2012/06/05 - 2012/06/05
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世界攻略者さん
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私が今回旅行した中で、最も印象に残っているのが、メキシコ・シナカンタン村の民族服。優美でスタイリッシュ、とても日本人好みの民族衣装です。それがどのようなものなのか、村で開かれた定期市を通して紹介していきます。
**情報は2012年6月のもの。1ペソ=6円で計算。
==中米放浪記==
[1]中米の楽しみ方
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10688306/
[2]メキシコ・シティ - 遺跡見学とピープル・ウォッチ
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10686493/
[3]トラコルーラ - エプロンの似合う田舎の定期市
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687397/
[4]サンファン・チャムラ - 神秘のドアを開け
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10689039/
[5]シナカンタン - 日曜朝に咲く教会脇の小さなスミレ畑 <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687675/
[6]パレンケ vs ティカル どっちの遺跡対決
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687162/
[7]チチカステナンゴ - キラリと光る市場の脇役たち
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687114/
[8]サンフランシスコ・エル・アルト - キング・オブ・定期市
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687872/
[9]スニル/トトニカパン - 野菜と温泉の時間
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687621/
[10]ソロラ/サンティアゴ・アティトラン - 男の普段着対決
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687955/
[11]サンペドロ・ラ・ラグーナ - 山男、雨季に泣く
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687447/
[12]アンティグア - 元祖・沈没地の微妙な味わい
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687243/
[13]サンファン・アティタン - パープルタウンにタイムトリップ
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10688519/
[14]トドス・サントス・クチュマタン - 秘境で生き残るアメカジ・ストリート
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10686652/
[15]カンクン - 雨季でも楽しめるリゾートタウン
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10688720/
==中米放浪記・番外編==
[1]アレナ・メヒコ - ルチャリブレ観戦記
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10686736/
[2]グアテマラ チキンバス入門
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10689725/
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[目次]
シナカンタンへの道
一度目のシナカンタン
ソカロで反省会
日曜日の儀式
定期市
伝統衣装 - 売り場
その他の露店
ファッション・チェック - 男性編
ファッション・チェック - 女性編
伝統衣装 - 売り物
伝統衣装 - 応用編
まとめ -
[シナカンタンへの道]
シナカンタン(写真)へは、サンクリストバル・デ・ラスカサスの市場近くから乗合バンが出ています(25分、15ペソ=90円)。サン・フアン・チャムラと同じ方向にあるため、通常ツアーなどでは両方の村を訪れます。定期市が開かれるのも、チャムラと同じ日曜日。 -
私が村を最初に訪れたのは月曜日の午後。貴重な日曜日をオアハカの定期市に使ってしまったため、普通の日の訪問です。チャムラを見学した後、タクシー代(60ペソ=360円)をケチり、分岐点から歩いて村に向かったのですが、これが遠い遠い。まず「シナカンタンへようこそ」の看板(写真)まで道路を25分。
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看板に従い道路から村に下りていくと、そこは村のある盆地の一番端でした。本当は、そのまま道路を歩き続けるべきだったのです。
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この端っこの集落には、小さな教会と数軒の民家があるだけ。ひとりだけいた女性の服装から、ここがシナカンタンの一部であることがわかります。
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道路に戻るのも面倒なので、遠くに見える村の中心部まで盆地を突っ切って行くことにします。そして、これがまた遠い遠い。基本的に周りはすべて農地で、山の上までビニールハウスが並んでいます。栽培されている野菜は、キャベツ、サトウキビ、もろこし、赤カブなど。結局、30分もかけてメインの教会のある場所に到着しました。合計1時間。みなさん、素直にタクシーを使いましょう。
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[一度目のシナカンタン]
やっとこさ到着したものの、村の中心部は人通りがほとんどありません。ここまで来る途中だって、農作業する村人を数人見ただけです。みんなどこにいるの? ただし、見かけた女性は全員民族服を着ていたので、民族衣装着用率は高そうです。 -
今日は月曜ということで定期市はなし。教会の周りもガランとしています。
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唯一、近くにいたのがこの親子。写真を撮れ撮れうるさいので、撮ってあげたらチップ目当てでした。
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しばらくすると、子供らが教会から出てきました。教会内で何か行われているようです。中に入ってみると、小さな礼拝室のような場所で、民族服を着た大人たちが祈祷のようなことをしていました。ロウソク明かりの中、うっすらと浮かび上がる紫色の民族服の群れ。何なんだ、この美しさは!教会にさほど興味がない私でさえ、その幻想的な光景に思わず目を奪われました。内部は写真禁止のため、カメラに収めることはできず。その数秒間の残像が、ただ私の記憶の中にあるだけです。
たった数人いただけであれだけ美しいのなら、定期市の日はどれだけすごいんだろう?日曜日に来れなかったのが、残念でなりません。 -
その後、教会近辺をしばらく散策。この時初めて、この村には常設市場がないことを知りました。毎週日曜日、教会脇の広場に市が立つだけです。
そういう訳もあって、今日は教会周辺も人がまばら。これ以上いても何もなさそうなので、サンクリストバルに戻ることにします。教会裏に停まっている乗合ワゴン(写真、13ペソ=78円)に乗り、中央市場北のターミナルまで約30分。
写真: 男性にも普段から民族衣装を着ている人がいます。 -
[ソカロで反省会]
サンクリストバルに到着後、ソカロを観光していると、突然激しいスコールに見舞われました。あまりに雨足が強いので、雨が一段落するまで外を歩けません。旅行者にとっては、全くもって時間の無駄。雨で喜んでるのは、傘売りの男性(写真)だけです。特に石畳の道は排水溝がないため、すごい勢いで水が流れてきます。 -
ソカロの周りには、観光客が集まるようなお店やカフェが点在しています。そして、そこには商売熱心なサン・フアン・チャムラの女性に加え、シナカンタン出身の土産売りの姿も(写真)。実は、シナカンタンの女性は、サンクリストバルの市場や町中でもちらほら見かけます。だから、わざわざ村まで行かなくても、その美しい民族衣装は見られるわけです。
でも、一羽の蝶を見るのと蝶の大群を見るのとでは、全く違った体験ですよね。だから、何としてでも日曜日定期市を自分の目で見てみたい。そう思い続けた結果、二週間後に再びサンクリストバルを訪問することになりました。 -
[日曜日の儀式]
2度目のシナカンタン。朝サンクリストバルから乗合タクシー(15ペソ=90円)に乗り、25分ほどで到着です。9時半頃、教会前では、何かセレモニーのようなものが行われていました。ひょっとして、これが歩き方に書かれていた「村の指導者達」? -
黒い儀式用の衣装を着た男性が十数人ベンチに座り、そのそばで紫の民族服を着た男性が、ギターやバイオリンなどの弦楽器を演奏しています。この黒い服、サンファン・チャムラの儀式用の衣装とかなり似ていますよね。この2つの村は同じツォツィル系の先住民が住み、距離的にも近いため多くの共通点があるのです。ただし、普段着の民族衣装に関しては、180度方向性が違います。ひと通り演奏が終わった後、彼らは教会の中に入って行きました。
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約1時間後、ミサ終了と共に男性たちは再び現れ、教会敷地内を礼拝堂まで移動していきました。これらの儀式は、サン・フアン・チャムラ同様、本当は写真禁止なんですけどね。
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[定期市]
もちろん、私はこれらの儀式を見に来たわけではありません。日曜定期市を見に来たのです。ミサを少し覗いた後、すぐに隣のコンクリート広場(写真)に移動して、マーケットを観察します。 -
ミサ中にもかかわらず、定期市会場には沢山の人がいました。ミサが終わると、人はさらに増えます。
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全部で200人以上いるでしょうか。ほとんどが女性ということもあり、広場は紫色で覆われています。
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[伝統衣装 - 売り場]
なぜ女性ばかりかというと、売り物の7割が女性のファッションに関係したものだから。そうなると、売り手も買い手も女性が中心になります。母親+娘の組み合わせをよく見かけました。 -
この市場では、大半のお店が露店の形を取らず、ただシートの上に商品を並べて商売をしています。しかも、一列に並んで正座して!写真の商品は、柄のない巻きスカート。
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人気商品には行列ができます。
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普通、ブルーシートの上で売られるものといえば、安物の服やガラクタなど価値のないものばかりです。しかし、ここでは京都の老舗呉服屋のような品の良さ! 伝統衣装がそうさせるのか、シナカンタンの女性は、あまり大声を出さず、ボソボソと上品に話します。
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[その他の露店]
マーケットには伝統衣装以外の売り物もあります。写真は、アクセサリーのお店。こういう風に台やフレームのあるお店は、市場の端っこにあります。 -
教会への入口近くにある果物屋。食べ物屋台はそれほど多くありません。
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[ファッション・チェック - 男性編]
続いてファッション・チェックです。まずは男性から。シナカンタンには男性の伝統衣装もあります。普段の着用率は低めですが、今日のように儀式や教会のイベントがある日は別です。基本的に写真のような半袖シャツで、生地やデザインは女性の肩掛けとほぼ同じ。首の前後がV字になっていて、裾は糸状になっています。脇の下の部分は繋がっておらず、3つあるボンボン付きの紐を結んで固定します。あまり実用的な服装には見えません。 -
これは儀式用の衣装。先ほどの上着に加え、白い長袖シャツ、装飾の付いた灰色の頭巾、ツバの平らな帽子、黒い肩掛けなどが加わります。教会前で演奏していた時は、首周りが赤い黒コートを着ていました。
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[ファッション・チェック - 女性編]
続いて女性編です。上半身はブラウスだったり、カーデガンだったりといろいろ。普段、その上に肩掛けをしているので、中はよくわからないのです。巻きスカートは、紺や黒などの濃い色が主流。巻きスカートにもいろいろ種類がありますが、ここでは筒状のスカートを左右両側から絞って腰帯で固定するタイプ。私がインドで袈裟を着た時と同じです。こうすると、写真のように前方にマチができます。
この村では、頭にスカーフや飾り物をしている人を見かけせんでした。頭で荷物を運ぶ人もいません。靴は裸足+草履が大半。とにかく、シンプルに美しさを追求するのが、シナカンタンのスタイルです。 -
シナカンタンの衣装で最も特徴的なのは、その鮮やかな肩掛け。たいてい紫色ですが、タオルっぽい青色もあります。柄は基本的に花柄。構造的には一枚の長方形の布を三角形に折って、ボンボン付きの紐で結んだだけの単純なものです。
はおり方は二種類あり、結び目を真ん中にもってくるのと、片方の肩にもってくるもの。写真の右二人が真ん中派で、左二人が片寄せ派です。どちらも素敵ですが、片寄せ派の方がややスタイリッシュかな。 -
巻きスカートは、無地のものと刺繍が入ったものがあります。こちらも花柄中心なのですが、時々恐ろしく凝ったものを見かけます。まるで着物でも見ているような、刺青でも見ているような。シナカンタンの民族服は、それがどんなに凝っていようと、あくまでも普段着。農作業に出かける時も同じような服装です。
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なぜだか知りませんが、シナカンタンには太った女性がほとんどいません。オアハカのプクプク太ったオバサンたちとは対照的です。近隣のサンファン・チャムラと比較しても、細い人が多い気がします。ひょっとすると、引き締まった色の服でごまかしているだけかも..。いずれにせよ、ここで着られている紺系の丈の長いスカートは、細い人によく似合います。
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[伝統衣装 - 売り物]
次に、市場で売られている商品を見てみましょう。これは刺繍入りの巻きスカート。 -
これは花柄入りブラウス
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腰帯。デザイン凝ってます。
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エプロンや買い物カゴまで紫系でまとめます。
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最後に肩掛け。これは、教会前にある伝統衣装店に飾ってあったもの。品揃えを見る限り、観光客向けの店かな。
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この後、サンファン・チャムラの祭に行った時、市場内のお店でいろいろ見せてもらいました。気軽に冷やかせるところが、観光客向けのお店のいいところです。写真のように、肩掛けは広げるとただのタオルのような布になります。サイドに紐が二本ついていて、三角形に折ると、その紐がちょうど胸元の位置に来ます。
値段を聞いみると、写真のような肩掛けが200ペソ(1200円)。シナカンタンで見たものほど刺繍が凝っていませんが、思っていたより安めです。無地の巻きスカートが150ペソ(900円)。腰帯が100ペソ(600円)。男性の伝統衣装(上着)が300ペソ(1800円)。男性の服は買っても置き場に困るだけですが、女性の肩掛けはテーブルクロスなどの敷物としても使えそうです。 -
[伝統衣装 - 応用編]
伝統的かつファッショナブルなシナカンタンの民族服。その応用テクニックを見てみましょう。写真は赤ん坊を背負う布。他の地域では風呂敷にしか見えない布も、紫を基調にすると、すごく大切なものが入っているように見えます。 -
これは教会前で記念撮影をする家族。娘が洗礼、または七五三のようなイベントを迎えたようです。左端の女性、よく見ると普通のスカートを履いています。紫で合わせると、結婚式にでも着ていけそうな、高級感が生まれます。
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道を歩く若い女性。肩掛けを開いてカーデガンのように着ています。これは結構レアなスタイルで、あまり見かけません。さらには、色のコーディネートにも注目。左の女性は、スカートと全く同じ色のカーデガンを着ているため、つながった着物のようにも見えます。右の女性は、スカート、ブラウス、肩掛け、それにカバンまで同じ濃紺で合わせています。若い女性がおしゃれに凝るのは万国共通ですが、そのベクトルが素晴らしい!
この肩掛けはシナカンタンでは絶対的なアイテムで、リュックを背負う時でも、リュックの上に肩掛けをかぶせます。 -
[まとめ]
私が日曜日に合わせてサンクリストバルに戻ってきたのは、チュムラの祭りよりも、シナカンタンの定期市を見るのが目的でした。その甲斐あって、すばらしいものを見ることができました。まるでスミレ畑のような、静かで繊細なシナカンタンのマーケット。これが見られるのは毎週日曜日だけ。翌日には、何もないただの広場に変わります。
ところでここの民族服は、スタイルといい色使いといい、日本人にとても合うような気がします。遠くない将来、来るかもしれないですね、シナカンタン・ブーム。誰か流行られてくれないかな..。 -
[リンク集]
==中南米旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=10285&level2=&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
==少数民族巡り==
[中国] 雲南省・少数民族マーケットハンター 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573334/
[中国] 貴州省・ミャオ族、トン族のお祭り 全5作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10524183/
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