チャオプラヤー川をまたいで (1)　タイ刺繍展を見に行く　＊ バンコク紀行(82) ＊

2012/10/01 - 2012/10/01

チャオプラヤー川のこっちとあっち、今と昔を1日でたっぷり楽しんできました。

まずは川のこっち側の昔、民主記念塔近くのクイーンズ･ギャラリーで開催中のタイ伝統工芸である刺繍展"Exhition of Suport Fundation's Hand Embroidery"です。
まるで油絵のような精緻さに息を飲みました。

11月13日まで開催中

＜Daco紹介記事(和文)＞
http://www.daco.co.th/item/21494
＜タイ観光局(英文)＞
http://www.tatnews.org/index.php/feature-articles/370-painting-with-needle-remarkable-thai-hand-embroidery.html

エリア バンコク(タイ)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: タクシー

本日のコース


車で民主記念塔近くのクイーンズ･ギャラリーへ。
川を渡ってワット･ラカンの学生街へ。

クイーンズ･ギャラリーはバンファ橋のマハカーン砦の目の前

＜周辺既出旅行記＞
＃バンコクの古き良き町並み〜サームプレーン　＊ バンコク紀行(15) ＊
http://4travel.jp/traveler/muffin/album/10478090/

＃ワット・プーカオトーンと旧市街ラッタナコーシン島　＊ バンコク紀行(20) ＊
http://4travel.jp/traveler/muffin/album/10502669/

＃老舗牛乳屋のカスタードパンを食べにラッタナコーシンへ行こう！　＊ バンコク紀行(77) ＊
http://4travel.jp/traveler/muffin/album/10708716/

クイーンズ･ギャラリー

バンコク銀行のバンファ支店ビルにある5階建ての建物です。シリキット王妃が支援するタイ工芸の展示などを常設としています。

The Queen's Gallery
101 Ratchadamnoen Klang Rd., Borwonniwet, Phra Nakhon, Bangkok 10200 Thailand.
Tel. [phone] - 1

http://www.queengallery.org/

10.00-19.00 (水曜休館)

クイーンズ･ギャラリー1階

現在は4階まで刺繍展の展示となっています。

シリキット王妃

タイ農村での伝統工芸の継承を支援されていて、特に南部ナラーティワート県でのヤンリーパオ(蔓籠細工)の復活を手始めに、伝統的なタイ刺繍を農閑期の主婦に訓練することで農家の副収入の確保ひいては農村の女性の精神的自立を目指されてきました。

今回の刺繍展は生誕80周年慶祝特別展となっています。

絵画と刺繍

王妃の支援基金によって刺繍の図案となる絵のコンテストもあるようです。
今回の刺繍展では、元になった絵と刺繍を並べて展示されてしていました。

たとえば…
こちらは元になった絵の方

こちらは刺繍されたもの


この刺繍はアユタヤ近くのバンサイ民芸文化村で作られたそうです。そういえばバンサイに行ったときに刺繍工房を見ました。

バンサイ民芸文化村　＊ バンコク紀行(68) ＊
http://4travel.jp/traveler/muffin/album/10686684/

細部は…

絵の中の犬が
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こんな風に刺繍されていました


展示品の中には鳥の羽がまるで浮き上がるように見えるものから女性の顔の表情がちょっとのっぺりしたものまで、熟練度に少々差があるようですが、それにしても広いキャンバスを細い糸だけで埋め尽くして絵のように濃淡をつけるのは並大抵の根気ではないように思われます。

展示品の中で特に素晴らしいと思ったのは…

２X3mぐらいの大きなキャンバスは全て糸と針で描かれていました。森の緑が繊細な色遣いでいきいきとしていました。

鹿の毛も柔らかそうです

作業台の展示もありました

この小さい鶏でさえもすてき

ゲストブックもテーブルクロスも手作り


小さなモチーフを集めてこんな作品にも出来るんだなぁ…。

シルクの刺繍糸が出来上がるまでの展示もありました

繭玉を染めて…


繭玉は東北部イサーンから南部ナラーティワートへ運ばれて、まず繭玉を染めて糸を作るところから訓練を始めたそうです。

糸を紡ぐ

細い絹糸

上階で実演を見たところ25番糸を1本取りで使っていました。

タイシルク糸

グラデーションを作るために数多くの色が必要です。

このトラも見事でした

眼が生きてる

鳥の躍動感も…

2〜3階も作品が詰まっています


2階は自然の中の花や動物、3階は人物像の展示です。

タイ美人画

刺繍に変わると…

(絵)

(刺繍)

刺繍の下絵を作っています


刺繍図案コンテストで入賞した作品が画集になっていて、そこから下絵を作っていました。下絵の線描画も細かい！

刺繍図案の下絵作り

刺繍作業

実際に刺繍をしているコーナーがありました


奥の左男性が先生で手前の女性たちがお弟子さん。刺繍を始めて2年で、ようやく自然物を習得したのでこれから人物を刺してよいというお許しが出たそうです。

顔の表情を出す訓練中


花や動物よりも人間の顔の表情の方が凹凸を濃淡で表現するのが難しいそうです。

先生の奥様は大きなキャンバスの中の蓮の葉を刺していました

顔の刺繍のトレーニング


鼻がちゃんと高く見えるでしょ？
下絵の紙の上から刺していきます。

絵の通り。いえ別の味わいもある。

4階は販売コーナーとワークショップ


手前の大きな作品になると2000B以上、額装入りだと10000B以上というものも。

毎日開かれているワークショップがありました


ここで50-100Bのキットを購入した人は無料で講習が受けられます。
もちろんキットは買って、是非濃淡の出し方を習いたかったものの…みなさん和気藹々、手芸屋さんのワークショップみたいな雰囲気にちょっと遠慮をしてしまって入れず(笑)　残念です。
いや〜楽しそうだな〜。いいな〜。

ワークショップやショーの日程

11/13までの会期中、いろいろなイベントをやっています。

刺繍キット　100B(255円)


出来るだろうか？　
たっぷりの布からハサミ、針まで付いてます。刺繍枠（けっこうしっかりしていて廉価品ではない）だけで、バンコクでも100B以上するはず。

付いていた糸はVenusというタイの会社のもの。DMCやAnchorと同品質で価格は半分ということでヨーロッパでは売れ始めているようです。
http://www.sahaunion.co.th/product/thread/crochet.asp

ポストイット入れ　250B(637円)


大物の刺繍は手が出なかったので小さな小物入れを。小さなワンポイント刺繍でも葉や花が見事です。
使う度にうれしくなりそうな記念のものになりました。

コースター　100B

クロスステッチでも手強い


説明をしてくれた館内の方が「あなたも刺繍をするの？」と。
「クロスステッチを…」
ちょっと恥ずかしい。クロスステッチ1針の大きさをタイ刺繍では何針入れることか…。
気が向いたときに取り出すだけなので、2年経ってもまだ胸の辺りも仕上がっていませんが、タイ民族衣装の細かさに目がチクチクしてきます。


タイを題材にした刺繍キットを売っているのは：
セントラル･ワールド3階 PINN Shop
http://www.pinn-stitch.com/default.asp
(海外発送可のオンラインショップもあり）