2012/12/28 - 2013/01/08
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yuk-inaさん
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イランへの旅行を考える女性が頭を悩ます問題、それは服装です。
ガイドブックにも「髪や肌の露出を避け、体の線を隠すこと」「スパッツやスリムパンツは御法度、できるだけルーズなものを」「上着は腰まで覆うゆったりしたものを」とあります。
2008年、2012年、2013年に3回イランを訪れた際に撮った(写りこんだ)現地女性の服装とともに、その背景について少し触れられたらと思います。
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イランに足を踏み入れた女性は観光客であっても、スカーフ等で髪や肌を隠す必要があります。
この義務は1979年のイラン・イスラム革命からです。
女の子は9歳の誕生日から義務になります。 -
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あっキティちゃん!
姪っ子もキティちゃんの服を着ていました。「かわいい」と思うものは国境を越えるんだなぁ。 -
姪っ子は9歳になってませんがかぶっています。
親の考え、防寒とかファッションとかの意味もあると思います。
ある日、家でかぶっていました。
「今は必要ないのにどうして?」と聞くと
「寝癖があって恥ずかしいから(//∇//)」ということでした。 -
肩下まで一体化しているマグナエ
小学校は女子は制服が義務付けられています。
小学校5年間、中学校3年間、高校3年間は男子と女子は別々で、大学になって初めて共学となります。 -
市バスは男性と女性で座る部分がきっちり分かれています。
地下鉄も女性専用車両があります。
しかし、ミニバスや乗合タクシーは男女別なくギューギューに詰めているのが謎です。 -
顎下で結ぶスカーフ(ルーサリー)とマントと呼ばれるハーフコートがポピュラーです。
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彫りが深いので綺麗ですね〜。
みんなかなり腰周りがピッタリしたマントを着ています。 -
写生をしに来た学生。
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こちらはシーラーズで会った学生たち。建築を学んでいると言ってました。
早稲田大学教授の桜井啓子氏の報告(2004年)によると、「イランでは、1999 年に大学統一入試(政府系大学・高等教育機関への入学するための、年一回実施される試験)の全合格者に占める女性比率が53%と男性を凌駕した。その後もこの傾向が続き、2002 年には62%を記録した。・・・医療系学部の女性比率は70%、基礎科学系学部は56%、云々」だそうです。 -
私はチャドル1枚、マント4枚持っています。
チャドルは証明書関係の写真に使うだけで私は実際に着て歩いたことがありません。
着こなすのは難しそうです。
「こんな暑くて煩わしいもの着てられるかっ!イランなんてもうコリゴリ!」という意見も一部見受けられますが、私は特に抵抗ありません。 -
まぁでも、ルーサリーは慣れないとズリ落ちるし、煩わしいなと思うことはあります。
義両親・義妹夫婦と泊まりで出掛けた時は、私だけルーサリーを脱ぐことができない状況で(義妹は夫・兄・父の前では不必要ですが、私は義妹の夫の前では必須です)、昼寝をする時にもしていました。
これも、家庭によって考えが違うので、「うちは外出する時以外は、誰が居てもルーサリーをかぶらない」という人もいます。 -
しかし、隠れている分、魅力的に見えることもあると実感しました。
2008年(夫と知り合う前)に日本の旅行会社の観光ツアーに参加した時、違う会社が主催するツアーの団体と行く先々で一緒になったのです。そちらの団体の添乗員がとっても可愛い女性だったのですが、ツアーを終えて成田空港でルーサリーをしてない彼女を見て、「あれ・・・??」と思ってしまいました。 -
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黒色が多いですが、色・柄でも特にお咎めはありません。
赤色
髪を後ろや上に盛るのが流行りです。
超特盛の人にギョッ!とすることもしばしば。 -
黄色
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青色
そしてピンク(髪が・・・)
髪が水色のギャルもいました。アキバに居そうな・・・ -
おっと、よく見ると右端の女性は何も被ってません。
お尻上までの丈の短いコートを着ている女の子もいました。
が、こういう人たちは珍しいです。 -
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フォーマルなチャドルもとても多いです。
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イマーム・ザーデ(イマームの子孫の聖廟)やモスクは、チャドルではないと入れません。マントで来た人は、入口でチャドルを借りられます。
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話はそれますがこの人はガージャール朝(1796〜1925)の第4代ナーセロッディーン・シャーの母親です。
ソ連に現在のアルメニア、アゼルバイジャン、グルジアにあたる領土を奪われ、
鉄道や鉱山などの利権をヨーロッパ人へ売り渡し、
弱体かつ腐敗した政府の時代。
「今日イランと呼ばれる地域を支配した諸王朝の中でガージャール朝ほど評判の悪い王朝はないであろう。」とガージャール朝史の専門家が言うほどです。
ナーセロッディーン・シャーは旅行や狩猟に興じ、最後は暗殺されました。
【フランスで活躍する漫画家マルジャン・サトラピは(「ペルセポリス」が映画化され日本でも上映されました)、ガージャール朝最後の皇帝の曾孫です。】 -
ガージャール朝は7代まで続きますが、イギリスに後押しをされたレザー・ハーンがクーデターを起こし、パフラヴィ朝を創始しました。
レザー・シャーは男女同権を提唱し、近代化を推し進めました。
さて時は冷戦時代。ソ連と接している非社会主義国の1つであるイランを西側に取り込んでおくことは西側諸国にとって重要でした。
イランでは1951年、国民の圧倒的な支持を得てモサッデク首相がイギリス資本が支配する石油を国有化する法案を可決しましたが、この決断にアメリカ・イギリスはこ激怒。CIAを使ってクーデターを起こさせモサッデクを首相の地位から引きずり下ろし(1953年)、親米一辺倒のシャー政権を復活させました。
このアメリカによる内政介入事件はその後の反米感情が生まれたきっかけとなります。
アメリカの右腕となってペルシャ湾の警備(対ソ防衛)にあたったイランですが、国民は内政干渉するアメリカへの不満や独裁体質のシャー政権に対する不満が爆発し、1979年にイラン革命が起き、イスラム政権へとなるのです。
←この女性はパフラヴィ朝2代目ムハンマド・レザー・シャーの奥さん -
ちょっと戻りますが1936年、近代化を内外に印象付けようとするパフラヴィ王朝の開祖レザー・シャーによってヴェール着用「禁止令」が出されました。
禁止令は1941年に撤廃されましたが、1979年のイラン革命でイスラム政権のシンボルであるヴェールは今度は「強制」に変わりました。
YouTubeでも、ミニスカートに自由な髪型を楽しんでいる革命前のイラン女性の姿を見ることができます。(iran before 1979等) 敬虔なムスリムは眉をひそめていたことと思いますが・・・ -
「テヘランでロリータを読む」の著者アーザル・ナフィーシーはパフラヴィ王政時代のテヘラン市長の娘でアメリカやスイスで教育を受けました。
彼女は王朝打倒を目指してデモに参加しますが、いざイスラム政権になってみて愕然。
西洋的な知識人を自負する彼女はベールの着用を頑なに拒否し、英文学を教えていた大学を追放されます。
【この本は世界中で翻訳され流行ったようですが、正直私は、イスラム政権に対する批判、愚痴、文句、恨みつらみが延々と続くので辟易しました。】 -
女性のヴェールは政治に利用されたものの1つといえます。
ムスリムとして慎み深く過ごしたい人もいれば、西洋化された王政時代を懐かしむ人もいます。
厳密に言うと王政時代が好きなわけではなくて、”選択の自由”を求めているのかな。
電車でたまたま会話した女性が「ヴェールをかぶるのはやぶさかではないけど、男社会が決めたルールを強制させられるのは嫌」と言っていたのを思い出しました。
パフラヴィ朝で一時期発出されたヴェール着用禁止令は、敬虔なムスリムにとっては耐え難いことだったであろうと思います。 -
革命直後、アメリカ大使館占拠事件があったり、イラン・イラク戦争が始まったりしました。
まさに激動です。
革命直後は、ヴェールから前髪がこぼれているというだけで進学や就職のチャンスを失った女性が跡をたたなかったといいますが、革命から30数年経った現在、若者はルーサリーをファッションとして着こなしているし、髪の毛が見えているくらいでは既に警察からは注意も受けません。
根強い反発運動などが続いた結果(アーザル・ナフィーシーやマルジャン・サトラピもその1人)でもあるのかなと思います。 -
さて話は変わってウエディングドレスです。純白です。
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ゴージャス!
結婚式は、男女別でパーティをします。
新婦は男性側に行くことができませんが、新郎は女性側のパーティに参加できます。
新郎が中座して女性だけになった時には、被っていたチャドルを脱ぎ捨て、セクシーなドレス姿でダンスするのです。
イランの結婚式の様子↓
http://4travel.jp/traveler/yuk-ina/album/10658235/ -
パーティ用のチャドルはカラフルです。
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弁護士シリン・エバディさんは、2003年にノーベル平和賞を受賞しました。ノーベル賞を受賞する最初のイラン人で、最初の女性イスラム教徒であるということです。
また、2006年に民間女性で世界初となる宇宙旅行をされたのは、イラン出身の米女性実業家アヌーシャ・アンサリさんです。
黒いチャドルをかぶっている女性は、「抑圧されてかわいそう」に見られがちですが、実は、たくましく、とても明るいです。
私はまだイランについてはほんの少しの知識しかなく、現地の人にヒアリングをしたわけでもないので間違った解釈もあるかもしれません。参考までに・・・
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この旅行記へのコメント (2)
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- ぺこっちさん 2013/04/07 15:05:47
- 拝みたい気分です
- yuk-inaさん、こんにちは!
なんとありがたい情報をアップして下さったことか!!
ほんとありがとうございます。
ゆったりめ&丈の長めのワンピースにジーパンとかでも大丈夫そうですね。
それならほとんど普段しているような格好です。
もちろん頭にスカーフは欠かせませんが。
GWにエジプトに行くので、よさそうなスカーフでもさがそうと思います。
本当にありがとうございました。
またこれからも色々教えてくださいね。
ぺこっち
- yuk-inaさん からの返信 2013/04/08 22:33:42
- RE: 拝みたい気分です
- ぺこっちさん こんばんは
拝みたいとは(笑)
喜んでいただけてこちらこそありがたや〜です。
丈長めのワンピとジーパンで完璧ですよ。
スカーフは日本でも使えますからね。
エジプトはかぶる必要ないですが日よけにもなりますしね。
街歩きの際に現地調達するのも○ですが、探すとなかなか無いもなので、日本から持っていったほうが無難ですね。
私は前回の訪問でとっても綺麗な朱色にエメラルドグリーンが入ったストールを買いました。
お洒落感覚で楽しんでください!
yuk-ina
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