2013/08/13 - 2013/08/13
134位(同エリア901件中)
たびたびさん
- たびたびさんTOP
- 旅行記736冊
- クチコミ35281件
- Q&A回答420件
- 5,365,271アクセス
- フォロワー666人
徳島藩は、蜂須賀小六が四国征伐の後に阿波国に入封したのが始まり。この時、石高は17万5千石。その後、関ヶ原の戦いで東軍に組みすることで所領を安堵され、さらには大坂の役の活躍で、淡路8万1千石を加えて、25万7千石の大封となります。ちなみに、東北の会津藩でも23万石。西国では大きな藩が多いので目立ちませんが、実はとても大きい藩であったことが分かると思います。
そして、さらに、吉野川流域では藍の生産が盛んで全国の市場を席巻していたことに加え、たばこ、塩なども財源となって、実質的には四十数万石の実力があったとさえ言われます。
さて、そうした歴史は、街歩きの中でどれだけ感じれるでしょうか。徳島市は今回で3回目ですが、これまで回っていなかった寺町から散策してみたいと思います。
PR
-
朝の散策は、近くの阿波おどりカラクリ時計から。紺屋街の大通り沿いです。作動するのは、午前10時〜午後8時の2時間ごと。阿波踊りを踊るカラクリ人形が現れる仕掛けに加えて、夜間は7色のLED照明でこれも阿波踊りの影絵が浮かび上がるのですが、どんなだったかなあ。見たことはあるはずなんですが、ちょっと思い出せません。
-
では、瑞巌寺へ。ここは、眉山の麓にある臨済宗妙心寺派の寺院。徳島藩初代藩主蜂須賀至鎮が弟義英の菩提のため、一鶚禅師を開山に招じて再興したものです。
-
この一鶚禅師は、武田家菩提寺・甲斐恵林寺から逃れてきた人物で、師は、恵林寺住職の快川国師。天目山の戦いに敗れた武田勝頼の残党を寺に匿い、信長軍の投降の勧告を跳ねつけ、火を掛けられたと言います。
一鶚禅師は、快川国師から、観音像と天神像を与えられ、徳島の地にやって来たのですが、大いに栄えて面目を施すこととなりました。 -
庭園が有名ですが、これは有料拝観です。玄関で呼び鈴を鳴らすと奥からお寺の方が出てきて、しばし 恵林寺のこと。恵林寺は、中央線の塩山駅が最寄駅でしたね。とか。
-
さて、お庭の方は、正直言えば、拝観料を取っているのにかなり荒れています。どこが名庭と呼ばれる所以なのか。いろいろ試して分かったのは、写真のアングル。奥へ奥へと延びる飛び石の感じがいいでしょう。
-
逆に、これが分からないとただがっかりするだけになってしまうかもしれませんので、ご注意。
-
瑞巌寺から、阿波踊り会館に向かっていたら、モラエス像を発見。この辺り、伊賀町1〜3丁目は、モラエス通りというんですね。
ちなみに、モラエスは、ポルトガルの外交官であり、文筆家。神戸在勤中に芸者おヨネと出会い、一緒に暮らし始めますが、先立たれると、ヨネの故郷であるこの徳島に移住。徳島の地で晩年まで過ごします。 -
阿波踊り会館の隣りにあるのは、徳島眉山天神社。潮音寺の鎮守として、瑞巌寺の一顎和尚が、甲斐恵林寺から携えてきた渡唐天神木像を祀ったのが起源とされます。
赤い鳥居が目立っているし、頭上には眉山ロープーウェイも見えて、辺りの雰囲気に溶け込んでいます。 -
阿波おどり会館に入ると、そこが「あるでよ徳島」。観光案内所と県内の特産品を集めた物産センターを合わせたような施設です。ちくわが徳島の名産であることがここで分かったりして、街歩きの情報がちょっと整理できました。
-
滝の焼き餅もありましたが、これから本店に食べに行きますので、ここではチェックするだけです。
なお、観光情報は、イマイチかも。うだつの町への行き方を聞いたのですが、ありきたりの情報しかない。県下の主要な観光スポットでもありますし、役場からでも情報を取ったておいたらいかがかと思います。 -
眉山ロープウェイは、阿波踊り会館から眉山の山頂を結ぶもの。往復1000円。ただ、9時からしか動いていないので、待ちきれずに歩いて登ったことがありました。しかし、これが見た目と違ってすごい険しい道で、ふうふう。大変な思いで登ることになりました。
この日も、子供連れの家族でしたが、動いていないので歩いて登ろうとしたら、あまりにしんどくて途中で引き返しましたとのこと。やっぱり、眉山は、このロープーウェイで登るのが無難です。 -
さて、ここから寺町へ。
これは徳島市内寺町の一角にある寿量寺です。通りに面した門構えはとても立派。ただ、寺のことを説明する案内とかは一切なし。 -
門から境内に入ってみると、ソテツや木々はそれなりに手入れがされていて、静寂な雰囲気でした。
-
ただ、観光スポットという感じではありません。
-
これは、妙永寺。コンクリートで固められた境内の奥に本堂が建っていますが、ちょっと風情はない感じ。門の外から覗いたくらい。これも、中に入っても仕方がないかなあといった感じです。
-
本行寺は、日蓮宗の寺。名妓夕霧の墓があることで知られます。夕霧は、京都島原の遊女。夕霧が死去した後に、歌舞伎や浄瑠璃で取り上げられ、夕霧伊左衛門ものという一連の系統ができるまでの人気を博します。
歌舞伎「夕霧名残の正月」、浄瑠璃「夕霧阿波鳴渡」「傾城阿波の鳴門」「廓文章」など。ここに墓があること自体、いかにも、徳島らしい粋なはからいを感じます。 -
東宗院は、高野山真言宗の寺で、阿波守護、細川持隆の祈願所だったようです。
ちなみに、細川持隆は、応仁の乱で東軍の総大将であった管領細川勝元で知られる細川氏の一族。細川持隆が活躍した時期は、細川氏は本家当主の座を奪い合って一族内の内紛が続いていた時期。その後、本家も三好長慶の台頭で没落していきます。 -
元勝寺は、「もとかつじ」と読むようです。門の奥に、ちょっと近代的な白い建物があって、これが本堂です。真宗寺院で、1522年の創建。それにしては、開かれた感じですが、観光スポットという感じではありません。
-
御睦経王大明神という目立った祠があって、東光寺はその隣りでした。
この寺には、謎の浮世絵師、写楽の墓がありました。 -
写楽は、阿波出身の能役者で江戸・八丁堀に住んでいた斎藤十郎兵衛という人物ではないかとされていて、亡くなったのは江戸ですが、東光寺の人に話を聞くと「こちらの出身であったため、ここに墓が作られたのではないか」ということでした。
-
円徳寺は、寺町と国道438号線を挟んで、東光寺の向かい側に建つ立派な寺院。本堂の背後には、寺院全体を見下ろすようにして、巨大な鉄筋コンクリートのビルも建っています。蜂須賀家の入部に従って播磨龍野から阿波に入った人物が開いたとのことです
-
再び、寺町に帰ってきまして、
-
これは慈船寺。境内に続く、舗装道路の先に入母屋作りの本堂が見えていますが、建物はそう古くはないかも。真宗宗の寺院で、本尊は阿弥陀如来。お盆の時期だったので、車の出入りが頻繁でした。
-
錦竜水は、同じ筋。寺町の一角にある湧水です。歴代の徳島藩主が愛用し、水番所を置いて保護したという名水。
-
通常は水は流れていないのですが、傍らのボタンを押すと短い時間ですが水が流れ出る仕組みになっています。
-
春日神社は、この奥。寺町の一番奥の方です。武甕槌命、斎主命、天児屋根命、比売神の4柱を祀るのは、奈良県の春日大社と同じ。蜂須賀家政の阿波入部に際し、現在の地に遷座されたと伝わります。境内には、滝の焼きもちの「本家 よねや」があります。 しかし、いったんパスして先を急ぎます。
-
善福寺は、そのはす向かい。真言宗御室派の寺院で、阿波西国三十三観音霊場2番札所。本尊は聖観音とありまして、門のあたりから四国の霊場っぽい雰囲気が漂っています。創建には、細川氏が関わっているようです。
-
お寺巡りは、ちょっと確率が悪いような。。
和田乃屋で、休憩します。ここは、「滝の焼き餅」という400年の歴史を持つという名物のお餅が看板商品の老舗。石段を上がった高い場所にお店の入り口があって、風情のある構え。この姿は、眉山の漫画でも出てくるんだとか。 -
これは、阿波番茶というのだそうですが、日本茶にしては珍しく醗酵したお茶。中国茶も醗酵させますけど、確か、日本茶は見た目の緑をきれいに保つために熱を加えて発酵を止める。そんなことを司馬遼太郎が書いていましたね。
独特の香りで、ちょっとドクダミ茶のような感じです。 -
さて、滝の焼きの餅の方は、焼き印で付けた菊の模様がなんともきれい。
-
抹茶とごまの緑と黒の色合いも加わって、かなりのもの。見た目でもこれ以上ないくらい楽しませてもらいました。
-
出たところにあるのは常慶院滝薬師。
ちなみに、この辺りには、滝の焼き餅のお店が三軒かたまっていて、春日神社の境内に、「本家 よねや」。そして、この常慶院滝薬師の境内に「せと久」。その奥に、「和田乃屋」という具合です。 滝という字が共通ですか。 -
「滝の焼き餅」のという「せと久」です。和田乃屋が一番有名なようですが、その手前にあって、ちょっと古ぼっけた外観ではあります。
-
しかし、ここの焼き餅は、焼き加減や餡子の味わいが絶品。最初に焦げるくらいに焼いて、その後軽めに焼く。その加減がポイントです。
-
和田乃屋は三種類の餅の彩りがきれいですが、ここは一種類。
-
しかし、その一種類は何個か食べてみて、初めてその本当の味わいが沁みてくるもの。私としてはその辺りの絶妙の加減にしびれました。夫婦の息の合った、手作りもほのぼのしていい感じです。
-
こうなると、さっきの「本家 よねや」にも行ってみなければ。緋毛氈の腰かけが何台かあって、風情があります。
-
ここも「滝の焼き餅」。
-
年配のご夫婦が、鉄板に向かい合わせに座って、
-
二人で協力しながら焼き上げます。
三者三様。さすがに、ちょっとずつ微妙な特徴がありますねえ。私の好みは「せと久」ですが、それぞれファンがいるようで、 -
ちなみに、ここにも、毎年里帰りすると、ここの焼き餅を買うというおなじみさんがやってきて、大量に買って帰っていました。ここのじゃないとダメなんですとけっこう力説してました。はいはい。了解です。
-
安住寺は、徳島市内の観光案内にも載っていて訪ねました。説明によれば、このお寺にはポルトガル人の文筆家で、徳島に骨をうずめたモラエスの墓があるのだそうです。ただ、境内に入っても場所はよくわかりませんでした。
-
敬台寺は、「きょうだいじ」と読みます。この名前は、徳島藩主蜂須賀至鎮の正室、敬台院から取ったもの。ここは、敬台院の菩提寺です。
-
敬台院の母は登久姫というのですが、その父は徳川家康の長男徳川信康、母は徳姫といって織田信長の娘です。ちなみに、徳川信康は、家康の長男でありながら、今川氏から嫁いだ母の築山殿とともに武田氏と通じたという謀反の罪を着せられ、織田信長から切腹を命ぜられた人物。登久姫は、その忘れ形見なわけですから、蜂須賀家にとっては、徳川家との縁とするには大変なお嫁さんをもらったものだと思います。
これがお墓。しかし、この縁があったことで、関ヶ原の戦いでは東軍に付いたり、大坂の役でも戦う口実ができました。徳島藩にとっては、まったくもって幸運の女神です。 -
最後の来福寺は、4Tに掲載されていたので覗いて見たのですが、真言宗のお寺というくらい。小さなお寺ですし、少しさびれた感じもあるし、観光スポットというジャンルのお寺ではないと思います。
-
では、お昼にしましょう。
この「いのたに」は、徳島ラーメンの超人気店。寺町からはすぐのところ。 -
あちこちで人気店という情報があって、それではと訪ねてみました。やっと、テーブルについて、ラーメンを待ちます。
-
見た目、茶色の濃いスープは豚骨醤油味で、意外に普通。昔、すき焼きをそのまま乗っけたような徳島ラーメンもあって、これはすごくインパクトがあったのですが、そんなところはないし。何で、こんなに人気があるのか。私としてはそこまでのものではないような気がするのですが。。
-
中心部に戻る途中にあったPATISSERIE CONCHAです。ここは、新町橋の大通り角。
-
阿波和三盆糖を使ったお菓子がいくつかあって、「阿波の踊り子」というマドレーヌをいただきました。けっこう大きいし、濃いバターの香りがおいしいです。ただ、和三盆糖の甘さは、和菓子に使われているのと比べると、ちょっと分かりにくいかもしれません。
-
徳島駅の方に向かって歩きます。
-
アーケードの商店街は、東新町1丁目商店街です。
-
日本SFの草分けの一人という海野十三に、
-
お化け屋敷。
町興しの気配がありますが、残念ながら、それ以上はコメントできません。 -
商店街を出て、これは新町川水際公園しんまちボードウォーク。新町川河岸に整備された木の遊歩道です。遊歩道は、新町橋から両国橋にかけて約290メートル。新町橋のほとりにはステージのようになっている一角があって、阿波踊りの会場になっていましたが、水辺の利点をよく活かしています。
-
新町川橋を渡ると、
-
ひょうたん島クルーズ。今日も勢いよくぶっとばしています。
-
徳島そごうの交差点です。ここのアミコの多目的ホールで阿波踊りのお昼の公演があるようなので、それを最後の締めくくりにしたいと思います。
-
これが会場。徳島市シビックセンターの多目的ホールです。
-
はじめは、民謡から。何曲か聞いた後に、
-
いよいよ、阿波踊りが始まりました。
-
人数は少ないんですが、
-
なんだか粒揃い。これは、見応えがありますねえ。
-
明るいステージに立っているので、
-
体の動きもよく見えて、
-
どこもかしこも美しい。
-
笑顔もいいし、ちょっと、プロのような皆さんです。
-
演出も、おとこ踊りをベースにして、
-
ちょっと女踊りが加わった、
-
このバランスがいいですね。
-
こちらは、少し人数が多いです。
-
女性の男踊りが
-
とってもいい感じですよ〜。
-
次のステージでは、大勢の三味線の前に躍り出た一人の女性。
-
紅一点といった感じで、これもいい。指先までのきれいな動きがすばらしいです。
-
別の連の踊りです。
-
これも、女性陣の男踊りでスタートです。
-
女踊りが加わって、
-
絡み合った踊りが
-
続きます。
-
すっくと立った女性に、
-
腰を落とした男踊りの組み合わせ。
-
そのコントラストが
-
とっても美しいんですよね。
-
そして、太鼓の響きが急に大きくなりました。
-
提灯を持った男踊り。はやがねの始まりです。
-
昨日もはやがねはあったのですが、暗いところだとうまく写真には写らなくて、残念な思いでいましたが、これなら大丈夫。
-
ダダダン、ダダダン。
-
ダダダダダダダン。
-
太鼓の音に合わせて、
-
思いっきり
-
飛び回ります。
-
いやー、
-
これがいいんですよ。
-
動きが揃っているようでも、
-
男踊りは、
-
ちゃんと個性を尊重します。
-
提灯を使っているので、動きのバリエーションはそれなりに限られるんですが、
-
それでも、それぞれが
-
自分なりの
-
動きを
-
アピールして、
-
本当にスカッとします。
最後に一番いい踊りに会ったようですね。 -
そして、また全員がステージに上がってきて、
-
フィナーレを迎えます。
-
阿波踊り会館でも、こんな風にステージの踊りを見れるんですが、やっぱり今日の出演者はレベルが高い。あっという間のステージでしたが、大興奮のひと時でした。ありがとうございます。
-
名残りは尽きませんが、ではこの辺で会場を後にします。アー楽しかった。
-
で、帰りはJRで高松から岡山経由の予定です。
まだ、ほんの少しですが時間があるようなので、しつこくうろうろしていたら。
元祖大判焼 あたりやを発見。徳島そごうのビルの一階の、大通りに向かっていくつか並んだお店のひとつです。 -
練った粉を敷いて、餡子を詰める、両面を焼くの行程がすべて自動化されていて、ちょっと感心するくらい。ただ、一方でこの大判焼きの出来具合は抜群。隅々まで餡子が入って、生地のもっちりした焼き加減も最高。大判焼きは、あちこちどこでもよくあるのですが、ここの大判焼きは間違いなくトップクラスです。正直、徳島でこんなものに出会うとは驚きです。やっぱり、うろうろは正解でしたね。
-
そして、駅ビルの徳島クレメントプラザにも寄ってみます。これは、アトリエ市で買った、和三盆のかりんとう。和三盆のかりんとうなんて、けっこうぜいたくなんですが、やっぱりこれはおいしい。この優しい甘さは、これまでのかりん糖にはない味でした。
さて、これで徳島の旅も本当におしまい。お疲れ様でした。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったスポット
もっと見る
この旅行で行ったグルメ・レストラン
もっと見る
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
110