2013/01/26 - 2013/01/26
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ぺこにゃんさん
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毎年1月26日は「文化財防火デー」です。
文化財防火デーの制定は,昭和24年1月26日に現存する世界最古の木造建造物である法隆寺の金堂が炎上し,壁画が焼損したことを契機としています。
毎年この日を中心に,各都道府県教育委員会,各消防署,文化財所有者等の協力を得て,文化庁と消防庁が連携・協力して全国各地で防火訓練などの文化財防火運動を展開しています。
法隆寺では,毎年1月26日に金堂で法要を行い,その後防火訓練を行っています。
観光行事ではないので,単なる興味だけで写真を撮りに行くのはよくないのはわかっています。
でも,一度見ておきたかったので,見学させてもらいました。
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私の旅行記はほとんど京都でときどき奈良…ということで奈良へ行くのは久々です。
1月26日「文化財防火デー」に法隆寺で行われた防火訓練を見学に行ってきました。
文化財防火デーの制定は,昭和24年1月26日に現存する世界最古の木造建造物である法隆寺の金堂が炎上し,壁画が焼損したことを契機としています。
法隆寺ではこれに合わせ「金堂壁画焼損自粛法要」および自衛団による防火訓練が行われます。 -
JR法隆寺駅から歩いて15分ほどで,法隆寺参道の「松の馬場」と呼ばれる松並木に到着。
前回来たのは二年半ほど前のことです。
それほど時間が経っていないので,そのときの記憶がよみがえってきますね。
ちなみに前回の旅行記はこちら。
『世界遺産・法隆寺〜白銀比が造り出した飛鳥美〜』
http://4travel.jp/domestic/area/kinki/nara/ikoma/horyuji/travelogue/10500355/
かなり気合を入れて作ったので,よろしければご覧ください。 -
松の馬場を抜けると,目の前に南大門が姿を現します。
■南大門(室町時代,国宝)
法隆寺の玄関にあたる総門。
創建時のものは、永享7年(1435)に焼失し,永享10年(1438)に現在の門が再建されました。
入母屋造,本瓦葺,三間一戸の八脚門です。 -
それにしても良く晴れてくれました。
あとでわかりますが,この日は天気の良し悪しが大事なのです。 -
南大門をくぐって先へ…と,その前に。
南大門の階段の下にある石,これは鯛石と呼ばれ,法隆寺七不思議の一つに挙げられいます。
どんなに大雨が降ってもこの石の位置よりも水位が上がらないということから,魚(水)はここまでまでしか来ないという意味が込められています。 -
南大門をくぐると,法隆寺のシンボルである五重塔が目に入ってきます。
ちなみに写真手前に写っているのは,この日の防火訓練を取材に来ていたテレビ局のカメラマンです。 -
中門脇にある世界文化遺産の碑。
1993年に日本で最初の世界遺産に登録されました。 -
■中門(飛鳥時代,国宝)
西院伽藍の本来の入口となる門です。
深い軒やその下の組面や勾欄,それらを支えるエンタシスの柱など,飛鳥建築の粋を集めた荘重な建築です。 -
中門の両端にある金剛力士像(奈良時代,重文)は日本に残っている最古のものです。
右の阿形像は創建当時の塑像ですが,左の吽形像は顔以外は木造りになっています。 -
こちらが吽形像です。
ふと気づいたのですが,金網も何もしていないのですね。
近づけないように柵があるので,問題がないといえばそれまでなんですけど…
無防備に思えて仕方がない。誰もが善人ではないですよ。 -
中門の柵の影。
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中門には銅鑼がかかっています。
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中門前の東西に伸びる長い参道。
その西側,西大門の前に消防車がすでにスタンバイしていました。
写真は変な構図で撮っていますが,写真下部に写っている竹で囲んで注連縄を張った一画が法隆寺七不思議のひとつなのです。
「地下の伏蔵(ふくぞう)」の入口を塞いだもので、地下に莫大な財宝が隠され,法隆寺存続にかかわる有事の際にのみ開けられるといわれています。
ちなみにこの伏蔵は他にも「金堂内陣」の地下と「経蔵」の地下にもあります。 -
消防車に近づいてパチリと撮影。
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自衛団の方々です。
背中には「斑鳩」の文字。 -
時間もあったので,伽藍を見学することに。
法隆寺は五重塔・金堂を中心とする西院伽藍と,夢殿を中心とした東院伽藍に分けられています。
これら両伽藍と寺宝を納めた大宝蔵院の3ヶ所を拝観できます(共通券1000円)。 -
法隆寺は七堂伽藍すべてが国宝指定です。
その中でもやはり注目すべきなのは天高く聳え立つ五重塔でしょう。
■五重塔(飛鳥時代,国宝)
高さは基壇上より約31.5メートルあり,わが国最古の五重塔として知られています
釈迦の遺骨を奉安するためのものであり,仏教寺院において最も重要な建物とされています。
最下層の内陣には,奈良時代始めに作られた塑像群があります。
屋根が6つ見えますが,初層にのみ裳階(もこし)があるからです。 -
五重塔は上層に行くほど屋根の大きさが小さくなっており,最上層と最下層の比は1:√2(=5:7)となっています。
この比を白銀比,または大和比といい,日本古来から伝わる美しく見える比率です。 -
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五重塔最上部にある相輪。
よ〜くみると,相輪の露盤に徳川家の家紋「三つ葉葵」が見えます。
さらにその少し上に鎌があるのがわかるでしょうか。
法隆寺七不思議のひとつ「相輪に4本の鎌」で,この鎌が上向きに見えたらその年は米が豊作で,下向きに見えれば凶作であるともいわれています。 -
1階の裳階の上に邪鬼が座って1階の屋根を支えています。
これも五重塔を見るときには探してもらいたいですね。
四隅にいますが,すべて表情が違います。 -
続いて五重塔の東側に建つ金堂です。
文化財防火デー設立は,この金堂の火災がきっかけです。
この日,10時から「金堂壁画焼損自粛法要」が営まれました(見学可能です)。
■金堂(飛鳥時代,国宝)
金堂は現存する世界最古の木造建造物です。
中央に「釈迦三尊像(飛鳥時代)」,左右には「薬師如来座像(飛鳥時代)」と
「阿弥陀如来座像{鎌倉時代)が安置されています。
須弥壇の四隅には,樟で造られたわが国最古の四天王像(白鳳時代)が邪鬼を踏みつけて立っています。 -
金堂の支柱には龍が巻きついています。
こちらは昇り龍。 -
同じく下り龍。
最古の建物にこういった意匠があるのは不思議に思えますが,これは元禄の大修理で後から付け足されたものです。 -
五重塔では邪鬼が屋根を支えていましたが,金堂では獅子が支えています。
龍も獅子も四隅にいますので,よく探してみましょう。 -
伽藍の中心線,中門から真っ直ぐ北にいったところにあるのが大講堂です。
■大講堂(平安時代,国宝)
このお堂は仏教の学問を研鑽したり,法要を行う施設として建立されました。
鐘楼とともに延長3年(925)に落雷によって焼失。正暦元年(990)には再建され,ご本尊の薬師三尊像及び四天王像もその時に作られています。 -
私が前回訪れたときは修復工事中で覆いが被されていたので,初対面ということになります。
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天気は良かったものの,とても寒い一日でした。
時折吹き付ける風は,幕がめくりあげるほど強いものでした。 -
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大講堂前にある一基の燈籠。
この燈籠にも徳川家の三つ葉葵があります。
相輪の露盤にもありましたね。
また,三つ葉葵の隣にある紋は,徳川五代将軍綱吉の母・桂昌院の実家の本庄家の家紋「九目結紋」です。 -
銘文の最後には次のように書かれています。
『元禄七年甲戌十一月嘉辰 母儀桂昌院本庄氏』
元禄の大修理の際の徳川方の多額の寄付がありました。
なので,法隆寺境内で見られる三つ葉葵などの徳川家に関連するものはその見返りの証ということになります。
法隆寺と徳川家の意外(?)なつながりですね。 -
イチオシ
燈籠前から五重塔,金堂,中門を見返します。
逆光を利用して,シルエットにしてみました。 -
こちらは伽藍西側,回廊と経蔵です。
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■経蔵(奈良時代,国宝)
経蔵は経典を納める施設として建立されました。
現在は天文や地理学を日本に伝えたという百済の学僧,観勒僧正像を安置しています。
七不思議のひとつ,伏蔵はこの経蔵の地下にもあるそうです。 -
経蔵付近から五重塔,金堂を眺めます。
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■回廊(奈良時代,国宝)
回廊は東側の鐘楼,中央の大講堂,西側の経蔵につながり,西院伽藍を形造っています。
法隆寺の七不思議のひとつに「蜘蛛が巣を張らない」というのがあります。
本当かどうか回廊の天井を探してみるのも良いかと。 -
続いて伽藍北東,鐘楼です。
■鐘楼(平安時代,国宝)
大講堂の右手にあるのが鐘楼です。
鐘楼は925年に大講堂とともに落雷により焼失し,現在の鐘楼は経蔵の様式にならって再建されたものです。
この鐘楼の中には白鳳時代の梵鐘が吊るされています。 -
ここで豆知識。
法隆寺にいると時折鐘の音が聞こえてきます。
8時・10時・12時・2時・4時にその数だけ撞かれています。
それはこの鐘ではなく,西院伽藍の西にある西円堂の脇にある鐘の音です。
また正岡子規の有名な句「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」の鐘もこの鐘ではないです。 -
鐘楼前から眺めた五重塔。
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中門に戻ってきました。
法隆寺といえば,中央部が膨らんだエンタシスの柱も有名です。 -
中門から南大門を眺めます。
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中門を吹き抜ける風は強くて,何よりも冷たいです。
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タイミングを計って,金剛力士像(吽形)の横顔を激写。
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中門横の回廊にて。
連子窓から光が差し込みます。 -
西院伽藍の見学はこれで終了です。
人が写らないように上手く撮っていますが,実際は団体さん,しかもアジア系の外国人がぞろぞろとやってきていました。 -
防火訓練が始まるまで少し周囲を散策。
鏡池の西側に石碑が建っています。
この石碑には,正岡子規が詠んだ有名な句が刻まれています。
『法隆寺の茶店に憩ひて 柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 子規』
「法隆寺の茶店に憩ひて」となっていますが,実際は東大寺裏の宿で食べた柿と斑鳩の風景を結びつけた作とも言われています。 -
西院伽藍の東側に聖徳太子像を祀る聖霊院(鎌倉時代,国宝)と東室があります。
■東室(奈良時代,国宝)
僧坊で,法隆寺に住む僧が生活していた建物です。
東側(右側)には,同じく僧房である小子房の妻室があります。 -
奥にぽつんと置かれている石も何らかの云われがあるのだろうなと思って眺めていたら,縁側に何やら茶色の物体が…
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最大望遠&トリミングでチェックしてみると…ネコですね。
法隆寺でネコは飼っていないだろうから,勝手に住み着いているだけだと思いますけど,気持ちよさそうに寝ていました。 -
高床式の綱封蔵(奈良時代,国宝)の先に大宝蔵院があります。
大急ぎでパパッと見てこようかなと思ったのですが,周りが騒がしくなってきました。
どうやら防火訓練が始まるようです。 -
時間は11時前ぐらい。
金堂での法要が終了してから,防火訓練が始まります。
場所は伽藍の南東の鏡池周辺です。 -
サイレンとともに消防車が所定の位置へと移動。
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池でくつろいでいた三毛猫ちゃんもサイレンの音に驚き,あわてて避難。
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あくまでも訓練ですので,アナウンス等はありません。
手早く放水準備にかかります。 -
池の水を汲み上げるためにホースを池に差し込み…
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放水開始!
高々と水が噴き上げられます。 -
吹き上げられた水は水煙となり,太陽の光が当たって虹を作り出します。
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天気の良し悪しが重要と書きましたが,見学する側にとっては綺麗に虹がかかると嬉しいものです。
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イチオシ
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五重塔と金堂をバックに入れてみました。
木の枝が邪魔ですけど,水を浴びたくなかったので仕方ないのです。
よ〜くみると,虹が二重にできています。 -
トリミングしてみました。
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何やら水しぶきの音が大きくなってきたと思ったら…
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頭上から水が降りかかってきました!
綺麗な水じゃないのに〜 -
うまく避けきれず,レンズが濡れてしまいました。
そして放水も終了です。
放水時間は1〜2分程度です。 -
風で流された水が多少残っており,こんな場所にも虹ができていました。
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池の周囲は土砂降りの雨が降ったかのようなぬかるみができていました。
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こんなに晴れているのに,ここだけ水たまり。
撤収後,防火訓練が行われたことを知らずに来た人は不思議に思ったのでは? -
防火訓練が終わったあと,せっかく参拝券を買ったので夢殿を見に行くことに。
中門前の参道を東へと歩いていきます。
このあたりに植えられているのは桜の木ですね。
奈良にも桜を見に行きたいと思っているのですけど,気がつくといつも京都へ行ってしまっています… -
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東大門をくぐると,特徴的な夢殿の屋根が見えてきます。
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土塀を支える丸太。
奈良には京都にはない古めかしさがありますね。
雰囲気が全然違います。 -
斑鳩宮跡に,聖徳太子の遺徳を偲んで建てられた伽藍が上宮王院(東院伽藍)です。
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手水舎は鳥ですね…
何だろう?朱雀とか? -
東院伽藍に中央に位置するのが夢殿です。
■夢殿
夢殿は東院伽藍の金堂で,八角円堂の屋根の上には舎利塔を載せています。
その名前は聖徳太子が夢の中で仏に出会ったという伝説から付けられたとも言われています。
ちなみに夢殿は旧一万円札(聖徳太子)の透かしに使われていました。
正直記憶にないです… -
礼堂をバックに枝垂桜。
満開の桜をイメージして。 -
桜の季節が待ち遠しいなぁ。
特にこんな寒い日には春が恋しくなります。 -
そうそう,夢殿に七不思議のひとつがあります。
夢殿の救世観音像の前に礼盤(らいばん)と呼ぶお坊さんが座る台があり,いつも湿気がたまり汗をかいている状態だと伝えられています。
毎年2月に,天日でこの湿気を乾燥させ,その乾き具合で農作物のでき具合を占ったといいます。 -
残りの二つは以下のとおり
・因可池(よるかのいけ)の蛙には片目がない
聖徳太子が学問をしていたところ,池の蛙の鳴き声がうるさいので,筆の先で片目をついたところ,池の蛙のすべてが片目になったといわれています
・雨だれの穴が地面にあかない
雨だれが落ちる部分に大き目の石を敷き詰めているので,あかないでしょうね… -
七不思議をまとめると以下のようになります。
(1)南大門の前の鯛石
(2)法隆寺の伽藍には蜘蛛が巣を作らない。
(3)五重塔の四本の鎌
(4)伏蔵
(5)夢殿の礼盤の裏が汗をかいている
(6)因可池(よるかのいけ)の蛙には片目がない
(7)雨だれの穴が地面にあかない -
東院伽藍の北西,中宮寺に向かうところに東院鐘楼があります。
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■東院鐘楼(鎌倉時代,国宝)
この鐘楼は袴腰と呼ばれる形式の建物です。
内部には「中宮寺」と陰刻された奈良時代の梵鐘が吊されています。 -
時間がなかったので,結局大宝蔵院には行けずにここで終了。
冬は乾燥しているので,文化財にかかわらず,火の元には注意をしないと。
皆様もお気をつけて…
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この旅行記へのコメント (2)
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- こあひるさん 2013/01/27 11:32:28
- 虹がきれい〜!
- ぺこにゃんさん、こんにちは。
ただの放水訓練も、こうしてみると、とっても画になりますね。そして、偶然の虹・・・すごいきれいです。
空にできる虹は見たことがありますけれど、こうして人工的なことで作りだされた近い距離の大〜きな虹・・ってあまり見たことがありません。
迫力の放水風景もいいですね。
こあひる
- ぺこにゃんさん からの返信 2013/01/28 22:30:56
- RE: 虹がきれい〜!
- こあひるさん,こんばんは。
旅行記を見ていただき,ありがとうございます。
> ただの放水訓練も、こうしてみると、とっても画になりますね。そして、偶然の虹・・・すごいきれいです。
関西では毎年ニュースになる行事です。
規模としては,それほど大きくありませんが,いつもと違う世界遺産の光景が見られるということで狙っていました。
> 空にできる虹は見たことがありますけれど、こうして人工的なことで作りだされた近い距離の大〜きな虹・・ってあまり見たことがありません。
>
> 迫力の放水風景もいいですね。
虹の撮影はポジショニングが大事でした。
太陽を背にする必要があったのですが,そのためには水のかかる位置に陣取らなければならない…
始まる直前まで,どうしようか悩んでいました。
多少濡れましたけど,上出来だったのではないでしょうか。
ぺこにゃん
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