2012/08/15 - 2012/08/24
276位(同エリア399件中)
CHUNさん
ポーランドに行くのなら、アウシュビッツを訪問すべきと思ってました。最近、TVでもよく取り上げられており、アウシュビッツ博物館で唯一の日本人ガイドの中谷さんに連絡をとり、ガイド予約をお願いして訪問しました。
それぞれ集まったのは20人程で、イヤホンを借りて、3時間のツアーが静かに始まりました。きっと涙が出るのだと覚悟しておりましたが、説明を聞いていてきわめてニュートラルに扱っているのにとても感動しました。
この国立博物館は収容所から生還したユダヤ人の方々の意志を反映し負の遺産を忘れぬよう保存されています。そしてガイド方針が明確に決まっており、個人的な思いを排除し、淡々と事実を伝えて訪問者に考えてもらうというスタイルで、とてもすばらしいと感じました。
世界恐慌と帝国主義闘争の時代背景、第一次大戦の賠償に苦しむドイツの状況、没落したハプスブルグ家オーストリアたちにとって希望の政治家ヒトラーの登場、戦時下でも商魂たくましく裕福なユダヤ人社会の様子、カトリックで博愛のポーランドがユダヤ人を匿うなど、歴史の生んだ負の遺産に至った経緯を偏りなく丁寧に説明してくれました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 鉄道 レンタカー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- フィンランド航空 LOTポーランド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
「働けば自由になれる」という有名な門、「死ぬまで働かされ、死んで楽になる」という皮肉でしょうか。Bの1文字が逆さになっているのはこの門を作らされた収容者の微かな抵抗ともいわれています。この門も一度盗まれたが戻ってきたそうです。
博物館入り口には歴代の各国首脳が代わる代わる追悼訪問をしている写真パネルが並ぶ。ロシアの大統領は必ず雪の降る冬に来るらしい。1945年1月にロシア軍がアウシュビッツを解放したことを宣伝するためでしょうか。
ドイツと密約でポーランドを折半しようとしていたのも事の始まりのように思えるのですが。 -
当時としては発電機などドイツの最新技術を導入して建てられた、「新天地」の謳い文句通りのピカピカの収容所。赤十字が悪評を聞き視察に来たが、何も言わずに帰ったそうです。
-
収容所建設の頃、植樹した木々が15m位まで成長している。低い木は近年植樹されたもの。かなりの年月が流れているのを感じる。
-
毒ガスチクロンBの缶。シャワー室に誘導し、上からガスを投入して大量に殺戮を繰り返しました。ナチスの兵隊は缶を渡すところまで、投入は収容者の中の監督者グループにやらせている。20分程度で息が止まるが、それまで苦しい中を少しでも清い空気を求めて、人に登って上に上に行こうとする。壁には爪でもがいたあとも残る。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のようなまさに地獄絵です。
他にも90cm四方の床に煙突のような構造の立ち牢などがあり、4人を同時に詰め込み立ったまま死ぬまで放置される。 -
「新天地」へ移住するといわれ、持ち物は1つと制限され、住所と名前を書いた鞄ひとつで送られてきても、預かったまま返すことはない。中身はすべて没収となる。金目のものはもちろん、めがねや金歯までナチスの財源に変わっていく。隣りには、20mもあるガラスケースに何十万人分ものカツラのような髪の毛が残されていました。毛布やマットレスなど工業製品の材料になっていくそうです。
-
収容所にはユダヤ人だけでなく、ポーランドの政治犯、ソ連軍の捕虜、ロマ(ジプシー)、エホバの証人、同性愛者、知的障害者、犯罪者なども一方的に連行されました。選挙で選ばれたナチス党が、多数決をもって合法的に制度を作り、ゲルマン民族の優性を謳い、イエスを見殺しにした罪を子孫が負うと聖書でも宣言したユダヤ人たちを、末裔の世代においても裏切りで足元をすくわれないように徹底的に排除してゲルマン民族のパラダイスをつくる。優性保護、劣性排除という方針のもとで勝ち残り組を10%に絞るよう虐殺が日々繰り返されました。手を下すのは同じく強制収容された仲間です。帝国植民地主義の手法で一部の奴隷を使って残りの奴隷を管理させるのだそうです。
-
「死の壁」。銃殺のためのコンクリート壁。反乱分子を公開銃殺処刑する場所です。
-
監視棟に近づかないよう警告板がある。高圧電流に自ら触れて死ぬのが楽だったか、いつ来るかわからない日をどう生きながらえるのか、一分一秒の生への闘いが押し寄せる。
-
映画によく出てくる雰囲気。
-
絞首刑台。収容所長は、毎日の大量殺戮を効率よくこなすことに専心し、勤務が終わると心を切り替え、収容所のすぐ隣りに美しいガーデニングの私邸を構え家族3人で平和な家庭を営む。そして最後にはここで吊るされた。所長の言い分はベルリンの指令に従っていただけ、ベルリン本部の言い分は収容所内のことは任せており関知せず、責任のなすりつけはいつの時代もどこでも同じか。
-
今のヨーロッパでは歴史を正当に振り返り、一方的にナチスの蛮行ということで蓋をしてしまうのではなく、その現場で沈黙して傍観してしまった自分たち、隣人たちにも罪があったのではないかを考える時代に入っているそうです。人種差別発言で多くのスポーツ選手や有名人が非難排除されているのもこうした流れの中にあり、非常に敏感な状態になっているとのことです。
-
ビルケナウの光景、こんなに広くても収容棟が不足していく。
-
ビルケナウ収容所の監視棟。列車で運ばれてきて監視棟の入り口をとおり、この分岐点の降車場で分別される。右は健常な男性たち、左は女性と子供、病弱な人で死へ直行となる。
-
貨物車にすし詰めで暑い日も寒い日も収容者が送られてくる。
-
毎日あまりに大勢の人が運ばれてくるため、収容棟の数が追いつかない。大量の死体を処理する穴も追いつかない。冬に排水溝を掘る作業は、凍土でシャベルが効かず、最も過酷な労役であったとのこと。
-
ビルケナウの収容棟にあるベッド。冬は寒さが堪えたであろう。落書きもあり、こんな状況で何かを書きたくなるのも人間だからだそうな。
-
レールの終点は死の入り口。犠牲者の冥福を祈ると共に、平和な世界を誓います。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
CHUNさんの関連旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
アウシュビッツ(ポーランド) の人気ホテル
ポーランドで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
ポーランド最安
478円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
0
17