米粉で作った白い蒸しパンのような“イドリー”がメインとなっています。

    およそ2年ぶりに食べるインドの味は・・・ナンがイドリーに変わっても、やはり“ンま〜いッ!”の一言。

    独特のスパイスの効いたカレー、これこそまさにインドの味で、ほんとに日本ではどこに行けば食べられるんだろうといつも思ってしまいます。

    食後のチャイも甘くてほっとする味で最高!

    ちなみに、写真左に見えるドーナツのようなものは“ヴァーダ”と言って、豆から作った揚げパンのようなもの。

    こちらの方は残念ながらそれほど口に合いませんでした・・・。

  • 朝食を終えて再び車を飛ばし、7時30分、チェンナイ中心部から2時間かかってカーンチプラムに到着。<br /><br /><br />ヒンドゥー教の7大聖地のひとつとして現在も多くの巡礼者を集めているこの町は、3世紀後半から9世紀にかけて南インドを支配した、タミル系(インド先住民のドラヴィダ語系)パッラヴァ朝の古都でもあります。<br /><br /><br />その後もチョーラ朝、ヴィジャヤナガル朝、ナーヤカ朝が多くの寺院を残し、ヒンドゥー教のシヴァ神やヴィシュヌ神を祀る寺院の数は200を数えるとも言われています。<br /><br /><br />その中でまず最初に訪れたのが、高さ60mと言われるサンライトイエローの巨大なゴープラム(塔門)が目を引く“エーカンバラナータル寺院”(Sri Ekambaranathar Temple)。<br /><br /><br />16〜17世紀のヴィジャヤナガル朝時代に建造されたカーンチプラム最大の寺院で、祭神はシヴァ神。<br /><br /><br />5大元素(地水火風空)を象徴するシヴァ神の聖地のうち、“地”を象徴する場所とされています。

    朝食を終えて再び車を飛ばし、7時30分、チェンナイ中心部から2時間かかってカーンチプラムに到着。


    ヒンドゥー教の7大聖地のひとつとして現在も多くの巡礼者を集めているこの町は、3世紀後半から9世紀にかけて南インドを支配した、タミル系(インド先住民のドラヴィダ語系)パッラヴァ朝の古都でもあります。


    その後もチョーラ朝、ヴィジャヤナガル朝、ナーヤカ朝が多くの寺院を残し、ヒンドゥー教のシヴァ神やヴィシュヌ神を祀る寺院の数は200を数えるとも言われています。


    その中でまず最初に訪れたのが、高さ60mと言われるサンライトイエローの巨大なゴープラム(塔門)が目を引く“エーカンバラナータル寺院”(Sri Ekambaranathar Temple)。


    16〜17世紀のヴィジャヤナガル朝時代に建造されたカーンチプラム最大の寺院で、祭神はシヴァ神。


    5大元素(地水火風空)を象徴するシヴァ神の聖地のうち、“地”を象徴する場所とされています。

  • ゴープラムの前はこんな街並み。<br /><br /><br />門前町で整備されているせいか、インドっぽいカオスさがなく、比較的きれいな街並みです。

    ゴープラムの前はこんな街並み。


    門前町で整備されているせいか、インドっぽいカオスさがなく、比較的きれいな街並みです。

  • ゴープラムをくぐると、その通路の壁に描かれていたのは、黒いリンガ(男性器)を抱きしめる女神パールヴァティー。<br /><br /><br />リンガはシヴァの象徴だから、この絵は2神が夫婦であることを表しているのでしょうね。

    ゴープラムをくぐると、その通路の壁に描かれていたのは、黒いリンガ(男性器)を抱きしめる女神パールヴァティー。


    リンガはシヴァの象徴だから、この絵は2神が夫婦であることを表しているのでしょうね。

  • ゴープラムを抜け、中にある土産屋に靴を預け、裸足になって本堂へ。<br /><br /><br />ヒンドゥー教の寺院は、イスラム教のモスクや東南アジアの仏教寺院などと同様に、土足厳禁となっています。

    ゴープラムを抜け、中にある土産屋に靴を預け、裸足になって本堂へ。


    ヒンドゥー教の寺院は、イスラム教のモスクや東南アジアの仏教寺院などと同様に、土足厳禁となっています。

  • 本堂に入ってまず現れたのは、ヒンドゥー教の神々の姿を刻んだたくさんの列柱群が立ち並ぶ石造りの回廊。<br /><br /><br />赤を中心とする原色系のカラフルなサリーをまとった女性の巡礼者たちもあちこちに。<br /><br /><br />石造りの堅くて冷ややかな印象の回廊とのコントラストが鮮やかです。

    本堂に入ってまず現れたのは、ヒンドゥー教の神々の姿を刻んだたくさんの列柱群が立ち並ぶ石造りの回廊。


    赤を中心とする原色系のカラフルなサリーをまとった女性の巡礼者たちもあちこちに。


    石造りの堅くて冷ややかな印象の回廊とのコントラストが鮮やかです。

  • 堂に納められたナンディーの像に参拝する巡礼者たち。<br /><br /><br />“ナンディー”とは、シヴァ神の乗り物とされる乳白色の牡牛のこと。<br /><br /><br />本堂奥にあるシヴァ神に参拝する前に、まずはナンディーにお祈りです。

    堂に納められたナンディーの像に参拝する巡礼者たち。


    “ナンディー”とは、シヴァ神の乗り物とされる乳白色の牡牛のこと。


    本堂奥にあるシヴァ神に参拝する前に、まずはナンディーにお祈りです。

  • 列柱群にはひとつひとつ違ったヒンドゥー教の神々の像が刻まれています。<br /><br /><br />こちらは中国・唐の時代の孫悟空のモデルとなった猿神ハヌマーン。<br /><br /><br />顔立ちや長い尻尾など、結構写実的に描かれていますね。

    列柱群にはひとつひとつ違ったヒンドゥー教の神々の像が刻まれています。


    こちらは中国・唐の時代の孫悟空のモデルとなった猿神ハヌマーン。


    顔立ちや長い尻尾など、結構写実的に描かれていますね。

  • 石造りの堅牢な印象の列柱群。<br /><br /><br />暗い色も手伝ってか、どこか冷たい印象を受けてしまいますね。<br /><br /><br />年中蒸し暑い南インドでは、暑さを和らげるこうした冷たい印象の寺院が人々に望まれるのかも。

    石造りの堅牢な印象の列柱群。


    暗い色も手伝ってか、どこか冷たい印象を受けてしまいますね。


    年中蒸し暑い南インドでは、暑さを和らげるこうした冷たい印象の寺院が人々に望まれるのかも。

  • 冷たい印象のモノトーンの石床の上にはカラフルな幾何学模様の“コーラム”が。<br /><br />このコーラム、インドでは女性が吉祥を祈るため、着色した岩粉や石灰(チョーク)を用いて庭先に描くものというのが一般的なのですが、このように寺院の床に描かれていることも多いです。<br /><br />その模様は、幾何学模様や花模様などいろいろで、人がコーラムの上を歩くなどして絵が壊されると、良いことが起きるとされているそうです。<br /><br />このコーラムは寺院の中に描かれているだけあって、ちょっとやそっと歩いただけでは消えませんね(笑)。<br /><br /><br />・・・さて、ここでガイド氏が寺院の中にいた地元のガイドと交渉し、3人で寺院の中を回ることになりました。<br /><br />う〜ん、旅行会社のガイドなのに一人では中を案内できないのかよ・・・。

    冷たい印象のモノトーンの石床の上にはカラフルな幾何学模様の“コーラム”が。

    このコーラム、インドでは女性が吉祥を祈るため、着色した岩粉や石灰(チョーク)を用いて庭先に描くものというのが一般的なのですが、このように寺院の床に描かれていることも多いです。

    その模様は、幾何学模様や花模様などいろいろで、人がコーラムの上を歩くなどして絵が壊されると、良いことが起きるとされているそうです。

    このコーラムは寺院の中に描かれているだけあって、ちょっとやそっと歩いただけでは消えませんね(笑)。


    ・・・さて、ここでガイド氏が寺院の中にいた地元のガイドと交渉し、3人で寺院の中を回ることになりました。

    う〜ん、旅行会社のガイドなのに一人では中を案内できないのかよ・・・。

  • 奥の回廊は暗くなっていて、厳粛な雰囲気。<br /><br />その中を原色のサリーをまとったたくさんの巡礼者たちが進んでいきます。<br /><br />中にはヒンドゥー教徒のみに参拝を許された空間もあり、見学には注意が必要です。<br /><br />・・・そんな中を進んでいくと、ところどころにはこんな祠が。<br /><br />近づいてみるとどうやら、この寺院の本尊であり、何体もあるシヴァ神の像のひとつを祀っている祠のようでした。

    奥の回廊は暗くなっていて、厳粛な雰囲気。

    その中を原色のサリーをまとったたくさんの巡礼者たちが進んでいきます。

    中にはヒンドゥー教徒のみに参拝を許された空間もあり、見学には注意が必要です。

    ・・・そんな中を進んでいくと、ところどころにはこんな祠が。

    近づいてみるとどうやら、この寺院の本尊であり、何体もあるシヴァ神の像のひとつを祀っている祠のようでした。

  • 寺院の奥はこんな感じ。<br /><br /><br />太い石の列柱が並ぶ薄暗い空間で、床にはコーラムが描かれています。<br /><br /><br />列柱の外側にはシヴァ神を象徴する黒いリンガの列。<br /><br /><br />この寺院はリンガ大好きですね(笑)。

    寺院の奥はこんな感じ。


    太い石の列柱が並ぶ薄暗い空間で、床にはコーラムが描かれています。


    列柱の外側にはシヴァ神を象徴する黒いリンガの列。


    この寺院はリンガ大好きですね(笑)。

  • 太い列柱の立ち並ぶ薄暗い回廊を抜け、明るい中庭のようなところへ出てきました。<br /><br />この空間の中央には、シヴァ神の乗り物の牡牛“ナンディー”の石像と向かい合わせに祠のようなものが建っていて、たくさんの巡礼者たちが参拝をしていきます。<br /><br />わたしものぞいてみると、中には厳重に囲われた金網の向こうに、黄色い花飾りを付け、鮮やかな衣服をまとった黒い像が置かれていました。<br /><br />雰囲気から察するに、この寺院に何体もあるシヴァ神の像のうち、これがいちばん尊いものなのでしょう。

    太い列柱の立ち並ぶ薄暗い回廊を抜け、明るい中庭のようなところへ出てきました。

    この空間の中央には、シヴァ神の乗り物の牡牛“ナンディー”の石像と向かい合わせに祠のようなものが建っていて、たくさんの巡礼者たちが参拝をしていきます。

    わたしものぞいてみると、中には厳重に囲われた金網の向こうに、黄色い花飾りを付け、鮮やかな衣服をまとった黒い像が置かれていました。

    雰囲気から察するに、この寺院に何体もあるシヴァ神の像のうち、これがいちばん尊いものなのでしょう。

  • 中庭の一角にはイラストとともに、タミル語と英語、それにヒンディー語で書かれた解説文が掲げられていました。<br /><br />解説文には、“樹齢3500年の聖なるマンゴーの木の下でカマクシ(KAMAKSHI、パールヴァティーの別名)がリンガを抱いた、すなわちカマクシとシヴァ(SIVA)が結婚した”ということが書かれています。<br /><br />上記の写真の祠の後ろに生い茂っていたのはそのマンゴーの木で、まさにここがシヴァとパールヴァティーが結婚した聖なる場所ということなのですね。

    中庭の一角にはイラストとともに、タミル語と英語、それにヒンディー語で書かれた解説文が掲げられていました。

    解説文には、“樹齢3500年の聖なるマンゴーの木の下でカマクシ(KAMAKSHI、パールヴァティーの別名)がリンガを抱いた、すなわちカマクシとシヴァ(SIVA)が結婚した”ということが書かれています。

    上記の写真の祠の後ろに生い茂っていたのはそのマンゴーの木で、まさにここがシヴァとパールヴァティーが結婚した聖なる場所ということなのですね。

  • ・・・というこの寺院の由来に感心していたら、映える衣装を着た巡礼者たちが集まってきて、どうやら日本人であるわたしに興味津津な様子。<br /><br /><br />インドではこんなふうに、外国人に対して異様な関心を抱いてくる方が多いです。<br /><br /><br />13億人が住むインドの大半は、外国人が容易に旅できないディープなところばかりですからね・・・。<br /><br /><br />きっと外国人が物珍しいのでしょう。<br /><br /><br />さて、こちらもせっかくの機会なので笑顔であいさつをして、写真を撮らせてもらうことにしました。<br /><br /><br />みんなで仲良く並んでパチリ。<br /><br /><br />う〜む、みんな真面目な表情でこちらを見つめてきて、なんだか目がコワいですね(笑)。

    ・・・というこの寺院の由来に感心していたら、映える衣装を着た巡礼者たちが集まってきて、どうやら日本人であるわたしに興味津津な様子。


    インドではこんなふうに、外国人に対して異様な関心を抱いてくる方が多いです。


    13億人が住むインドの大半は、外国人が容易に旅できないディープなところばかりですからね・・・。


    きっと外国人が物珍しいのでしょう。


    さて、こちらもせっかくの機会なので笑顔であいさつをして、写真を撮らせてもらうことにしました。


    みんなで仲良く並んでパチリ。


    う〜む、みんな真面目な表情でこちらを見つめてきて、なんだか目がコワいですね(笑)。

  • この寺院の中心となるマンゴーの木が見られたし、巡礼者たちとの記念撮影もできたので(笑)、そろそろ車に戻ります。<br /><br /><br />帰り道、薄暗い回廊の中に明るく目立つ巡礼者たちの人だかりができている一角が。<br /><br /><br />何かと思ってのぞいてみると、真黒な巨大なリンガが花飾りをつけて祀られていました。<br /><br /><br />やっぱりヒンドゥー教徒の方々はリンガ大好きですね(笑)。

    この寺院の中心となるマンゴーの木が見られたし、巡礼者たちとの記念撮影もできたので(笑)、そろそろ車に戻ります。


    帰り道、薄暗い回廊の中に明るく目立つ巡礼者たちの人だかりができている一角が。


    何かと思ってのぞいてみると、真黒な巨大なリンガが花飾りをつけて祀られていました。


    やっぱりヒンドゥー教徒の方々はリンガ大好きですね(笑)。

  • こちらの祠には花飾りをつけた踊るシヴァ神の像が。<br /><br />歴史の教科書などで踊るシヴァ神の像は見たことがありましたが、花飾りをつけているのは初めてです。<br /><br />なんだかゴージャスで楽しい感じですね(笑)。<br /><br />さて、回廊の入口に戻ると、わたしとガイド氏のガイド(?)をしていた寺院の男が、“日本のお金をくれ”と言ってきました。<br /><br />やっぱりタダじゃなかったと思いつつも、働いてくれたのは事実なので、1ドルを渡したら、“ダメだ”とのこと。<br /><br />本来ならわたしではなく、(金額の交渉もなく)案内を頼んだガイド氏が払うべきだとは思いましたが、彼はぽか〜んとしているので、もう1ドルを渡して急いでその場を立ち去ってしまいました。<br /><br />なんだか後味の良くない参拝になってしまった・・・。<br /><br />ガイド氏、もっとしっかりしてくれよ〜。<br /><br />・・・そんなこんなで寺院を出ると8時40分、再び車に乗って次の寺院を目指します。

    こちらの祠には花飾りをつけた踊るシヴァ神の像が。

    歴史の教科書などで踊るシヴァ神の像は見たことがありましたが、花飾りをつけているのは初めてです。

    なんだかゴージャスで楽しい感じですね(笑)。

    さて、回廊の入口に戻ると、わたしとガイド氏のガイド(?)をしていた寺院の男が、“日本のお金をくれ”と言ってきました。

    やっぱりタダじゃなかったと思いつつも、働いてくれたのは事実なので、1ドルを渡したら、“ダメだ”とのこと。

    本来ならわたしではなく、(金額の交渉もなく)案内を頼んだガイド氏が払うべきだとは思いましたが、彼はぽか〜んとしているので、もう1ドルを渡して急いでその場を立ち去ってしまいました。

    なんだか後味の良くない参拝になってしまった・・・。

    ガイド氏、もっとしっかりしてくれよ〜。

    ・・・そんなこんなで寺院を出ると8時40分、再び車に乗って次の寺院を目指します。

  • 続いては8時50分、先ほどのエーカンバラナータル寺院から2kmほど離れたところにある、“カイラーサナータ寺院”(Kailasanatha Temple)にやってきました。<br /><br />町の西の外れの広場のようなところにあるこの寺院は、カーンチプラムでも古い部類の8世紀初頭のパッラヴァ朝時代に建立されたもの。<br /><br />南インドのヒンドゥー建築の典型で、シヴァ神の住まいであるヒマラヤのカイラス山(カイラーサ山)を模した重層ピラミッド型の本殿、そして多数の柱をもつ前殿からなる主建築を、小さな祠をもつ寺壁が囲み、正面に低い楼門が建つという構造になっています。<br /><br />そしてその楼門の先にはシヴァ神の乗り物ナンディーがどっしりと腰を下ろしています。

    続いては8時50分、先ほどのエーカンバラナータル寺院から2kmほど離れたところにある、“カイラーサナータ寺院”(Kailasanatha Temple)にやってきました。

    町の西の外れの広場のようなところにあるこの寺院は、カーンチプラムでも古い部類の8世紀初頭のパッラヴァ朝時代に建立されたもの。

    南インドのヒンドゥー建築の典型で、シヴァ神の住まいであるヒマラヤのカイラス山(カイラーサ山)を模した重層ピラミッド型の本殿、そして多数の柱をもつ前殿からなる主建築を、小さな祠をもつ寺壁が囲み、正面に低い楼門が建つという構造になっています。

    そしてその楼門の先にはシヴァ神の乗り物ナンディーがどっしりと腰を下ろしています。

  • 寺院と向き合って座るナンディーをパチリ。<br /><br /><br />これまた写実的な像ですね。

    寺院と向き合って座るナンディーをパチリ。


    これまた写実的な像ですね。

  • そうこうしていると、臙脂色の服を着たたくさんの巡礼者たちがやってきて、記念撮影をしながら寺院へと向かっていきました。<br /><br /><br />先ほどのエーカンバラナータル寺院でもそうでしたが、タミル・ナードゥ州では巡礼者たちは赤っぽい服を着るのが基本なのだそうです。

    そうこうしていると、臙脂色の服を着たたくさんの巡礼者たちがやってきて、記念撮影をしながら寺院へと向かっていきました。


    先ほどのエーカンバラナータル寺院でもそうでしたが、タミル・ナードゥ州では巡礼者たちは赤っぽい服を着るのが基本なのだそうです。

  • 彼らに続いてわれわれも寺院へ。<br /><br />寺院の正面、東側には神獣の列柱を持つ同じ形をした小祠堂が並んでおり、その内部にはリンガが祀られています。<br /><br />列柱にはところどころ修復された痕跡もありますが、寺院の大部分は8世紀初頭に建造されたオリジナルの姿そのままなのだそうです。

    彼らに続いてわれわれも寺院へ。

    寺院の正面、東側には神獣の列柱を持つ同じ形をした小祠堂が並んでおり、その内部にはリンガが祀られています。

    列柱にはところどころ修復された痕跡もありますが、寺院の大部分は8世紀初頭に建造されたオリジナルの姿そのままなのだそうです。

  • 小祠堂の奥にあるリンガはこんなかたち。<br /><br /><br />このリンガに象徴されるように、このカイラーサナータ寺院に祀られているのはシヴァ神。<br /><br /><br />日本でいうと、女神のパールヴァティーがアマテラスとすると、破壊の神でもあるシヴァは暴れん坊のスサノオということになるのでしょうか・・・。<br /><br /><br />実際にはスサノオの婿のオオクニヌシノミコト(大国主命)が大黒天(シヴァ神の化身のマハーカーラ)としてシヴァと同一視されるそうですが、“破壊の神”のイメージとしては、葦原中国を創造したオオクニヌシよりもスサノオの方が合っているような・・・。

    小祠堂の奥にあるリンガはこんなかたち。


    このリンガに象徴されるように、このカイラーサナータ寺院に祀られているのはシヴァ神。


    日本でいうと、女神のパールヴァティーがアマテラスとすると、破壊の神でもあるシヴァは暴れん坊のスサノオということになるのでしょうか・・・。


    実際にはスサノオの婿のオオクニヌシノミコト(大国主命)が大黒天(シヴァ神の化身のマハーカーラ)としてシヴァと同一視されるそうですが、“破壊の神”のイメージとしては、葦原中国を創造したオオクニヌシよりもスサノオの方が合っているような・・・。

  • 寺院の側面、すなわち北側の外壁には小祠堂はなく、代わりにこのような獅子の立像が等間隔に並べられています。<br /><br /><br />これらの獅子たちは日本の神社の狛犬のように、寺院の守護者ということなのでしょうね。<br /><br /><br />そもそも日本の狛犬も元は獅子で、仏教伝来とともにインドから中国、朝鮮半島を経て伝わってきたものなのですけれども・・・。

    寺院の側面、すなわち北側の外壁には小祠堂はなく、代わりにこのような獅子の立像が等間隔に並べられています。


    これらの獅子たちは日本の神社の狛犬のように、寺院の守護者ということなのでしょうね。


    そもそも日本の狛犬も元は獅子で、仏教伝来とともにインドから中国、朝鮮半島を経て伝わってきたものなのですけれども・・・。

  • 靴を脱ぎ、楼門をくぐって寺院の内部へ。<br /><br /><br />内部の壁面も、小祠堂でびっちりです。<br /><br /><br />ただし、こちらの祠堂の内部にはリンガはなく、装飾的な神々のレリーフがあるのみです。

    靴を脱ぎ、楼門をくぐって寺院の内部へ。


    内部の壁面も、小祠堂でびっちりです。


    ただし、こちらの祠堂の内部にはリンガはなく、装飾的な神々のレリーフがあるのみです。

  • 楼門から入ると、重層ピラミッド型の本殿を隠すようにそびえる前殿。<br /><br /><br />シヴァとパールヴァティーの夫婦神を中心に、壁一面に神々のレリーフが刻まれています。<br /><br />しかし、レリーフがやけにきれいで、石材自体もほかのものとは異なる質感であることから、この前殿は後代に再建されたものなのでしょう。

    楼門から入ると、重層ピラミッド型の本殿を隠すようにそびえる前殿。


    シヴァとパールヴァティーの夫婦神を中心に、壁一面に神々のレリーフが刻まれています。

    しかし、レリーフがやけにきれいで、石材自体もほかのものとは異なる質感であることから、この前殿は後代に再建されたものなのでしょう。

  • そしてシヴァの住むヒマラヤのカイラス山を象徴する重層ピラミッド型の本殿へ。<br /><br /><br />大きくて至近距離からは全体像が写せないため、外壁のレリーフのみご紹介。<br /><br /><br />こちらの面の中央に描かれているのは、楽しそうに踊る2柱の神々。<br /><br /><br />おそらくシヴァとパールヴァティーでしょう。<br /><br /><br />その両側には重厚な印象の獅子の石柱が配されており、まさにこの2神の守護獣といった感です。<br /><br /><br />こちらはオリジナルのままなのか、躍動感といい重厚さといい、先ほどの後代の作と思われる前殿のレリーフとは雲泥の差ですね。

    そしてシヴァの住むヒマラヤのカイラス山を象徴する重層ピラミッド型の本殿へ。


    大きくて至近距離からは全体像が写せないため、外壁のレリーフのみご紹介。


    こちらの面の中央に描かれているのは、楽しそうに踊る2柱の神々。


    おそらくシヴァとパールヴァティーでしょう。


    その両側には重厚な印象の獅子の石柱が配されており、まさにこの2神の守護獣といった感です。


    こちらはオリジナルのままなのか、躍動感といい重厚さといい、先ほどの後代の作と思われる前殿のレリーフとは雲泥の差ですね。

  • こちらは単独で踊るシヴァ神のレリーフか。<br /><br /><br />レリーフ自体の構図や精巧さ、それに石材の質感が素晴らしいですね。

    こちらは単独で踊るシヴァ神のレリーフか。


    レリーフ自体の構図や精巧さ、それに石材の質感が素晴らしいですね。

  • ヒンドゥー教の神話に詳しくないので、どのような場面かは分かりませんが、こちらのレリーフも素晴らしいの一言。<br /><br /><br />・・・偶像崇拝を禁止するイスラム教徒は、北インドに侵入した12世紀のゴール朝以降、多くのヒンドゥー寺院を破壊したと言いますが、それ以前は、北インドにもこんな素晴らしいレリーフで装飾された寺院がたくさんあったのでしょうね。

    ヒンドゥー教の神話に詳しくないので、どのような場面かは分かりませんが、こちらのレリーフも素晴らしいの一言。


    ・・・偶像崇拝を禁止するイスラム教徒は、北インドに侵入した12世紀のゴール朝以降、多くのヒンドゥー寺院を破壊したと言いますが、それ以前は、北インドにもこんな素晴らしいレリーフで装飾された寺院がたくさんあったのでしょうね。

  • 寺院の一角には、かわいらしく花飾りがされた三面のシヴァの像が。<br /><br /><br />生きている信仰の証ですね。<br /><br /><br />しかしヒンドゥー教の神々はいろいろな姿に変化するので、どれが同一の神なのかややこしい・・・。

    寺院の一角には、かわいらしく花飾りがされた三面のシヴァの像が。


    生きている信仰の証ですね。


    しかしヒンドゥー教の神々はいろいろな姿に変化するので、どれが同一の神なのかややこしい・・・。

  • カイラーサナータ寺院をひととおり見終わると9時10分、ここでポツポツと雨が降り出してきました・・・。<br /><br /><br />ヒンドゥー教の寺院は正午から16時頃にかけて閉まってしまうので、午前中の観光が肝要。<br /><br /><br />天気が気になりますが、カーンチプラムにはまだヴィシュヌ神を祭神とする大きな寺院が2つあるので、貪欲に観光を続けていきたいと思います!<br /><br /><br />(カーンチプラム観光後半に続く。)

    カイラーサナータ寺院をひととおり見終わると9時10分、ここでポツポツと雨が降り出してきました・・・。


    ヒンドゥー教の寺院は正午から16時頃にかけて閉まってしまうので、午前中の観光が肝要。


    天気が気になりますが、カーンチプラムにはまだヴィシュヌ神を祭神とする大きな寺院が2つあるので、貪欲に観光を続けていきたいと思います!


    (カーンチプラム観光後半に続く。)

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この旅行記へのコメント (6)

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  • うるるさん 2014/02/10 03:00:44
    はじめまして
    エンリケさん、こんばんは。

    遅くなりましたが、山焼きの旅行記に投票いただき、ありがとうございました!

    インドの現地ガイドさん、なかなか大変だったようですね(^-^;

    日本語の発音が聞き取りにくいとか、ちょっと込み入った話になると通じないとかは経験がありますが、寺院のガイドさんにお金を請求されるのは困りますよね。。。

    インドは興味がありますが、なかなか行く機会もないので、エンリケさんの旅行記、また続きも読ませていただきますね。

    うるる

    エンリケ

    エンリケさん からの返信 2014/02/11 20:14:32
    ご訪問ありがとうございます。
    うるるさん

    こんばんは。ご訪問ありがとうございます。

    海外旅行に行くと日本での常識が通じないのがよく分かりますね。

    インドは観光客相手の商売に“ダマす、ダマされる”的な常識感があって、日本のように“おもてなし”を受ける感覚でいくと痛い目に遭いますね(笑)。

    逆に言えば、日本の“おもてなし”の文化は、世界に誇るべきものだということに改めて気付かされます。

    うるるさんは世界の様々な国に行ってらっしゃるようですが、インドは未訪問とのこと。

    一方ではインドには、古代から続く石造りの文化やスパイシーで美味しい料理、人懐っこい人々という魅力的な部分もたくさんありますので、ぜひいつか行ってみてくださいね!
  • 川岸 町子さん 2013/11/03 22:20:43
    飛びついてしまいました(笑)!
    エンリケさん、こんばんは☆

     わぁ〜〜〜、いいなぁ、うらやましいです!
     スリランカの旅、もっと時間があれば、インドも周りたかったのです。
     そのルートがまさに、こちらの周辺です。
     チェンナイに入って、観光しながら南下し、チィルティまで行き、そこでコロンボ行きの飛行機に乗る、なーんて妄想をしていたのです(笑)。

     実は、年末年始のご旅行は、もしかしてインドだったのかな?と想像していました。
     でも、バナラシ周辺かも、という予想だったので、ハズレですね(笑)。

     表紙のお写真いいですね!(^O^)/
     インド人の好奇心の強い表情がよく現れていますね(笑)。

     シックな色合いの寺院の中の、数人の鮮やかなサリー姿。
     神に捧げられた新鮮なお花。
     いい光景を見せてもらいました。

     でも、一つ目の寺院の観光が終わった時点で、まだ9時前。
     5時半出発ですものね(笑)。

     次回も本当に楽しみです〜!!

                                 町子

    エンリケ

    エンリケさん からの返信 2013/11/06 01:22:08
    ご訪問ありがとうございます。
    川岸 町子さん

    こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます!

    年末年始の旅、なかなかアップできずお蔵入りと思われましたが(笑)、ここにきてようやくアップをし始めることができました。

    本文にも書いたように、イマイチなガイドの件もあり、旅行直後は旅行会社にも、そしてインドという国にも、かなりの不満が募っていて、しばらく旅行記を書く気になれなかったところです。

    しかし、今になって写真を見返してみたら、石造りの精巧な彫刻や鮮やかな民族衣装の人々など、異文化の世界がいっぱい詰まっていて、自分もこんなところにいたんだなと改めて感動がこみ上げてきて、楽しかったと思えるようになってきました。

    > チェンナイに入って、観光しながら南下し、チィルティまで行き、そこでコロンボ行きの飛行機に乗る、なーんて妄想をしていたのです(笑)。

    その都市名、ティルチラパッリのことですね。

    昔ながらのヒンドゥー寺院のほか、国際空港まである街なんですね。

    わたしも仕事に追い立てられてさえいなければ、時間を気にせず南インドのいろんな街を巡って、のんびりバックパッカーの旅といきたかったですね。

    次回もぜひ遊びに来てみてください!
  • satさん 2013/11/03 22:04:22
    未知というより私が無知
    エンリケさん こんばんは。

    アジアはなかなか行く機会がなくて行ってないので、出てくる地名などみんな名前が一緒に思えてきます。
    覚えられない〜〜
    詳しい解説があるので最後まで進むことができました((+_+))

    でも、なんだか細かな彫像があったり、お花で飾られていたり、楽しい〜ってことは理解できました(笑)

    しかし、ガイド氏・・・しっかりしてほしいですよね?
    私は今回は日本ガイドさんもカプリ島のイタリア人ガイドさんも(英語をはなしてくれました。美人で優しい〜^^)
    良い方でしたのでLuckyでした。

    新たな発見の旅行記になりそうです。
    続きも楽しみにしていますね。

    sat

    エンリケ

    エンリケさん からの返信 2013/11/06 00:26:31
    ご訪問ありがとうございます。
    satさん

    こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます。

    アジアはなかなか訪れる機会はありませんか・・・。

    わたしも最初は海外旅行と言えばヨーロッパばかりだったのですが、最近は休みの都合で短い旅程で行けるところとか、今しか行けないようなハードなところも選んで訪れるようにしているところです。

    そういった地域を訪れると、欧米の考え方が通じない、いろんな世界があるんだということに気付かされますね。

    まだまだ修行の旅は続きそうです・・・。

    次回もまたぜひいらしてください!

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