2012/08/11 - 2012/08/13
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sakaikazunoriさん
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「画面が暗い」だの「人間関係や政治状況が分かりにくい」だの、いろいろ言われている2012年のNHK大河ドラマ「平清盛」ですが、単純な勧善懲悪・二項対立的な源平合戦史ではなく、それ以前の院政期にもスポットを当てており、自分としては興味深く見ています。
さて、その放送以前から気になっていたのが保元の乱の敗者の描かれ方。山本耕史さん演じる悪左府・藤原頼長の描写ももちろん、崇徳上皇を演じ切った井浦新さんの熱演・怪演ぶりに圧倒されました。
ちょうどその前にBS「新日本風土記」で讃岐うどんも取り上げていた事から、急に思い立ったように「讃岐配流ツアー」が決行された次第です。
◆NHK高松放送局・ご当地サイト「崇徳上皇の足跡」
http://www.nhk.or.jp/takamatsu/kiyomori/
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- レンタカー 新幹線 JR特急 JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
この日は大阪市内で、ある会合に参加してから、夕方、讃岐に向かう事に。御堂筋線に乗って新大阪へ向かう途中の車内広告から、もうすでに上皇様が降臨w しかも「男にとって勝負とは?」と問い掛けてらっしゃいますw
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お盆の帰省ラッシュで込み合う中、大雨で新幹線のダイヤも乱れ、立ちっ放しで岡山まで。岡山から快速「マリンライナー」で瀬戸大橋を渡る時には、瀬戸内にちょうど日が暮れて行く頃合いでした。
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やって来ました、「うどん県 それだけじゃない香川県」
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そうは言っても「うどん県」。うどん三昧も今回の旅のテーマです。
ただ高松到着が夜8時頃だったんですが、たいていのうどん屋って夜まで営業していないんです(朝は早いんですが)。
そこで四国のフォローワーさんに教えてもらったお店に琴電に揺られて向かいます。
◆ことでん(琴平電鉄)
http://www.kotoden.co.jp/ -
黒田屋。
なんとも昭和的な佇まいです。
◆黒田屋田町店
http://tabelog.com/kagawa/A3701/A370101/37000933/ -
夕食は、かきあげうどん。薬味としてショウガをたっぷり効かせます。
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さて翌朝、再び高松駅に向かいますが…。
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朝食はやっぱり月見うどん。駅前のセルフ店にて頂きます。
◆めりけんや
http://tabelog.com/kagawa/A3701/A370101/37002284/ -
高知などもそうですが、四国の旅ではレンタカーは有力なアイテムです。特にJRの駅レンタカーは、営業所が細かく点在しているし、カーナビも完備、何より切符も割引になるというのでお得感があります。
さて、用意してもらったのは三菱の軽四。「ははぁー、ここは香川(照之?)だけあって三菱(弥太郎?)なのね」と妙に一人で納得した次第。
◆駅レンタカー
http://www.ekiren.co.jp/ -
まず目指すのは坂出市の白峯寺・白峯御陵。
坂出市内まで小一時間。五色台の山道を延々と上がって行きます。 -
これ、まだ道は良い方で、途中、ガードレールもない、対向車が来たらアウトって感じの道も通って上がって行きます。
よく四国遍路の観光バスとかあるけど、こんな山道を本当にバスが走って行くのかなとも。 -
やっとのことで駐車場です。思いの外、先客がいますね。
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四国八十八か所の第81番白峯寺。
「水曜どうでしょう」の大泉洋さんのごとくポーズを決めた写真を撮って境内に。
◆白峯寺
http://www.shiromineji.com/shiro-top.html -
まずは崇徳上皇を祀る頓証寺殿へお線香を捧げてお参りです。
この頓証寺殿は鎌倉時代の建久2年に崇徳上皇の讃岐の御所だった「木丸殿」を陵墓の前に移築して来て廟所としたものです。 -
その後、いよいよ崇徳上皇の白峯御陵へ。
参道の傍らには、夏の強い日射しの中、紫陽花が群れをなして咲き乱れていたのが印象的でした。 -
荘厳で威圧感もある白峯御陵へと続く長い石段。
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そして崇徳上皇の白峯御陵へ。誰かが手向けた供花がホッとします。
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御陵には誰も上がって来ません。うるさいほどの蝉しぐれの中の静寂感。なんだか凛とした空気もあり、不思議と落ち着いた感じになります。
正直、おどろおどろしさなどとは無縁の去りがたい感じもする空間。
井浦新さんが収録前にここを訪ねて来て、長い時間、過ごしていたというのがよく分かります。 -
白峯寺の駐車場近くから見た讃岐平野。
天気が澄み渡っていれば瀬戸大橋の方まで見えるんだと思ったけど…。 -
さて、今度は五色台を下りて高照院天皇寺と白峯宮へ。
高照院天皇寺は四国88か所の79番札所。最近は「水曜どうでしょう」で何故か有名にもなったというw
典型的な「神宮寺」形態というか、神仏習合的な立地を感じますね。 -
この鳥居が何とも独特な意匠です。
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そして扁額には「崇徳天皇」の御名が。
ここ白峯宮は崇徳上皇の死後、殯宮(もがりのみや)が置かれたところです。崩御の後、都から葬儀や埋葬についての指示が来るまでここに棺を安置していたという所です。 -
その裏手には「八十場の霊泉」が。
ここは夏場に亡くなった崇徳上皇の棺を冷やしていたという霊泉です。都からの指示を待っていたけど、結局、讃岐守によって葬儀が行われました。これは現代で言えば天皇陛下の大喪の礼を香川県知事に任されたという話。葬儀までも冷遇されていたんですね…。 -
豊富で清冽な湧水。ここで手を洗い顔を洗えば、暑さも忘れてスッキリします。本当に生き返ります。ドラマで言えば死の間際に生霊から素顔に戻られた崇徳上皇の、まさに憑きものが取れたような感じを想起させます。
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そしてこの清涼感。周囲から気温は3度は違うんじゃないかな。マイナスイオンとα波で溢れているような気がします。
思うに讃岐は元来、雨量が少なく水不足に悩まされて来たところ。古来よりこれほど豊富な湧水は神聖視されて来たんでしょうね。
崇徳上皇の棺を冷やしたという真偽は別にして、このような貴種流離譚と結びついて、村落の人々があがめて来たということなんでしょうか。 -
ここの名物はこの霊水を用いて作られる老舗のところてんです。
まるで讃岐うどんのセルフ店のように行列に着いてオーダーします。
◆清水屋
http://www.yasoba.com/ -
ところてんといえば、辛子醤油なのかもしれませんが、自分は葛餅風黒蜜掛けで頂きました。きな粉が香ばしくて、冷たくておいしい〜!!
まさに、「うどん県−それだけじゃない香川県」!! -
八十場駅近くの道の脇に「岩根の桜」跡。
往時は桜の名木が立っていて、崇徳上皇も和歌を詠みに来たという故地。
切り株が寂しさを際立たせます。 -
さてお昼ご飯は、やっぱり讃岐うどん。冷やのぶっかけです。
コシがあってうまい〜☆、そして「ちく天」の歯ごたえや!! -
ちなみに讃岐うどんのセルフ店。
まずうどん本隊をオーダーし、天ぷらなどの具材をトッピングして行き、いなり寿司やおにぎり、おでんなどのサイドメニューを取って、レーンの最後はお会計。食べた後は自分で下膳口へ。
何か懐かしいと思ったら、大学の生協食堂とかに似ているのね、このシステム。 -
讃岐府中の鼓岡神社周辺を巡ります。
鼓岡神社は崇徳上皇の配流先の御所(木丸殿)があったところです。
ちょっと小高い丘になっています。 -
境内には崇徳院の「瀬をはやみー」の百人一首の和歌の石碑が。
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拝殿右手には擬古堂。木丸殿を模して崇徳天皇没後750年祭を記念して大正2年に建てられたそうです。
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鼓岡神社の丘の麓には「内裏泉」跡があります。民家の陰でちょっとわかりにくいかも。
ここでも讃岐平野で貴重な水源と貴種流離譚が結びついているような気がします。 -
鼓岡神社の周辺の集落を歩くと崇徳上皇の故地・史跡が点在しています。
たとえば、これは菊塚。
一見すると、男性性器のような(苦笑)。でも民俗学的に性と死とのパトスを感じますね。 -
配流先の崇徳上皇と地元豪族との娘との間に子どもがいたのですね。
もしかすると、この子・顕末も上皇より早くに夭折しているのかもしれません。妻子を残して怨霊になるとは思えませんし。
実は地元には崇徳上皇が暗殺されたという伝説があります。
血統から言えば、白河上皇の血を引くも言われる治天の君・鳥羽上皇の嫡男。
つまりリリーフ登板した後白河天皇とは比較にならない血統の良さなんですね。皇室の正統な継承者で、その子たち(重仁親王や顕末)も優良な皇位継承権を有する者になります。皇統が不安定で正当性も怪しい場合、崇徳上皇の血統が京都中央から危険視されるのは頷ける話ではあります。 -
椀塚。讃岐の田園の中に溶け込むようにあります。本当に畑のド真ん中。あぜ道を通って行きます。
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亡くなった高貴な人のお椀や食器を埋葬するという風習があるのですね。フォークロア的にも実に興味深い。
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さて鼓岡神社の正面に戻ると、目の前に広がる水田の中に木々が茂っている個所があります。
実はここが讃岐国府跡。 -
讃岐国府跡から見る鼓岡神社(木丸殿跡)。こうやって見ると、崇徳上皇の住居が国府から200mほどの距離で丸見えで、その動向が監視されていたんだろうなぁというのが手に取るように感じます。
村人とのほのぼのとした生活も偲ばれますが、一方において国府の役人の目も光っている窮屈な生活だったのかもしれません。 -
さて讃岐の旅の終わりに、屋島へ。
ドライブウェイで屋島寺まで上がってしまったのですが、今度は屋島古戦場跡地もいろいろ回ってみたいもんです。
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