2013/10/01 - 2013/10/06
814位(同エリア3042件中)
ハンクさん
サンクトペテルブルクからの帰国はいつものようにミュンヘン経由、乗り継ぎの間にオクトーバーフェストに立ち寄った。ダッハウの強制収容所でドイツの暗い歴史に触れた後、ミュンヘン子の誇る世界最大のビアフェスティバルを覗き見て明るい気持ちで帰国しようと思った。またANAのミュンヘン発成田行き737便は、9月1日よりボーイング777から何かと話題の787に代わった。初搭乗の印象などについても少し触れておこうと思う。
オクトーバーフェストとは、ミュンヘンで開催される世界最大規模のビール祭りであることはよく知られている。ミュンヘンの西部のテレージエンヴィーゼ(テレーゼの緑地)で9月半ばから10月上旬に開催され、毎年600万人以上の人が会場を訪れている。最近日本の各都市では10月でもないのにオクトーバーフェストを名乗るイヴェントが浸透している。また、ミュンヘンとは姉妹都市の、アメリカ、シンシナティでもオクトーバーフェストに遭遇した。しかし本家本元のミュンヘンで、どのような経緯で開催されるようになったのかは意外と知られていないのではないだろうか。
1810年10月に、ミュンヘン西部の緑地で、バイエルン王国の皇太子ルートヴィヒとテレーゼ・フォン・ザクセンの結婚式が行われた際に、大規模な競馬が催された。同時に市民を喜ばせるために、遊技場を設けビールが振舞われた。そして毎年同じ時期にバイエルン王室により競馬が開催され、オクトーバーフェストの伝統が始まった。その後競馬の方は中止されたが、ビール祭りの方は現在まで引き続いている。会場のテレージエンヴィーゼは42ヘクタール(東京ドーム約9個分)の広大な敷地で、毎年数週間かけて大手ビール会社の10数棟の固定式巨大テントや、観覧車、お化け屋敷など移動式遊園地が設置され、オクトーバーフェストのあとは撤去される。入場は無料であり、UバーンのテレージエンヴィーゼおよびSバーンのハッカーブリュッケが最寄り駅である。
実際にオクトーバーフェスト現地を訪れてみたが、その規模の大きさは想像以上だ。この日は翌日10月6日が最終日ということもあって、時折強い雨が降る悪条件の中、多くの人が雨傘と雨ガッパを着て、ビールフェスを楽しんでいた。どのテントも長蛇の行列で、テント内のビアホールは予約がないとまず入れないが、ビールと食べ物は屋台で買うことができる。中には完全に酔っ払って、前後不覚となった若者が所構わずちょっかいを出している。ビアライヒェン(ビール死体の意)と呼ばれる急性アルコール中毒で倒れる若者のため、医療テントが用意されているという。
この緑地の端には、1850年にバイエルン王太子の婚礼を祝う記念碑として、20メートルほどのバイエルンの守護者である女神バヴァリアの像が建てられ、また1853年にはバヴァリア像の後ろにルーメスハレ(栄誉の殿堂)が完成している。
さて、オクトーバーフェスト会場を端から端まで歩いた後、余裕を持って空港に着くはずであった。しかし、空港行きのSバーンが空港の4つ前の駅付近で突如停止、アナウンスは電気系統の故障で、しばらく停車するという。30分ほどして次の駅まで移動したが、突如運転を打ち切る、次の空港行きの列車は約30分後に来る、という。隣に座っていた親切な女性が、空港に行くのならタクシーを拾った方がいい、とアドヴァイスしてくれた。急いでタクシー乗り場に並んだが、すでに多くの人が並んでおり、前にいたエジプトに観光に行くという家族連れに相乗りさせてもらうことにして、何とか1時間前に空港に到着した。正確な運行を誇りとするドイツ国鉄のこの不親切さは、日本ではあり得ないことであり、皆さんも要注意である。
ANAのミュンヘンー成田便は9月1日より、ボーイング787に変わっていた。2011年から運行を開始したが、今年1月にバッテリーから発生した異臭のため高松空港で緊急着陸し、緊急用滑り台で乗客が脱出した映像は記憶に新しい。日本製の部品が35%使用され、準日本製で燃費がよく環境に優しい次世代の航空機、という謳い文句で華々しく登場した787であったが、数カ月に渡る運行休止には多くの方々が失望したことだろう。原因究明が完全になされた、とは言い難い状況ではあるが、航空各社は6月に入って一斉に運行を再開した。航空機の場合、単なる初期不具合では済まされないが、飛行実績を積み重ねて安全性を証明することが不可欠であろう。
今回ボーイング787のビジネスクラスに初搭乗した。機材はボーイング767よりも若干小振りであり、軽量化と燃費の改善が進んでいるためエンジンの騒音も小さい。座席は広くなっているわけではないが、荷物を入れるスペースが確保されておりありがたい。モニターは大型化され、その下のスペースに足を置くことができてフルフラットになる。目立った違いは、窓に日よけがなくなってボタンの操作により光の透過率が変化し、ほぼ真っ暗から微調整ができるようになった。もちろんトイレは新しく清潔で、若干広くなっており快適だ。ところで、エアバスも燃費の良い次世代機材を開発中との噂であり日本航空が導入を公表してニュースになった。この競争がCO2の発生が少なく、環境に優しい航空機の開発につながれば喜ばしいことである。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
Sバーンのハッカーブリュッケ駅からオクトーバーフェスト会場へ向かう、雨が降り続く
-
トルコの土産物を売る屋台
-
バイエルンの王太子の結婚祝いが起源だけにハートマークの甘いお菓子が目立つ
-
オクトーバーフェストの会場の入り口
-
オクトーバーフェスト入り口のアーチの内側
-
甘いハート形のお菓子
-
ヒッポドロム
-
フィッシャーブローニのテント
-
パウラーナーのアルムブルストシュッツエンツェルトのテント
-
シュパーテンブロイのテント、ブタの丸焼き
-
アンマーのテント
-
ディズニーの遊園地
-
ヴィルデマウスの遊園地
-
回転する絶叫マシン
-
回転する絶叫マシン
-
回転する絶叫マシン
-
ホフブロイのテント
-
ハッカーフェストツェルトのテント
-
アウグスティナーブロイのテント
-
ショッテンハーメルのテント
-
ブロイロズルのテント
-
レーヴェンブロイのテント
-
パウラーナーの広告タワー
-
レーヴェンブロイの広告タワー
-
1850年にバイエルン王太子の婚礼を祝う記念碑として、20メートルほどのバイエルンの守護者である女神バヴァリアの像が建てられ、また1853年にはバヴァリア像の後ろにルーメスハレ(栄誉の殿堂)が完成
-
降りしきる雨の中で歩く人々
-
絶叫マシンが急降下する
-
お化け屋敷の入り口
-
観覧車も健在
-
ミュンヘン空港駅のSバーン、故障のため遅れが発生して焦った
-
ANA737便、ボーイング787型機の内部
-
ANA737便、ボーイング787型機のビジネスクラスの座席
-
ANA737便、ボーイング787型機の窓には日よけがなく、ボタン操作で光の透過率を調整する
-
ANA737便、ボーイング787型機のビジネスクラスの座席、モニターの下に足を入れてフルフラットになる
-
成田空港に到着したANA737便、ボーイング787
-
頭を雲の上に出す、富士は日本一の山
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ハンクさんの関連旅行記
ミュンヘン(ドイツ) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
36