2013/10/04 - 2013/10/05
161位(同エリア860件中)
ハンクさん
ミュンヘンでの乗り継ぎの間にインゴルシュタットを訪れた。ミュンヘンからはICEなら30分程度、人口約12万人の中都市でありガイドブックにも載っていない町であるが、アウディが本社を置いているため訪れる人は多い。旧市街は再建されており世界遺産にこそ登録されていないが、美しい中世の街並みを再現している。
ドイツの自動車会社の雄、アウディはフォルクスワーゲングループに属する。ドイツでは車の序列は日本よりもはっきりしており、上級車はもちろんベンツ、中上級としてBMW、アウディ、GMの傘下に入ったオペル、大衆車はフォルクスワーゲン、ポルシェはスポーツカー、となる。アウディは従来から保守的で、通を唸らせるデザインであったが、最近は若者をターゲットとし、BMW、ベンツに劣らない押しの強い、少しつり目のシャープなデザインを取り入れている。2004年の映画「アイ ロボット」で、2035年の近未来のウィル スミスが乗るアウディRSQの、先進のフォルムがたまらなくカッコよかった。
創業者はアウグスト・ホルヒ(1868-1951)。自動車史の黎明期にベンツで工場長を務めた後に独立、ザクセン州ツヴィッカウで「ホルヒ」を設立し、1901年から自動車生産を開始、当時としては高性能・高品質の自動車を送り出して名声を得る。その後1910年に「アウディ」を設立、クアトロという名称の四輪駆動システム、アルミボディ、環境負荷の少ないディーゼルエンジン(TDI)など先進技術を誇る。
アウディ博物館はインゴルシュタット駅からバスで10分、アウディ フォーラムという複合建築の中にある円形の建物で、ショールーム、新車引き渡しのためのカスタマーセンターと近代的なガラス張りの建物が並ぶ。博物館はBMWやポルシェ博物館と比べると小振りであり、入場料は2ユーロ 、平日であれば工場内のツアーがあるが休日は入場できない。
一方インゴルシュタットの旧市街は再建であるが、かつてのバイエルン侯爵領の居城地、ドナウ川に面した大学町であり、また要塞の町として後期中世の魅力と雰囲気を持つ。入念に修復された切妻屋根の市民の家、豪華な城門、誇らしげな塔、堂々とした要塞防備設備が町のシルエットを形成している。
クロイツ城門を抜け旧市街に入ると、アザム教会、旧解剖学教室、旧市庁舎などの名所がある。四軒の建物から成る旧市庁舎は、1882年にネオルネッサンス様式で新しく改築されている。 その隣に建つ最古の市教区教会の聖モーリッツは、北側にはロマネスク様式の教会塔が、南側には細いゴシック様式のプファイ塔がそびえる。教会内には貴重な祭壇、レリーフ、石像、絵画、彫刻を有する。また教会と常に密接な関係にあった市の大学は、1472年に創設、インゴルシュタットの繁栄はこの大学のおかげで、300年余りこの町はバイエルンの学問と文化の中心であった。
通常の旅行記であればここで終わりにするところだが、この町の名は学生の時に読んだイギリスの女流小説家メアリー・シェリー(1797‐1851)の書いた怪奇(SF)小説「フランケンシュタイン」を思い出させる。この小説に登場する天才科学者、スイス生まれのヴィクター・フランケンシュタインが、このインゴルシュタット大学に留学していた、からである(実在の人物との説もある)。
折しもハロウィンの季節であるが、フランケンシュタインは、ドラキュラ、狼男、魔女と共にハロウィンの主役である。しかしこの「怪物」は、天才科学者フランケンシュタインが日夜の研究努力の結果、死体を繋ぎ合わせ命を与えられた生物なのである。小説の概要は以下である。
「天才科学者が死体から生み出したのは、優れた体力と人間の心、そして知性を持ち合わせていた巨人であったが、あまりにも容貌が醜かった。その姿に絶えられず、フランケンシュタイン青年は巨人を残して故郷であるスイスに帰ってしまう。一人取り残された巨人は孤独な旅に出るが、人々は巨人の姿を見ると怖がって逃げ出してしまう。水面に映った自分の醜い姿に絶望を感じ、人間との交流をあきらめた巨人は、スイスのフランケンシュタインを訪ね、自分と同じような女の怪物を作ってくれるように懇願する。
誰もいないアフリカの大地でひっそりと暮らすことを条件にフランケンシュタインは巨人の製作を約束するが、怪物が繁殖することを恐れ、結局約束を果たさなかったため巨人は怒り、フランケンシュタインの周りの人を次々と殺していく。弟や最愛の女性までも巨人に惨殺され、フランケンシュタイン青年は、自分の作り出した怪物を呪い、自分の罪に苦悩する。そして巨人を殺そうとするフランケンシュタイン青年と、どこまでも彼を苦しめようとする巨人との戦いは続く。」
インゴルシュタット大学にとってはあまり名誉な小説ではないかもしれないが、この大学の高い評価があってこそ、メアリーはこの地を選んだのであろう。蛇足であるが。い
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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インゴルシュタット中央駅に到着したRE
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駅に着くなりアウディの新車を積んだ貨車が目に入る
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インゴルシュタット中央駅のファサード
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アウディ フォーラムのアウディ博物館とショールーム
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アウディ博物館のファサード、BMW、ベンツ、ポルシェ博物館と比べて小振りである
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アウディ博物館のファサード、クラシックカーはケースに入っている
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アウディ博物館に展示されたクラシックカー
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アウディ博物館に展示されたクラシックカー
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アウディ博物館に展示された最新モデル
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アウディ博物館に展示された最新モデル
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アウディ博物館に展示されたスポーツカー
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アウディ博物館に展示されたラリー車
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歴代アウディ車のミニチュアモデル
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エンジンのカットモデル
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新車納入のためのカスタマーセンター
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新車納入のためのカスタマーセンターの内部
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カスタマーセンター新車を受け取り記念写真を撮ってもらう誇らしげな人々
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ショールームの内部の広々とした空間
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ショールームの内部赤いアウディ
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クロイツ城門を抜けインゴルシュタットの旧市街に入る
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再建された旧市街の中世の街並み
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特徴ある切り妻の建築
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最古の市教区教会の聖モーリッツの外観
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最古の市教区教会の聖モーリッツの内部
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最古の市教区教会の聖モーリッツの内部
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教会内には貴重な祭壇、レリーフ、石像、絵画、彫刻を有する
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聖モーリッツ教会内の十字架のキリスト像
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アザム教会のファサード
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アザム教会の全景
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細いゴシック様式のプファイ塔
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再建された旧市街の中世の街並み
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再建された旧市街の中世の街並み
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再建された旧市街の中世の街並み
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再建された旧市街の中世の街並み
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聖モーリッツ教会と常に密接な関係にあった市の大学は、1472年に最初のバイエルンの領邦大学である
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インゴルシュタットの繁栄はこの大学のおかげで、300年余りこの町はバイエルンの学問と文化の中心であった
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