2012/08/10 - 2012/08/11
8位(同エリア525件中)
エンリケさん
2012年8月、今年は仕事のスケジュールが厳しく、お盆期間しか長期休暇がとれなさそうだったため、激暑い上に航空運賃が高くついてしまうイマイチな日程ながらも、連続10日間の夏休みをとって自分の旅の空白地帯、東欧のブルガリアへ。
計画段階ではルーマニアとどちらにしようか迷いましたが、旅行した方々のブログを読んでいるとブルガリアの方が人々が素朴で優しいと評判がいいことや、ブルガリアをセルビアに近いソフィアから黒海沿岸まで横断してそのままトルコのイスタンブールまで行ってみたらおもしろそうじゃないかと考え、ブルガリアに決定。
航空券を買った後で本格的に調べ出すと、ブルガリアはヨーロッパの中でも旧ソ連や旧ユーゴ諸国を除けば一人当たり国民所得が最も少ない最貧国であるとか、犯罪率が高いとか、不安になる情報ばかり・・・。
そんな不安を抱えながらいざ行ってみると、危険な目にはまったく遭わず、それどころか会うのは素朴で親切な人ばかりで、現地の方々との触れ合いも楽しめた旅になりました。
今回も長い旅行記になりそうですが(笑)、まずはブルガリアの首都ソフィアから書き綴っていきたいと思います。
<旅程表>
2012年
○8月10日(金) 成田→ソウル→モスクワ→ソフィア
○8月11日(土) ソフィア
8月12日(日) ソフィア→リラ→ソフィア
8月13日(月) ソフィア→プロヴディフ
8月14日(火) プロヴディフ→ヴェリコ・タルノヴォ
8月15日(水) ヴェリコ・タルノヴォ→ヴァルナ→ブルガス
8月16日(木) ブルガス→ネセバル→ブルガス→
8月17日(金) →イスタンブール
8月18日(土) イスタンブール→
8月19日(日) →ソウル→成田
- 旅行の満足度
- 3.0
- 観光
- 3.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 2.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- アシアナ航空 アエロフロート・ロシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
2012年8月10日(金)
今年の夏休みは社会人生活で初めてお盆期間に休みをとって、自分の旅の空白地帯、東欧のブルガリアへ。
10日間と長い休みがとれたので、ブルガリアをセルビアに近いソフィアから黒海沿岸のネセバルまで横断するついでに、これまた未訪問のトルコ、イスタンブールにも行ってしまおうという欲張りなプランにしてしまいました。
しかしお盆休みが絡むこの時期、航空券はどれも高いものばかり・・・。
スカイゲートで航空券を探すと、アシアナ航空とアエロフロートの混合チケットがいちばん安かったため(それでも燃油・諸税含め20万円近くしましたが)、購入を決定。
ただ、安いものにはそれなりの不便があるもので、朝一の9時の便でソウルのハブ空港、インチョンまで飛ぶ羽目になってしまいました。
関東に住んでいながら成田でなくインチョンをハブとして使ってしまうなんて・・・。 -
朝一の便だったので、成田に行くまでの間電車が遅れないか不安でしたが、最近トラブルの多いJR武蔵野線が見事に“機器の点検のため停止”してしまい、20分くらい途中の駅で立ち往生・・・。
停車している間、この何年かでいちばんといっていいくらいあせりました。
朝っぱらから遅れないでよ〜。
アクセス特急ができて、武蔵野線と連結して便利になったものだと思いましたが、この路線はちょっと信用ならないです・・・。
さて、遅れながらもなんとか7時過ぎに成田空港にたどり着き、無事チェックインを済ませて出国ゲートをくぐると、お店はどこも開店前・・・やっぱり空港が24時間化していないとこんなものなのですね。
そしてアシアナ航空OZ107便は定刻通り9時に成田を離陸。
2時間半の短いフライトなので座席の前にモニターはなく、機内食も出てこないものだと思っていたら、そこはちゃんと出てきました。
味は特筆すべきものでもありませんでしたが。 -
ソウル・インチョンへは定刻の11時30分の20分前には到着し、急いでアエロフロートへの乗継の手続き。
モスクワへの便は12時50分発と、乗継時間が1時間20分しかなかったため(しかも航空会社が別のため、チェックインも未完了)、遅れたらどうしようかと不安でしたが、朝の武蔵野線ほどあせることはありませんでした(笑)。
インチョン空港は、大韓航空&アシアナ航空が発着する旅客ターミナルとそれ以外の航空会社が発着する搭乗棟が別にあり、降機後の保安検査を受けた後、地下一階まで降りて両棟を結ぶスターラインで移動しなければなりません。
最初はこの降りる通路が見つからず、少しあせりましたが、案内の女性係員に聞いてなんとか見つけることができました。
インチョン空港に来たのは大韓航空を使った2001年4月のイタリア旅行以来でしたが、その後拡張されたせいか、広くて分かりにくいところがありますね。 -
搭乗棟に渡って3階まで上がり、乗継カウンターを見つけてアエロフロートへのチェックインも無事済ませられました。
モスクワ・シェレメチェヴォ国際空港へのアエロフロートSU251便は12時50分発ということでしたが、こちらは遅れるのが常態らしく、出発が13時45分と約1時間遅れに。
初めて乗るアエロフロートはどんなだろうと期待に胸ふくらませますが(笑)、搭乗してみると座席はぼろぼろで、シートがあちこち汚れていたり破れていたりします。
ちょっと匂いもする感じ・・・。
そういえば8月の暑い時期の海外旅行は久しぶりでしたが、この時期、ヨーロッパ人はかなり汗をかくので日本人よりも強いその体臭には気をつけなければなりません。
この時も汗まみれのヨーロッパ人の男性が近くに座ったため、モスクワ到着まで匂いに悩まされることになりました・・・。
ちなみにアエロフロートの機内食はこんな感じ。
ぼろぼろの座席と同様、お味はちょっとイマイチ・・・。
人気のないアエロフロートの乗り心地を実感です(笑)。 -
ところで、アエロフロートの機内で見た“安全のしおり”が特徴的だったので思わずパチリ。
冷徹なイメージのあるプーチン大統領のごとく、ロシア人はいつも厳しい表情をしているのか、こんなコワい顔で説明されても・・・(笑)。 -
こちらもやけにリアル顔の説明ですね。
上の方にあるラジコンカーもリアル過ぎて本物の車のようです(笑)。 -
比較参考のため、こちらはこの後に乗ったブルガリア航空の“安全のしおり”。
こちらの平たい“マンガ顔”の方が普通ですよね・・・。
さて、モスクワ時間の17時45分、SU251便は30分遅れでモスクワ・シェレメチェヴォ国際空港のターミナルDに到着。
降機後すぐのところにトランジットカウンターがあり、おばさんの係員がテキパキと手続きしてくれ、19時55分発のブルガリア航空との共同運航便SU3560便(FB364便)に無事チェックイン。
ロシアの空港の係員というと冷たそうなイメージでしたが、おばさんは“乗継まで時間がないから急いでね”と笑顔で見送ってくれ、なんだかイメージが一変しました。
この後、ブルガリア航空の発着するターミナルFまで歩いて移動(ターミナルDF間は空港の外に出ないのでトランジットビザは必要なし)。
ターミナルFは昔ながらの古い建物なのか、出発ゲートが集中している狭い空間にショップが立ち並び、通路が狭くてぎゅうぎゅう詰めという感じ。
狭くてイスの量も絶対的に不足しているため、そのまま床に腰を降ろしている乗客も多数・・・。
なかなか興味深い空港でしたが、ロシアの空港は原則撮影禁止とされているため、残念ながら撮影は控えました。 -
19時55分、搭乗手続きは出発時間ギリギリに始まり、白い機体のブルガリア航空FB364便は少し遅れてモスクワ・シェレメチェヴォ国際空港を離陸。
ブルガリアの首都、ソフィアまで約3時間(時差マイナス1時間)のフライトです。 -
ブルガリア航空の機内食は簡単なサンドイッチのようなもの。
もちろんドリンクサービスもあり、コーヒーかお茶か選べますが、フライトアテンダントの“チャーイ”という響きにつられてお茶を選択。
これがブルガリアのチャーイ・・・フレーバーな感じのする紅茶で、なかなか美味しかったです。 -
・・・と今回は初めて利用する便ばかりで前置きが長くなってしまいましたが、現地時間の21時55分、ようやくブルガリア、ソフィアのヴラジデヴナ国際空港に到着です。
時差が6時間なので朝9時に成田を出発してから19時間。一日に3回も国際便に乗るとかなり疲れますね。
ブルガリアの入国審査は何も聞かれずにパスポートにスタンプを押されただけ・・・。
直前の7月18日に黒海沿岸のブルガスの空港でイスラエル人を狙ったテロがあったばかりなのに、そんな簡単な審査で大丈夫なのかこの国は、と一気に拍子抜けです。
無害な日本人だから信用されているのでしょうが・・・。
この後、空港内のATMで現地通貨のレフ(Lv)を400ほどキャッシング(1Lv=50円として2万円。ブルガリアの交通機関やレストランはクレジットカードがほとんど使えないため、やや多めに引き出し)し、空港内のコンビニで水(1.3Lv=65円)を買って小銭をGET。
さて、ここから約10km離れた市内までどうやって行くかですが、周りの旅行者が次々とタクシーに乗り込んでいく中(一応、安全とされている黄色い車体の“OKタクシー”ですが)、ブルガリアのタクシーはぼったくりが多いと聞いていたので、一人旅だと格好のカモになってしまうかと思い、バスとどちらにしようか迷います・・・。
タクシー乗り場の脇にある84番のバス停を見ると、22時58分と23時30分発の2本が残っていたし、若い女性客も座っていたので、多分大丈夫だろうと思い、バスを選択。到着まで少し待ちます。 -
バスは時間どおり22時58分少し前に到着。
ドライバーのおじさんに、“(市内中心部の)ウニベルシテト(大学)まで行きますか”と聞いたところ、“まあ乗ってろ”というような仕草。
空港からの乗客はわたしのほかは若い女性が3人のみで、途中の停留所からも一人きりの女性客がちらほらと乗ってきます。
しかもパンツではなくスカート姿の(美人の)女性が多く、言われているほど治安は悪くない様子。
暗い幹線道路を30分ほど行き、乗客全員が降りた終点らしきところでドライバーのおじさんに“(ここは)ウニベルシテト?”と尋ねると、“もう少し乗ってろ”という仕草。
少し空港に折り返すように曲がったところで、おじさんが“ウニベルシテト!”と言って乗車口を開けてくれました。
降りる際、乗車賃として1Lv(50円)を支払おうとすると、“金はいらんよ”という仕草。
タクシーにも乗れない貧乏学生に見られたのか、それでも、旧社会主義でありヨーロッパの最貧国でもあるブルガリアでこんなことを言われるとは本当に意外でした。
おじさんは笑顔で見送ってくれ、大感謝です!
“ブラゴダリャ!”((ブルガリア語で)ありがとう!)
治安が悪いから相当気をつけなければと身構えていたブルガリアですが、到着早々、わたしの中でこの国に対するイメージがどんどん変わっていきます! -
23時30分、市内中心部のウニベルシテト(ソフィア大学)脇でバスを降り、ホテルのある旧共産党本部までの大通り(ツァール・オスヴォボディテル通り)を500mほど歩いていきます。
人通りがまばらな通りを少し行くと、リッチなホテル、ラディソン・ブル(Radisson BLU)をバックに、国会議事堂前の広場に立つ解放者記念像が見えてきました。
露土戦争(1877-78年)の勝利によってブルガリアをオスマン帝国の支配から解放したロシア皇帝アレクサンドル2世(在位1855-81年)を称える像です。
本当は真夜中でホテルまで急がなければならないのに、先ほどの親切なバスドライバーのおじさんとのやりとりですっかり安心してしまって、写真を撮りまくりです(笑)。
(一人旅の女性は真似しないでください。) -
その脇の通りの先にはブルガリアで最も美しいとされるブルガリア正教の大聖堂、アレクサンダル・ネフスキー大聖堂が。
露土戦争で戦死した約20万人のロシア人兵士を慰霊するとともに、中世ロシアに栄えたノヴゴロド公国の英雄アレクサンドル・ネフスキー(1220-63年。ドイツ騎士団やスウェーデンを破り、ロシアを守った。)を称える、1912年に完成したネオ・ビザンティン様式の大聖堂です。
ソフィアに着いてすぐに巡り合えたことにこれまた興奮してしまって、周囲に怪しい人がいないのを確認しつつ、写真をパチリ。 -
続いて通りに姿を現したのは、聖ニコライ・ロシア教会。
1913年にロシアの外交官、セモントフスキ・クリロの命により、聖ニコライ(270-345または352、小アジアで活躍し、数々の奇蹟を行った古代キリスト教の大主教)を称えるために建立された教会です。
ブルガリアの首都ソフィアのメインストリートには、このようにロシアとの結びつきを強調するモニュメントや教会が多いですね。
東西冷戦時代、ブルガリアは“ソ連の16番目の共和国”と言われるほどソ連に忠実な国だったとか。 -
人通りの少ないメインストリートをさらに歩いていかつい外観の旧共産党本部の前まで来ました。
このすぐ近くにソフィアでの宿、アルテ・ホテル(Arte Hotel)があるはずですが、目立たない外観なのか、なかなか見つかりません。
もう24時近くになっていましたが、バスのおじさんを思い出して親切な現地の方の助けを借りようと思い、まだ営業していた近くのコンビニに入り、店番をしていたおじさんに尋ねると、なにやら奥に入ってしまいました・・・。
するとすぐに娘さんらしき若い女性が出てきて、英語で場所を的確に案内してくれました。
本当にブルガリアの人々は素朴で親切な人が多いですね。
ここでもブラゴダリャ!(ありがとう!) -
ちなみにこれが宿泊したアルテ・ホテル(翌日に撮影)。
旧共産党本部のすぐ脇にあるのですが、隣にある銀行と建物が同じで、看板も上の方にあるため、銀行の一部と思って気付かずに通り過ぎていました・・・。 -
24時、チェックインを済ませ、ようやく2階にある部屋で落ち着けました。
日本からネットで予約した1泊4,000円程度のホテル(朝食別)でしたが、ブルガリアは全国的に物価が低いので、これでも高級ホテルの部類に属します。
実際、部屋はきれいでエアコンやドライヤーなどの設備も整っており、ソフィア滞在中は快適に過ごせました。
この日はこれでおやすみ・・・。
3回も飛行機に乗った後では、横になれるのは至福の喜びです(笑)。 -
8月11日(土)
ブルガリア観光のハイライト、リラの僧院ガイドツアーを12日に予約していたため、この日はソフィアの街なかを散策。
まだ若干薄暗さの残る7時、早速街に繰り出します。
この日のソフィアはやや曇りがちで、蒸し暑い東京に比べれば気温、湿度ともに低く、半袖シャツでは涼しいくらい、なんだか秋の気配が漂っています。
まず最初は、旧共産党本部前の地下道に残る、古代の城塞都市“セルディカの遺跡”。
横断歩道の役割をしている地下道ですが、ブルガリアの首都ソフィアは古代ローマ時代の2世紀に“セルディカ”というローマ人の都市が形成された場所でもあり、地面を掘るとあちこちにローマ時代の都市の跡が出てくるのだそうです。
ここでも地下道を掘ったところに出てきたローマ時代の都市の跡を、うまく観光に活用しています。 -
こちらはローマ時代の赤レンガの建物の中に土産物屋が。
まだ早朝なので店は開いていませんでしたが、なかなかおもしろい趣向です。
ただ、ソフィア自体の観光客が少ないため、必ずしも客がいっぱいで繁盛しているとは言えない状況のようです・・・。
ちなみに“セルディカ”とは紀元前5千年紀頃から紀元前後に古代マケドニアや古代ローマに征服されるまで世界最古の黄金文明を誇ったと言われるトラキア人の一部族の名前。
今はヨーロッパの片田舎で目立たないけれども、ブルガリアは実はヨーロッパ一古い、とんでもない歴史がある国なんですね。 -
地下道を渡って旧共産党本部の脇に出て、同建物を昇りくる朝日とともにパチリ。
この日は土曜日とはいえ、この時間帯、人通りはまだ少なく、ブルガリア人の朝は遅いようです。 -
旧共産党本部の正面、地下鉄セルディカ駅の上に立つ“ソフィア記念像”。
この街の名前にもなっている“ソフィア”とはギリシャ語で“叡知”を意味し、それを具現化したこの像も、左腕に知恵の象徴、フクロウを掲げています。
ちなみに右手には勝利の象徴、月桂樹の輪が掲げられています。 -
続いてすぐ近くのスヴェタ・ネデリャ広場にそびえる“聖ネデリャ教会”。
ブルガリアが聖キリル(キュリロス)と聖メトディオスの弟子たちによりキリスト教化されたのは、アジアからやってきたトルコ系ブルガール人(後に支配下にあったスラヴ人と同化してブルガリア人に)により建国された第1次ブルガリア帝国(681-1018年)時代の9世紀で、この教会はそれから間もない10世紀に創建された、ソフィアでも歴史の古い教会のひとつとなっています。
この教会は、もともと石造の基礎と木造によるささやかな建物でしたが、オスマン帝国の支配から解放後の1898年にドームが加えられるなどして大改築が行われました。
1925年には、教会内で共産主義者によるブルガリア国王を狙った爆弾テロ事件が発生、国王は無事だったものの150人もの人々が犠牲になり、教会も大きく破壊されてしまいました。
その後1933年には修復が完了し、この時の外観が現在に引き継がれています。 -
教会内は撮影禁止のため(寄付すれば撮影は可能)、入口付近から遠めに撮影。
薄暗い堂内は、キリストや聖人などのイコン(聖画)が描かれた丸く高い天井と、正面の金色に輝くイコノスタシス(奥の聖域(至聖所、アプス)と信者の祈るエリア(聖所、内陣)を分ける、イコンで装飾された壁のような仕切り)が印象的です。
朝早い時間帯でしたが、年配の女性を中心に熱心な正教徒が祈りを捧げていました。
カトリックのペルーや仏教のミャンマー、民間信仰の台湾(そして神道の日本)でもそうでしたが、イスラム教以外のどこの国でも、こういう場に来るのは女性が多い印象ですね。
午後にこの教会を再度訪れた時には、司祭(神父)による祈りの言葉が発せられている最中でしたが、日本の仏教のお経のような響きが印象的でした。
ちなみに正教会にはカトリックと違ってパイプオルガンはなく、聖歌は楽器を使わずアカペラで歌うのが基本だそうです。 -
7時30分、続いてシェラトン・ホテルの裏側にある“聖ゲオルギ教会”へ。
前後をシェラトン・ホテルと大統領官邸に囲まれるようにして建っている、レンガ造りの不思議な教会です。
この建物はもともとは“ロトンダ”と言われ、この街がセルディカと呼ばれていた4世紀に、時のローマ皇帝コンスタンティヌス(在位306-337、ミラノ勅令を発布してキリスト教を公認したり、ローマからコンスタンティノープルへ遷都したことで有名)が霊廟として建てた円形建造物でした。
その後民族大移動期にはフン族や東ゴート族の侵入により破壊され、6世紀の東ローマ帝国(ビザンツ帝国)皇帝ユスティニアヌスの時代に再建、のちに教会として使われるようになったと伝えられています。 -
聖ゲオルギ教会の手前(教会の入口はこの反対側にあるので、本当は裏側といった方が正しい)には、古代ローマ時代のレンガの建物の跡が残っています。
本当にソフィアは古代ローマ時代の遺構があちこちに見られる歴史の古い街です。
(詳しくはこの後の旅行記に譲りますが、実はソフィアだけでなく、ブルガリア全体が古代ローマの遺跡だらけです・・・。古代ローマファンにはたまらない国かも。) -
反対側の聖ゲオルギ教会の入口です。
内部はやはり撮影禁止なので(罰金10ユーロ(10Lvではなく)とあり)、外から撮影。
中に入ってみると、ストーヴでも焚いているのかほのかに暖かく、高い天井のドームには、すすけたり一部が欠落したりしながらも大きなキリスト像が描かれていました。
天井を取り巻く筒状の壁にはたくさんの聖人の像が描かれており、これらはやはりブルガリアがキリスト教化された後の10世紀から14世紀にかけてのものなのだそうです。
また、聖ネデリャ教会同様、ここでも司祭がお経のように祈りの言葉を捧げていました。
ちなみに午後に再度訪問した時は、入口に物乞いのおばさん(ジプシー?)が座っていました。
早朝はこういった人がいないので、観光もスムーズにできます。
日中行かれる方はしつこくお金を要求されるかもしれませんのでご注意ください。 -
8時、地下道を通って聖ゲオルギ教会の反対側にある“聖ペトカ地下教会”へ。
これと次の写真を見ても分かる通り、周囲の道路より一段低いところにある、街の開発から取り残されたようなこれまた不思議な石とレンガで造られた教会です。
ちなみに奥に見えるのは鉛筆状のミナレットとアヤソフィアもどきの丸いドームが特徴的なオスマン様式のモスク、バーニャ・バシ・ジャーミヤ(モスク)。
第2次ブルガリア帝国(1185-1396年)滅亡後の14世紀末から19世紀後半まで500年近くもイスラム教のオスマン帝国に支配されていたブルガリアは、今でも人口の約1割がイスラム教徒であり、街の中心部に正教の教会だけでなくモスクもそびえる宗教的融和が図られている国となっています。 -
聖ペトカ地下教会を一段上の通りからパチリ。
本当に時代に取り残されたような、不思議な教会です。
この教会が建てられたのは第2次ブルガリア帝国がオスマン帝国によって滅ぼされた後の14世紀末。
オスマン帝国は正教徒に対して一定の信仰の自由を認めたものの、モスクよりも高い教会の建造は許さなかったため、このような肩身の狭い姿になったんだとか。
上の写真にある、空高くそびえるミナレットを持つバーニャ・バシ・ジャーミヤとはなんとも対照的な姿です。 -
ここで聖ペトカ地下教会の中に入ってみます。
上の写真の階段を昇ったところにある扉は閉まっていて、この日は開いていないのかと思ったら、左脇の階段を降りたところに入口がありました。
これではほかの観光客は閉まっているものと誤解して帰ってしまうかも・・・。
中に入ると、石造りの壁には数々のイコンが掲げられ、その前にはたくさんの燭台が立てられており厳粛な雰囲気。
窓口には優しそうなおじさんが一人いて、“ドーバル・デン”(こんにちは)と声をかけてくれました。
ここで入場料を払い(2Lv=100円。撮影する場合は+10Lv=500円。ブルガリアでは入場料自体は安いものの、撮影料が別になっていて、結構な額を取られることが多いです。)、2階へ昇っていきます。 -
2階はこのように質素な祭壇があり、石とレンガでできた壁にはところどころが欠落した古いフレスコ画が描かれていました。
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側面の壁もこのように、聖人や聖書の場面を表したフレスコ画が描かれています。
四方に聖画が描かれた小さい静謐な空間・・・早朝で観光客は自分一人しかおらず、この空間に心ゆくまで浸ることができました。 -
8時30分、聖ペトカ地下教会からソフィア中央駅に向かって北へ伸びるマリア・ルイザ通りをそのまま北へ。
バーニャ・バシ・ジャーミヤまでの道路の脇では、古代ローマ遺跡の発掘作業が早朝から暗くなるまで一日中行われていました。
この一帯は掘ればローマ遺跡にぶち当たるという感じですね。
ブルガリア当局は欧州大不況中の公共事業として首都の遺跡の大規模な発掘・整備作業を行い、将来的に観光客を呼び込んで人口減少が進むこの国を活気づけようとする戦略なんだとか。
どこかの国も見習った方がいいかもしれませんね(笑)。 -
マリア・ルイザ通りの反対側を見ると、標高2000m級の山々が連なるヴィトシャ山をバックに、ターコイズブルーの美しい円形ドームを戴く聖ネデリャ教会が。
ソフィアはこれらの山々に囲まれた標高550m、人口約130万人の高原都市。
ヨーロッパの首都としては、スペインのマドリッド(標高約650m)に次ぐ高所にあるそうです。
右側の建物にはサムスンの看板もあり、韓国企業の隆盛を物語っています。 -
マリア・ルイザ通りをトラムとともにパチリ。
こんな古い昔ながらの街並みですが、カジノもあったりします。
ただ、一国の首都としては人通りもそれほどでもなく、少し寂しい感じ・・・。
ブルガリアは1989年の社会主義崩壊後、そして2007年のEU加盟後、職を求めて国外へ人口が流出する動きが続いているそうで、1980年代半ばには900万人近くいた人口が、今では730万人程度に減少してしまっています。
【世界経済のネタ帳〜ブルガリアの人口・雇用・失業率の推移】
http://ecodb.net/country/BG/imf_persons.html
わずか20年ほどの間に人口が20%近くも減るなんて、相当のものです。
この街に寂しさを感じるのはそういったことが原因かも。 -
しばらくマリア・ルイザ通りをぶらぶらした後、9時30分、市内を国会議事堂の方へ進んで、すぐ隣にあるアレクサンダル・ネフスキー大聖堂へ。
前日の夜にライトアップされている姿を見たブルガリア一の大聖堂ですが、西を向いているため朝のこの時間帯は逆光になってしまって正面からの写真がイマイチです・・・。 -
朝日の当たっているバックからの写真をパチリ。
正面からのスリムな姿とは違ってこちらは重厚感がありますね。
高さ60mの金色のドームを頂点に、イスタンブール(旧コンスタンティノープル)のアヤソフィア(聖ソフィア大聖堂)を思わせるような円形ドームが12も連なるネオ・ビザンティン様式の傑作です。
収容人数は5千人とも言われ、ブルガリア正教の総主教(最高位聖職者)の本拠地ともなっています。
・・・これまでの教会は観光客がわたし一人くらいなものでしたが、ここはさすがにブルガリア一の大聖堂だけあって、バスでやってきた欧米系の観光客が20人ほどいました。
それでもほかの国に比べたら少ないですよね・・・。 -
天井が高く、薄暗いながらも壮麗なイコノスタシスや壁画に囲まれたアレクサンダル・ネフスキー大聖堂の内部を見学した後(基本的にブルガリア正教の大聖堂や教会は撮影禁止なので写真はありません。)、同大聖堂の地下にあるイコン博物館へ。
大聖堂内部から直接入れるのかと思ったら、一度外へ出て、正面向かって左側の入口から入ることになります。
入場料は6Lv(300円)。
撮影料は別に徴収されないので、ほかの欧米系の観光客たちも、まるで鬱憤を晴らすかのようにイコンの写真を撮りまくっています(笑)。 -
木の板に描かれ、金箔を貼られたキリストのイコン。
イコンはこのように正教徒が身近に祈り、接吻しやすいよう、木の板に描かれるのが一般的のようです。 -
館内にはイコンだけでなく、こんな木造のイコノスタシスも展示されています。
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THE VIRGIN PANIMNITOS “GLORIFIED BY ALL”と説明された、ネセバルで発見された16世紀末から17世紀初めにかけてのイコン。
正教ではカトリック同様、聖母信仰も盛んなようです。
このほか、館内には11世紀から19世紀までの様々なイコンが展示されており、発見元としては、黒海沿岸の古代都市で世界遺産都市にもなっているネセバルのものが多かったです。
このブルガリアの旅の最後に訪れるネセバルへの期待が高まりますね。 -
イコン博物館を出て、アレクサンダル・ネフスキー大聖堂の周りをぶらぶらしていたら、駐車場でこんな電気自動車の充電器を見つけました。
燃費効率の悪そうな石畳の道がたくさんあるブルガリアもまた、“エコ”の時代なんですねえ・・・。 -
11時、今度はアレクサンダル・ネフスキー大聖堂のすぐ隣にある、“聖ソフィア教会”へ。
6世紀にビザンツ帝国のユスティニアヌス大帝によって創建された、この街の名前の由来ともなったレンガ造りのソフィア最古の教会です。
14世紀末からのオスマン帝国の支配下にあった時期には、イスタンブールのアヤソフィア同様、この教会もモスクとして転用され、19世紀には大地震によって崩壊してしまいましたが、ブルガリアがオスマン帝国の支配を脱した後の1900年代に正教会の教会として創建当時の様式に忠実に復元され、現在に至っています。
正教会には珍しいラテン十字の形をした教会の中では、信者の家族が集まって幼児洗礼らしき儀式が行われており、家族たちが幸せそうにその様子を撮影していました。
・・・ブルガリアの正教会は、第二次世界大戦後の社会主義時代、教会の特権を奪おうとする共産党政府に反対する聖職者に対して当初厳しい弾圧が加えられたものの、反対者が一掃された後は政府とうまく共存したようで、ロシアのように徹底的に弾圧されることはなく、現在でも自然と正教が庶民の間に根付いているように感じました。
ちなみに、この教会は古代ローマ時代のネクロポリス(城壁外の墓地)の上に立っており、教会の床の一部がガラス張りになっているため、その墓地の様子をのぞくことができます。 -
前の晩も見た、解放者記念像のあるツァール・オスヴォボディテル通りへ。
お昼近くになってきましたが、人通りは少なく、やはり寂しい首都といった感じです。 -
こちらも前の晩に見た聖ニコライ・ロシア教会。
金色の葱坊主型ドームや屋根の色遣いがロシアっぽいですね。
内部ではこれまた女性を中心とした熱心な信者たちが、祭壇にロウソクを捧げ、イコンにキスをして一心に祈りを行っていました。 -
そのまま大通りを下っていくと、かつて王宮として使われていた黄色い壁の建物が姿を表しました。
現在は国立美術館と国立民俗博物館として使われている建物です。
入口付近には特別展への協賛でしょうか、キヤノンのロゴとともにサムスンのロゴが掲げられています。
キヤノン対サムスン、極東から遠く離れたブルガリアの地で日韓の企業がしのぎを削っています。
最近の竹島をめぐる日本と韓国の対立は、こういった海外における企業戦争というところからも来ているかもしれませんね。 -
ソフィアで見るべき建築物はほとんど見たので、あとは美術観賞でもしようと国立美術館に入ってみました(入場料6Lv=300円)。
この時は全館がヴラディミル・ディミトロフ・マイストラ(Vladimir Dimitrov-Maystora,1882-1960)というブルガリアの民族主義的画家の特別展になっており、どの部屋も彼の作品が掲げられていました。
この作品は個人的にお気に入りの民族衣装を着た老夫婦の絵。
“家族”(Family)という1935年の作品です。 -
こちらは“三姉妹”(Three Sisters)という1929年の作品。
このほかにも子どもや老人、家族を扱った作品が多く、彼の絵からブルガリアの人々の家族の結びつきの強さを感じることができます。 -
ちなみにこちらがヴラディミル・ディミトロフの自画像。
意思の強そうな目をしているのが印象的です。 -
12時、ツァール・オスヴォボディテル通りをさらに下って、小さな噴水のある大統領官邸の前までやってきました。
ソフィアの中心部ですが、ここも観光客はちらほらという感じ。
ただ、午後にもう一度訪れた時は、結婚式の衣装を着た新郎新婦が噴水前で記念撮影を行っていました。
ブルガリアの街はこじんまりとしているのか、人が少ない割には結婚式や洗礼の儀式といった通過儀礼を道中よく見かけます。 -
大統領官邸の入口にはこのとおり、観光客を楽しませるための衛兵が。
それにしては観光客が少ないですけど・・・。 -
ここでも他の国の衛兵と同じように、1時間ごとに衛兵交代の儀式が行われます。
毎正時前になると隣の建物から白い上衣を着た新たな衛兵たちがやってきて、左右にいた2人の衛兵と交代の上、他の衛兵たちは一度建物の中に入ります。 -
建物内部にも別の衛兵がいたのでしょう、合計5名が建物から出てきました。
-
衛兵たちは足を大きく上げて、ドスン、ドスンと大きな音を立てながら行進していきます。
-
そして“コ”の字を描く様に直角に折れ曲がって隣の建物(待機所)へと入っていきます。
-
別の時間帯に撮影した正面からの衛兵たちの写真。
カメラ目線の衛兵もいて、どうやら軍紀は緩そうです(笑)。
台北の中正紀念堂の衛兵交代式を見た後ではどうしても緩く感じてしまいますね。
(台湾紀行(8)〜中正紀念堂の衛兵交代式)
http://4travel.jp/traveler/kissydney/pict/25518150/ -
大統領官邸の向かいには、イスラミックな3つの円形ドームの屋根が特徴的な国立考古学研究所付属博物館がありました。
それもそのはず、この建物はもとは1494年に建立された“ビュユック・ジャーミヤ”というイスラム教のモスクだったそうで、1892年から現在の用途として使われているとのことです。
この博物館、入場料は10Lv(500円)と、ブルガリアの施設にしては高めでしたが、古代ローマ時代の発掘品をはじめ、イコンなど正教にまつわる展示や古代トラキア人の黄金の品々などもあって、なかなか見ごたえのある博物館でした(英語の解説あり)。
なかでも、博物館に入って正面奥の壁に展示されている世界遺産“マダラの騎士像”(8世紀にブルガリア東部のシューメン近郊の岩壁に彫られた第1次ブルガリア帝国時代のレリーフ)のレプリカは、本物の凄さが伝わってくる展示で非常に興味深かったです。
つくづく撮影禁止だったのが惜しまれます。
ちなみに、博物館内でカメラを手に持って見学していたら、年配の男性係員が近づいてきて、“NO PHOTO”と注意されてしまいました。
ここの係員たちはちょくちょく入口の外に出てタバコをふかしているようで、前日の夜に会ったような素朴で親切なブルガリア人とはまた違った、前時代の社会主義的な人と言えるかもしれません・・・。 -
ソフィアの街は午後になっていよいよ晴れてきました。
湿気も少なく気持ちのいい天気です。
朝方は曇っていて重々しく見えた聖ネデリャ教会も、午後の明るい日射しを浴びて美しく見えます。 -
13時を過ぎていたのでここらで昼食。
しかし、ソフィアの中心部は意外と店がありません・・・。
“地球の歩き方11'〜12'”に載っている“トロップス・カシュタ”というブルガリア料理のファストフード店を探しますが、すでにつぶれている模様・・・。
仕方ないので、聖ネデリャ教会のすぐ近くにあった“KVMBARE”というギリシャ料理の店に入ることにしました。
ラム肉の串焼き(19.9Lv)とブルガリア東部のシューメンの地ビール、シュメンスコ(3.4Lv)を注文(チップ込みで計25Lv=1,250円。シェラトン・ホテルに隣接しているからか、ブルガリアの物価にしてはかなり高め)。
味はまあ、ぼちぼちというところか・・・。
シュメンスコはフレーバーな風味でなかなかでしたが。 -
ソフィアの見どころはもうだいたい見終わってしまったので、のんびり昼食。
ソフィアは半日もあれば主要な見どころは見終わるくらい、ちょっと寂しい感じのする小さな首都です。
次はどうしようかと考えていると・・・そういえば朝遠くから見たバーニャ・バシ・ジャーミヤに入っていなかったことを思い出し、食後同建物へ。
・・・1566年のオスマン朝支配時に建立されたこの建物は、イスタンブールのスレイマニエ・ジャーミィやエディルネ(旧アドリアノープル)のセリミエ・ジャーミィを手掛けたオスマン帝国最高の建築家、ミマール・スィナン(1489-1588年)の設計によるもので、アヤソフィアに似せた円形ドームと鉛筆状のミナレットの組み合わせが非常に美しいデザインとなっています。
ちなみに“バーニャ”とは“風呂”を意味し、すぐ隣にある温泉施設の近くには飲用の温泉が湧き出ていて、ペットボトルで水を汲みに来ている人々がたくさんいました。 -
モスクの中に入ろうとしたまさにその時、雲行きが怪しくなってきたと思っていたら夕立のような突然の大雨。
そのままモスクの中に逃げ込んで、しばらく雨宿りのような状態になってしまいました。
入ってみると、修復作業をしているのか内部はあいにくの工事中で、東のメッカの方向を指すタイル作りのミフラーブも全貌がよく見えません。
幾何学模様が美しいとされている天井も残念ながら見られずじまいでした。
それでも、雨宿りしている間、人懐っこいムスリムの少年(普通の金髪の少年で、正教徒のブルガリア人と区別がつきません。)と触れ合ったりして、いい思い出になりました。 -
1時間近く待ったでしょうか、ようやく雨が上がり、青い空が戻ってきました。
それでも雲の流れが速く、また一雨来そうな雰囲気です。
・・・この日は早朝からぶらぶらして市内の主要なものはほとんど見たし、翌日以降移動の多いハードな日程が詰まっているので、ホテルに戻って休むことにしました。 -
ホテルに戻ってひと眠りし、起きてみたらいつの間にか19時30分。
そろそろ夕食でもと、サマータイムのまだ明るい街へと再び繰り出します。
聖ネデリャ教会から南に伸びる夕暮れのヴィトシャ通りは、涼しげなこの日の気候も手伝って、なんだか秋の雰囲気。
・・・とここで、地球の歩き方を頼りに行ったブルガリア料理の店“クラチマ・プリ・ヤファタ”(Krachma Pri Yafata)は、一人客お断りとのこと。
これまで何度も海外一人旅はしていますが、レストランに断られたのは初めて。
しかたないので、これまた地球の歩き方に掲載されていた“バルガスカ・ザヴェラ”と“ディヴァーカ”という店に行ってみますが、両方ともつぶれている模様・・・。
この後の街でもそうでしたが、ブルガリアでは“地球の歩き方”のレストラン情報はほとんど役に立ちません。
ブルガリアは人口減少のスピードが速いためか、少し稼いだら海外へ出て行ってしまうのか、レストランの寿命も短いようです・・・。 -
結局店を探すのに1時間近くかかり、20時30分、市の中心部から少し南に行ったところにある、地元の人も通っていそうなオープンテラスのアメリカンなお店に入ることにしました。
店の壁には大きなテレビが設置されており、ロンドンオリンピックが中継されていたので、陸上競技の様子を見ながら食事を楽しみます。
注文したのはチキンスープ(2.8Lv)とブルガリアの国民食カヴァルマ(9Lv)、そしてブルガリアビールのザゴルカ(2.3Lv)。
暗いですが写真のものがカヴァルマで、肉(チキンかポークか選択。ブルガリアにはムスリムが多いので、店員からどちらにするかきちんと尋ねられます。)とタマネギなどの野菜を玉子とあわせて炒めた料理です。
お味の方は・・・出来そこないのオムレツのようでイマイチ・・・。
実はこのカヴァルマ、ブルガリアの国民食だけあって作り方もいろいろあるようで、店によっては鍋で煮込んだものが出てきたりして味も形も大きく異なるようです。
お代はチップもあわせて15Lv(750円)。
やっぱりお昼のギリシャ料理は立地的に高かったんだなあと実感です。 -
レストランを出ると21時30分。
首都の住宅街の近くですが、人通りはあまり多くもなく、前の晩のようにそれほど危険は感じません。
それでも見知らぬ街ですから用心して歩かないと。 -
ホテルへの帰り道、聖ネデリャ教会もライトアップされていました。
スヴェタ・ネデリャ広場も人通りが少なく寂しいですね。 -
最後はシェラトン・ホテルの裏を通り抜けてホテルへ。
聖ゲオルギ教会もライトアップされていますが、見ている人はわたし以外になく、やはり寂しい感じです。
ブルガリアの首都ソフィア、首都と言うにはあまりにも寂しげな街というのが印象に残りました。
人々も素朴でどことなく田舎の雰囲気が残る街です。
・・・さて、翌日はいきなりブルガリア観光のハイライト、世界遺産のリラの僧院を訪れます!
日本人旅行者も少ないし、何だかマニアックな旅行記になってしまいそうですが、よろしかったら是非またご覧ください!
(ブルガリア3日目=リラの僧院観光に続く。)
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この旅行記へのコメント (12)
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- rinnmamaさん 2013/03/16 14:50:23
- 私はこの作品がいいなー。素敵です。
- エンリケさま
こんにちは。訪問・投票有難うございます。
ブルガリアは素敵なバラの街のイメージでしたが。
ロンドンに留学中の同期の方に、ブルガリアからいらしてた中年の方は
リッチだったんですね。働いていらして、
時々仕事の電話が入っていましたが。独特の英語発音でした。
女性には出来ない深夜・早朝の行動ですね。
羨ましい限りです。ノンビリですが訪問させていただきます。rinnmama
- エンリケさん からの返信 2013/03/17 21:54:15
- ご訪問ありがとうございます!
- rinnmamaさん
こんばんは。ブルガリア旅行記にご訪問ありがとうございます!
ブルガリアは確かにバラが有名で、ソフィアではあちこちの土産屋で香水や石鹸などのバラ製品が売られているほどなのですが、街並みはかつての社会主義時代の名残りか、それとも“EUの最貧国”と言われるほどの低い経済力のせいなのか、西欧の街並みと比べると飾り気も少なく、かなり味気ないものでしたね・・・。
今回はトルコのイスタンブールとの2国の訪問だったので、両国の街並みを比較するなど、いろいろ勉強ができた旅でもありました。
ブルガリア、日本にはあまりなじみのない国ですが、未訪問のみなさんにも関心をもっていただけるように旅行記を作ったつもりなので、ぜひまた遊びに来ていただけたらと思います。
今後とも、よろしくお願いします!
-
- kuritchiさん 2012/09/17 14:06:34
- 釘付け!
- エンリケさんのブルガリアに、最初から釘付け!でした。。。
3度の乗り換えをされ、遅い時間帯に目的地のソフィアに到着。。
ひとつひとつ丁寧なコメント…。とても参考になります。。
美しいロシア教会の建物。教会内が撮影禁止なのは残念ですが、イコンのお写真からも、金の細工のされた重厚な内部が想像出来ます。
でも、お食事は今回は …… みたいですね(^^;
これからのエンリケさんのご自分の足でまわられるブルガリア…
とても楽しみです。。。
kuritchi
- エンリケさん からの返信 2012/09/29 15:36:28
- いつもご訪問ありがとうございます!
- kuritchiさん
こんにちは。ブルガリア旅行記にご訪問ありがとうございます!
ヨーロッパは公共交通機関がしっかりしていて、個人旅行しやすいのがいいところですよね!
ブルガリアはオスマン帝国に支配されていたという歴史もあり、もうちょっとアジアっぽいのかなと思っていたら、街並みとか交通機関とか、やっぱりヨーロッパなんだな〜と思いました。
食べ物については今回の旅行では恵まれませんでしたね・・・。
最近旅行記の更新ペースが落ちてますが、最後までしっかり作り上げたいと思いますので、ぜひまた遊びにいらしてください!
-
- ガブリエラさん 2012/09/06 11:29:50
- 建物が、本当に素敵ですねヽ(^o^)丿
- エンリケさん☆
おはようございます♪
今年の夏は、ブルガリアに行かれてたんですね!
まわりに、行った人がいないので、とても興味があります♪
アエロフロートの、説明書の顔、本当に笑っちゃうほど真面目ですね!
お国柄なのでしょうね(^o^)/
ブルガリアって、ヨーグルトのイメージしかなかったのですが、建物が本当に素敵で、これは行ってみたくなりましたヽ(^o^)丿
大聖堂、教会、どっしりしたフォルムで、いいですね♪
ワクワク♪
続きがとても楽しみです!
ガブ(^_^)v
- エンリケさん からの返信 2012/09/15 16:07:01
- いつもご訪問ありがとうございます!
- ガブリエラさん
こんにちは。いつもご訪問ありがとうございます!
ブルガリア、あまり行く人がいないので、“ヨーグルトの国”というイメージが先行しますが、実際行ってみると、人々は親切で温かく、自然も緑がいっぱいで日本のように美しくて、とても穏やかな国という印象をもちました。
これからもブルガリアの魅力を感じてもらえるよう旅行記を書いていきたいと思いますので、ぜひまた遊びにいらしてください!
-
- liberty-libertyさん 2012/09/05 13:48:16
- ステキな夏休みですね〜(^o^)
- エンリケさん、お久しぶりです!
この夏もきっと何処かにお出かけだろうなぁと思っていましたが
ブルガリアですかぁ(*^o^*)
ブルガリア・・・・・・
私もヨーグルトしか浮かばないけど(^o^;)
東欧っていうエリアも
漠然と知っているだけだったんですが
時間がゆっくり過ぎていそうな都市の街並み
ステキですね〜(^o^)
(でも、電気自動車も走っているようでしたね(^o^))
町の人達とエンリケさんの素朴なやり取りが
この風景にピッタリなカンジです。
これからどんな風景や食べ物や出来事を見せてくださるのでしょう♪
楽しみにしています(*^o^*)
- エンリケさん からの返信 2012/09/09 21:52:31
- いつもご訪問ありがとうございます!
- liberty-libertyさん
こんばんは。いつもご訪問いただきありがとうございます!
ブルガリアというと、やはり多くの方にとってはなじみがないですよね・・・。
最近はマニアックなところにばかり行くようになってしまって、周りからもいぶかられているところです(笑)。
そんなブルガリアですが、旅行記に訪問いただいたみなさんにできるだけ興味をもっていただけるように書き綴っていきたいと思いますので、今後もぜひまた遊びにきてください!
-
- 川岸 町子さん 2012/09/04 21:50:14
- 9月ですが、残暑お見舞い申し上げます!
- エンリケさん
ステキですね、東欧へ行かれていたなんて!
お帰りなさ〜い☆
私のブルガリアのイメージは、月並みですが、ヨーグルトとバラでしょうか♪
「カトリックのペルーや仏教のミャンマー、民間信仰の台湾(そして神道の日本)でもそうでしたが、イスラム教以外のどこの国でも、こういう場に来るのは女性が多い印象ですね。」
→そうなんですねー、気づきませんでしたぁ。
宗教色の濃い国って、そこからいろんな事が見えてきて、ますます興味尽きないですよね☆
「午後にこの教会を再度訪れた時には、司祭(神父)による祈りの言葉が発せられている最中でしたが、日本の仏教のお経のような響きが印象的でした。 」
→このような祈りの声や音って、心に響きますね。
独特な抑揚も新鮮ですね。
聖ペトカ地下教会
私、コチラのような教会、好きです!
古くって、朽ちた感じがして、でも味がある。
内部のフレスコ画も、見事ですねー!
この教会は、長年信者の喜びも悲しみも、見守ってきたのでしょうね。
聖ニコライ・ロシア教会
こちらの教会のグリーンが、ちょっとイスラムカラーみたいでステキです。
玉ねぎ頭も、かわいい♪
さて、道路を見ていると、路面電車用の線路のようなものが見えるのですが・・・走っているのですか?
では、リラの僧院を楽しみにしています♪
夏の疲れが出ませんよう・・・。
川岸 町子
- エンリケさん からの返信 2012/09/09 20:00:27
- いつもご訪問ありがとうございます!
- 川岸 町子さん
こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます!
北海道はもう秋の気配でしょうか?
東京はまだまだ蒸し暑く、さらにこの夏は激暑いところを旅してしまったため、もう体力が限界近いですね・・・。
早く涼しくなってほしいものです。
さて、ブルガリア旅行ですが、日本より犯罪率が高いと言われている割には危険を感じるようなことはなく、出会った人々はみな親切で、素朴で田舎っぽい国だなという印象を受けました。
この旅行の最後に訪れた大観光都市、トルコのイスタンブールとの対比もくっきりで、その辺も今後の旅行記に書き綴っていきたいと思っているところです。
> さて、道路を見ていると、路面電車用の線路のようなものが見えるのですが・・・走っているのですか?
ソフィアにはあちこちに路面電車の線路が張り巡らされていて、ソフィアを南北に走るマリア・ルイザ通りやヴィトシャ通りなどで朝早くから動いているのを見かけました。
こじんまりとした街の路面電車は情緒があっていいですよね!
ブルガリアはヨーロッパの片田舎で目立たない国ですが、ご訪問いただいたみなさんに興味を持っていただけるように書き綴っていきたいと思いますので、ぜひまた遊びにきてください!
-
- サウスピーチさん 2012/09/04 13:05:34
- ソフィア
- エンリケさん、こんにちは♪
長いフライトの後、現地に夜遅くに着いたものの、初日から親切な人達と出会えてよかったですね!
読んでいて、心がほっこりしました。 やっぱり現地の人達との温かい交流って、
旅をより一層楽しく、思い出深くしてくれますよね。
それにしても、深夜近くに、スーツケース持ったまま、あちこち写真を撮るなんて、すごい・すごい!
ヨーロッパと言えど、あまり歴史のことなど知る機会もなかったブルガリア。
古代ローマ時代から近代までの様々な歴史的背景の説明、そして、ブルガリアの国や土地情報など、
どれも初めて知ることばかりでとても面白かったです。
続き、楽しみにしています!
サウスピーチ :)
- エンリケさん からの返信 2012/09/08 21:21:50
- いつもご訪問ありがとうございます!
- サウスピーチさん
こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます!
ブルガリア、貧しい人が多くて犯罪の多い怖い国かと思っていたら、旅行を通して親切な人にたくさん出会え、人々が素朴で優しいいい国だなあと思いました。
絶景や世界遺産だけの旅にはもう飽き飽きしてきたので、これからもこんな旅が増えればと思います。
サウスピーチさんにはブルガリアの歴史や風土についても興味をもっていただいたようで、うれしい限りです。
こちらも旅行記をがんばって作った甲斐がありました。
この後も引き続きマニアックな旅が続きますが、ぜひまた遊びにきてください!
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