2012/09/25 - 2012/09/25
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ソフィさん
2012年9月25日(火)
「界・松本」のレセプションホールは、ちょっとした体育館ほどの広さで、丸いドームの高さは、10メートルを超えると思われるスケールの大きさだった。。
通されたホールの片隅のソファに腰掛けていると、実に静かだ。
耳を澄ますと、かすかに小鳥のさえずりが聞こえてくる。
これは、深山の静けさを演出するBGMのようだ。
若い女性の接客サービスは、爽やかでフレンドリーであり、気持がいい。
スマートな制服はシックで、動作が軽やかに見える。
このような接客は、頭を深々と下げる従来のマナーに比べ、私には気持がいい。
チェックインの3時までの時間、明日の行程を決めるべくJRの時刻表を借りようとしたが、置いてなかった。
恐らく最近見る機会がすくなくて、必要がないからだろう。
昨年スイスのジュネーヴ空港でドライブ用ルートマップが買えなかったのと同様、世の中の変化を体感。私にとってはショックだった。
代わりにインターネットで調べようとしたが、パソコンは従業員以外扱えないとのこと。
列車時刻の調べ方を教え、結果をプリントアウトしてもらう。
夕方街を歩いた。
都市郊外の鄙びた、高原に繋がる温泉。
洗練され、街の活性を映しながらも、田園の趣きをも残し、アルプスの連山も遠望される。
ふと見た道標に、「美ヶ原」の文字も見つける。
若かったころ何回か訪ねた懐かしい地名だ。
街角に、伊藤左千夫の歌碑を見つけ、彼がこの地に滞在して感じた心を偲び、しばし旅情に浸る。
立派なスタンド付きの野球場を見つける。
50年前、フィンランドの地方都市ヴァルケアコスキーで見た、スタンド・照明付きのサッカー場を思い出す。
当時の日本では、照明やスタンドのついた競技場は、ほとんど無いに等しかったので、この国の豊かさに驚いたものだった。
この街を案内してくれたのは、シャーリー・テンプルそっくり、18歳のアンナちゃんだった。
スウェーデンの首都ストックホルムから、フィンランドのトゥルク行きの夜行フェリーで隣席だった彼女は、身体いっぱいに笑みを溢れさせ、一晩話しが尽きなかった。
彼女は2カ月ほど親元を離れての、人生修行の帰りとのこと。
自らのキャリアを高めるためにスウェーデン語を学ぶべく、はるばる海を渡って、ひと夏の休暇をスウェーデンの家庭で子守のアルバイトをしながら、過ごした。
見知らぬ国の見知らぬ家庭に入り、生まれて初めてのご奉公は、彼女にとってさぞ苦労だったろう。
その難行を乗り越えて充実した達成感が、眩しいほど輝いていた。
生まれて初めて接する日本人の私に、憧れにも似た強い好奇心を持ったのだろう。
世界無敵のバルチック艦隊を完全に葬った日本と言う国は、フィンランド人にとって神様のような存在なのだろう。
「君の家を訪ねてもいいかい?」と声をかけたところ、二つ返事で「アァ是非ネ!」と、答えが返って来た。
別れて二三日後、湖をグルグル辿る退屈な船旅の末、遥か彼方の埠頭で手を振って迎えたくれた彼女の嬉しそうな顔を、夕暮れの松本を歩きながら、いま思いだしている。
(2012.11.09)
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