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治承4年(1180)平家に反旗を翻した源頼朝が石橋山合戦で敗退した後房総に逃れ、当地て兵力を増強し下総から武蔵にわたる時点では2万7千の勢力となって、いよいよ鎌倉に向けて進軍するコースは現在の東京都北区王子に当たる滝野川城(たきのかわじょう、東京都北区滝野川)を訪問しました。<br />                                 <br />頼朝は武蔵に渡る際に武蔵の豪族に参陣するよう呼びかけ、豊島氏・葛西氏が先に出迎え、次に影響力を持つ江戸氏が一族の畠山氏・河越氏と共に参向しこれを機に武蔵の武士達はなだれるように頼朝の軍に加わり主従の関係を結びます。<br /><br />こうして隅田川を渡り武蔵国の国衙である府中に入り、事実上武蔵国を押え更に行軍してついに相模国鎌倉に到着し幕府創設を迎えます<br /><br />滝野川城は現在の金剛寺付近にあったとされ、隅田川流域一帯を領有していた豊島氏の一族である滝野川氏が築城したと考えられ、隅田川を渡った将兵達がこの滝野川にて休息を取り翌日の武蔵府中への行軍に備えたのではないかと伝えられています。<br /><br />尚、戦国時代では文明9年(1477)隅田川流域の水利権を巡って下流の江戸城を治める扇谷上杉氏との争いが起こり滝野川氏は豊島氏とともに家宰の太田道灌に敗れ滝野川氏は滅亡、豊島氏も本拠豊島城並びに逃亡先の小机城(武蔵南部)でも道灌の追悼を受け敗退を余儀なくされます。<br /><br />自分が訪問した金剛寺は当時の城砦としての遺跡はありませんでしたが、当寺は石神井川の急涯に隣接しているので防御に最適の地勢であったと思います。<br /><br /><br /><br />2023年6月28日追記<br /><br />金剛寺山門の傍に立っている説明板に下記の通り記述されています。<br /><br />「 源頼朝の布陣伝承地<br />            滝野川3-88-17  金剛寺境内<br /><br />治承4年(1180)8月、源義朝三男頼朝は、配流先の伊豆国で兵を挙げました。初戦で勝利するも石橋山の合戦で敗れ安房国に逃れ、そこから上総国・下総国の諸将を味方につけ、隅田川を渡ります。滝野川・板橋宿を経て、府中六所明神へ向かい、さらにそこから鎌倉を目指します。そして鎌倉の大倉に本陣を築いた頼朝は、のちに鎌倉幕府の初代将軍として、その場所に政権を樹立することになるのです。<br /><br />この途次の10月、源頼朝は軍勢を率いて滝野川の松橋に陣をとったといわれています。松橋とは、当時の金剛寺の寺域を中心とする地名で、ここから見る滝野川の流域は、両岸に岩が切り立って、松林や楓があり、深山幽谷の趣をもっていました。弁財天を信仰した頼朝は、崖下の洞窟の中に祀られていた弘法大師作と伝えられる弁財天に祈願して、金剛寺の寺域に弁天堂を建立し、田地を寄進したと伝えられています。<br /><br />この地域は、弁財天の滝や紅葉の名所として知られていました。現在、金剛寺が紅葉寺とも呼ばれるところに、この頃の名残がみられます。<br /><br />        平成元年     東京都北区教育委員会 」<br /><br /><br />

武蔵王子 平氏に反旗を翻したものの石橋山にて敗れ、南総で勢力増強した源頼朝が鎌倉進軍の途中に布陣地とした『滝野川城』散歩

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2012/05/09 - 2012/05/09

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滝山氏照

滝山氏照さん

治承4年(1180)平家に反旗を翻した源頼朝が石橋山合戦で敗退した後房総に逃れ、当地て兵力を増強し下総から武蔵にわたる時点では2万7千の勢力となって、いよいよ鎌倉に向けて進軍するコースは現在の東京都北区王子に当たる滝野川城(たきのかわじょう、東京都北区滝野川)を訪問しました。
                                 
頼朝は武蔵に渡る際に武蔵の豪族に参陣するよう呼びかけ、豊島氏・葛西氏が先に出迎え、次に影響力を持つ江戸氏が一族の畠山氏・河越氏と共に参向しこれを機に武蔵の武士達はなだれるように頼朝の軍に加わり主従の関係を結びます。

こうして隅田川を渡り武蔵国の国衙である府中に入り、事実上武蔵国を押え更に行軍してついに相模国鎌倉に到着し幕府創設を迎えます

滝野川城は現在の金剛寺付近にあったとされ、隅田川流域一帯を領有していた豊島氏の一族である滝野川氏が築城したと考えられ、隅田川を渡った将兵達がこの滝野川にて休息を取り翌日の武蔵府中への行軍に備えたのではないかと伝えられています。

尚、戦国時代では文明9年(1477)隅田川流域の水利権を巡って下流の江戸城を治める扇谷上杉氏との争いが起こり滝野川氏は豊島氏とともに家宰の太田道灌に敗れ滝野川氏は滅亡、豊島氏も本拠豊島城並びに逃亡先の小机城(武蔵南部)でも道灌の追悼を受け敗退を余儀なくされます。

自分が訪問した金剛寺は当時の城砦としての遺跡はありませんでしたが、当寺は石神井川の急涯に隣接しているので防御に最適の地勢であったと思います。



2023年6月28日追記

金剛寺山門の傍に立っている説明板に下記の通り記述されています。

「 源頼朝の布陣伝承地
            滝野川3-88-17  金剛寺境内

治承4年(1180)8月、源義朝三男頼朝は、配流先の伊豆国で兵を挙げました。初戦で勝利するも石橋山の合戦で敗れ安房国に逃れ、そこから上総国・下総国の諸将を味方につけ、隅田川を渡ります。滝野川・板橋宿を経て、府中六所明神へ向かい、さらにそこから鎌倉を目指します。そして鎌倉の大倉に本陣を築いた頼朝は、のちに鎌倉幕府の初代将軍として、その場所に政権を樹立することになるのです。

この途次の10月、源頼朝は軍勢を率いて滝野川の松橋に陣をとったといわれています。松橋とは、当時の金剛寺の寺域を中心とする地名で、ここから見る滝野川の流域は、両岸に岩が切り立って、松林や楓があり、深山幽谷の趣をもっていました。弁財天を信仰した頼朝は、崖下の洞窟の中に祀られていた弘法大師作と伝えられる弁財天に祈願して、金剛寺の寺域に弁天堂を建立し、田地を寄進したと伝えられています。

この地域は、弁財天の滝や紅葉の名所として知られていました。現在、金剛寺が紅葉寺とも呼ばれるところに、この頃の名残がみられます。

        平成元年     東京都北区教育委員会 」


交通手段
JRローカル 徒歩
  • 石神井川遊歩道<br /><br />周辺の景色を考慮した建物(洗面所)が自然の中に溶け込んでいます。

    石神井川遊歩道

    周辺の景色を考慮した建物(洗面所)が自然の中に溶け込んでいます。

  • 音無親水公園<br /><br />陸橋の下には自然石を配置した小さな公園があります。

    音無親水公園

    陸橋の下には自然石を配置した小さな公園があります。

  • 全国100選公園プレート<br /><br />当公園は全国の都市公園100選に選ばれています。東京都では当公園のほか昭和記念公園、日比谷公園、上野公園、水元公園、代々木公園が選ばれています。<br /><br />

    全国100選公園プレート

    当公園は全国の都市公園100選に選ばれています。東京都では当公園のほか昭和記念公園、日比谷公園、上野公園、水元公園、代々木公園が選ばれています。

  • 石神井川周辺風景<br /><br />石神井川はコンクリートで護岸化された殺風景な川となっています。かつては景勝地であったと思わせます。

    石神井川周辺風景

    石神井川はコンクリートで護岸化された殺風景な川となっています。かつては景勝地であったと思わせます。

  • 石神井川周辺風景

    石神井川周辺風景

  • 金剛寺遠景<br /><br />JR京浜東北線王子駅から石神井川に沿って約10分、橋を渡りますと金剛地が確認できます。

    金剛寺遠景

    JR京浜東北線王子駅から石神井川に沿って約10分、橋を渡りますと金剛地が確認できます。

  • 金剛寺山門<br /><br />山門脇には当該寺の説明板が設置されています。<br /><br /><br /><br /><br /><br />

    イチオシ

    金剛寺山門

    山門脇には当該寺の説明板が設置されています。





  • 金剛寺石碑<br /><br />

    金剛寺石碑

  • 山門扁額<br /><br />「瀧河山」と山号が記載されています。滝野川城を推測させるような文言といえます。現在は殆ど「川」になっていますが昔は「河」を頻繁に使用していました。<br />

    山門扁額

    「瀧河山」と山号が記載されています。滝野川城を推測させるような文言といえます。現在は殆ど「川」になっていますが昔は「河」を頻繁に使用していました。

  • 金剛寺本堂

    金剛寺本堂

  • 本堂扁額<br /><br />「金剛寺」の寺号が刻されています。

    本堂扁額

    「金剛寺」の寺号が刻されています。

  • 境内<br /><br />本堂から山門方向を一望します。

    境内

    本堂から山門方向を一望します。

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