2012/06/13 - 2012/06/13
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世界攻略者さん
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たった2日間だけ過ごしたアンティグアを後にし、次に向かうはグアテマラ北西部の山岳地帯。旅行者があまり多くないため、秘境扱いされています。秘境といっても、山奥にあるというだけで、車で行けるしスペイン語も通じます。ただ、地理的に孤立してきたこともあり、いくつかの村では、男性の伝統衣装が今も現役です。今回訪問したサン・ファン・アティタン村では、若者もビシッと民族服を着こなし凛とした佇まい。まるで、中世にでもタイムスリップしたような錯覚を覚えます。
**情報は2012年6月のもの。1ケツァル(Q)=10円で計算。
==中米放浪記==
[1]中米の楽しみ方
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10688306/
[2]メキシコ・シティ - 遺跡見学とピープル・ウォッチ
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10686493/
[3]トラコルーラ - エプロンの似合う田舎の定期市
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687397/
[4]サンファン・チャムラ - 神秘のドアを開け
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10689039/
[5]シナカンタン - 日曜朝に咲く教会脇の小さなスミレ畑
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687675/
[6]パレンケ vs ティカル どっちの遺跡対決
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687162/
[7]チチカステナンゴ - キラリと光る市場の脇役たち
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687114/
[8]サンフランシスコ・エル・アルト - キング・オブ・定期市
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687872/
[9]スニル/トトニカパン - 野菜と温泉の時間 <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687621/
[10]ソロラ/サンティアゴ・アティトラン - 男の普段着対決
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687955/
[11]サンペドロ・ラ・ラグーナ - 山男、雨季に泣く
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687447/
[12]アンティグア - 元祖・沈没地の微妙な味わい
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10687243/
[13]サンファン・アティタン - パープルタウンにタイムトリップ <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10688519/
[14]トドス・サントス・クチュマタン - 秘境で生き残るアメカジ・ストリート
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10686652/
[15]カンクン - 雨季でも楽しめるリゾートタウン
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10688720/
==中米放浪記・番外編==
[1]アレナ・メヒコ - ルチャリブレ観戦記
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10686736/
[2]グアテマラ チキンバス入門
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10689725/
PR
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[目次]
サンファン・アティタンへの道
宿
村を散策
定期市 - 道路側
定期市 - 坂の道
若者
ファッション・チェック - 男性編
ファッション・チェック - 女性編
サンティアゴ・チマルテナンゴへの道
サンティアゴ・チマルテナンゴ
女の子の日
帰り道
まとめ -
[サンファン・アティタンへの道]
アンティグアからチマルテナンゴ行きのバスに乗り、1時間ほどかけてパン・アメリカン・ハイウェイへ。ここで、ウエウエテナンゴ行きのバスを待っていたのですが、先に来たケツァルテナンゴ行きに乗ってしまいました。まあ、あとで乗り換えればいいだけの話です。30Q(300円)。
中に入ると、これは珍しい一等バス(写真)でした。グアテマラではプルマンと呼ばれているもので、今回初めての乗車です。窓が大きく、座席もちゃんとした個別シート。後部にトイレもついています。よく考えると極めて普通の高速バスなのですが、比較対象があのチキンバスなので、気分はファーストクラス。私の乗ったバスはエアコンを使わず、天井の非常扉を開けて換気していました。 -
このバスは想像以上に乗り心地がよく、リラックスした雰囲気で外の景色を楽しめました。パン・アメリカン・ハイウェイは舗装状態がよく、アップダウンや急カーブが少なめ。無数の田園タウンを両側に見ながらのシーニックドライブです。こんな牧歌的な国道、他にないかもしれませんね。
こんなにいい景色だったんだ!この区間はすでに二度通ってますが、雨だったり、チキンバスの騒音や揺れのせいで、全く気づきませんでした。車内にはイーグルスの名曲が流れ、だんだんウトウト、ゆらゆら。久しぶりに味わう心地良い眠りです。 -
2時間半後、クワトロカミノスでウエウエテナンゴ行きのバスに乗り換え、さらに二時間乗車。20Q(200円)。アンティグアから半日かけて、やっとウエウエテナンゴ(通称、ウエウエ)に到着です。ウエウエのバスターミナルは発着便が多く、大変賑やかなところ。ここでメキシコ国境の町ラ・メシヤに行くバスを探して乗り込みます。
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メキシコ方面に30-40分走ったあたりで、今日の目的地サンファン・アティタンへの分岐(写真)が出てくるので、ここで途中下車。10Q(100円)。この場所の正式名称は知りませんが、サンタ・イサベルの集落を過ぎてすぐの場所です。
この先、村までバスはなし。坂の入り口でピックアップが待機しているはずなので、その荷台に乗ります。そう、荷台です! 10-15Q(100-150円)。 -
アティタンまでは、土を固めたジープ道で接続されています。この道を走る車の8割はピックアップ・トラック。しかも、たいていトヨタ製です。残り2割が、ランクルなどの4WDやSUV。私は、たまたま2キロほど先の古い分岐点で間違って降ろされたため、近くにいた男性が、ついでに村まで乗せていってくれました。これで、悪路を荷台に揺られずにすみます。
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道は山の山腹を走り、奥の集落までつながっています。民家は道の周辺だけでなく、山の斜面全体に点在。矢印の部分がサンファン・アティタンの中心部。
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[宿]
35分ほど車に揺られ、村の中心部に到着です。ここには、タウンホール(写真右)や村の教会があります。タウンホール前が公園とバスケットコートになっていて、道路を挟んだ先に軽食屋台が並ぶ場所があります。
現在、この村の宿泊施設は一軒のみ。道路から坂を少し登った場所にあります(写真矢印)。 -
この宿は主にグアテマラ人用ですが、旅行者も普通に泊まれます。ベットが4-5個並んだ大部屋が4-5部屋。料金は確か、30Q前後(300円)。
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[村を散策]
宿に荷物をおいて、町を見学。見学といっても、バスケット場周辺くらいしか見るものがありません。午後の遅い時間ということもあり、人の活動もまばら。それでも、紫の民族衣装を着た男性を20人以上みかけました。初めて見た感想は、期待通りのかっこよさ!気になる民族衣装着用率ですが、成人男性で3人に1人くらい。若者や子供はたまにいる程度。予想していたほど多くありません。バスケットを楽しむ若者もすべて普通の服。坂の上にある小学校も、普通に制服のようなものを着ていました。 -
村を散歩していると、斜面の下の方に観覧車が設置されているのを見つけました。なぜこんな辺鄙な所に!その隣には仮設のゲームセンターやビリヤード場も..。うーん、典型的な村祭りの風景ですね。これらは、恐らく移動式でしょう。観覧車を見ていると、民族服を着た酔っぱらいのおじさんが話しかけてきました。「あれは、5Q(50円)だ」「明日から、三日間祭りだ!」。どうも、近々祭りが開かれるようです。おじさん情報によると、明日スタート!
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その遊戯施設がある敷地の隣に小さな小屋があり、村人が中をのぞき込んでいます。
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私も中をのぞいてみると..牛を殺して部位に分けていました。どうもここは屠殺場のようです。
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そして、分けられた牛のパーツは、人の手によって、どこかに運ばれます。女性二人で頭。子供は足を一本ずつ。しかし、なぜ走る?
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宿に戻ると、私ひとりで占領していた大部屋に4人加わっていました。本当に祭りがあるらしく、マリンバ奏者や綿菓子屋など仕事で来た人達です。相部屋なので、平気でドアが開けっ放しになっています。ちょっとだけ荷物が心配..。
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[定期市 - 道路側]
翌朝、いよいよ定期市の日です。各種情報によると、サンファン・アティタンでは毎週木曜と日曜に市が開かれるとのこと。私が訪れたのは木曜日。朝9時頃外に出てみると、村のメイン道路は紫の民族服を着た人たちで賑わっていました。 写真は苗木屋。 -
これはバナナ屋。2つとも、その服装からよそ者ということがわかります。結構、外部から来ている売り手が多く、村入口の広場や道路脇には、トヨタ・ピックアップが40台ほど駐車されていました。
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昨日とは打って変わって高い民族衣装率。男性で7割超えているでしょうか。なぜ突然増えたかというと、アティトラン村は、広く民家が散らばっているので、普段、中心部に出てこない人が多いのです。そういう人たちに限って、普段から民族服を着ています。奥のほうに住んでいる人も、マーケットの日は乗合ピックアップ(写真)で駆けつけます。
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公園内のパビリオンに登り、上からマーケットの様子を観察してみます。ここの民族衣装は男女とも、紫か紫に近い赤や青が基調のため、市の日は道の端から端まで紫色に染まります。露店が並ぶのは、主にこの道路と、ここから坂を下っていく道(写真左下)の周辺。
公園近くにある銀行の方を見ると、営業開始前から長蛇の列ができていました。村で銀行があるのはここだけ。もちろん、ATMなどありません。市場に来るついでに銀行に立ち寄る人が多いようです。 -
[定期市 - 坂の道]
パビリオン正面の下り坂が、マーケットで一番賑やかで、混雑している所です。 -
この下り坂は、左にカーブして観覧車のある場所までつながっています。
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観覧車の手前の路地も、露店で埋まっています。昨日は何もなかったのに。それにしても、祭り期間とはいえ、こんな山奥まで観覧車やトランポリンを持ち込んだ業者に拍手を送りたいと思います。
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観覧車への坂を下りる途中、右手にある細い路地を進むと、屋根のある市場が出てきます。結構広く、売っている商品は食器や副食品、雑貨や毛糸など。昨日は気づかなかったので、普段もやっているかどうか不明です。
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市場端っこの路地では、コブラやオオトカゲの皮を使った、怪しげな実演販売が行われていました。何かの薬のようです。安いとはいえ、こういう健康に関わる商品を実際に買う人がいるから驚きです。グアテマラ版ガマの油売りといった感じ。
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[若者]
定期市の日に限って言えば、大人はもちろん、子供や若者も民族衣装率が高めです。バスケ場では、昨日と違い、選手はすべて民族服を着ています。村中から人が来ているので、友人を見つけてプレイヤーを揃えるのも簡単。さすがに試合中は、帽子と肩掛けは付けません。暑くなってくると、茶色の上着も脱ぎ捨てます。 -
私がアティタンで特に感心するのが、若者のりりしさ。あえて例えるなら、防衛大学校の幹部候補生のような感じです。真っ白なズボン、メリハリの効いた色使い、腰をしめる帯、肩にのせた織物、現代服を着る同級生がみすぼらしく見えるほど、完璧に着こなしています。また、ほとんどの若者が足が長く中肉中背。全体的に顔も精悍です。
そんな若者たちが、道の向こうから数人並んで歩いてこようものなら、何か全く違うファッション価値観を持った世界、たとえば江戸時代にでもタイムスリップしたような錯覚を覚えます。 -
とても自信に満ちて大人びて見えるアティタンの若者ですが、中身はまだ子供。バスケやビリヤード、ゲームに夢中です。それでも、どこか様になってるんですよね。帽子と肩掛けのビジュアル効果が大きいのかな。
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[ファッション・チェック - 男性編]
さて、お待ちかねのファッション・チェック。まずは男性から。上着ですが、紫やベージュ、青を基調とした長袖ストライプシャツで、長く飛び出した襟と袖の部分に刺繍が入っています。その上に、黒か茶色の長方形のコート?を着て、ベルト代わりの帯で縛ります。この帯にも刺繍があり、カラーリングは上着とまったく同じ。
ズボンは、お洒落な大学生が履いていそうな白い綿のズボン。靴は山の民らしく、丈夫そうなヤツを履いています。これに加え、黒と紫のリボンの巻かれたお洒落な帽子をかぶり、肩にシャツと同じ色の布を置き、肩からポシェットをぶら下げます。結構アイテム多いですよね。一番上のコート以外は、普通に現代でも通用しそうです。 -
この茶色のコート、よく見ると馬鹿でかいマフラーを首からかぶっているようにも見えます。肩の部分に布が出ているので、どことなくTV局のプロデューサー風。その上に、畳んで置かれた肩掛けの布が、ワイルドな外観に落ち着きを与えています。
男性の民族服で肩掛けが使われるのは、かなり珍しい方です。これ、いったい何の役割があるのでしょう。風呂敷として使用しているのは一度も見ませんでした。おじいさんのような年代の人が、帽子の下、頭に巻いているのを何度か見たくらい。その程度しか使わないのなら、必要ないと思うのですが、ほとんどの人が肩に置いています。実用よりも、スタイル重視でしょうか。 -
紫のストライプシャツですが、これと現代服を組み合わせて着ている子供を、何人か見かけました(写真)。ぱっと見、長い襟に気が付かなければ、普通の長袖シャツにしか見えません。よく見ると、脇の下は閉じておらず、少し空間があります。ムレ防止?
ところで、この紫シャツ、どこかバルセロナのユニフォームに似てますよね。そのせいなのか、この村でサッカーユニフォームを着ている人は、たいていバルセロナやインテルなど、色が民族服に似たチームのものを愛用しています。 -
[ファッション・チェック - 女性編]
ここまで、女性の民族服について触れてきませんでしたが、他の村同様、ほとんどの女性が民族衣装を着ています。スカートは黒か濃紺で、ほとんど無地に近いもの。上着は、紫が基調で、胸から上に刺繍が入っています。頭に赤い帯を巻いている人もよく見かけます。 -
この上着は少し変わっていて、一見ウィピルのように見えますが、下半分は赤や紫の縦縞模様になっています。実はこれ、ストライプ模様の生地の上に、胸・背中・腕の部分だけ刺繍をした結果、2つの違う素材をくっつけたようなデザインになっています。下の部分は自分のウェストサイズに合わせて折りたたみ、余った部分を後ろの腰帯に挿しこみます。前から見ると細長いポケットのようになっていて、後ろから見ると着物の太鼓のような感じ。
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民家の庭で面白い物を発見しました。女性の上着には、袖のないタイプが存在するようです。写真は、洗濯物として干してあった上着。袖のない四角い生地の上に、刺繍の跡があります。恐らく、このような形でも、腰の方で絞れば、半袖のように見えるのでしょう。
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下の布を背中で縛るのが面倒な人のために、このような短めのデザインもあります。こちらは、少し涼しそう。
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[サンティアゴ・チマルテナンゴへの道]
マーケットをひと通り観察した後、次に挑戦したのが「近隣の村への散歩」です。この一帯は山岳地帯ですが、ジープ道や山道を使い、村から村へと移動することが可能です。ただし、道が悪いため、必ずしも車で行けるとは限りません。候補は2つあり、次の目的地であるトドス・サントス・クチュマタンと、隣町のサンティアゴ・チマルテナンゴ。前者は5時間もかかるうえ、道もわかりにくいので今日はパス。後日、村人をポーター(150-200Q)として雇って移動しようと真剣に考えていたのですが、祭りの日に人を見つけるのは難しいということで、こちらも断念。
一方、サンティアゴ・チマルテナンゴ(以下、チマルテナンゴ。アンティグア近郊のチマルテナンゴとは違います)の方は、日帰り可能な距離で、メインの道路をまっすぐ行って峠(写真矢印)を越えて行くだけ。宿の主人の話では、所要時間は二時間。私の歩行スピードなら、一時間半で着くかもしれません。 -
バスケ場の前からスタートし、ジープ道を奥の集落に向かって歩き出します。実際に歩いてみると、これが半端無く長い!緩やかな登りとはいえ、峠までで1時間弱もかかりました。とりあえず、峠の売店(写真)で水袋を購入して給水。
峠までは、道路脇に民家や集落がポツポツあるので、孤独感はありません。男性はあいさつすれば、元気にあいさつを返してくれます。一方、女性や子供はやや怪訝な表情。生でチーノを見ることなど、人生何度もないでしょう。彼女らの脳内マップを分析したら、「80% 人さらい」と出てくるかもしれません。それほど、旅行者がこの道を歩くのは珍しいことです。ちなみに、乗合ピックアップらしきものを何度か見たので、この区間は歩かなくて済んだかもしれません。 -
峠を越えると、遠くにチマルテナンゴの村が見えてきます。うーん、まだ半分以上ありますね。チマルテナンゴの村は、アティトランと違い、民家が集まったやや大きめの集落です。
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ここから、急な道を20分程下ります(青い線)。石をコンクリートで固めた道で、石が道路からボコボコ出ていて、歩きにくいったらありゃしない。人にも車にもアンフレンドリーな悪路です。一応、坂に沿って民家があり、住民の民族服はアティタン村のものでした。
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コンクリートの坂が終わると、ほぼフラットなジープ道が始まり村まで続いています。全体的には緩やかな下り。この区間、民家はひとつもありませんでした。斜面の上の農地で作業する男性数人と、一台車が走り去るのを見ただけです。この道を40分ほど歩いた後、道は舗装道路に変わり、最後に少しだけ登ってサンティアゴ・チマルテナンゴに到着です。トータル2時間強。 私でさえ二時間切れなかったんだから、目安時間は2時間半-3時間といったところです。
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[サンティアゴ・チマルテナンゴ]
そのまま歩いて、教会と公園のある町の中心部へ。あれっ、何か変だぞ。街には女性しかいません。どうなってるの? 実際には男性もいるのですが、私が民族衣装を着ていない人を無視する癖がついているため、女性しか目に入らないのです。ここチマルテナンゴでは、男性が民族服を着ることはありません。 -
ここの女性の民族服は、紺のシンプルな柄の巻きスカートに、赤いウィピルが中心。その他、赤い帯で髪の毛を結っている女性が沢山います。やり方は、髪を束ねた後、帯でグルグル巻きにし、右側から前にもってきます。そして、余った髪を残りの帯で固定。
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髪の毛が多い女性だと、ほとんどターバンのようになってます(右側の女性)。赤い帯を頭に巻いている女性はアティタンにもいましたが、ただ単に巻いているだけ。髪の毛は縛っていません。アティタンとチマルテナンゴ、峠ひとつ越えるだけで全く違う伝統が受け継がれているようです。
チマルテンゴの中心部にはタウンホールと公園があります。そのすぐそばに市場もありますが、非常に小さなもの。金曜日の定期市でないと、十分に民族衣装を見れないかもしれません。でも、真っ赤なウィピルが並ぶマーケットの様子、見てみたいですよね。想像するだけで美しそう。 -
とりあえず、今日は撤退。同じ道(青い線)を戻る気力は残ってないので、公共交通手段を使って、遠回りなルートでアティタンに戻ります。チマルテナンゴには、ウエウエから直通バスが来ています。時刻は午後三時。すでに最終バスが終わっていたので、乗合バン(15Q、45分)に乗り、パン・アメリカン・ハイウェイまで山を下ります。そこで、ウエウエ行きのバスを捕まえ、昨日と同じアティタンへの分岐まで乗車(10Q、30分)。最後はピックアップの荷台(15Q)に40分ゆられてなんとか村に戻りました。トータル、40Q(400円) 2時間15分。歩いて戻る場合と、だいたい同じくらい時間がかかりました。
トゥクトゥクでダイレクトに帰ることもできますが、料金は100Q(1000円)とか200Q(2000円)とか言い値の世界。誰だってあのコンクリートの坂、運転したくないですからね。そもそも、トゥクトゥクにその馬力があるかどうか疑問です。 -
[女の子の日]
アティタンでは、もう一泊することにしました。今晩、お祭りの前夜祭があると聞き、期待して残ったのです。そのお祭りとは、「CORONACION DE LAS SEÑORITAS Y NIÑAS」というもの。直訳すると、お嬢さんとお嬢ちゃんの戴冠式。正直、何をどう祝っているのかわかりません。
夜8時、宿にいると突然、広場から花火が上がり、タウンホールの中からコンサートのような音楽が聞こえて来ました。坂を下りて行ってみると... 王冠のようなものをかぶった少女3人がステージの椅子に座り、歌手らしき男性がお祝いの歌を熱唱しているところでした。 -
歌が終わると、少女のひとりが代表してあいさつ。天才子役顔負けの完璧なスピーチで、両親に感謝の言葉を送ります。よく見ると、伝統衣装を着て王冠らしき物をかぶっています。これで、祭りのタイトルが、少しだけ理解できました。ただ、何を祝っているのかは不明。七五三みたいなもんですかね。
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セレモニー的なことが終わった後、ステージ上で村人による出し物が始まりました。歌や演奏、踊りなどの演目が、次から次へと続きます。ホールの中は、プラスチック椅子に座った観客が300人くらい。立ち見の出る盛況ぶりです。観客が一番盛り上がるのがコント風の寸劇(写真)。雑なプロットの小芝居で、観客の爆笑を誘います。日本だと、観客の目が肥えすぎていて、こういったゆるい笑いが許されるのは、小学校のお楽しみ会くらい。幸い、この山あいの村では、今でも町の「面白いおじさん」が活躍する場所があります。
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最後の方になると、若い女性が出てきてディスコダンスなど、ややセクシー路線の出し物。結局、前夜祭は4時間も続き、夜の12時に終了しました。明日や明後日は、学生によるパレードや、招待バンドによるコンサートが行われるそうです。
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[帰り道]
翌朝、2泊したサン・ファン・アティタンを去る時がやってきました。宿をチェックアウトしてメインストリートに下ります。まだ6時半なのに、ピックアップが次々と民族服を着た人たちを運んできます。通勤? 通学? それもあるでしょうが、多くはお店や祭りの準備に来た人のようです。祭り期間のため、木曜日でない今日も多くの露店が並びます。 -
乗合ピックアップ(10Q=100円)に乗りこみ、これで印象的なアティタンの町ともお別れ。パン・アメリカン・ハイウェイに向かってジープ道を下っていきます。下の道路と村との高度差は約800メートル。眼下には雲が見えています。たった40分の距離ではありますが、この距離がアティタンと外界とを隔ててきました。幹線道路に到着後、バス(5Q、30分)を拾ってウエウエへ。ウエウエからは、次の目的地トドス・サントス・クチュマタンへのバスが出ています。
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[まとめ]
サンフアン・アティタンは、一般のガイドブックに載っていないため、訪れる人はごくわずかです。このような、人が行かない定期市にひとつでも行っておくと、何か自分が上級旅行者にでもなった気がするから不思議です。
ウエウエテナンゴから1時間ちょい。距離的には決して秘境ではありませんが、非日常が味わえること間違いなし。時間に余裕がある人は、ぜひ山をひとつ越えて、この不思議なパープルタウンを覗いてみて下さい。私とはまた違った発見があるかもしれません。
写真: 民族服ワイルド版 - 馬と犬をひきつれ、腰帯にナイフ。 -
[リンク集]
==中南米旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=10285&level2=&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
==少数民族巡り==
[中国] 雲南省・少数民族マーケットハンター 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573334/
[中国] 貴州省・ミャオ族、トン族のお祭り 全5作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10524183/
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