2013/02/17 - 2013/02/17
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魅々さん
「八景」のおこりは中国にあります。
中国湖南省の瀟江(しょうこう)と湘江(しょうこう)と呼ばれる川が合流して洞庭湖に注ぐあたりは「瀟湘(しょうしょう)」という景勝地になっています。
11世紀に、その景勝地から八カ所を選んで「瀟湘(しょうしょう八景」として水墨画の画題としたことから「八景」が始まったといわれています。
「瀟湘八景」は次の八つからなっています。
1 瀟湘夜雨(しょうしょうやう):瀟湘の上にもの寂しく降る夜の雨の風景
2 平沙落雁(へいさらくがん):秋の雁が鍵になって干潟に舞い降りてくる風景
3 烟寺晩鐘(えんじばんしょう):夕霧に煙る遠くの寺より届く鐘の音を聞きながら迎える夜
4 山市晴嵐(さんしせいらん):山里が山霞に煙って見える風景
5 江天暮雪(こうてんぼせつ):日暮れの河の上に舞い降る雪の風景
6 漁村夕照(ぎょそんせきしょう):夕焼けに染まるうら寂しい漁村の風景
7 洞庭秋月(どうていしゅうげつ):洞庭湖の上にさえ渡る秋の月
8 遠浦帰帆(おんぽきはん):帆かけ舟が夕暮れどきに遠方より戻ってくる風景
図は13世紀後半の僧で、水墨画家として名高い牧谿(もっけい)筆の「漁村夕照図」(国宝・根津美術館蔵)です。
夕闇迫る漁村の風景が描きだされています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 新幹線 私鉄 徒歩
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図は2の「平沙落雁」です。
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図は3の「烟寺晩鐘」です。
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現在の「金沢八景」駅のあたりは、古くから六浦を中心とした景勝地でした。
瀟湘八景にあてはめ「八景」が詠われていました。
地名と結びつく大きな方向づけを与えたのは、1677年に来日した心越禅師といわれています。
心越禅師は金沢の風景を生まれ故郷杭州西湖の風景に重ねあわせ「能見堂」からの眺望によって八つの景を詠んだものが残されてます。
江戸時代には、安藤広重の浮世絵「金沢八景」で有名になりました。浮世絵には京極高門の和歌が刻まれています。
浮世絵に描かれた「金沢八景」の現在の場所は地図の通りです。
広重の浮世絵とこの和歌を紹介します。 -
1 小泉夜雨
「かぢまくらとまもる雨も袖かけてなみたふる江の昔をぞおもふ」
金沢文庫駅の南を流れる宮川上流から手子神社付近の夜の雨。昔は内海がこの辺りまで入り込み、海辺に松が生い茂っていました。 -
2 平潟落雁
「跡とむる真砂にもしの数そへてしほの干潟に落る雁かね」
平潟湾に雁が飛来する様子。平潟は、野島のふもとから洲崎にかけての地域をいい、潮干狩りで有名でした。
また、明治初期まで、塩田で塩を焼いていました -
3 称名晩鐘
「はるけしな山の名におふかね沢の霧よりもるゝいりあひのこえ」
称名寺の森から聞こえてくる鐘の音。北条実時が鋳造し、その子顕時が改鋳した称名寺の鐘は、国の重要文化財となっています。 -
4 洲崎晴嵐
「にきはへるすさきの里の朝けふはるゝあらしにたてる市人」
洲崎の松並木が風に揺れ、音をたてている様子。
江戸時代中頃まで、洲崎から瀬戸神社に通じる鎌倉街道は松並木でした。
もとは、「山市の晴嵐」といい、朝比奈付近をさしていました。 -
5 内川暮雪
「木陰なく松にむもれてくるゝともいざしらゆきのみなと江のそら」
内川橋、瀬ヶ崎方面そして遠く鷹取山から神武寺へ続く連山を取り入れた雪景色。
初めは釜利谷の辺りをさしていたとされます。 -
6 野島夕照
「夕日さす野嶋の浦にほすあみのめならふ里のあまの家々」
夕日に映える野島の漁村の景色。野島はもと陸つづきの島で、山頂からは遠く房総の地が望まれました。 -
7 瀬戸秋月
「よるなみの瀬戸の秋風小夜ふけて千里の沖にすめるつき影」
瀬戸橋付近から秋月を眺めた風景。手前に旅館東屋、後方に墨絵のような平潟湾と野島が望まれました。 -
8 乙舳帰帆
「沖つ舟ほのかにみしもとる梶のをともの浦にかへるゆふなみ」
乙舳海岸に漁を終えて帰ってくる帆かけ船の景色。金沢一帯の海岸線が、船の「とも」の形をしていることから「おっとも」と言うようになりました。 -
「近江八景」は日本の「八景選び」の元祖といわれています。
その成立は「金沢八景」よりも古く、明応9年(1500)8月13日に近江守護六角高頼の招待で、近江に滞在した公卿の近衛政家が近江八景の和歌八首を詠んだことが始まりだと言われています。
「近江八景」の現在の位置は図の通りです。
金沢八景と同じように、広重の浮世絵があり、近衛政家の和歌が刻まれています。
浮世絵とこの和歌を紹介します。 -
1 唐崎夜雨
「夜の雨に音をゆづりて夕風をよそにそだてる唐崎の松」
持統天皇の創建の唐崎神社の松です。浮世絵の松は2代目で、現在は3代目です。 -
2 堅田落雁
「峯あまた越えて越路にまづ近き堅田になびき落つる雁がね」
湖上の安全を祈願した恵心僧都が、千体仏を安置したのが、浮御堂の始まりといわれています。 -
3 三井晩鐘
「思うその暁ちぎるはじめとぞまづきく三井の入あひの声」
天台寺門宗の総本山・三井寺(みいでら)で、その梵鐘の美しい音色は今も変わらないといわれています。 -
4 粟津晴嵐
「雲はらふ嵐につれて百船も千船も浪の粟津に寄する」
現在の「なぎさ公園」の周辺です。園内には粟津晴嵐の風景を復元した松並木が並んでいます。
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5 比良暮雪
「雪ふるる比良の高嶺の夕暮れは花の盛りにすぐる春かな」
琵琶湖の西岸に連なる比良山系です。ロープウエイで登れます。 -
6 瀬田夕照
「露時雨もる山遠く過ぎきつつ夕日のわたる勢多の長橋」
「日本三名橋」の一つ「瀬田の唐橋」です。
古来、軍事上の要衝として歴史に登場しています。 -
7 石山秋月
「石山や鳰(にお)の海てる月かげは明石も須磨もほかならぬ哉(かな)」
西国三十三カ所第13番札所・石山寺です。
中秋の名月には境内のライトアップが行われます。 -
8 矢橋帰帆
「真帆ひきて八橋に帰る船は今打出の浜をあとの追風」
渡し船の港して矢橋は賑わいました。
現在は往時をしのばせる常夜灯が突堤に残っています。
近江(滋賀県)は、父母の生まれ故郷です。
父は「近江八景」の大フアンで、私は子供の頃から、聞かされて育ちました。
身近な「金沢八景」と八景の元祖「近江八景」を比較し、まとめてみました。
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