2012/05/13 - 2012/05/13
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frau.himmelさん
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ヨーロッパ現代史の十字路。
これは今回私が参考にした本のサブタイトルです。
まさに歴史に興味のある人にとって、ベルリンはこの上なく面白いところ。
プロイセン王国、ナチスによる支配、世界冷戦に伴う東西ドイツ分割、壁崩壊とドイツ統一などなど。
何度訪れても、これで満足と思ったことはありません。
今回もやってまいりました。
○5月13日
朝起きると夫からメールが入っていました。
息子達からプレゼントが届いているそう。
ああ、そうだわ、今日は第二日曜日、母の日だったのね。
自由気ままな一人旅、曜日の感覚までずれて来たようです。
そして、今日はホテルを移動する日です。
最初は4泊の予定でホテル予約をしましたが、計画を詰めていくうちに足りなくなり、急遽2泊追加しました。
次のホテルは旧西側に位置する近代的なホテルです。
大きな荷物を引っ張って移動するさまは、全財産を抱えて次のねぐらを捜すホームレスのよう…。
あ、いけない!私疲れていますね。
-
ホテル玄関前。
4日前のチェックインの際、重たい荷物を持ってこの階段を登るのは至難の業でした。
いろんな資料も増えたせいもあるけど、悔しいけど齢には勝てない。
今日は別々に運べるように、スーツケースと手提げ袋の2つに荷物をふり分けました。
これで何とかなるかしら。 -
昨日調べておいた平坦な道を、大きなスーツケースにこれも大きな手提げをケースの取っ手に引っ掛けて歩く。
なんかお茶の水高架下を、全財産を引っ張って次のねぐらを捜し歩いているホームレスになった心境です。
いけない・いけない!
もっと楽しいことを考えよう。
かなり疲れている証拠ですね。 -
昨日のうちにエレベーターの場所も調べておきました。
地下鉄U2のゼーネフェルダープラッツ駅。
幸い次のホテルは同じ線の5駅先、シュピッテルマルク駅、
大きな荷物を持っての移動で、乗換えがないというのはとても嬉しい。
この駅のエレベーターの場所も調べておきました。 -
今回は近代的なヴェストウェステンホテル・アム・シュピッテルマルクト。
ツインの広い部屋。
貧乏旅行の私としてはちょっと贅沢。 -
洗面所はシャワーのみ。
貧乏旅行にはこれで十分。
ドイツってカラっとしているからそんなに汗もかきません。 -
荷物を部屋に置いて、早速市内観光開始。
あらあらかわいそうに。
植木鉢が灰皿代わりになっています。
ドイツの街中って押しなべて清潔って感じなので、こんなことも珍しい。
写真に撮っておこう。 -
今回の最寄駅、地下鉄U2のシュピッテルマルクト駅。
ここのホームの壁にも歴史的なタイル画で飾られています。 -
Gasthaus Hammelskopf 1888。
シュプレー川の上に建っていた1888年当時の「羊の頭」って名前のガストハウス(ホテル)らしいです。 -
「Koenigliche Muhlen 1888」。
この付近はミューレンダムの近く、
昔からシュプレー川を利用した海運業が盛んだった地区です。 -
1884年のシュプレー川の様子でしょうか。
いろいろ想像しながら絵を見ていると、電車の待ち時間なんて気になりません。 -
さて、私が降り立った駅は同じU2のシュタット・ミッテ駅。
ここは駅前のフリードリッヒ通り。
この近くの郵便局から日本に、荷物を送ってしまいたいと思ったのです。
重たくなった資料、もう着ない服・小物、お土産など。
いつもフランクフルトから送っていましたが、ベルリンから送れればこの先身軽に移動できます。
郵便局はこの近くにあるはずなんです。
通る人に聞きました。
「ポスト・オフィスは何処にありますか?」。
その初老の男性、しばらく考えて教えてくれました。 -
ここはロシア・ハウス。
言われたとおりの道を歩きます。
ところが探し当てたのは、小さな郵便ポスト。
私の言い方が悪かったのね(泣)。 -
このシュタットミッテ付近には、高級ブランドショップやデパートなどが軒を連ねています。
ここではしばらくぶりに日本人にあいました。
みんなお買い物に来ているのね。私には関係ないわね。
それより向こうに見えるドームを見つけて感激!
えぇー、ジャンダルメン・マルクトってこの近くだったのねー。
郵便局探しはあっさり諦めて、そちらの方に…。 -
ここには、ツアーで連れられて2,3度来たことがありました。
でも個人でここを訪れるのは初めてです。
『ジャンダルメン』とは、フランス語から由来した言葉で、武装した騎士のことだそう。
フリードリヒ・ヴィルヘルム王?世が建てさせた騎兵の厩舎があったところだとか。 -
ベルリンで一番美しい広場といわれているジャンダルメン・マルクト。
ツアーでは、さっさと写真を撮ったら、次に移動ー!ですもんね。
だからあんまり印象に残っていないのよねー。 -
双子のようにそっくりなフランスドムとドイツドムを従えて、真ん中に位置する重厚な建物は、コンツェルト・ハウス・ベルリン。
-
ドイツドム
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フランスドム。
フリードリヒ・ヴィルヘルム1世は、フランスで迫害されていたユグノー(新教徒)を大勢プロイセン国内に受け入れました。
これにより洗練されたフランス文化が流れ込み、この一角は市内で最も洗練された場所となりました。 -
コンツフェルトハウスに近づいてみましょう。
この建物は、これから度々名前が挙がるプロイセンの建築家、カール・フリードリヒ・シンケルによって、1818年〜21年に劇場として建てられました。
しかし大戦で破壊され、1984年に3つのホールを持つコンサートホールとして再建しました。
中央はシラーの像。 -
シラー像は、今でこそジャンダルメン広場の真ん中に堂々と立っていますが、
ヒトラーの独裁政権時代にはここから撤去されていたそうです。
シラーの思想がヒトラーに受け入れられなかったことと、彼もユダヤの血を引いていました。 -
屋根の上の馬車に引かれた女神像、ブランデンブルクの「カドリガ」によく似ています。
-
扉が開いていますので、入っていいんでしょうねー。
失礼します…。
中の写真も撮りたかったけど、そこまで図々しくなれなかった…。 -
上から広場の様子を眺めます。
まだちょっと朝が早いせいか、または天候がイマイチなせいか、人影はまばらです。
いつもだったら観光バスがずらっと並んでいるのでしょうけどね。 -
コンツェルト・ハウスの両脇で「ア・ウン」のように控えている像。
背後から失礼します。
右側は、ライオンに乗った天使。 -
左側はクマに乗った天使。
雨が降り始めたようです。
みんな傘を差して歩いています。 -
ドイツドーム
-
フランスドーム。
お天気が悪い中を自転車ツアーで廻っているご一行さま。
レインコートを着ての観光は楽しさ半減ですね。
お察しいたします。 -
とてもクラッシックな街灯。
「シンケルの街灯」です。
この広場にとてもマッチしています。 -
それに前を見ればクラッシカルな馬車が…。
なんだかプロイセン時代にタイムスリップした感じです。
アンペルマンショップがここにもあります。 -
この公園は「ハウスフォグタイプラッツ」。
ここを通り抜けて進むと…。 -
この付近の建物、とってもステキです。
-
更に歩を進めます。
大きなビルがありますが、人影が全くありません。 -
Auswoertiges Amt、外務省ですって。
あーそうか、今日は日曜日なのね。
ここ官庁街がひっそりしているのも頷けます。 -
ドイツ連邦共和国のワシの紋章。
ドイツは、神聖ローマ帝国の頃より国章にワシを使っています。
ナチスも鉤十字の上にワシでした。 -
ドイツ外務省の大きなビルの横を通り抜けると、なんだか見覚えのある建物が…。
-
フリードリヒスヴェルダー教会
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フリードリヒスヴェルダー教会の表札。
カール・フリードリヒ・シンケルにより建てられたベルリンで初めてのネオゴシック様式の教会。 -
現在はシンケル博物館となっています。
ところでさっきからシンケルの名前が度々出てきます。
カール・フリードリヒ・シンケル(1781-8141)。
18世紀ドイツの新古典主義建築を代表する建築家。
プロイセン王室の建築家として活躍し、多くの作品を残している。
ギリシャ建築に倣った作品が多い。(ウィキペディアより)。 -
メタルの立派な正面入口
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ファサードの飾り
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中に入ります。
入場無料。
彫刻がいろいろ並んでいます。
主に16〜19世紀後期の彫刻が展示してあるそうです。 -
-
この方が、先ほどからお名前が度々出ていた
カール・フリードリヒ・シンケルさん。 -
ゲーテの胸像も
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ギリシャ神話のヘルメスの像
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一番の人気彫像、「皇女ルイーゼとフリーデリケ」、
ヨハン・ゴットフリート・シャドウ作。
プロイセン皇太子妃ルイーゼとその妹フリーデリケの像です。
この像、どこかで見たことがあるような…。
あまり愛らしいので複製がいろいろ出ているのでしょうね。 -
美しいステンドグラス
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シンケルらしい繊細に装飾された階段部分。
2階にも展示があったようです。 -
鉄十字の紋章で飾られたお棺。
どなたの? -
横から見たヴェルダー教会
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大きなシンケルの絵が飾られた建物とシンケルの像
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シンケル広場だそうです。
一昨年訪れた時は、ここはまだ工事中でした。 -
改装なったシンケル広場。
モザイクの模様が床がきれいです。 -
シンケル・プラッツから、シュプレー川越しに見えたベルリンの街並み。
有名どころが勢揃いです。
大聖堂、フンボルトボックス、少し見える塔はマリエン教会、その隣は赤の市庁舎。 -
もう一度フィリードリヒス・ヴェルダー教会とシンケルの像に別れを告げて…。
-
その先にあるのが東ドイツ時代の国家評議会ビル。
1964年に建てられました。
ここはDDRの最高権力者たち(ウルブレヒト、ホーネッカー、エゴン・クレンツ)らが執務していました。
現在はESMT(European School of Management and Technology)という世界的に権威のあるビジネススクールが入っています。 -
ここはシュロス広場。
ここには1950年までシュロス(ベルリン城)がありました。
第二次大戦で甚大な被害は受けたものの、建物は修復可能な状態でした。
しかし東ドイツ政府は、ここを「プロイセン君主主義の遺物だ」という理由でいとも簡単に爆破してしまいました。
DDRは、目的の実現のためには歴史的な建造物を破壊することをためらわなかったのです。
その後、優雅な王宮とは似ても似つかない国家評議会ビルが建てられました。
でもご覧ください、無骨な建物には不釣合いな正面入口を。
王宮にあったバルコニーをここに移築したものだそうです。 -
王宮のバルコニーで、ドイツ共産主義の旗手であるカール・リープクネヒトが、1918年11月9日に「ドイツ社会主義共和国」を樹立すべく大勢の人民の前で演説をしたのだそうです。
プロイセンの遺物のベルリン城は破壊しても、DDRの先駆者が足跡を残したバルコニーだけは残しておこうと考えたのです。
今、この場所は、再びベルリン城を再建するための大掛かりな建築が進んでいます。
(2010年の写真より) -
もう一度引き返します。
この橋で写真を撮っている人がいたので私もマネをして。 -
橋げたに歴史が埋め込まれていました。
1688年当時のベルリンの街並み。 -
1774年、シュプレー川で水揚げをしている荷車クレーン?でしょうか。
ベルリンではいろんなところで歴史を感じることが出来ます。 -
大聖堂に繋がるシュロス橋。
これもシンケルの設計です。
ギリシャ神話の彫像の数々が橋を飾ります。 -
勝利の女神ニケが指し示している先は、ベルリン大聖堂。
-
シュロス橋前の広場では日曜マルクトが開かれていました。
-
昔の武器庫だった歴史博物館。
ここには後で入館します。 -
歴史博物館の道路向かいの建物は、ナチスの高官だったパウル・フォン・ハーゼ陸軍中将の執務室だった Kommandentenhaus(ベルリン地区司令館)。
彼は、ヒトラー暗殺未遂事件ワルキューレ計画で、フォン・シュタウフェンベルクらと共に逮捕され、プレッツェンゼーで処刑されました。 -
目の前をセグウェイでベルリン観光をしている人たち。
今回セグウェイを結構見ましたね。 -
ノイエヴァッヘ。
1816年にプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世が衛兵所としてつくったものです。
ここも建築家カール・フリードリッヒ・シンケルの設計なのです。
ドイツ再統一後はすべての「戦争と暴力支配の犠牲者」のための追悼の館となっています。 -
中には、彫刻家ケーテ・コルヴィッツの「ピエタ(死んだ息子を抱きかかえる母親)像」が1体だけぽつんと置いてあります。
-
なんだか雲行きが怪しくなってきました。
おなじみフンボルト大学前の古本市。 -
いつもは大学の門の中には入らないけど、今日は思い切って入ってみます。
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ヘルム・ホルツの像。
ベルリン大学物理学教授、ドイツを代表する物理学者 -
テオドール・モムゼン(Theodor Mommsen、1817ー 1903)
ドイツの歴史家、ノーベル文学賞を受賞。
古代ローマ史を専門とし、ローマ帝国史の編纂など -
マックス・プランクはドイツの物理学者。
1918年にノーベル物理学賞を受賞。 -
今を盛りのマロニエの花とフンボルト大学の正面を。
屋根の上にもいろんな彫像が。 -
フリードリヒ大王騎馬像
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大学前の路上土産物屋さん。
大きな絵葉書を売っています。 -
絵葉書にはベルリンの壁が付いたものもありました。
本物かしら? -
今にも雨が降ってきそうです。
早く歴史博物館に入りましょう。
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この旅行記へのコメント (2)
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- えあどまむさん 2013/02/28 20:10:14
- ノーベル賞
- himmelさん
ドイツらしからぬドイツを見つけ出すところまで、
ドイツ通のhimmelさんらしい♪
巣作りにタバコの吸い殻を使う鳥がいるそうです。
最近のNature誌に、巣に寄生するダニ避けのためで
あることが掲載されていました。やりますね〜
フンボルト大は、感染症分野で知らない人がいない
ロベルト・コッホ先生の旧在籍校ですね。
ノーベル賞だらけの大学。これまたやりますね〜
えあど
- frau.himmelさん からの返信 2013/03/01 23:48:45
- RE: ノーベル賞
- えあどまむさん こんばんは。
前回も確かベルリンでコメントをいただきましたね。
度々ありがとうございます。
ベルリンお好きですか?
植木鉢の吸殻がお目に止まったなんて…
あり得ないけど絵になる(笑)と思って撮った写真でした。
そうですか、鳥が巣作りに吸殻をねー。また一つお勉強いたしました。
それから、あの有名なロベルト・コッホもフンボルト大でしたか。
ゲッティンゲンを訪れた時、コッホの名前を目にしましたが、
フンボルト大にも在籍したのですね。
えあどまむさん、お詳しいですね。
実は、今回旅行記に載せたノーベル賞を受賞した方々も、
私はほとんど知らないのです。
構内の像をバシャバシャ撮ってきて、帰国してからどういう人なのか調べたものですが、結構これって面白いのです。
えーこの人がー、と思わぬ発見をすることもあり、病み付きになりそうです。
ありがとうございました。
himmel
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