2011/06/29 - 2011/07/06
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peruruさん
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ロンドンに所在する帝国戦争博物館にヤークトパンターという旧ドイツ軍の戦車が展示されています。この戦車には4発の砲弾が貫通した跡が今でも生々しく残っており、当時の戦闘の激しさを物語っています。この戦車について掲示している博物館側の写真と説明に違和感を感じ、今から68年前の、この戦車と乗員の戦いの様子を紐解いてみました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.0
- 交通手段
- 鉄道
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ロンドンのメトロ駅 Lambeth Northの近くにある帝国戦争博物館(Imperial War Museum)です。戦争の非情と悲惨さを示して、平和の大切さを掲げています。英国が戦ってきた戦争における自国の兵器のみならず敵側の兵器も展示していますが、これらの兵器の殺傷能力を知ると身の毛のよだつ思いがします。これらの兵器に乗り込み、または相対した人はどのような状態だったのか、砲弾の跡がある戦車に引き寄せられました。
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この戦車は博物館に入場するとすぐ右側に展示されています。ドイツ読みで「ヤークトパンター」、英語では「ハンティングパンサー」と呼ばれている戦車です。
普通、戦車というと回転する砲塔がありますが、この戦車には回転する砲塔がありません。回転する砲塔には大きな大砲が積載しにくいのですが、こうした形状ですと量産しやすく、大きな砲を積載することができます。大きな砲は破壊力がありますから、相手の戦車の装甲を打ち抜く、対戦車の攻撃力が増します。戦車を狩る為の戦車のということで、狩りを意味するヤークトとかハンティングが付けられたと思います。砲を積載する土台は?号(パンサー)戦車のものであったため、日本では?号駆逐戦車とも呼ばれています。 -
大きな砲は71口径88ミリ対戦車砲でその長さが分かります。
当時はどのような連合軍側の戦車でも一撃で破壊できる攻撃力を有していたと言われています。
左側の分厚い装甲板が切り取られ、中が見えるようになっています。 -
中を覗いてみたところですが、前方部分です。この博物館の説明ボードには乗員は6名と記載されていますが、他の資料では5名となっています。いずれにせよこの狭いスペースで5〜6名が命がけで戦っていたわけです。
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砲の部分です。内部は概ねそのままで火災等の形跡は見当たりません。
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前面です。
イギリスのクロムウェル戦車の砲では、この前面の装甲は打ち抜けなかったと言われています。
タイルを張ったように見えるのはツィンメリットと呼ばれる対磁気地雷ペーストです。 -
01番の番号が見えます。この番号と無線機が装着されていることから、指揮官の搭乗した指揮戦車とみなされています。資料によると、定かではありませんが、第559重駆逐戦車大隊の所属で、搭乗していた指揮官はサトラー少佐であったようです。
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イギリスのグリフィス中尉のクロムウェル戦車の後方からの攻撃によって、4発被弾し、機関を停止させた3発の貫通孔です。
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違和感を感じたのはこの写真です。この写真がこの戦車の説明に掲示されていますが、実際に展示されている戦車とは一致しません。貫通孔の位置が違いますし、写真の戦車は被弾して燃え上がったようで転輪のゴム等も焼けて消失しています。
入手した資料によるとこの写真の戦車は1944年9月、アベール運河橋頭堡付近で連合軍側の命中弾を受けて擱座炎上したとあります。 -
展示されている戦車の後方部分の損傷状況も異なります。
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転輪の黒いゴムもそのままで、焼失していません。
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この戦車に関する説明と戦闘の状況が掲示されています。
グリフィス中尉のクロムウェル戦車の75ミリの砲ではヤークトパンターの正面の装甲はなかなか打ち抜けません。一方、中尉の戦車の装甲ではヤークトパンターの砲撃に遭えばひとたまりもありません。このヤークトパンターの装甲が幾分薄くなっている後方を狙って、中尉は勇猛果敢にも50ヤードまで肉薄して攻撃したわけです。 -
ドイツ側の乗員はどうなったのでしょうか。6〜5人の搭乗員の内、サトラー少佐の消息はたどることができました。グリフィス中尉の攻撃によって戦車が動かなくなったため、搭乗員は戦車から退避しますが、少佐は退避の際に受傷したものの、生き残っています。
この戦車の戦いが終わったすぐ後の、1944年9月17日連合軍は史上最大の空挺・地上攻撃と呼ばれるマーケット・ガーデン作戦を開始するのですが、連合軍側は17000人以上もの戦死・行方不明者を出して作戦は失敗に終わるのです。
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